秋のきれいな月を指す「中秋の名月」という言葉。
聞いたことはあるけれど、詳しくはしらないなぁ…、という方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、中秋の名月について詳しくご紹介します。
中秋の名月とは何なのか・なぜお月見をするのかなど、気になるあれこれについて知識を深めていきましょう。
秋のきれいな月を指す「中秋の名月」という言葉。
聞いたことはあるけれど、詳しくはしらないなぁ…、という方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、中秋の名月について詳しくご紹介します。
中秋の名月とは何なのか・なぜお月見をするのかなど、気になるあれこれについて知識を深めていきましょう。
「そもそも中秋って何?」というところから気になる方も多いのでは。言葉の意味や中秋の名月がどのような月を指すのかを紹介します。
中秋の名月とは、旧暦8月15日に見える月です。
現在の太陽歴では、9~10月ごろとなります。
旧暦では、月の見えない「新月」を月の1日目として数えるのが決まりです。
月は徐々に満ちていき、15日目は丸く大きな月となります。
昔の人は、見ごたえたっぷりな秋の月を「名月」と言ったのですね。
ちなみに、秋のきれいな月を指す言葉には「十五夜」もありますよね。
十五夜と中秋の名月は、どちらも同じ意味です。
2022年の中秋の名月・十五夜は、9月10日となります。
それでは、「中秋」とは何かというと、「秋の真ん中」という意味を指す言葉です。
旧暦では、春は1・2・3月、夏は4・5・6月、秋は7・8・9月、冬は10・11・12月…とはっきりと分かれていました。
旧暦8月は秋の真ん中の月に該当するため、8月の美しい月は「中秋の名月」と呼ばれていたのです。
「新月から数えて15日目」の月は満月になるはずですが、実は必ずしも満月になるわけではありません。
これは、旧暦の日にちの数え方と、実際の月の満ち欠けの周期がズレているため。実際に月が新月から満月になるまでには、13.9日~15.6日と大きな開きがあります。単純に「15日目だから満月」というわけではないのです。
ちなみに2022年の中秋の名月は、満月となります。空を見上げると、まん丸なお月さまが浮かんでいるはずですよ!
満月は、毎月必ずやって来ます。
にもかかわらず、なぜ旧暦の8月のみが「名月」といわれるのでしょうか?
中秋の名月にお月見をする理由について紹介します。
月を見上げて楽しむ習慣は、中国の「中秋節」が由来であるといわれます。月がきれいな秋の夜、人々は月を見上げてその年の豊作を感謝しました。
この習慣が平安時代の日本にも伝わり、観月会(かんげつかい)という宮廷文化になったといわれます。
お月見の習慣が庶民にまで広まったのは、江戸時代になってからです。
中秋の名月が芋の収穫の時期に重なることから、地域によっては満月を「芋名月」と呼ぶ習わしも残っています。
なお、日本の習慣では、中秋の名月すなわち十五夜と併せて「十三夜」というものがあります。
これは、新月から数えて13日目の月を眺めること。
どちらか片方の月だけを見るのは「片見月」として敬遠されました。
秋に月を見上げる習慣ができたのは、秋の月がとりわけ美しいためです。
まず秋の月は、月の昇る高さがちょうどよいのがポイント。
オレンジ・黄色・白などとゆっくり変化し、月の変化をじっくりと楽しめます。
夏は月が昇るのが遅く、月の色の変化を楽しむのが困難です。
一方、冬は早すぎて、同じく色の変化までは楽しめません。
月が美しく見えるのは、秋や春です。
ただし、春は空気中のチリやホコリが目立ちやすくなる時期でもあります。
湿度が高い・黄砂が飛んでくるといった現象もあり、月がはっきりと見えません。
「おぼろ月」といわれるとおり、にじんだようにぼんやりしがちで、春の月はお月見には不向きです。
空気が澄んで月の形・色がはっきり見える秋こそが、お月見に最適な季節というわけですね。
お月見のイラストなどを見ると、ウサギが餅つきをしている様子が描かれていることがあります。
これは、月の模様が、ウサギが餅つきをしているように見えるため。
日本ではウサギですが、中国では「カニ」、西洋では「美しい女性」に見立てられるそうです。
また、中国では「月のウサギが不老不死の薬を作っている」とする神話もあるのだとか。
月=ウサギのイメージはこのあたりから来ているのかもしれませんね。
秋の気分を盛り上げるなら、おうちでお月見をするのも楽しそうです。
秋の夜を満喫するためにそろえたい、お月見に必要な物を紹介します。
お月見といえばまず用意したいのが月見団子です。中秋の名月が近づくと、スーパーや和菓子屋などで多く販売されていますよね。
お月見で団子をお供えする習慣が広まったのは、江戸時代に入ってからなのだそう。その年に収穫したお米でお団子を作り、豊作への感謝と次の年の豊作をお祈りしました。
月見団子を並べるときは、お団子をピラミッドのように高く積み上げ積見上げます。15個を3段に並べるのが正式なスタイルですが、12個や5個でも構いません。
またお団子を手作りする場合は、まん丸にするのは避けましょう。まん丸なお団子は、死者の枕元にお供えするお団子です。少しだけ上を潰して、ほどよい丸さに仕上げてくださいね。
なお関西地方などでは、まん丸ではなく里芋型のお団子が一般的なのだそうです。
お月見にお供えするものとして、ススキも非常によく知られていますよね。
ススキは、稲穂の代用です。
お月見には豊作を祝う意味がありますが、中秋の名月の時期にはすでに稲穂がありません。
そのため形状のよく似たススキを稲穂に見立ててお供えしたのだそうです。
また、ススキは切り口が鋭いことから、古来「魔除け」として使われてきました。
空洞の茎部分には神様が宿るともいわれており、お月見では魔除けや厄除けの意味でも必ず飾られていたのです。
とはいえ、都市部に暮らしているとススキを手に入れるのは案外難しいかもしれません。
そんなときは、西洋ススキとも呼ばれる「パンパス」がおすすめ。
ススキが手に入らない場合は是非作ってみてください。
お月見気分を盛り上げるなら、お月見団子で工作を楽しむのもおすすめです。ウサギやお団子も付けて、アレンジを楽しんでみてくださいね!
より本格的にお月見を楽しむなら、「秋の七草」も用意してみてはいかがでしょうか?
秋の七草とは、以下の七つです。
薄(すすき)
萩(はぎ)
撫子(なでしこ)
女郎花(おみなえし)
葛花(くず)
藤袴(ふじばかま)
桔梗(ききょう)
秋の七草は、春の七草とは異なり、目で見て楽しむだけのものです。
食べられないので、注意してくださいね。
とはいえ秋の七草も、全て調達してくるのは難しいかもしれません。
近年はお花屋さんで、お月見用に作られたフラワーアレンジメントを販売しているところがあります。
お月見気分を盛り上げるなら、セットやキットを使ってもよいかもしれません。
お供えした月見団子は、お月見が終わったら家族みんなでいただきましょう。
月の光に当てたお団子には、月のパワーが宿っているといわれます。
月の力を分けてもらうことで、ケガや病気がなく幸せに過ごせるのだそうですよ!