秋冬の乾燥に要注意! お肌&家の乾燥対策10選

公開日:2025/10/17

秋冬の乾燥に要注意! お肌&家の乾燥対策10選

秋から冬は乾燥が気になる季節です。乾燥肌の人にとっては特に悩ましい季節であり、そうでない人でも、この時期は肌がゆらいでしまうという人が多いのではないでしょうか。また、空気が乾燥していると肌トラブルだけでなく、インフルエンザなどの感染症のリスクも高まってきます。そこでカギとなるのが“加湿”です。賢くお部屋を加湿して秋冬の嫌な乾燥に打ち勝ちましょう。

空気の乾燥はお肌の天敵!

空気が乾燥していると、肌の水分も蒸発しやすくなります。

 

肌の角質層は「皮脂膜」という組織で覆われていて、水分の蒸発を防ぐ役割をしています。皮脂膜は、水分と皮脂が混ざり合ってできていますが、肌の水分が蒸発してしまうと、この皮脂膜まで薄くなってしまいます。これが、肌のバリア機能が低下している状態。そうなると、肌の中の水分を上手く保てなくなってしまい、肌は乾燥してしまいます。

 

このことからも分かるように、いくら肌に水分や栄養を与えても、乾燥しきった場所は、お肌にとっては過酷な環境です。そのため、肌のケアと合わせて部屋の加湿も重要です。

 

参考:ケラチナミンコーワ「【医師監修】肌のかゆみの原因は乾燥!日常でできる対策を解説!」

参考:日比谷ヒフ科クリニック「乾燥肌のスキンケアとは?皮膚のバリア機能の低下を防ぐ方法や、化粧水や乳液の選び方を解説。」

乾燥対策=ウイルス対策にもなる

お部屋の乾燥対策のために加湿を心掛けることは、肌に良いだけではありません。風邪や感染症予防にも有効です。

 

インフルエンザなどの浮遊ウイルスは、相対湿度が40%を超えるところでは、空気中の水分を含んで重くなり非活性化するため、感染力が低下します。一方、相対湿度40%未満の乾燥した空気中では、ウイルスはより長く生存するといわれています。

 

湿度は高すぎても結露やカビなどの問題が出てくるので、40〜60%を目指すと良いでしょう。

 

ちなみに、空気中のウイルスは、鼻や口を通って気道に接着し体内に侵入しますが、鼻腔や気道に付着したウイルスは、気道上皮の線毛の上にある粘液が絡め取り、15分以内にはウイルスを体外へ排出する仕組みになっています。ところが、乾燥により気道上皮が潤いを失っていると、線毛の働きが弱くなってしまいます。そうなると、ウイルスをうまく外に出せません。

 

このように、乾燥はウイルスには好都合な上、それと戦う気道の細胞にとっては不利な状況なのです……。肌だけでなく、家族皆の感染症予防のためにも、部屋の加湿を常に心掛けたいものですね。

 

参考:コンデア「室内を相対湿度40~60%に保つと空気中のウイルスを低減できます」

参考:小林製薬「感染症対策は『のど・鼻の加湿』がポイント! ~体の防御機能を高める“湿活”のすすめ~」

今すぐできるお家の乾燥対策5選

気軽にはじめられる乾燥対策をご紹介します。まずはお家編。

 

家によって乾燥しやすい家、しにくい家があったり、その日の天候などによっても湿度は変わってくるので、窓の結露を見るなどして部屋の湿度はこまめにチェックするようにしましょう。

①加湿器を置く

部屋の湿度を上げるには、加湿器を置くのが最も効果的です。部屋全体を加湿するには部屋の真ん中に置くのが効果的ですが、それは難しい場合がほとんどだと思います。そのため、メインの加湿器を使いつつ、それぞれのパーソナルエリアには小型の加湿器をプラスするのがおすすめ。

 

持ち運びが簡単な手乗りサイズの卓上加湿器なら、家事をする際にはキッチンに、子どもが宿題をするときには机の上に……と、移動ができるので便利♪

②洗濯物は部屋干し

洗濯物を部屋干しするのも加湿に効果的です。部屋干し用のラックや、壁に取り付けるタイプの伸縮式のワイヤーなどもあるので、お気に入りを見つけてみて。

 

朝起きたときの乾燥による喉の痛みに悩んでいる人は、写真のように寝室のドア枠に洗濯物を掛けるのも◎。ただし、カーテンレールに掛けるのは厳禁。私も過去に経験がありますが、洗濯物の重みでレールが曲がってしまう場合があります。

➂浴室のドアを開けておく

ビジネスホテルに泊まった際には、乾燥対策で浴槽にお湯をはって浴室のドアを開けっぱなしにしておくと良いという話を聞いたことがありませんか。自宅でも使える方法ですが、ビジネスホテルのように1室だけというわけではないので、そこまでの効果は得られません……。

 

とはいえ、マンションなどで浴室と寝室が近い場合は、睡眠中の乾燥を軽減できて良さそうです。

 

小さな子どものいる家庭では、寝ている間に間違って浴室に入ってしまう恐れもあるためおすすめできません。

④観葉植物を置く

植物には、葉から水分を放出する蒸散作用があるので加湿効果が期待できます。ちなみに、葉が大きい植物やたくさん付いている植物ほどたくさんの水分を出すといわれています。

 

エアコンの風が直接当たる位置に植物を置くと、蒸散しすぎて植物が水分不足になってしまうので注意しましょう。

 

また、気温の低い冬は、そのほかの季節に比べて花瓶の切り花が長くもつ季節です。花瓶の水も前述の卓上加湿器のように手軽な乾燥対策として効果的なので、切り花を飾るのも良いですね。

⑤布製品に霧吹きをかける

カーテンやクッションなど、布製のものに霧吹きをかけるのもおすすめ。乾く際に水分が蒸発するので、部屋を潤すことができます。特に乾燥が気になるときの応急処置的な手段として覚えておくと安心ですね。

 

湿度が十分な部屋で霧吹きをかけ過ぎると、雑菌が繁殖したりカビが生えることもあるので、十分に注意しましょう。

今すぐできるお肌の乾燥対策5選

部屋の加湿をしつつ、肌に潤いを与えるケアもプラスしましょう。

①お風呂はぬるめのお湯が正解

冬は温かいお湯につかって体の芯から温まりたいと考える人が多いかもしれませんが、それでは余計に乾燥を招いてしまう恐れがあります。熱いお湯は、皮脂膜を溶かして角質層の保湿成分まで流してしまうためです。長時間の入浴も同様です。

 

さらに火照った体は熱を放出しようとするため、多くの水分が出ていってしまいます。38〜40℃程度のお湯に10〜15分ほどつかる程度にとどめておきましょう。

 

参考:第一三共ヘルスケア ミノン「肌トラブルの原因3『長時間の入浴』」

②スキンケアアイテムは秋冬用にチェンジ

春夏に使っているスキンケアアイテムをより保湿効果の高いアイテムにシフトするだけでもトラブルが軽減する場合があるので、なんとなく肌の調子が悪いという人は試してみて。また、アイクリームや美容オイルなど、なにかプラスワンのアイテムを買い足すのもおすすめ。

 

家族が使うボディーソープも見直してみましょう。秋冬は、保湿力が高く洗浄力が強すぎないものがベター。ゴシゴシ洗うと皮脂を落とし過ぎてしまい乾燥を招くので、優しく洗うのが鉄則です。

➂水分補給はたっぷりと

乾燥対策にはスキンケアなど体の外側から水分や栄養を与えることも大切ですが、同時に体の内側から水分補給をすることも重要です。体内の水分が不足すると、血液の粘度が増し、血液の循環が鈍くなってしまいます。血行不良が起こると新陳代謝が悪くなり、肌のターンオーバーが乱れます。ターンオーバーの乱れた肌は、乾燥しやすくなってしまうのです。

 

しかし、水分でもコーヒーや紅茶、緑茶などカフェインを含むものは控えましょう。カフェインには利尿作用があるため、体の水分が尿として排出されやすくなってしまいます。

参考:アクアクララ「水分不足は乾燥肌の原因!美容面への影響と正しい水の飲み方を解説」

④肌に潤いを与える食べ物を摂取

効果を期待して特定の物を食べるよりは、バランスの良い食事を心掛けることが大切です。あとは、肌の健康を保つのに欠かせない「たんぱく質」や、「ビタミンA」、「ビタミンB群」、「ビタミンC」、「ビタミンE」を多く含む食材を、特に意識して積極的に取ると良いでしょう。

 

また、はちみつや大根、しょうが、れんこん、梨などは喉の乾燥や痛みを改善するのに効果があるといわれています。喉がイガイガするといった不調を感じたときは摂取してみて。

 

参考:第一三共ヘルスケア「咳(せき)の予防」

⑤質の良い睡眠を心掛けて

健やかな肌を保つためには、質の良い睡眠が必要不可欠! 人は主に寝ている間に成長ホルモンが分泌されますが、睡眠不足によりこの成長ホルモンの分泌が損なわれると、肌のターンオーバーも乱れてしまいます。その結果、お肌の乾燥をはじめ、さまざまな肌トラブルに繋がってしまいます。

 

しっかりと睡眠をとらなければ、免疫力が低下して風邪を引きやすいというデータもあります。お肌のためにも風邪や感染症予防のためにも、早寝早起きの規則正しい生活を心掛けるようにしましょう。

 

参考:大塚製薬 免疫Navi「睡眠の質と免疫」

まとめ

秋冬の乾燥対策をご紹介しました。大切なのは、お部屋の加湿と、体の内側からと外側からのケア。できそうなものだけをチョイスするのでもOK! 健康&綺麗に乾燥の季節を乗り切りましょう。

文/渡邊倫子

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