秋のお彼岸にお供えするのはどっち? 実はここが違う “おはぎ”と“ぼたもち” のヒミツ

公開日:2024/09/19

秋のお彼岸にお供えするのはどっち? 実はここが違う “おはぎ”と“ぼたもち” のヒミツ

お彼岸のお供えといえば“おはぎ”……いや、“ぼたもち”!? その前に「ねぇ、お彼岸ってなに?」と子どもに尋ねられたら、上手に説明できますか? 子どもの疑問にしっかり向き合うためにも、まずはママやパパが「お彼岸」についてきちんと知っておきましょう! また、お彼岸のお供えとしても最近人気の、フラワーボックスのような“映えおはぎ”も合わせてご紹介します。

「お彼岸」ってそもそもなに?

「お彼岸(おひがん)」はご先祖さまや、亡くなった人たちのことを思い出して大切にする期間のこと。具体的にはお墓参りをしてお墓をきれいにしたり、お供えものをしたり、法要をおこなったりします。

「お彼岸」はいつ?

「お彼岸」は秋のほかに春にもあり、1年に2回あります。 春のお彼岸は春分の日の前後3日間、秋のお彼岸は秋分の日の前後3日間です。春分の日と秋分の日は、国立天文台が太陽の動きなどから翌年の日にちを決定するため、お彼岸の日にちも毎年変わります。ちなみに、2024年の「秋のお彼岸」は以下の通りです。

 

2024年の「秋のお彼岸」スケジュール

  • 9/19(木)彼岸入り
  • 9/22(日)中日(秋分の日)
  • 9/25(水)彼岸明け

 

秋分の日とは、暑い夏から涼しい秋へと変わり始め、昼の長さと夜の長さが同じになる日で、国民の祝日とされています。「国民の祝日に関する法律」によると、秋分の日は「祖先を敬い、亡くなった人々をしのぶ」祝日と定義されています。

 

参考:国民の祝日について – 内閣府

「お彼岸」という言葉の意味

「彼岸(ひがん)」の語源は仏教用語で、悟りの境地でもある「向こう岸、あの世(極楽浄土)」という意味を持ちます。逆に私たちがいる煩悩に満ちた現世を「此岸(しがん)」と呼びます。

 

此岸と彼岸の間には川が流れているとされており、この川がいわゆる「三途の川(さんずのかわ)」なのです。「昼と夜の長さがほぼ同じ」=「現世(此岸)とあの世(彼岸)との距離が最も近くなる」とされており、あの世とこの世が最も近づく日にお墓参りや法要をすることで、ご先祖さまや亡くなった人を極楽浄土へ送ってあげたいという思いから生まれた風習となっています。

お盆やお正月のお墓参りとはなにが違うの?

「お彼岸」は“現世の人たちがあの世へ思いを届ける期間”なのに対し、「お盆」は“あの世からご先祖様や亡くなった人が帰ってくる期間”とされています。そして「お正月」にお墓参りをおこなうのは、ご先祖さまや故人への“新年のあいさつ”のため。 どれも供養やご先祖様や故人をお参りするのは同じですが、目的は微妙に違うんですね。

お彼岸のお供え物の定番といえば、“おはぎ”?“ぼたもち”?

お彼岸のお供え物の定番といえば、炊いたもち米を粗くつぶしたものをあんこで包んだ“おはぎ”を思い浮かべる人が多いと思います。お彼岸におはぎをお供えするのは、あんこの材料である小豆に魔除けや不老長寿の願いが込められているためだそうです。

 

また、中国では古くから赤い色には邪気をはらう力があるとされていて、日本でも赤い色には特別な力があると考えられてきました。そのため赤い色をした小豆は縁起がよい食べ物とされ、お彼岸にあんこを使ったお餅がお供えされるようになりました。

 

では、“おはぎ”と見た目もそっくりな“ぼたもち”は、おはぎと何が違うのかという疑問ですが、実はこの2つは同じ食べ物で、呼び方が異なるだけなのだそう。ぼたもちの名前は、春の花である牡丹(ぼたん)から、おはぎの名前は秋の花である萩(はぎ)に由来していて、春のお彼岸には“ぼたもち”、秋のお彼岸にはおはぎをお供えします。お彼岸の季節に咲く花になぞらえたものをお供えして、ご先祖様を供養する、日本の古き良きならわしなんですね。

 

【おはぎ】秋のお彼岸にお供えするもの。この時期に咲く“萩(はぎ)の花”にちなんでいる。あんこは“粒あん”で、その理由は小豆の収穫時期は秋のため、収穫したばかりの小豆は皮がやわらかく、炊くと皮ごと食べられるため。

 

【ぼたもち】春のお彼岸にお供えするもの。この時期に咲く“牡丹(ぼたん)の花”にちなんでいる。あんこは“こしあん”で、その理由は春の小豆は収穫から時間が経っているため、乾燥して皮が固く、口当たりが良くないため、皮を取り除いたあんこが使われたそう。

手土産にもぴったり! お花みたいな“創作おはぎ”3選

今SNS等で話題になっているのが、まるでお花のようなビジュアルの創作おはぎ。バラエティ豊かな味わいが特徴で、冷凍で届くので好きなときに解凍して食べられるところも魅力です。

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まとめ

ご先祖様を敬い、亡くなった人々のことを考えるお彼岸は、日本ならではの伝統行事です。仏教徒がいる国は多くありますが、ほかの仏教国では行われていないとか。お彼岸の季節に咲く花になぞらえた“おはぎ”や“ぼたもち”をお供えして供養するのは、美しい四季のある日本ならではなんですね。今年のお盆は仕事が立て込みバタバタとしていた筆者も、お彼岸は7日間あり都合をつけやすいので、さっそく“映えおはぎ”を手配して、お墓参りをしたいと思います。

文/Ai Kano

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