2025年9月21日は、土星が「衝(しょう)」を迎える特別な日です。土星は空で非常に明るく見え、肉眼でも観測することができます。
この記事では、特別な観測タイミングを迎える「土星」について詳しくまとめました。
9月21日はぜひ家族で夜空を見あげ、土星を探してみてくださいね!
2025年9月21日は、土星が「衝(しょう)」を迎える特別な日です。土星は空で非常に明るく見え、肉眼でも観測することができます。
この記事では、特別な観測タイミングを迎える「土星」について詳しくまとめました。
9月21日はぜひ家族で夜空を見あげ、土星を探してみてくださいね!
そもそも土星とは、どのような星なのでしょうか?
土星の特徴や名前の由来をご紹介します。
地球から見ると、土星は太陽から6番目の軌道を回る惑星です。
土星の直径は約120,536キロメートルあり、その大きさは地球の約9.5倍。
太陽系では木星に次ぐ大きさですが、地球のように固い地面はありません。
土星は水素とヘリウムのガスで構成された「流体の惑星」で、平均密度は水よりも小さいといわれています。
もしも太陽系全体が入るほどの巨大な浴槽があれば、土星だけが水に浮いてしまうでしょう。
土星の形状は、「少しつぶれたボール」に例えられることがあります。
これは、土星の自転速度が極めて速く、遠心力によって赤道部分が大きく膨らむためです。
土星の自転速度は場所によって異なりますが、赤道付近では約10km/秒といわれています。
1日の長さは約10時間半と短く、地球の半分しかありません。
土星の英語名である「Saturn(サターン)」は、古代ローマ神話の農耕と豊穣の神「サトゥルヌス(Saturnus)」に由来します 。
土星はくすんだ黄色い光を放っており、古代でも肉眼で見ることができました。
当時の人々は肉眼で見える星に神話の神々の名を当てはめ、一つの家族のように扱っていたのです。
一方「土星」という呼び方は、中国の五行思想から来ています。
五行思想とは、「木・火・土・金・水」という5つの元素が万物の根源でありとする思想です。
昔の人は土星について「動きが遅く、重々しくてどっしりしている」というイメージを持ちました。
「土」の要素がふさわしいとして、「土星」と呼ばれるようになったといわれています。
衛星とは、惑星や小惑星などの天体の周りを公転する自然の天体です。
2025年最新の観測では、土星の衛星数は274あるといわれています。
多くの衛星を持つといわれる木星の衛星数よりもさらに多く、太陽系の中では最多です。
土星の衛星にはミマス、エンセラドゥス、ディオネなどがありますが、特に有名なのは、土星の衛星の中では最大といわれる「タイタン」です。
出典:NASA/JPL/University of Arizona/University of Idaho
タイタンは内部に水が存在すると考えられている上、太陽系で唯一厚い大気を持っています。
地球上の水循環とよく似たサイクルが形成されており、地球外生命の可能性が期待されている衛星です。
NASAはタイタンの探査計画を着々と進めており、JAXAも地震計の提供や科学研究で参加しています。
参考:土星の衛星、新たに128個確認 太陽系断トツ1位で木星に大差:朝日新聞
参考:土星の衛星|平塚市博物館
土星を語る上で、大きな環の存在は欠かせません。
ここからは、土星の環について詳しく見ていきましょう。
土星の象徴ともいえる美しい環を構成するのは、主に氷の粒です。
幅は28万km以上と広く、土星本体の約2倍もあります。
一方で厚さは極めて薄く、1kmもありません。
環は一連の連なりではなく、複数の「リング」によって構成されているのが特徴です。
環にはそれぞれA環・B環・C環などの名前がつけられており、環の間にはすき間があります。
複数あるすき間の中でも有名なのは、A環とB環の間に位置するすき間です。
このすき間は天文学者カッシーニによって発見されたことから、「カッシーニの間隙」と呼ばれています。
「カッシーニの間隙」は、土星の環の構造を理解するうえで非常に重要な特徴の一つです。
土星の環が複数のリングと隙間から成り立っていることを示す代表例として、頻繁に挙げられます。
土星の環は幅が非常に広い一方で、厚さはさほどありません。
地球が環の平面を真横から見る位置に来ると、まるで土星の環が消えたかのように見えます。
すなわちリング消失現象とは、実際に土星の環が消えてしまうわけではなく、「見かけ上見えなくなる現象」です。
このような環の消失は、土星の公転周期の約半分すなわち15年ごとに起こります。
2025年はリング消失現象が起こる年に当たっており、3月24日と5月7日に土星の環が見えなくなりました。
3回目のチャンスは、11月25日。
これを逃すと、次は15年後まで環を持たない土星の姿を見ることはできません。
ぜひ望遠鏡を準備して、家族で土星を観察してみましょう。
2025年9月21日は、土星が「衝(しょう)」という天文学的な現象を迎えます。
衝の現象や、観測のコツを詳しくご紹介します。
「衝」とは、惑星が地球と太陽の真反対に位置する現象です。
2025年9月21日は土星が衝を迎えることから、太陽、地球、土星がほぼ一直線に並びます。
衝のときの土星は地球から最も近い位置に来るため、明るさも大きさも最大です。
土星の存在感は一際強くなり、天体望遠鏡や双眼鏡を持っていなくても、肉眼でその存在をしっかりと確認できます。
衝の前後の時期の土星が見られるのは、日の入りの頃の東の空です。
その後土星は真夜中に南中して西の空に沈むため、一晩中土星の姿を見ることができます。
土星を観測するときは、以下のポイントに注意しましょう。
衝のときの土星の明るさは0.6等級に達し、肉眼でも見えます。
とはいえ土星の姿をよく見たいなら、望遠鏡や双眼鏡を準備するのがおすすめです。
また天体観測アプリを使えば、土星が昇る時間、沈む時間、最も見やすい時刻などの情報を得られます。
天体観測中は土星の正確な位置を把握したいときに役立つため、スマホなどにインストールしておくとよいでしょう。
土星の衝は1年に1回見るチャンスがありますが、2025年はリング消失現象のタイミングと重なっています。
土星の環は非常に細くなっており、私たちが通常イメージする土星とは異なる姿が見られるのがポイントです。