子どもの将来に大きく関わる...? 粘土遊びの意外な効果とは

公開日:2022/05/06

子どもの将来に大きく関わる...? 粘土遊びの意外な効果とは

子どものもつ能力を楽しく高められる方法を知っていますか?

それはズバリ「感触を楽しむ遊び」です。

 

感触を楽しむ遊びとは、肌を通して感じる触感を味わうもので、粘土遊びもそのひとつ。

さまざまな効果があることが知られており、保育の現場でも積極的に取り入れられています。

 

この記事では、家庭でも簡単にできる粘土遊びに注目しました。

粘土遊びが子どもにどのような効果をもたらすのか、その効果を得ることで子どもには今後どのようなメリットがあるのかについてお伝えします。

 

また、粘土遊びは大人のストレス解消にもなります。

子どもにも大人にもうれしい効果をもたらしてくれる粘土遊びについて、深掘りしていきましょう。

粘土遊びが子どもにもたらす5つのうれしい効果とは

粘土遊びが子どもにもたらす効果として、さまざまなものが知られています。

その中でもこの記事では、

  • 手先が器用になる
  • 想像力が豊かになる
  • 情緒が安定する
  • 集中力が高まる
  • 科学的な思考力を育む

の5点に注目してお伝えします。

手先が器用になる

子どもは粘土遊びを通して、こねたり丸めたり伸ばしたりつまんだりといった手先の使い方を学びます。

また年齢が上がると、道具を使った遊び方もできるようになり、より細かい作業ができるようになります。

 

大人と一緒に粘土遊びをすれば、子どもは大人の動作をお手本にしながら手先のさまざまな使い方を発見します。

さらにそれを応用した難しい動きもできるようになるでしょう。

 

手先の器用さは個人差が大きいため、その子のペースに合わせて見守ってあげることが大切です。

 

手先が器用になると、ボタンかけやひも結びなどがスムーズにできたり、えんぴつや箸を正しく持ったりといったことにもつながります。

手先の器用さは基本的な生活に活かせることですので、粘土遊びで楽しく鍛えましょう。

 

それに加え、手先をたくさん使うことは脳への刺激となります。

手先が器用になるだけでなく、脳の発達にもよい影響があるのです。

想像力が豊かになる

粘土遊びを通して想像力を育むこともできます。

 

粘土遊びでは、イメージをふくらませてさまざまな形を作り上げます。

頭で想像したものに近づけるにはどのようにしたらよいのか、いろいろな考えを巡らせながら粘土をこねているのです。

 

子どもの想像力を豊かにしたいなら、子どもが作ったものに対して、否定したり親が手直ししたりすることはやめましょう。

 

子どもが作ったものが何かわからないときは「これは何を作ったの?」と素直に聞いてOKです。

その上で「この部分がすごいね!」などと具体的なポイントをほめてあげるようにしましょう。

 

粘土遊びを通して想像力を育むには、子どもの自由な発想を生かすことが大切なのです。

 

想像力が豊かだと相手の気持ちを考えられるので、良好な人間関係を築きやすくなります。

また、将来何が起きるのかを想像できることで、トラブルや失敗へも適切に対応できるでしょう。

情緒が安定する

子どもは触感から安心感を得ます。

肌触りのよい毛布を肌身離さなかったり、寝るときにお気に入りのぬいぐるみをだっこしたりといった習慣がある子どももいますよね。

このことからも、子どもにとって触感が大きな安心感につながることがわかるでしょう。

 

粘土はやわらかく弾力がある独特の触感をしています。

にぎったりこねたりしているだけでもリラックス効果があるのです。

ストレスを感じやすい子どものストレス発散になることも知られています。

集中力が高まる

粘土遊びには集中力を高める効果も期待できます。

夢中になって粘土をこねたり丸めたりする経験を通して、何かとじっと向き合う能力を身につけられるのです。

 

また、粘土遊びは机に向かう習慣を付けたいときにも役立ちます。

じっとしているのが苦手でなかなか座っていてくれないという子には、粘土遊びを通して、ある程度の時間座り続けるという経験をさせてみるのもよいかもしれません。

 

粘土遊びに集中できない子の場合は、何かテーマを与えてみてはいかがでしょうか。

「小さいお団子をいっぱい作ろう!」「どっちが細くできるか競争してみよう!」といったように、子どもがわかりやすいテーマがおすすめです。

 

集中力は成長しても重宝するスキル。

集中力が高い人は、メリハリを付けて作業できたり短期間で成果を出せたりするので、勉強でも仕事でも努力を結果につなげやすいようです。

科学的な思考力を育む

粘土遊びには、科学的な思考力を育む効果もあります。

科学的な思考力とは、観察を通して仮説を立て、実際に検証してみることで仮説を立証するという考え方。

中学校の理科でも求められている思考力です。

 

粘土遊びでは、以下のように各段階が科学的思考に結びついています。

 

【観察】粘土で作りたいものの特徴を観察する

【仮説】それを粘土で作るにはどのようにすればよいのかを考える

【検証】実際に作ってみる

 

つまり、粘土遊びを行うことで科学的な思考のプロセスを練習していることになるのです。

科学的な思考法は意識せずに活用しているケースが多いもの。

具体的にどんなときに役立つのかイメージがつきにくいかもしれませんので、例をあげて説明します。

 

たとえば、子どもがお片づけをしてくれないとき、どんな収納方法なら子どもがお片づけをしやすいか考えたことはありませんか?

そのとき親は、無意識のうちに以下のような考え方をしています。

 

  1. 子どもを観察していたら「かごに放り込むだけなら片づけやすいみたい」と気付く
  2. 実際におもちゃをかご収納に変えて、再び子どもの様子を観察する
  3. うまく片付けられないようなら、再び別のアイデアを考える

 

このように例をあげてみると、わりと日常的に科学的な思考をしていることがお分かりいただけるのではないでしょうか。

 

私たちは日ごろからこういった考え方を活用して生活をしています。

つまり、子どものときに科学的な思考の癖がついていると、役立つケースが多いのです。

子どもが粘土遊びを楽しむなら何歳から?

たくさんの効果がある粘土遊び。

大人と一緒なら1歳頃から楽しめます。

 

とはいえ1歳頃はまだ手先が不器用なので、造形を楽しむことは難しいです。

粘土をにぎったりちぎったりして感触を楽しみましょう。

色やにおいも味わいながら、五感をフルに使った遊び方がおすすめです。

 

ただし1歳頃はなんでも口に入れてしまう年齢。

一般的には、粘土を飲み込んだとしても害はないといわれていますが、油粘土を大量に飲み込むと嘔吐や下痢が起きるケースもあります。

必ず大人が一緒に遊ぶようにしてくださいね。

 

低年齢の子どもに粘土遊びをさせるときには、口に入れても安心な粘土を使うのもおすすめです。

小麦粘土やかんてん粘土、お米が原料の粘土など、たくさんの種類が市販されています。

100円ショップなどでも気軽に購入できますので、ぜひチェックしてみてください。

 

ちなみに、小麦粘土は自宅で手作りすることも可能です。

基本の材料は、小麦粉と水、サラダ油など。

色をつけたい場合は、食用色素や粉末青汁などを用意してみましょう。

 

特別な材料はいりませんし、こねるだけで作れますので、子どもと一緒に粘土作りから楽しむのもよさそうです。

ただし、手作りの小麦粘土は保存がききません。

遊ぶ直前に作り、遊び終わったら処分するのが安心でしょう。

粘土遊びは子どもだけのものじゃない!大人のストレス発散にも◎

粘土は子どもの遊びというイメージをもつ人が多いかもしれません。

しかし実は、大人のストレス発散にも効果があることが、心理学的にも知られています。

 

粘土のやわらかさを感じながら手先を細かく動かす作業が、癒しと安心感につながるのだそうです。

 

とくに女性に人気なのが、アクリル系樹脂粘土。

乾燥させるとかたまる特性を生かし、インテリア雑貨やキーホルダーなどを作っている人も多いようです。

 

現在粘土の種類は非常に多く、大人が楽しめるものもたくさんあります。

子どもが寝た後やお昼寝の間のリラックスタイムなどに、大人も粘土遊びを楽しんでみてはいかがでしょうか。

まとめ

粘土は1歳頃から楽しめる遊びです。
年齢が上がると遊び方の幅も広がり、個性も出てきます。

ここで紹介したように、粘土遊びはさまざまな力を育むこともできますので、子どもの感性を生かしながら自由に遊ばせてあげましょう。

さらに、子育て中で何かとストレスがたまりやすい人にも粘土遊びはおすすめです。リラックスタイムにぜひ試してみてくださいね。

文/りっか

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