長い夏が終わり、涼しくなってくると「そろそろ衣替えをしなきゃ」と考えはじめる人が増えてくると思います。なかには、衣替えは「6月1日」と「10月1日」と、日付を決めておこなっている人もいるかもしれませんね。また、衣替えをしないという人もいるようです。この記事では、覚えておけばきっと役に立つ衣替えのコツやポイントを紹介しています。衣替えをする人もしない人も、ぜひチェックしてみてくださいね。

衣替え、する? or しない?

暖かくなってくると春服や夏服に、肌寒くなってくると秋服や冬服に衣替えをするのが一般的ですが、衣替えをしないという人も一定数いるようです。株式会社mitorizが、およそ3000人を対象に実施した「衣替えに関する調査」によると、衣替えをする人は74.4%、衣替えをしない人は25.6%だといいます。
衣替えをしない人が意外と多いと感じませんか。この数字を見ると、面倒な衣替えをしないでよいのであればやりたくない、ぜひ真似したいと思う人もいるかもしれません。しかしながら、誰でも皆、衣替えを“しない派”になれるというわけではありません。では、いったいどのような人が衣替えをしないスタイルに向いているのでしょうか。
出典:株式会社mitoriz「衣替えに関する調査」[PDF]
衣替え【しない派】向いている人は?

衣替えをしないということは、季節ごとの衣類の入れ替えをせず、ひとつの場所にオンシーズンのものもオフシーズンのものも一緒に置いておき、気温に応じてその日に着たい洋服を選ぶということです。そのため、できればウォークインクローゼットなど広めの収納スペースを持ち、洋服を持ちすぎないことが理想的で、押入れ1間分のスペースのみにすべての洋服を収めてしまう“ミニマリスト”という名の強者もいます。このように、収納スペースがなくても、手持ちの洋服が少なければ問題ありません。つまり、衣類がクローゼットにすべて収まる量であれば、衣替えをしなくても済むということです。
反対に、洋服が大好きで大量に買ってしまう人や、1点を長く愛すというよりはシーズンごとに流行りのアイテムを収集するのが好きな人、また、家族が多く、どうしても洋服の量が多いという人などは、衣替えをしないというのは難しそうです。
衣替えをしないメリット&デメリット

衣替えをしないメリットは、なんといっても「衣替えをする手間が省ける」という点です。さらに、衣替えをしたあとに「あれ、寒い! 長袖しまうんじゃなかった!」といったよくある失敗もありません。
デメリットを挙げるならば、「衣類の管理が甘くなる」といったところでしょうか。衣替えをする場合は、最低でも年に2回、衣装ケースやタンスに移し替える際に洋服に触れる機会があるため、サイズアウトした洋服やシミなどにも気付くチャンスがあります。
衣替えをしないとそのような機会がないため、衣類の変化を見落としてしまう可能性があります。同じように、防虫剤や除湿剤の使用期限が過ぎていることに気付かないということもありえます。
こまめにチェックする習慣のある人は問題ありませんが、そうでない場合は、定期的にクローゼットや押し入れの中の状態を見直す時間を作ると安心ですね。
衣替えをするメリット&デメリット

「定期的に洋服の管理ができる」という点が、衣替えをするメリットともいえます。また、大変な作業を終わらせたという達成感や、断捨離の機会でもあることから、「スッキリする」、「気持ちがリセットされる」といった精神面でのメリットもあります。
デメリットは、「手間が掛かる」という点。すべての洋服をいったん取り出して作業をするとなると、半日から1日近く掛かってしまうという人もいるでしょう。しかしながら、以下でご紹介する、ふたつのポイントを押さえることで、衣替えの手間は軽減することができます。
衣替えのやり方
衣替えの手間を少しでも減らすには、「洋服の量を減らす」のが1番です。加えて、「衣替えをしないアイテムを作る」ことで、衣替えをする洋服の量を減らすことができます。以上の2点を押さえながら、手順に沿って作業を進めましょう。
step1. 衣類の仕分け

まずはじめに、洋服を仕分けていきます。「衣替えをしない服」、「捨てる服」、「しまう服」の3つのカテゴリーです。
「衣替えをしない服」とは、いわゆる春服や秋服で、例えばカーディガンなどの薄手の羽織りや長袖シャツ、ロンTなどが代表的です。そうすれば、衣替え後の急な気温の変化にも対応できる上、着回し力が高いので冬のコーディネートの幅も広がります。そして、夏と冬のアイテムを入れ替えれば済むだけなので、作業の手間を減らすことができるのです。
「捨てる服」は、サイズアウトしてしまった服や、汚れや劣化がひどい服、1年以上着ていない服などです。ほかにも「痩せればまた着られそうだから」、「高かったのでもったいない」などといった理由で残している洋服も思い切って処分するのがベター。たとえ着るチャンスが巡ってきても、歳を重ねるごとに似合う洋服やメイク、さらに好みも変化してくるので、なんとなくしっくりこない場合が多いです。
捨てるのがもったいないと思う場合は、リサイクルショップや古着屋に持ち込んだり、フリマアプリなどに出品するのがおすすめ。
step2. 衣類の“しまい洗い”&クリーニング

オフシーズンの「しまう服」は、衣装ケースなどにしまう前にひと手間が必要です。それが、“しまい洗い”と呼ばれるもの。1度洗濯をしてしまってある洋服であっても、長期間の保管をする前には再度洗濯をし直す必要があります。
これは、綺麗に見えていても繊維の奥には見えない汗や皮脂などタンパク質の汚れが残っている場合があるからです。それらを残したままにしておくと、保管している間に酸化して衣類に黄ばみを生じさせる場合があります。
コートなど自宅で洗濯できないものは、クリーニングに出せばOK。ちなみに、クリーニングのビニール袋は外しておくのが正解◎。汚れやホコリが付かず、綺麗な状態で保管できそうな気もしますが、通気性が悪く湿気がこもってしまいます。湿気は、カビや虫食いの原因になるので要注意です。
step3. 衣類の収納

しまう収納よりは、ハンガーに掛けて吊るす収納をした方が、ほかの衣類との接触面を減らすことができるため、通気性がよい状態で保管できます。畳む手間がないというのも楽で嬉しいですね。
とはいえ、すべてを吊るすのはスペース的に難しいはず。さらに、ニットは長期間ハンガーに掛けておくと型崩れしてしまいます。また、厚手のパーカーなども重さで伸びたり肩にハンガーの跡が付いてしまうこともあります。
シャツやワンピースなどは、吊るしておけばシワも伸ばせるため、吊るす収納に向いています。基本は吊るす、吊るせないものは畳むということを意識するとよいでしょう。
ケースなどに収納する際は、積み重ねずに洋服を立ててしまっていきます。下から積み重ねていくと、重さで下の方の洋服がシワになったり、ニットなどの場合は潰れてしまう恐れがあるためです。
また、無理に詰め込みすぎるのも厳禁。空気が循環しないため、湿気がこもりやすくなってしまいます。そうすると、いくら除湿剤を使っても効果を最大限に発揮できません。余裕をもたせて収納するようにしましょう。
ちなみに、衣類害虫は、気温15〜25℃、湿度60%以上で活動が活発になるといいます。さらに、ホコリも栄養にするため、ホコリのある場所が発生源になることも! 虫食いや湿気対策には、防虫剤や除湿剤の使用はもちろん、定期的なクローゼットの換気や掃除も大切ですね。
衣替えで出した服をそのまま着るのはちょっと待って
衣替えをして取り出した服、そのまま着ていませんか? 香り付きの防虫剤や除湿剤を使っている場合は、香りが気になるので1度洗濯をするかもしれません。一方、無臭タイプを使っている人は、気にならないからそのまま着ているという人も多いでしょう。
ところが、長期間保管された服は、落としきれなかった皮脂や洗剤カス、湿気などをエサにした目には見えない虫や細菌、カビが付着している場合があります。そのまま着てしまうと、アレルギー症状がでることも。
衣替えで出してきた服は、1度洗濯機で洗うことで、ダニやダニアレルゲン物質(死骸や糞)のほとんどを除去することができるといいます。そのため、面倒でも1度洗濯をしてから着ることをおすすめします。特に、ニオイが気になるもの、黄ばみやシミが浮いてきたものなど、少しでも気になる点のある衣類は、そのまま着るのは避けましょう。
まとめ
文/渡邊倫子