夏は帰省や旅行などで、車での長距離移動が増える季節です。子どもが退屈しないよう、タブレットやDVD、ゲーム機などを駆使しながらなんとか移動時間をやり過ごすというご家庭も多いかと思いますが、「言葉遊び」をするという手もあります。この記事では、カードや紙、ペンなど道具を一切使わない言葉遊びを集めたので、ぜひ動画やゲームの休憩時間にでも試してみてください。運転手のパパ(ママ?)も参加できるので盛り上がること間違いなし♪

【初級編】小学生未満も参加できるし勝てる♪
複雑なルールは一切なしで、小さな子どもでも参加できるゲームを3つご紹介します。どれも単純なゲームなので、年下のきょうだいが勝つチャンスも十分にあり、盛り上がりますよ。
ほとんどが円になって、時計まわりに言葉を発していくゲームですが、車内の場合は円になれないので、あらかじめ順番を決めておくとスムーズです。
①炙りカルビゲーム

ルールはとても簡単。まず、1番目の人が「炙りカルビ」と言います。次の人は「炙りカルビ、炙りカルビ」、また次の人は「炙りカルビ、炙りカルビ、炙りカルビ」……、というように「炙りカルビ」の数を増やしていくだけです。噛んでしまったり、「炙りカルビ」の数を正しく増やせなかった人が負け。
同じルールのゲームで「静岡塩漬け」ゲームというものもあります。
②「愛してるよ」ゲーム
飲み会などで人気のゲームですが、2人いればでき、家族でやっても盛り上がります。
まず、ひとりが「愛してるよ」と相手に言います。言った人も言われた人も、笑ったり照れたりしてはいけません。先に笑ったり照れてしまった方が負けです。その際、「愛してるよ」と言われた人は「はい?」、「もう1回言って。」など聞き返して、相手に何度も「愛してるよ」を言わせるのもありです。
この「愛してるよ」ゲームは、少しだけ難易度を上げるとさらにおもしろくなります。はじめに、1番最初の人が左隣の人に「愛してるよ」と言います。言われた人は、「え?」と右隣の人に聞き返すか、左隣の人に「愛してるよ」をまわします。照れたり笑ったりした人が負け。さらに、左隣の人に「え?」と言ってしまったり、右隣の人に「愛してるよ」と返してしまっても負けです。
➂マジョリティーゲーム
文字通り、マジョリティー = 大多数を決めて、大多数“じゃない方”が負けというとてもシンプルなゲームです。人数が多いほど盛り上がりはしますが、多数決が成立する3人からでもできます。
順番に1人ずつお題を出していき、「せーの!」で皆で発表し、多数決を取ります。お題は、「おにぎりの具の定番といえば、鮭 or 梅干し」など、どんなものでもOK。小さな子どもの出すお題がかわいらしかったりして、単純ながら意外に大人も楽しめるゲームです。
【中級編】言葉遊びのド定番・しりとり&山手線ゲーム
いつものしりとりに飽きてしまった人は、難易度を上げた“派生しりとり”がおすすめです。家族みんなでオリジナルルールを考えるのも楽しそう!
④条件付きしりとり
「学校にあるものだけで」、「人の名前限定」、「2文字限定」といった条件を付けてしりとりをしていきます。通常のしりとりと同じく、最後に「ん」が付いた人が負け。反対に、「食べ物は禁止」、「カタカナの言葉は禁止」、「生き物は禁止」など、禁止ワードを設定してもおもしろいので、子どものレベルに合った条件で試してみてください。
また、「りんご」→パンパン(手拍子)→「ゴリラ」→パンパン(手拍子)→「ラッパ」→パンパン(手拍子)というように手拍子を入れてリズムに乗せることをルールに加えると、一気に難しくなるので、高学年の子どもでも楽しめます。
⑤しりとりメモライズ
別名“記憶しりとり”。しりとりプラス、記憶力も競うゲームです。ルール自体は単純で、「りんご」→「りんご、ゴリラ」→「りんご、ゴリラ、ラッパ」→「りんご、ゴリラ、ラッパ、パセリ」というように、1番最初の人が言ったワードからすべて記憶しながらしりとりをしていきます。最後に「ん」が付くのはもちろん、途中のワードを間違えたり、思い出せなくても負けです。
ほかにも、「ゴリラ」→「リラックス」→「くす玉」というように、最後の2文字を取っていったり、「りんご」→「ゴリラ」→「ラッパ」→「パセリ」→「リス」→「すずめ」→「メダカ」→「カラス」→「スイカ」→「缶」というように、10番目のワードで必ず「ん」で終わらせるしりとりなど、派生しりとりはとにかく種類が豊富!
⑥山手線ゲーム

しりとり同様、言葉遊びの定番中の定番「山手線ゲーム」、いわゆる「古今東西ゲーム」です。お題をひとつ決めて、そのお題に沿った言葉を、リズムに合わせて順番に発していきます。例えば、お題が虫の名前の場合は、「バッタ」→パンパン(手拍子)→「てんとう虫」→パンパン(手拍子)→「とんぼ」→パンパン(手拍子)……といった具合です。
基本は、「〇〇(名前)からはじまるー!」、「イエーイ!」、「山手線ゲームー!」、「イエーイ」、「お題はー?」、「〇〇(お題)!」という掛け声からスタートします。省略しても問題ありませんが、子どもは喜んでやるので、「飲み会ノリで恥ずかしい」という気持ちを抑え、ぜひ付き合ってみましょう。お題は、「同級生の名前」や「スポーツの名前」など何でもありですが、「真ん中に“ん”が付く言葉」、「真ん中に“ー”が入る言葉」などにするとグッと難易度が上がり、脳トレにもなります。
【上級編】頭フル回転の数字を使ったゲーム
数字を使うので多少難しくはなりますが、ルールはそれほど複雑ではないので、数を数えられる年齢の子どもならすぐにルールを理解して一緒に楽しめます♪
⑦たけのこニョッキ

人数が多ければ多いほどドキドキ感があって楽しめるので、例えば誕生日会やちょっとしたパーティーなど、人が大勢集まるときにしても楽しいゲームです。
みんなで「ニョッキッキ」と言ってゲームスタート。例えば5人なら「1ニョッキ」からスタートして「5ニョッキ」まで言っていきます。順番は決まっていないので、好きなタイミングで「◯ニョッキ」と言っていきます。
ただし、
・同じタイミングで「◯ニョッキ」と言ってしまうと負け
・最後まで「◯ニョッキ」と言えなかったら負け
です。
最後にならないように早めに言いたいところですが、それは全員が考えていることなので、ほかの人の表情や動きを読むことが大切。簡単でありながら心理戦が楽しいゲームです。
「◯ニョッキ!」というときは、頭の上でたけのこが地面からニョキっと出てくるようなポーズを手で作りながら言いますが、車内では見えないので、口だけで問題ありません。
⑧31ゲーム
31(サーティーワン)ゲームは、1から順番に数字を言い、最後に「31」を言った人が負けというゲーム。ひとりにつき、数字は3つまで言っても良いルールです。「1、2、3」→「4、5、6」→「7、8」→「9」→「10、11」というように、数字はひとつカウントしても、ふたつカウントしてもOKです。「31」が近づくにつれて、次の自分の順番までに数字はあといくつで、何人いるのかといったことを考える必要があるので、とても頭を使うゲームです。
⑨369ゲーム
369ゲームは、韓国では知らない人がいないというほど定番の言葉遊びゲーム。韓国ドラマやK-POPアイドルのバラエティ番組などが好きな人は、たびたびこの369ゲームが登場するので知っている人も多いかもしれません。
ルールはこうです。1から順番にカウントしていき、「3」、「6」、「9」のつく数字の時はパンと手を叩きます。「3」、「6」、「9」がひとつ入っているときはパンと手拍子は1回、ふたつ入っているときはパン、パンと手拍子は2回というように、「3」、「6」、「9」が入っている数だけ手を叩きます。
つまり、最初は「1」→「2」→パン→「4」→「5」→パン→「7」→「8」→パン→「10」という感じですが、30番台になると、パン→パン→パン→パンパン→パン→パン→パンパン→パン→パン→パンパン……、とずっと手を叩くことになるわけです。低学年の子どもとしても、数字は3ケタに達するほど続くこともあります。
【超上級編】リズムに乗るのが楽しい&難しい!
リズムゲームは瞬発力も必要なため、主に高学年の子ども以上が楽しめるゲームです。「リズムに乗れていなくてもOK、間違えたときだけアウト!」とすれば、小さな子どもでも一緒に楽しめます。
⑩マジカルバナナ

一定の年代以上の人にとってはとても懐かしく感じる「マジカルバナナ」。90年代に放送されていたバラエティ番組「マジカル頭脳パワー」で人気を博したリズム連想ゲームです。
はじめは、「バーナナバナナ♪ マジカルバナナ♪」の掛け声からスタート。最初の人はバナナから連想される言葉を言い、順番に次々と前の言葉から連想される言葉をリズムに合わせてつなげていきます。「バナナといったら黄色」→「黄色といったら安全帽子」→「安全帽子といったら小学生」といった具合に。
「マジカル頭脳パワー」では、「マジカルチェンジ」というゲームもありました。ルールは、前の人が言った言葉のうちのひと文字をチェンジして言葉を発していくというもの。
「チェーンジチェンジ♪ マジカルチェンジ♪」の掛け声からスタートして、「りんごという字をひと文字変えて、リ・ン・グ」→「リングという字をひと文字変えて、シ・ン・グ」→「シングという字をひと文字変えて、ソ・ン・グ」というように続いていきます。マジカルバナナに比べるとかなり難しくなりますが、低学年の子どもでも意外とできてしまったりするので驚いてしまうかも。
⑪リズム4ゲーム
リズム4ゲームは、タン、タン、タン、タンの4拍のリズムに合わせておこないます。そのため、まずはそれぞれの呼び名を2文字で統一しましょう。「まなと」なら「まな」という風に。そして、タン、タン、タン、タンの4拍のリズムに乗せながら、「まな、から、はじ、まる」「リズ、ムに、合わ、せて」という掛け声からスタートします。
最初の人は、4拍のリズムに合わせて次の人を指名して数字を言います。ゆきだとしたら「(2拍休み)ゆき、3」という感じで、4拍のうちの2拍目から名前を呼んでください。名前を呼ばれた人は、名前のあとの数字の数だけ4拍のリズムに乗せて自分の名前を言って、同じように次の人を指名して数字を言います。
ここで重要なのが、4回名前を言う場合は、4拍のうちの1拍目から、3回名前を言う場合は、4拍のうちの2拍目から、2回名前を言う場合は、4拍のうちの3拍目から、そして1回名前を言う場合は、4拍のうちの4拍目に名前を言わなければならないという点です。このリズムに乗れなければ負けとなってしまいます。
分かりやすくまとめると、
「まな、から、はじ、まる」、「リズ、ムに、合わ、せて」、「(2拍休み)ゆき、3」→
「(一拍休み)ゆき、ゆき、ゆき」、「(2拍休み)みく、2」→
「(2拍休み)みく、みく」、「(2拍休み)そら、1」→
「(3拍休み)そら」、「(2拍休み)ママ、4」→
「ママ、ママ、ママ、ママ」……(以下続く)
となります。
ルールだけ聞くととても複雑そうに感じるかもしれませんが、実際にやりながら練習しているとすぐに白熱してくるので、ぜひチャレンジしてみてください。
まとめ
文/渡邊倫子