秋の味覚【さつまいも】おすすめレシピ&美味しさの秘密を徹底解剖!

公開日:2025/10/14

秋の味覚【さつまいも】おすすめレシピ&美味しさの秘密を徹底解剖!

10月13日は「さつまいもの日」、さらにその1か月後の11月13日は「いい焼き芋の日」です。このことからも分かるように、さつまいもは、10月から翌年1月頃までが最も美味しい旬の時期。そのままふかして食べるもよし、料理やスイーツに使ってもよしの万能食材で、この季節を楽しみにしている人も多いのでは? そんなさつまいもの栄養や種類、美味しい食べ方などを深堀りしました!

美容にも健康にもよい! 秋の味覚「さつまいも」

さつまいもは、食物繊維が豊富な上、「ヤラピン」という腸の働きを促す成分も含まれているので、その相乗効果で便秘を防ぐ効果が期待できます。

 

また、みかんと同じくらいに「ビタミンC」を多く含みます。ビタミンCは美肌効果を期待できるだけでなく、抗酸化作用で免疫力も高めてくれる頼もしい栄養素。しかも、さつまいものビタミンCは、加熱しても壊れにくいという特徴があります。

 

紫色の皮には、抗酸化作用の高い「アントシアニン」を含み、さらに果肉の部分よりも「カルシウム」が豊富なので、苦手でなければ綺麗に洗って皮ごと食べるのがベター。栄養を効率よく摂取することができます。

 

参考:JAグループ「耕そう、大地と地域のみらい。」

参考:農林水産省「消費者の部屋 こどもそうだん 」

「ほくほく系」と「しっとり、ねっとり系」

現在日本で栽培されているさつまいもの品種はおよそ65種類! こんなにたくさんの種類があるのかと驚いた人も多いのではないのでしょうか? かくいう私も、毎年家族で収穫体験に行くほどのさつまいも好きですが、そのうちの10種類も食べたことがありません。

 

春雨などの原料になるでんぷん用や焼酎用のものもありますが、私たちが普段焼きいもやスイーツなどで口にするさつまいもは、大まかに分けて、昔ながらの「ほくほく系」と、水分をたっぷり含んだ「しっとり、ねっとり系」のふたつの食感に分けられます。

 

今回は、スーパーで比較的目にすることの多い品種を挙げながら、それぞれどのような特徴があるのかをざっくりとご紹介します。地域によってもお店に並ぶラインナップは変わりますが、ぜひ好みのさつまいもを選ぶときの参考にしてみてください。

 

参考:農林水産省「令和5年度いも・でん粉に関する資料」[PDF]

料理向きの「ほくほく系」

粉質で水分が少なく、ほくほくとした食感が特徴の「ほくほく系」のさつまいも。甘さ控えめで、昔ながらのさつまいもらしい素朴な味わいを好む人におすすめです。

 

代表的なものだと、「なると金時」、「紅あずま」、「高系14号」、「紅さつま」、「宮崎紅」、「栗かぐや」、「すずほっくり」、「パープルスイートロード」などがあります。

 

すっきりとした甘さでしつこくない上、繊維も少ないので料理に使いやすいのも嬉しいポイント。メニュー次第ではきちんと白いご飯のおかずにもなりますよ。

 

焼きいもはもちろん、ほっくり感をいかして天ぷらやさつまいもご飯、大学いもなどにするのがおすすめ。水分が少なくべちゃっとしないので、煮物や炒め物、サラダにもぴったりです。シンプルに焼肉やバーベキューの食材にするのも◎!

スイーツ向きの「しっとり、ねっとり系」

「しっとり、ねっとり系」のさつまいもは、少し粘り気のあるねっとりとした食感と、まるでスイーツのような強い甘さが特徴です。

 

焼きいもブームを牽引する「紅はるか」や「安納芋」をはじめ、しっとり感も強い「紅まさり」や「シルクスイート」、「クイックスイート」、紫いも系には珍しいねっとり系の「ふくむらさき」、そのほか「マロンゴールド」、「あまはづき」などがあります。

 

焼きいもや干しいもにしたり、「ほくほく系」に比べると甘さが強いものが多いため、スイーツにもぴったりです。特に、クリームのようななめらかさをいかしたスイートポテトやモンブランなどがおすすめ。そのまま食べても濃厚な甘さが際立つので、砂糖の量を抑えることができます。

電子レンジ、蒸し器、炊飯器、オーブン 1番美味しく焼けるのはどれ? 実際にやってみました!

普段、家でさつまいもを食べるときは、どのような方法でふかしていますか? 私は電子レンジ一択なのですが、気になったので電子レンジ、フライパン、炊飯器、オーブンの4つの調理機器を使って、どれが1番美味しくさつまいもをふかせるのか実験してみました。

 

使用したのは、ほくほく系のなると金時です。

電子レンジは時短に最適

綺麗に洗ったさつまいもをキッチンペーパーで巻き、水で濡らします。水が滴るくらいビチャビチャにしてOK。その上からふんわりとラップで包みます。

 

最初に600wで2分加熱、次に200wに下げて10分加熱します。

※今回は小さめのさつまいも(205g)を使っています。大きさに合わせて時間は調整してください。竹串を刺してみて、スッと通らなければ少しずつ加熱時間を追加してみて。

 

温度を2段階で設定するのには理由があります。さつまいもは、ゆっくりと加熱することで「アミラーゼ」という酵素が働き、でんぷん質が糖化して甘くなるといいます。このアミラーゼは、70℃あたりで活発に動き、75~85℃以上で失活するため、70℃あたりで加熱するのが理想。そのため、はじめに高いワット数で70℃近くまで温め、低いワット数で適温を保ちながらゆっくりと加熱していくというわけです。

完成したふかしいもの断面図です。食べてみると、パサつき感は全くありません。しっとり感もほくほく感もあって、甘さも十分に感じられました。

 

参考:JAグループ「耕そう、大地と地域のみらい。」

参考:片山健二「『焼き芋』の甘さの秘密」[PDF]

蒸し器は大量にふかすときに

脚のついたステンレス製の蒸し器を使用します。はじめにフライパンに水を入れ、その上に蒸し器を置きます。フッ素樹脂加工のフライパンを傷つけるのが心配な人は、底にキッチンペーパーを敷いてください。

 

綺麗に洗ったさつまいもを並べ、フタをして中火で30分ほど加熱すれば完成。竹串がスッと通らない場合は、加熱時間をプラスして。

食べてみると、電子レンジでふかしたさつまいもと、味、食感ともに違いを感じられません。なんとか違いを見出そうとしましたが、私には分からず……。どちらもしっとりほくほくです。

 

電子レンジで加熱する場合は、1度にたくさんのさつまいもを入れると加熱ムラが起こりやすくなってしまいます。そのため、少量をサッと時短でふかしたいときは電子レンジ、1度に大量にふかしたいときは蒸し器、と使い分けるとよいかもしれませんね。

炊飯器でしっとり感UP

綺麗に洗ったさつまいもを炊飯器に入れ、さつまいもが半分浸るくらいの水を入れます。あとは、炊飯のスイッチを押すだけ。さつまいもが長くて入りきらない場合は、包丁でカットしましょう。

食べてみてびっくり! 電子レンジ、蒸し器でふかしたさつまいもに比べると、味の変化はそこまでないものの、しっとり感、ねっとり感が強くなっていました。

 

ほくほく系のなると金時でも食感が明らかに変化したので、しっとり、ねっとり系のさつまいもであれば、さらにそのねっとり感をうまく引き出して美味しいふかしいもができそうです。

オーブンは食感、香りともに◎

天板にクッキングシートを敷き、綺麗に洗って水気を切ったさつまいもを並べます。あとは、180℃(予熱なし)で1時間ほど焼けば完成。竹串がスッと通らない場合は、加熱時間を少しずつプラスします。

今回はアルミホイルなしでやってみたので、「パサパサにならないかな」と少し心配だったのですが、炊飯器でふかしたさつまいも同様、しっかりとしっとり感、ねっとり感があり、甘さもありました。さらに、焼くことにより甘く香ばしい香りが強く漂うため、味も濃く感じられました。結果、1番美味しいと感じたのはオーブンで焼いたさつまいもです。気になる人はぜひ試してみてください。

美味しい! 簡単! さつまいもを使ったレシピ

少ない材料でできる簡単で美味しいさつまいものレシピを3つご紹介します。ほぼ家にある材料でできてしまいますよ。

石垣もち

石垣もちは、大分県の郷土料理です。名前の由来は、ゴツゴツとした見た目が石垣のようだからなのだそう。実際は小麦粉やベーキングパウダーなどで作るのですが、今回は、ホットケーキミックスを使った簡単アレンジバージョンです。

材料

  • さつまいも……1本(今回は302gの大きめのものを使用)
  • ホットケーキミックス……200g
  • 水または牛乳……140mL

作り方

1. さつまいもを1cm角になるように切り、10~15分ほど水にさらしてアク抜きをする。

2. ホットケーキミックスに1のさつまいもを加える。

3. 水または牛乳を少しずつ加えながら混ぜる。

4. 適当な大きさにカットしたクッキングシートの上に3を乗せ、蒸し器で30分ほど蒸せば完成!

蒸し器がない場合は、耐熱の皿にグラシンカップなどを置き、そこに生地を入れます。フライパンや鍋に水を入れ、フタをすればOK。

 

お皿によっては、加熱中カタカタと音がするので、底にキッチンペーパーを敷いておくと安心。

牛乳ではなく水を生地に入れると、より弾力があってむっちりとした食感になります。

※今回は水を入れています。

さつまいものシュガーバター

砂糖とバターの美味しくないはずがない組み合わせをいかした一品。甘くないさつまいもの救済レシピにもぴったりです♪

材料

  • さつまいも……1本(今回は280gの大きめのものを使用)
  • 砂糖……大さじ2
  • バター……20g

作り方

1. さつまいもを1cm幅に切って、10〜15分ほど水にさらしてアク抜きをする。

2. 耐熱ボウルにさつまいもを入れ、水を少量ふりかけ、ふんわりとラップをかける。600wで5分加熱する。

3. フライパンに、バター、砂糖を入れて菜箸などでかき混ぜる。

4. 3が完全に溶けきったら、水気を切ったさつまいもを投入。

5. シュガーバターをからませながら、両面こんがりと焼き色が付くまで焼いたら完成!

砂糖もバターも思い切って焦がしながらよく焼いた方が、風味よく仕上がります。

さつまいもチーズボール

韓国で人気のコグマボール(韓国語でコグマはさつまいもの意味)のチーズ入りバージョンです。さつまいもの代わりにじゃがいもやかぼちゃで作っても美味しいですよ。

材料

  • さつまいも……1本(今回は210gの中くらいのものを使用)
  • チーズ(好みのもの)……適量
  • 片栗粉……大さじ2
  • 牛乳……適量
  • 砂糖……適量

作り方

1. さつまいもの皮をむき、1cm幅に切って、10〜15分ほど水にさらしてアク抜きをする。

2. 耐熱ボウルにさつまいもを入れ、水を少量ふりかけ、ふんわりとラップをかける。600wで5分加熱する。

3. マッシャーやフォークでつぶす。ここで水分が足りないようであれば牛乳を、甘みが足りないようであれば砂糖を足す。

4. 片栗粉を入れてよく混ぜる。白玉粉やタピオカ粉などで代用してもOK。

5. 真ん中に好みのチーズを入れてしっかりと包み、丸く成形する。

6. 中火の油で揚げる。きつね色になったら取り出して完成!

カリッ、モチッ、とろ〜っとした食感が楽しい子どもも喜ぶおやつです。タネに塩コショウやカレー粉を入れて、おかずよりにしても美味しいですよ。

冷めてしまっても、電子レンジやトースターで温めなおせば、とろ~りチーズが復活♪ 

まとめ

秋に旬を迎えるさつまいもを余すところなく楽しむために、栄養や美味しさの秘密を深堀りしました。紹介したレシピは、どれも余った焼きいもを使ってもOK。さつまいもは美容にも健康にもよいので、美味しい今の季節に家族皆でたくさん食べたいものですね♪

文/渡邊倫子

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