手軽に手に入る道具や材料を使って、ほっこり可愛らしいはんこを作ってみませんか。基本の消しゴムはんこの作り方や、はんこを使って作るメッセージカードのデザイン例もご紹介します。ぜひ参考にして、自分だけのオリジナルはんこ&カードを作ってみて。
消しゴムはんこの魅力
子どもの頃に作ったことがあるという人は多いかもしれませんが、消しゴムはんこ作りは大人の趣味としても最適! 素朴であたたかみのある風合いはもちろん、夢中になれるその過程や、完成したときの達成感や喜びもまたほかでは味わえない魅力です。
必要な道具は、消しゴム、カッターやデザインナイフなどの刃物、鉛筆、トレーシングペーパー、カッターマットのみで、すべて100円ショップで購入することができます。特別な道具や難しい工程などは一切ないので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
基本の消しゴムはんこの作り方
普段使っている消しゴムでも問題なくできますが、消しゴムはんこ専用の消しゴムというものがあります。
専用の消しゴムは、表面に色が付いているので、どこが削られているかがひと目で分かります。100円ショップや文具店、雑貨店などで購入できるので、初めて挑戦する人は専用の消しゴムがおすすめ◎。
消しゴムの表面にくっつき防止のための白い粉が付いている場合は、ウェットティッシュなどで拭き取っておきましょう。
はじめにトレーシングペーパーに好きな絵柄や文字を描きます。キャラクターのはんこを作る場合は、絵柄の上にトレーシングペーパーを重ね、上から鉛筆でなぞればOK。
鉛筆は2B以上の濃く太い線が描けるものを使ってください。しっかりと消しゴムに転写することができます。
トレーシングペーパーを裏返して絵柄を消しゴムの表面に転写します。ズレてしまわないようにマスキングテープで固定しましょう。
簡単な絵柄であれば、ボールペンやマジックで消しゴムに直接描いてもOK。反転して消しゴムに転写されるので、文字をはんこにする場合はこのやり方がとても便利!
定規などを使って上からこすると、しっかりと消しゴムに絵柄が転写されます。
自分の彫りやすいように消しゴムを回転させながらナイフを入れていくので、消しゴムは適当な大きさにカットしましょう。
輪郭線の外側から彫りはじめます。刃先は立てずに斜め(45度程度)に倒すのがポイント。
一気に1周いこうとせず、少しずつ区切りながら進めた方が失敗を防げます。
消しゴムをまわして向きを変え、今度は反対側から刃先を斜めにして切り込んでいきます。
周りに“V”の字の溝を彫っていくイメージです。
ぐるっと1周溝ができました。
次に内側を彫っていきます。同じように刃先は斜めに倒すことを意識して。
輪郭線と同様に、内側の線のまわりにも“V”の字の溝を彫っていきます。
白抜きにする部分を彫っていく際もやり方は同じ。斜めに刃を入れ、消しゴムをまわして反対側から斜めに刃を入れてペロンとくり抜きます。
内側を彫り終えました。
次にまわりの余計な余白を切り落とします。
外側の“V”の字の溝から外側に斜めに刃を入れて余白部分を落とします。まっすぐ切り落とすよりも斜めに切り落とした方が強度が増すのでおすすめ。
完成!
試し押しをして、削り残しがないかをチェック。
彫りがあまい箇所を彫り直しましょう。
左が修正後で右が調整前です。鼻のまわりやお腹のボタンを少し修正しましたが、はっきり言って左右で区別がつきません。裏を返せば、多少不格好でもそれも味になるということ……。手作りのはんこならではの魅力ですね!
ゴム版はんことは?
ちなみに、ビニールゴム版を彫って作る「ゴム版はんこ」は、彫る方法が消しゴムはんことは少し異なります。
ゴム版はんこは層になっているため、抜きたい部分のまわりに切り込みを入れて、その内側をピンセットなどを使って剥がしていきます。
消しゴムはんこのように斜めに切り込みを入れて、また反対側から斜めに切り込みを入れるという工程はありませんが、表面を剥がすのにも力やコツが必要だったりすので、実際に試してみて自分の好きな方を選ぶのがよいかもしれませんね。
ビニールゴム版は100円ショップにはなく、大型のホームセンターやネットショップなどで購入できます。
初心者さんは“ベタ面”はんこもおすすめ
インクの付く部分、いわゆるベタ面のみで白抜き部分のないはんこは、内側を彫る作業がないため初心者さんにぴったりです。
まずはハートや星、鳥、リボン、花など好きな絵柄から挑戦してみてくださいね。
今回は、難易度が低く汎用性の高そうなデザインを5パターン作ってみました。四角、三角、丸、キラキラ系、葉っぱです。四角と三角は消しゴムをカットしただけですが、アイデア次第でそこから生まれるデザインは無限大です♪
ベタ面はんこを使ってオリジナルカードを作ってみた!
完成したハンコは、手帳やノートにポンッと押すだけでも可愛いらしいですが、ハガキやカードに好きなように押して、オリジナルの絵葉書やメッセージカードを作るのも楽しくおすすめです。
そこで、実際に四角、三角、丸、キラキラ系、葉っぱのベタ面はんこを使ってカードを作ってみました。カードは好きな色の画用紙をカットしただけ。紙の色が変わるとインクの色の出方も変わってくるので、また違った印象になりおもしろいですよ。
三角
三角のはんこを並べるだけでガーランドのできあがり。使う色の数が多いほどポップな印象に、1、2色で抑えると大人っぽくまとまります。
四角
形や大きさの違う四角のはんこを上下の端に1列に押していくだけ。センスもテクニックも必要ありません!
丸
ポップなドット柄も独特の優しいはんこの色合いで、幻想的な絵柄に昇華します。大胆に重ね押しをするのがポイント。
キラキラ
たくさんのキラキラの星たちは、ランダムに配置するだけでもサマになってしまうから不思議。
中央に向かって余白を増やしていくグラデーション風は、キラキラに限らずどんな柄でも使えます。
葉っぱ
葉っぱのスタンプもインクの色を変えれば花びらに早変わり。黒のインクでモノトーンに仕上げてもかっこよさそう!
キラキラ + 丸 + 葉っぱ
異なる種類のはんこを組み合わせれば、さらにバリエーションが広がります。
ポイント
重なり合う部分には、その形にくり抜いた紙を乗せて上からはんこを押します。奥行きが生まれて素敵♪
三角 + 四角 + キラキラ
三角を重ねていくとクリスマスツリーが完成します。シンプルにしましたが、キラキラや丸のはんこでツリーを飾っても可愛く仕上がりそう。
丸 + キラキラ + 葉っぱ
ということで、こちらのクリスマスリースには小さなドットを散らしました。
ポイント
真ん中に丸く切った紙を置き、それをガイドにしてはんこを押していけば綺麗な円が描けます。
四角 + 丸 + 葉っぱ
こちらはバースデーカードに使えそうなロウソクのデザインです。ちょっとしたプレゼントに添えるだけで特別感を演出できそう。
三角 + 丸 + 四角
応用編で絵画風。一見難易度が上がったようにも見えますが、実は単純なパターンでとても簡単。
雪だるま + キラキラ、雪だるま + 丸
最後は雪だるまをメインに♪
いかがでしたか。作りながら色々とアイデアが浮かんでくるのが楽しく、夢中になってしまいました。子どもと一緒にあれこれとデザインを考えるのも盛り上がりそうですね!
まとめ
文/渡邊倫子