秋はさまざまな食べ物が旬を迎える季節。
紅茶も例外ではなく、10月頃からはダージリンの秋摘み紅茶「オータムナル」のシーズンが始まります。
秋摘み紅茶は甘味が強く、深みのある味わいなのだとか。
普段紅茶を飲まない方も、ぜひ秋のおいしいダージリンを堪能してみてください。
この記事では、紅茶の特徴や歴史、種類についてまとめました。
近年注目が高まっている「和紅茶」についてもご紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
秋はさまざまな食べ物が旬を迎える季節。
紅茶も例外ではなく、10月頃からはダージリンの秋摘み紅茶「オータムナル」のシーズンが始まります。
秋摘み紅茶は甘味が強く、深みのある味わいなのだとか。
普段紅茶を飲まない方も、ぜひ秋のおいしいダージリンを堪能してみてください。
この記事では、紅茶の特徴や歴史、種類についてまとめました。
近年注目が高まっている「和紅茶」についてもご紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
お茶は中国やチベット・ミャンマーに自生する「チャノキ」の葉から作られる飲み物です。
6世紀頃には広く一般に普及したといわれていますが、紅茶が普及したのはもっと後の時代となります。
紅茶の特徴や歴史を見ていきましょう。
紅茶とは、茶葉を発酵させて作られるお茶です。
赤褐色の茶葉と独特の風味・香りを持ち、アイスティー・ミルクティー・フルーツティーなどとさまざまな飲み方で楽しまれています。
紅茶の健康効果はさまざまあるといわれていますが、紅茶を飲むことにより以下のような効果を期待できます。
ただし紅茶には「シュウ酸」が多く含まれているため、尿路結石のリスクが高いといわれています。
シュウ酸はカルシウムと同時に摂取することで吸収が妨げられるため、紅茶をたくさん飲みたい場合は、ミルクを入れてミルクティーにするのがおすすめです。
お茶はオランダからヨーロッパにもたらされ、後にイギリスで広く普及したといわれています。
海上貿易の覇権がオランダからイギリスに移ると、インドや中国のお茶がダイレクトにイギリスに入ってくるようになりました。
18世紀頃のイギリス社交界では、王侯貴族によってお茶を楽しむ習慣が生まれたといわれています。
その後紅茶を飲む習慣は庶民にも広がり、イギリスに優雅な紅茶文化が根付きました。
なお、当初イギリスに輸入されていたのは、紅茶そのものではなくお茶です。
紅茶が生まれた理由について厳密なところは不明ですが、「イギリスでは発酵茶の方が人気が高かったため」などの説が有力です。
イギリスの水は硬水で、未発酵の茶葉で淹れたお茶では味わいが物足りません。
製造者がイギリスの水にあわせて茶葉を発酵させていくうち、完全発酵茶である紅茶が誕生したというわけです。
紅茶は、インド原産の「インド紅茶」とスリランカ原産の「スリランカ紅茶」に大別されます。
このほかお茶の発祥地・中国の紅茶も見逃せません。
紅茶の種類について詳しく見ていきましょう。
インド紅茶の特徴は、バラエティの豊かさと華やかな風味・香りです。
個性の違いを楽しめる、代表的なインド紅茶をご紹介します。
主にインド北東部アッサム州で栽培される紅茶です。
インド紅茶の中ではお手頃であるため、世界中の紅茶市場で幅広く取り扱われています。
味わいの特徴は、濃厚なコクとほどよい渋味があること。
紅茶特有の赤褐色も美しく、香りも芳醇です。ストレートで飲んでもおいしいのですが、ミルクティーに最適なお茶として人気があります。
「世界三大銘茶」の一つに数えられるインド紅茶です。
フルーティーで華やかな味わいと香りを持ち、「紅茶のシャンパン」ともよばれます。
主にインド北東部のダージリン地方で栽培されることから、この名前が付けられました。
ダージリンは、茶園や収穫の時期によって味わいが大きく異なるのが特徴。
「果実のようにフルーティーなフレーバー」「花のように華やかなフレーバー」などと、好みの味わいを楽しめます。
主に南インドのニルギリ丘陵地帯で栽培される紅茶です。
高地で栽培される茶葉には爽やかな風味とやさしい甘さがあり、三大インド紅茶の一つに数えられています。
ニルギリの特徴としてあげられるのが、渋味が出にくく飲みやすいこと。
適当に淹れてもおいしくいただけるため、紅茶初心者におすすめです。
レモンやフルーツを入れて飲むと、ニルギリのみずみずしさが際立ちますよ!
「セイロンティー」として一括りにされていることが多いのがスリランカの紅茶。
しかし実際には、個性の異なるおいしい紅茶がさまざまあります。
スリランカ紅茶からおすすめの紅茶をご紹介します。
スリランカの中央高地で栽培される紅茶です。
栽培地の標高は1,200m~1,600mと高く、深いコクや渋味・強い香りがあります。
味わいの豊かさや香りの華やかさがちょうどよく、紅茶としては「正統派」です。
日本人が「紅茶」と聞いてイメージするものに一番近いお茶かもしれません。
シーズンを問わずおいしい紅茶ですが、12~2月に出荷されるディンブラは特別!
「セイロン茶の王者」とよばれる最高級品です。
世界三大紅茶の一つに数えられる紅茶。
スリランカ南東部の、標高1,800メートルの高地で栽培されています。
味わいは渋味が強く、他の紅茶にはない深みがあるのが特徴です。
特に7月~9月頃の「クオリティシーズン」のウバは、ミントのような爽快感があります。
個性豊かな味わいは、ストレートでもミルクティーでもおいしくいただけますよ。
スリランカの古都「キャンディ」周辺で栽培される紅茶です。
栽培地の標高が400~500mと比較的低いため、渋味が少ないのがポイント。
強い香りもなく、非常に飲みやすい紅茶です。
キャンディの特徴は、「クリームダウン」が起こりにくいこと。
クリームダウンとは、紅茶の温度の低下によってタンニンとカフェインが結合し、白くにごってしまう現象です。
そもそもタンニンの量が少ないキャンディなら、アイスティーにしてもおいしくいただけます。
中国紅茶は、17世紀頃に誕生した紅茶です。
中国紅茶の中でも、特に有名な「キームン」をご紹介します。
中国の安徽省祁門県(あんきしょう きもんけん)で生産される紅茶です。
ダージリン、ウバと並び「世界三大銘茶」の一つに数えられています。
ただし生産量は少ないため、価格は非常に高価です。
キームンの特長は、蘭やバラに似た華やかな香りと、口に含んだときのスモーキーな味わい。
紅茶としての個性が強く、インドやスリランカの紅茶とは一味も二味も異なります。
紅茶の個性を楽しむなら、ストレートで飲むのがおすすめ!
日本における紅茶の製造は1870年代に始まったといわれています。
1970年代には製造者が激減し衰退しましたが、2000年代頃から復活の兆しが見えてきました。
日本生まれの「和紅茶」について見ていきましょう。
和紅茶の特徴は、複雑かつ繊細な味わいです。
強烈な渋味はなく、後味はスッキリ。
砂糖を入れなくてもほんのりと甘く、日本人の好みにマッチする上品な味わいを楽しめます。
また和紅茶は、日本の軟水にマッチするよう調整されているのも重要なポイントです。
産地・品種による味わいの違いはありますが、どの紅茶も比較的マイルドでやさしい口当たりとなっています。
2022年にイギリス・ロンドンで行われた世界のお茶の品評会「THE LEAFIES 2022-INTERNATIONAL TEA AWARDS」では、日本から出品された和紅茶が最高位の「BEST IN SHOW」を受賞しました。
紅茶の本場で和紅茶が認められたことで、和紅茶への注目度が一気に高まったのです。
日本には紅茶品種として開発されたお茶がさまざまあります。
しかし1971年に紅茶輸入が自由化されると、和紅茶品種を栽培する茶農家はほぼいなくなってしまいました。
和紅茶ブームの兆しがある現在でも、純粋に紅茶用として栽培される和紅茶品種はそう多くないのが実情です。
現在栽培されている和紅茶の品種から、主なものをご紹介します。
和紅茶に適した品種として広く知られているのは「やぶきた」という日本茶です。
香味とうま味が強く、口に含むとやさしい甘さが穏やかに広がります。
発酵茶・半発酵茶用に開発された品種です。
アッサム雑草の紅茶「べにほまれ」とダージリンを交配して作られました。
ロンドンの食品コンテスト「グレード・テイスト・アワード」では2007年以降4度の金賞を受賞するなど、品質の高さは折り紙付き。
お湯を注ぐと香気が強く漂い、爽やかな風味を楽しめます。
紅茶用に開発された、アッサム系紅茶の国産品種です。
渋味が少なくスッキリとした飲み口で、スリランカのウバに似ているといわれることもあります。
紅茶の色味は明るく清涼感があり、暑い季節のアイスティーに最適です。