毎年11月3日は、国民の祝日の一つ「文化の日」です。
2022年は木曜日のため、週の途中にお休みが挟まることになります。
1年のうちでも快適に過ごせる時期ですから、家族でのお出かけを計画しているご家庭も多いかもしれませんね。
しかしそもそも、なぜ11月3日を「文化の日」と呼ぶようになったのでしょうか?
また、祝日は嬉しいですが、他の祝日と比べると何のための日なのか分かりづらいですよね。
この記事では、文化の日が決まったいきさつや意味、特徴、イベントを紹介します。
毎年11月3日は、国民の祝日の一つ「文化の日」です。
2022年は木曜日のため、週の途中にお休みが挟まることになります。
1年のうちでも快適に過ごせる時期ですから、家族でのお出かけを計画しているご家庭も多いかもしれませんね。
しかしそもそも、なぜ11月3日を「文化の日」と呼ぶようになったのでしょうか?
また、祝日は嬉しいですが、他の祝日と比べると何のための日なのか分かりづらいですよね。
この記事では、文化の日が決まったいきさつや意味、特徴、イベントを紹介します。
日本には法律で定められたさまざまな祝日があり、文化の日もその一つです。
まずは、文化の日とは具体的にどういう意味があるのか、なぜ文化の日ができたのかを見ていきましょう。
文化の日は、1948年に制定された国民の祝日です。
固定休日であるため、毎年必ず11月3日となります。
成人の日や敬老の日のように、「今年は何日だっけ?」とカレンダーをめくる必要はありません。
日本の祝日を定めた「国民の祝日に関する法律」によると、文化の日は「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを主旨としています。
「自由と平和を愛し、文化をすすめる」といわれても、今ひとつピンときませんよね。
実は11月3日は、日本国憲法が公布された日です。
日本国憲法の3つの基本原理が「基本的人権の尊重」「国民主権」「平和主義」であることをご存知の方も多いでしょう。
すなわち文化の日は、日本国憲法の目指すところを再認識し、「自由・平和を愛する文化を作っていこう」という意味が含まれていると考えられます。
なおここまで読んで「憲法記念日は5月3日じゃないの?」と思った方も多いかもしれません。
5月3日は、日本国憲法が施行された日。
「こんな憲法を作りました!」と発表(公布)されたのは、11月3日なのです。
文化の日が制定されたのは戦後になってからですが、それ以前より11月3日は国民の祝日でした。
当時は「明治節」と呼ばれ、明治天皇の誕生日をお祝いする日でした。
敗戦後、GHQ(General Headquarters:連合国最高司令官総司令部)の管理下にあった日本政府は、新憲法の公布日を11月3日とします。
この決定について、GHQは特に異議を唱えませんでした。
しかし、明治天皇の誕生日を「憲法記念日」とすることはよろしくないと考えたようです。
GHQからの圧力により憲法記念日は5月3日とされ、11月3日は空白になってしまいました。
そこで考えられたのが、「文化の日」です。
主旨には日本国憲法の精神が反映され、憲法の基盤である自由や平等・平和を国民に広め発展させていく日となりました。
文化の日には、勲章・褒章授与式が行われます。
また全国の博物館・美術館では、入館料無料となるところも多いようです。
文化の日に行われる行事やイベントを見ていきましょう。
文化勲章
文化勲章とは、科学・文芸・芸術・建築・音楽などの分野で特に貢献度の高い人に贈られる勲章です。
1937年より実施され、1949年以降は11月3日に実施することが慣例となっています。
過去の受章者には、日本画の横山大観(第1回)・原子物理学者の湯川秀樹(第3回)・作家の谷崎潤一郎(第8回)をはじめ、人類初の月面着陸を成し遂げたN.A.アームストロングやM.コリンズ(第29回)の名前も見られます。
日本人でなくても、日本文化の発展に貢献した人であれば受章することもあり、これまで6名のアメリカ人が受章しているそうです。
11月3日、受章者は皇居にて、天皇陛下より勲章を賜るのがしきたりです。
日本では春と秋に勲章や褒章の授与式が行われることになっています。
11月3日は、秋の叙勲・褒章授与式が行われる日です。
文化勲章以外にも、
大勲位菊花章(だいくんいきっかしょう)
桐花大綬章(とうかだいじゅしょう)
旭日章(きょくじつしょう)
瑞宝章(ずいほうしょう)
などの授与式が行われます。
出典:勲章の種類|内閣府
一方旭日章や瑞宝章は、国家や公共への功労者が対象です。
さまざまな分野で著しい功績を挙げた人に贈られます。
対象者の年齢は70歳以上とされています。
しかしながら、平成15年秋より、警察官や自衛官といった危険性の高い業務において、社会貢献をした55歳以上の方についても叙勲が開始されたそうです。
紅綬褒章(こうじゅほうしょう):自己の危難を顧みず人命の救助に尽力した人
緑綬褒章(りょくじゅほうしょう):長年ボランティア活動に携わり顕著な功績を挙げた人
黄綬褒章(おうじゅほうしょう):農業、商業、工業等の業務に励み、模範的な技術や事績を持つ人
紫綬褒章(しじゅほうしょう):科学・学術・芸術・スポーツ分野で優れた事績を持つ人
藍綬褒章(らんじゅほうしょう):産業の振興・社会福祉の増進等に優れた業績を挙げた人または公共機関より依頼を受けて公共の事務に尽力した人(民生委員など)
紺綬褒章(こんじゅほうしょう):公益のため私財(500万円以上)を寄附した人
褒章の対象は55歳以上で、団体も対象に含まれます。
紫綬褒章及び黄綬褒章は50歳以上が対象です。
なお紺綬褒章は毎月1回発令されるため、11月3日の褒章授与はありません。
秋の褒章では、紺綬褒章をのぞく5つの褒章が授与されます。
11月3日の文化の日にちなみ、博物館・美術館の多くが入館料を無料にしたりイベントを行ったりしています。
以下は、11月3日に入館料が無料となる東京都内の博物館・美術館です。
自然史と科学技術史に関する490万点を超えるコレクションを有する博物館。
「日本館」「地球館」があり、日本の歴史や地球の成り立ちについてのさまざまな展示が見られます。
圧巻は、日本館3階の「フタバスズキリュウ」の全身骨格!恐竜好きなお子さんを連れて行ってあげると喜ばれそうですね。
ただし、無料になるのは常設展のみです。
【所在地】東京都台東区上野公園7-20
【公式HP】国立科学博物館
フランス近代彫刻を集めた「松方コレクション」を核として設立された美術館。
中世末期から20世紀初頭にかけての西洋絵画や、ロダンの彫刻が見られます。
ドラクロワやマネ、モネといった世界的に著名な画家の作品もあるので、「見たことある!」という絵画に出会えるでしょう。
館内にはレストランやミュージアムショップもあり、家族でのんびり楽しめます。
こちらも、無料になるのは常設展のみです。
【所在地】東京都台東区上野公園7-7
【公式HP】国立西洋美術館
自然と人間との関わりを学べる自然公園です。
約6万坪(約20万平米)の園内には、緑がたくさん。
池や小川もあって、自然の中でのんびりと過ごせます。
都会のオアシスといった風情の園内は、子どもだけではなくパパ・ママにとってもリフレッシュできる場所となるでしょう。
11月なら、紅葉樹もそろそろ色づいているかもしれませんね。
【所在地】東京都港区白金台5-21-5
【公式HP】国立科学博物館附属自然教育園
このほか全国の博物館・美術館でも、11月3日は無料になるところが多いようです。
居住地の博物館・美術館をチェックしてみてください。
なお関西地方は「関西文化の日」というものが別途設けられています。
2022年は11月19日(土)・20日(日)の予定です。
関西一円の美術館・博物館・資料館等の常設展が無料になるので、足を運んでみてはいかがでしょうか。
11月3日は文化の日だけではなく「特異日」としても有名です。
今年の11月3日はぜひ「天気」にも注目してみましょう。
11月3日が特異日といわれる理由を紹介します。
東京エリアの11月3日は、「晴れの特異日」といわれています。
特異日とは、「この日は毎年晴れる」「雨が降る」など、特定の気象状態が起こりやすい日のこと。
前後の日と比較して、偶然では片付けられないほどの確率で晴れたり雨が降ったりする場合に「特異日」と呼ばれます。
東京エリアの11月3日は、統計上高確率で晴れなのだとか。
外出の予定を立てても、雨の心配は少なそうです。
もちろん、「絶対雨が降らない」というわけではありません!
お出かけの際は天気予報をチェックしてくださいね。
11月3日に東京エリアが晴れになる確率は、1981~2010年までの統計では70%だったとか。しかし1991~2020年までの統計では56.7%まで下がっています。
なぜ晴れの日が少なくなったのか、原因は定かではありません。
さまざまな理由が考えられますが、「地球温暖化の影響で季節がずれたため」ではないかとする声もあります。
近年は秋が来るのが遅く、いつまでも暑い日が続きますよね。
天候のリズムも狂って、昔のようにはいかなくなっているのかもしれません。