子どもってどんぐりが大好きですよね。私調べですが、ダンゴムシと張るくらいの人気です。秋の公園へ行くとポケットいっぱいに拾って帰り、こっそり捨てようものなら泣いて怒る……うちの子の場合ですが(笑)。今年も拾ってきたどんぐりが大量にあるので、なんとか活用できないか調べてみると、無数のどんぐり遊びがヒット! そこで今回はどんぐりを使ってできる遊びのアイデアをご紹介。どんぐりから発生する恐怖の!?「虫」を処理する方法もレクチャーします。
そもそも、どんぐりとは?
秋が深まってくると、森や公園には色んな種類のどんぐりがいっぱい。「どんぐり」とはブナ科の植物の実のことで、日本には22種類もの固有種があり、交雑種や変種、亜種を含めるとさらに多くのバリエーションがあります。秋の味覚として名高い「栗」もドングリの一種です。
遊ぶ前にまずはどんぐりから発生する虫を処理
「子どもが拾ってきたどんぐりを放置していたら、小さな白い虫がウヨウヨ出てきた!」という経験はありませんか。これは通称 “どんぐり虫” と呼ばれるゾウムシやハイイロチョッキリの幼虫のこと。どんぐりがまだ青い時期に、これらの虫が小さな穴を開けて卵を産みつけます。どんぐりの中で孵化した幼虫は、中身をエサにして成長していき、大きくなったら穴を空けて外に出てくるのです。
せっかく子どもたちが拾ってきたどんぐりを、心配なく遊びや製作で楽しむために、まずは虫封じの処理をしましょう。効果的な方法を2つ紹介します。
煮沸で虫封じする方法
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どんぐりの選別をする。割れているものや穴が空いているものは取り除く。
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どんぐりを水洗いする。貯めた水に沈めて、浮いてくるどんぐりは取り除く。
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鍋にどんぐりと水をたっぷり入れ、火にかける。ポイントは必ずどんぐりを「水」から入れて煮沸すること。沸騰したお湯の中にどんぐりを入れると、急激な温度変化で殻が割れてしまうことがあるから注意。
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沸騰したら、小さなどんぐりで3~5分ほど、大きなどんぐりなら10〜5分ほど茹でる。
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煮沸後は水を切り、風通しのよい場所で3日~1週間ほどを目安に陰干しし、自然乾燥。湿気が原因でカビが生えないよう、しっかりと乾かす。
※お子さんと一緒に作業を行う場合、熱湯の取り扱いには十分ご注意ください
冷凍で虫封じする方法
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どんぐりの選別をする。割れているものや穴が空いているものは取り除く。
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どんぐりを水洗いする。貯めた水に沈めて、浮いてくるどんぐりは取り除く。
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どんぐりをビニール袋に入れ、冷凍庫に入れる。
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1週間ほど経ったら取り出し、新聞紙などの上に並べて常温解凍。水滴が残ったままだとカビが生えるため、3日~1週間ほど陰干しをして、しっかりと乾燥させる。
電子レンジで駆除する方法は危険!
鍋を使わず乾燥の手間も省ける手軽な方法ですが、どんぐりが破裂する恐れがあるためおすすめできません。20秒程度なら大丈夫という説もありますが、電子レンジから出した瞬間に爆発したという話もあるため、避けたほうがよいでしょう。
仕上げにニスを塗れば完璧! 保管するなら乾燥剤を
どんぐりを処理し乾燥させると、色が悪くなりツヤがなくなります。木工用のニスを塗ることで艶やかに見栄えし、割れも防ぐことができます。また、どんぐりを保存するのであれば、容器の中に乾燥剤を一緒に入れておくとカビ防止になります。
どんぐりの知育遊びアイディア6選
拾ったどんぐりがひとつあれば、おままごとを始めたり、子どもたちはいろんなものに見立てて遊びます。そんな子どもの想像力をさらに豊かにする、遊びのアイディアをご紹介。どんぐり拾いができるのは、ちょうどホリデーシーズンが近づく頃。クリスマスをモチーフにした製作にもぴったりなんです。
どんぐり福笑い
どんぐりのほか、松ぼっくりや木の枝、葉っぱを使って、顔を作ってみると思いのほかおもしろい! 置き方が変わるだけで表情が変わるので、子どもは大ウケです。葉っぱの上だけでなく、土の上に丸を描いて輪郭に見立てたり、画用紙の上に毛糸で輪郭を形どってもOK。紙皿の上で顔を作り、両サイドに輪ゴムを通せば、お面の出来上がり♪
どんぐり弁当
からあげやポテトetc.どんぐりや葉っぱ、木の枝を好きなおかずに見立てて、秋の味覚いっぱいのお弁当に。まずは材料を集めに行き、帰ってきてから材料を並べてバイキングのように詰めても楽しく、遊びが広がります。これは実際に息子が保育園で作ってきたものを見て、小1の娘も作りたい!となり、再び公園へ行き材料を集め作りました (笑)。お弁当箱に詰め終わったら、ピクニックごっこを楽しもう!
どんぐりマネー
娘が大好きな絵本『おちばいちば』は、小さくなった主人公が、どんぐりぼうしのお金で買い物に出かける話なのですが、そこからインスパイアされて、どんぐりをごっこ遊びのお金に見立てた、どんぐりマネーがこちら。おみせやさんをひらいて、ママやお友だちと交換っこ。実はいろんな形や大きさがあるどんぐり。並べたり、比べたり、分けたりすることは、数の学びにもつながります。それぞれの違いを見つけて、図鑑で調べてみるのもいいですね。
どんぐりケーキ
こちらはASOPPA!のレシピ記事を参考に、パティシエ気分で製作したどんぐりケーキ。程よく切ったトイレットペーパーの芯に紙粘土を詰め、どんぐりや木の枝をトッピングしてクリスマスケーキのオブジェに。翌日には紙粘土が固まるので、ごっこ遊びも楽しめます。
どんぐりツリー
色画用紙に大きさの違うどんぐりを三角形になるように並べて、平面のクリスマスツリーを表現。仕上げに工作用の人工雪スプレーを吹きかけて雰囲気をアップ。タペストリーのように飾ります。
どんぐりリース
紙皿の真ん中をくり抜き、拾ってきたどんぐりや鮮やかな色の落ち葉、スパンコールなどを自由に飾り付け。仕上げに引っ掛けるためのリボンをホチキスで留めたら出来上がり。紙皿があればリースの形が決まるので、子どもでも簡単に作れます。
どんぐりって食べられるの?
渋みのある成分により、人間が食べて美味しいどんぐりというのは、栗を除き多くありません。とはいえ、時代をさかのぼれば、主食が米や小麦に変わる前、どんぐりは私たち日本人を支える貴重な食料のひとつでした。縄文時代の遺跡からはどんぐりの加工に使われた道具や炭化したどんぐりがたくさん出てきます。
実は栄養価も高く、最近は有害物質を体から排出してくれるデトックス効果も注目されているとか。子どもたちが夢中になってどんぐりを拾うのは、もしかしたら、大昔にどんぐりを拾い続けたDNAが残っているからなのかもしれませんね。
まとめ
文/Ai Kano