2020年に小学校における英語の必修化がスタートしましたが、どのように変わったのか、子どもたちの英語学習はいつから始めた方が良いのかなど戸惑いを感じるご家庭も少なくないのではないでしょうか?
特に小学校に就学する前のお子さんがいるご家庭では、うちの子はいつから英語に触れさせようかと悩まれている方も多いかと思います。
そこで、ASOPPA!会員の方に英語教育についてどのように考えているのかをアンケートにて回答していただきました。
幼児などのお子さんがいるご家庭の方が、英語学習をどの程度意識しているのか、どうしたいと考えているのか、1つのご参考としていただければと思います。
小学校の英語必修化ってどんなこと? なぜ必要なの?
英語の必修化のポイント
文部科学省「新学習指導要領全面実施に向けた小学校外国語に関する取組について」によると、英語の必修化については2017年以前から移行準備は行われており、学校によっては「活動」として、英語の音に親しむなど少しずつ導入されてきていました。
2020年を迎えた後は、以下のように新学習指導要領として記されています。
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5・6年(教科) 年間70単位時間(週2コマ程度)
・音声に十分慣れ親しんだ上で、段階的に「読むこと」「書くこと」を加える
・指導の系統性を確保 -
3・4年(活動) 年間35単位時間(週1コマ程度)
・「聞くこと」「話すこと(やり取り・発表)」を中心
・外国語に慣れ親しませ、学習への動機付けを高める
このように必修化された5・6年生ではもちろんのこと、3・4年生でも「活動」として英語に触れる時間が出てきます。
また、学校によっては国語の授業の一部に英語を取り入れるなど、1年生から英語に触れることができる環境を準備していることもあります。
その他、学校側の対応として英語担当教員の増員や指導力強化の研修を行うなど、英語の必修化に対する動きが進んでいるとされています。
しかしながら、教員の方の負担増などもあることですので、そちらにも目を向ける必要がありそうですね。
そもそもなぜ、必修化とする必要があるのか
“グローバル化の進展の中で、国際共通語である英語力の向上は日本の将来にとって極めて重要である。アジアの中でトップクラスの英語力を目指すべき。今後の英語教育改革においては、その基礎的・基本的な知識・技能とそれらを活用して主体的に課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等の育成は重要な課題。”(文部科学省「今後の英語教育の改善・充実方策について 報告」)
日本政府観光局によると2019年の訪日外国人は約3188万人とされています。2020年は新型コロナウィルスの影響で減少しているかと思いますが、2000年では約450万人、2010年では約860万人と10年間でおよそ2倍だったのに対し、現在では10年前の2010年と比べおよそ4倍と急激に訪日外国人が増加しています。
そう言われてみると街中などでも外国の方をよく見かけるようになった気がするのではないかと思います。
当然、ビジネスシーンでも英語を使う頻度が増加することは予想でき、国際共通語である英語によるコミュニケーションが重要となってきます。
しかしながら、一部では日本の英語力はアジア圏の中でも低いという話を聞いたことがあるかもしれませんし、実際、英語が苦手と感じている方もいるかと思います。
日本人の英語力が低い理由として、学習方法の問題や英語と日本語という言語そのものに違いが多い、英語を話す機会に乏しいなどいろいろと挙げられていますが、本質が何なのかは定かではありませんのでここでは深く言及はいたしません。
このように、グローバル化が加速するであろう今後の日本において、英語に親しみ、英語力を上げようとする取り組みは、将来を担う子どもたちにとっては有益なことだと言えるのではないでしょうか。
もちろん、必ずしも英語を使うというわけではありませんので、子ども自身やご家庭の状況に合わせられる仕組みがあると良いですね。
英語を習わせたいと考えている人が大多数
まずは幼児に対する英語学習への関心を計るため、そもそも英語を習わせたいかどうかについて質問しました。
結果としては約9割の方が習わせたいという回答をしています。
この結果としては、やはり前述したような必修化やグローバル化などの影響が大きいのかもしれません。
それだけ、幼児の親にとって英語というものは興味を持たれているということがわかります。
3歳から英語を習わせたいが最多! しかし…
多くの方が英語教育に興味があることがわかりました。しかしながら、いったい何歳から習わせたら良いか分からないという方も多いのではないでしょうか?
そこで、みなさんが何歳から習わせようと考えているのかを聞いてみました。
その結果、3歳から習わせたいと考えている方が最多となりました。
より幼児らしい体つきや知能の発達により「なぜなぜ」と好奇心が強くなったり、手先の器用さが向上したりする時期です。
また、人によっては3歳というのは「乳児期が終わり幼児期に入る時」と捉えている方も多かと思います。
その3歳という節目から英語に触れさせてみようかと考える方が多いのかもしれません。
3位に挙がっている小学校に入ってからという結果はやはり、英語の必修化を意識されてのことではないかと思います。
そして1位に非常に迫っているのが「悩み中」です。
本記事の議題でもある、いつから習わせれば良いのかということについては結局みなさんが同じように悩まれているということです。
これについては、脳の成長などとの関連をはじめ、各方面で様々な意見が出ているかと思います。
しかしながら、まずは、ご自分のお子さんの成長度合いや性格、ご家庭の状況などを踏まえたうえで、ご自分ができる中で子どもにとっての最適解を見つけてみてはいかがでしょうか?
英語の学習方法にランクインした今どきのアレ
次に気になるのが英語の学習方法です。
いざ、子どもに英語を触れさせようと考えた時にどのような方法が良いのでしょうか?
今回のアンケートでは「塾」が圧倒的な1位でした。
やはり専門の先生に教えてもらえることや友達と一緒に通える、英語に触れる時間とそうでない時間のメリハリをつけるなどのメリットがあることが伺えます。
教材を使った自宅学習も多かったのですが、こちらでは自分(親)が英語を教えられないという意見が出ていました。
さらには、この時代ならではのスマートフォンアプリやYoutubeなども入ってきていました。
「その他」の中身としては方法は問わずということかと思いますが、ネイティブの方に教わりたいという意見と英会話教室という意見が大半を占めていました。
英会話教室につきましては、ASOPPA!としては塾に包含していたつもりでしたが、設問設定が分かりづらくなり失礼いたしました。
そんな中、「オンライン英会話」が3位にランクインするという結果が出てきました。新型コロナウィルスの影響によりリモートワークなどが定着し始め、オンライン会議などの敷居が下がったことが関係しているのでしょうか。
塾と異なり、送り迎えが不要というメリットも1つの要因かもしれません。
そして、数年後にはさらにオンライン英会話が台頭してきている可能性があります。
それに伴い、各社での競争が始まりサービスおよび質の向上が図られ、より良い学習を享受できるかもしれませんので、期待したいところです。
英語学習にかける月額費用
みなさんが思う学習方法は分かりました。
では、いったいいくらぐらい費用が必要なのでしょうか?
そこで、今回は英語学習において月額費用として妥当だと思う金額をお聞きしました。
その結果、
1位:4,001~5,000円
2位:2,001~3,000円
3位:5,001~7,000円
となりました。
いかがでしょうか?
想像通りという方もいれば、高かったり、安かったりと感じ方は様々かと思います。
ENGLISH MAG「こども向け英会話教室の月謝は平均いくら?レッスン形式別まとめ」によると6人以上のグループレッスンで月額8,000円~10,000円程度、その他、入会金や教材費、設備・システム費などが月額換算で3,500円~4,000円程度かかるようです。
合計するとおよそ月額10,000円~15,000円といったところでしょうか。
しかしながら、入会金無料キャンペーンなどもあるそうですし、様々な条件によって変動しますので、インターネットなどで調べてみてください。
アンケート結果も含め、あくまで参考であり、前述した学習年齢×学習方法により大きく変動するかもしれませんが、ストレートに考えてこれぐらいなら出しても良いかなと考えているということになります。
金額というのは、英語学習という価値への対価ですので、学習のプロセスや成果に対してどれくらいみなさんが期待しているのかということの表れかもしれません。
これも学習開始年齢で述べたように、ご家庭それぞれの状況や学習方法、学習年齢などによって、ご判断いただくのがベストなのではないでしょうか。
まとめ
結論としては、ご家庭それぞれに合わせてということになりましたが、子どもの英語学習でお悩みの方にとっては何か参考となる指標となれば幸いです。
まずはお子さんとしっかり話をし、英語って楽しい、もっとやりたいと思えるような環境や選択肢を用意してあげられると良いですね。
See you next time!
【アンケート実施期間】
2020年11月9日~12月6日
文/ASOPPA!事務局