2023年の海の日は、7月17日。「3連休だし、どこかに行こうかな」と考えているご家庭も多いのではないでしょうか?
海の日の予定を立てるとき、振り返ってみたいのが「そもそも海の日って何?」ということです。
現在、私たちの周りにある海には大きな異変が起きています。
海の月間・海の日を迎え、「今何ができるか」について子どもと一緒に考えてみましょう。
海の日の主旨や起源、さらには世界の海の現状についてご紹介します。
2023年の海の日は、7月17日。「3連休だし、どこかに行こうかな」と考えているご家庭も多いのではないでしょうか?
海の日の予定を立てるとき、振り返ってみたいのが「そもそも海の日って何?」ということです。
現在、私たちの周りにある海には大きな異変が起きています。
海の月間・海の日を迎え、「今何ができるか」について子どもと一緒に考えてみましょう。
海の日の主旨や起源、さらには世界の海の現状についてご紹介します。
「憲法記念日」「建国記念日」などと比較すると、「海の日」は漠然としすぎている印象です。
「つまり海の日ってどんな日なの?」と悩む方に、海の日の主旨や海の日制定までの流れをご紹介します。
海の日は、「国民の祝日に関する法律」によって制定される日本の祝日の1つです。
日にちは「7月の第三月曜日」と定められているため、多くの方にとっては3連休となるのがポイント。
2023年の海の日は、7月17日です。
「国民の祝日に関する法律」によると、海の日の主旨は以下のように定義されています。
“海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う。 引用:国民の祝日について – 内閣府” |
日本は四方を海に囲まれた海洋国家です。
海の恩恵を受けながら発展してきた歴史があり、海とのつながりはとても深いといえます。
また海は、レジャースポット・癒しのスポットとして楽しまれることもしばしばです。
海辺や海が見える場所に特別な思い出・親しみを持つ人は少なくないはず。
身近な海に思いを馳せ、思い出に浸ったり感謝してみたりするのにぴったりな日です。
海の日が現在の「7月の第三月曜日」となったのは、2003年(平成15年)からです。
これ以前は「海の記念日」という名称が用いられており、日にちは7月20日に固定されていました。
海の記念日は、1996年(平成8年)に祝日化された記念日です。
元々は単なる記念日でしたが、国民の声に応えるかたちで祝日となりました。
それでは「海の記念日」とは何かというと、明治天皇が東北地方巡幸(じゅんこう:天皇が旅行されること)を終えられたことを記念する日です。
明治天皇は、ご即位後日本各地を旅行されたことで知られています。
地方巡幸は100近くにも及ぶといわれており、東北地方の巡幸は1876年6~7月にかけて行われました。
明治天皇が燈台巡視船「明治丸」で横浜港に帰着されたのが、7月20日。
そのためこの日が「海の記念日」となったというわけです!
なお明治天皇が出航されたのは、青森県の青森港。
港にある「青い海公園」には、「海の記念日発祥の地」という石碑が設置されています。
海の日が第三月曜日となったのは、2000年に制定された「ハッピーマンデー制度」の対象となったためです。
ハッピーマンデー制度とは、連休を増やすため祝日を月曜日に移動させる制度のこと。
3連休を増やし、国内の観光業や運輸業を活性化させるのが狙いです。
敬老の日やスポーツの日(旧体育の日)も同様で多くの方にとって3連休になるように設定されています。
ただし海の日については、「3連休でうれしい!」という声ばかりではありません。
「7月20日という日にちに意味がある」として、現在の移動祝日ではなく固定祝日に戻してほしいという意見もあります。
私たちが恩恵を受けてきた海は、環境汚染によって大きなダメージを受けています。
SDGs(持続可能な開発目標)でも目標14に「海の豊かさを守ろう」とあります。
海の日には、親子で「海の大切さ」「海を守るためにできること」について話し合ってみませんか?
海洋汚染が進んでいる原因の1つは、海に流出するプラスチックです。
現在、世界で年間約800万トンものプラスチックごみが海に流出しています。
海にはすでに1億5,000万トンものプラスチックが存在しているといわれており、海に住む生き物たちに悪影響を及ぼしているのだそうです。
例えば海洋に漂うプラスチックごみによって、魚類やアザラシ、海鳥、ウミガメなど、700種類以上もの生き物が傷付いたり死んだりしています。
プラスチックごみの摂取率は、ウミガメで52%、海鳥で90%以上と推定されるのだとか!
プラスチックごみを食べてしまったウミガメの胃にはプラスチックが残り続け、空腹を感じなくなります。
お腹が空かないことから満腹であると誤解して、餓死してしまうことがあるのだそうです。
プラスチックが恐ろしいのは、時間がたっても自然界に残り続けること。
最終的には「マイクロプラスチック」と呼ばれる小さな破片となって、海を浮遊します。
これを海の生き物が食べることで、生態系に大きな変化が起こるのではと懸念されているんです!
また、プラスチックを食べた魚を人間が食べることもありますよね。
具体的に人体にどのような影響を及ぼすかは分かっていませんが、体内に吸収されると肺の機能にダメージを受ける恐れがあるともいわれています。
ペットボトルが分解されるのには「400年かかる」のだとか。
このままプラスチックごみを海に流し続けた場合、2050年にはプラスチックごみの量が海の魚の全重量を超えるという試算も出ています。
日本は環境意識が高く、「プラゴミを海に流すなんてありえない」……、などと思っていませんか?
しかし、2018年6月に発表されたUNEPの報告書『シングルユースプラスチック』によると、日本人1人あたりのプラスチック容器包装の廃棄量は、アメリカに次ぐ第2位。
日本沿岸で回収された漂着ごみは、年間約3万トンから5万トンにも及ぶことが分かっています。
日本近海でのマイクロプラスチックの濃度は「世界平均の27倍」という調査結果もあり、のんびりしていてよい状況ではありません。
海の日は「海の恵みに感謝する日」。
「日本の海を守るには、どうしたらいいのか?」……、ぜひ私たちにできることを話し合いたいですね。
海のためにできることは、まずプラスチックごみを出さないこと。
エコバッグを使ったりマイボトルを携行したりすることが海を守ることにつながります。
また、海の生き物や環境を守る活動として、MSC「海のエコラベル」が付いた水産物を選ぶことがあげられます。
このラベルは、「水産資源と環境に配慮し、適切に管理された持続可能な漁業で獲られた天然の水産物の証」です。
画像提供:MSC「海のエコラベル」とは | Marine Stewardship Council
水産物を購入するときは、MSC「海のエコラベル」が付いた製品を購入してみてはいかがでしょうか。
このほか海のクリーン活動に参加することも、海を大切にすることにつながりますよ。
ぜひ親子で海を大切にする取り組みに参加しましょう!
夏休みの自由研究や読書感想文にピッタリな書籍をご紹介します。
海の環境問題を考えるうえで自由研究にも読書感想文にも使える書籍が『ダンゴウオの海』です。
ダンゴウオはたった2㎝の小さな魚です。
東日本大震災の時の津波や故意に捨てられるなどによっていろいろな人工物が海の中に存在しています。
そんな震災後の海の中についてダンゴウオがいろいろと教えてくれます。
⇒【最短45分で完成】子どもの自由研究はコレで決まり!【ワークシート付き】 『ダンゴウオの海』を読んで自由研究をやってみよう!
海の日を記念して、全国ではさまざまな海関連のイベントが開催されます。親子で足を運んでみましょう!
海王丸パークは、富山県射水市にある海のテーマパーク。
ベイエリアには海の貴婦人とよばれる「海王丸」が停泊しているフォトジェニックなスポットです。
海王丸パークフェスティバルが行われるのは、7月16(日)と17日(月・祝)の2日間。
期間中はプレイランドやフードコートが立ち並び、1日楽しく遊べます。
また海王丸では、登檣礼(とうしょうれい:見送りに来た客にお礼をすること)、総帆展帆(そうはんてんぱん:全ての帆を広げること)など、この日だけの特別なイベントが開催されます!
開催日:2023年7月16(日)・17日(月・祝)
開催場所:海王丸パーク
開催時間:10:00~16:00
東京都・お台場海浜公園お台場ビーチで行われる海のイベント。
海の安全を祈願して、2004年より始まりました。
イベントでは、1万個ものペーパーランタンに火が灯され、海上にさまざまな絵が描かれます。
色とりどりのランタンが水上できらめく様子は美しく、幻想的な雰囲気たっぷり。
都市群の夜景も楽しみながら、波打ち際をお散歩してみてはいかがでしょうか。
開催日:2023年7月16(日)・17日(月・祝)
開催場所:お台場海浜公園 お台場ビーチ
開催時間:18:30 点火
愛知県名古屋市にある名古屋港水族館では、海の日から「サマーナイトアクアリウム」が始まります。
夜の水族館は、昼間とは一味違った魅力がたくさん。
「イルカのナイトパフォーマンス」では、夜空をバックにジャンプするイルカたちが見られます。
夜間料金は入館料が約2割引となるので、コスト面でもメリットが大きいですね!
開催日:2023年7月17日(月・祝)・7月21日(金)~8月31日(木)
開催場所:名古屋港水族館
開催時間:17:00~20:00(入館受付は閉館の1時間前まで)
夜間料金:大人(高校生以上):1,620円 小中学生:800円 幼児(4歳以上):400円
神戸の街を支える「海」と「港」に感謝するために始まったイベントです。
22回目となるイベントのテーマは『超夏祭り!〜みんなでつくろう 神戸の魅力〜』。
会場にはキッチンカーや屋台などが登場し、夏祭り気分を味わえます。
また一般社団法人 日本マリン事業協会が主催する「マリンカーニバル神戸2023」では、親子で楽しめるワークショップやボート体験乗船会を開催予定。
お魚釣りゲームをしたりボートに乗ったりと、充実した時間を過ごせます。
開催日:2023年7月16(日)・17日(月・祝)
開催場所:メリケンパーク 神戸市中央区波止場町2-2
開催時間:10:00~17:00
海響館は、山口県・下関市にある中国地方最大級の水族館。
7月17日の海の日は、中学生以下の観覧料が無料となります。
親子で足を運び、海の生き物と触れあいましょう。
海響館で人気なのは、国内では珍しいイルカとアシカの共演ショー。
このほか野生の生息環境を再現した、ペンギンコーナーも人気です。
下関といえば! のフグの展示もあるので、ぜひ足を運んでみましょう。
開催日:2023年7月17日(月・祝)
開催場所:市立しものせき水族館 海響館
開催時間:9:30~17:30(最終入館 17:00)
福岡市の水族館「マリンワールド」では、2023年7月15日(土)~7月17日(月・祝)に夜間観覧を実施。
灯を落とした館内をのんびりと回れます。
暗くなった水槽で、海の生き物の「夜の姿」をじっくりと観察しましょう!
イルカ・アシカショー、ラッコの食事タイム、スナメリトークなど、見どころがたくさん。
九州の海にちなんだ展示も多く、親子で海についての知識を深められます。
開催日:2023年7月15日(土)~7月17日(月・祝)
7月22日(土)~8月31日(木)
9月1日~9月24日までの土日祝日
開催場所:マリンワールド
開催時間:9:30~21:00(最終入館 20:00)
HP: マリンワールド海の中道
※各イベント情報は執筆時点の情報です。必ず公式WEBサイト等にて情報をご確認ください。