銀河という言葉は知っていても、特徴や意味は知らない……という方も多いのではないでしょうか?
忙しい日常を送っていると、なかなかゆっくりと夜空を見上げる機会も少ないもの。
ときには子どもや家族と一緒に星空を眺め、銀河や宇宙に思いを馳せてみてください!
本記事では、宇宙に存在する銀河や、壮大な天の川銀河のあれこれをご紹介します。
銀河という言葉は知っていても、特徴や意味は知らない……という方も多いのではないでしょうか?
忙しい日常を送っていると、なかなかゆっくりと夜空を見上げる機会も少ないもの。
ときには子どもや家族と一緒に星空を眺め、銀河や宇宙に思いを馳せてみてください!
本記事では、宇宙に存在する銀河や、壮大な天の川銀河のあれこれをご紹介します。
「宇宙にはたくさんの銀河がある」などといわれますが、そもそも銀河とはどのようなものなのでしょうか?
知っているようで知らない、銀河について紹介します。
銀河とは、たくさんの星やガス・チリ(ダスト)・ダークマター(暗黒物質)などが集まってできた天体のこと。
無数の星が集まる天体としては「球状星団」などもありますが、こちらはダークマターを持ちません。
ダークマターの有無が、星団と銀河とを分けるポイントの一つです。
ダークマターとは何かというと、実はまだよく分かっていません。
ブラックホールの集まりという説もありましたが、現在ではその可能性は低いとされています。
分かっているのは、ダークマターが非常に大きな負のエネルギーを持っているということ。
銀河はダークマターの重力によってその形状を保っていることから、「自己重力系」とよばれます。
銀河が多くの星が集まってできているのに対し、宇宙はたくさんの銀河が集まってできています。
私たちが観測できる宇宙には、約2兆個もの銀河が存在するのだそうですよ。
ちなみに、宇宙の大きさがどのくらいなのか、気になりますよね。
しかし残念ながら、現在の天文学や科学では宇宙の大きさを知ることはできません。
現在分かっているのは、宇宙が137億年前に誕生したということ。
つまり、私たちが今観測できる宇宙は、137億光年の宇宙までです。
宇宙は成長を続けているそうなので、実際にはもっともっと大きいと考えられています。
銀河とは、宇宙に存在する銀河一般を指す言葉です。
これに対し銀河系とは、私たちが住む地球を含む銀河を指します。
ここまで聞くと「じゃあ天の川銀河って何?」と思う人もいるかもしれませんね。
実は天の川銀河と銀河系はどちらも同じ。
私たちが住む銀河の呼び方が変わっただけと考えればよいでしょう。
なぜ「銀河」「銀河系」「天の川銀河」などと紛らわしいのかというと、天体に関連する学術的な名称が英語から翻訳されているためです。
英語では、一般的な銀河を「galaxy」、私たちが住む銀河を「the Galaxy」と書き分けています。
これを日本語に翻訳するとき、「銀河」「銀河系」という言葉が充てられました。
ただし近年は、「the Galaxy」より「Milky Way Galaxy」という呼び名が使われることが多くなっています。
Milky Wayは日本語で天の川。
これに伴い日本語でも、銀河系ではなく「天の川銀河」という呼び方が一般的となってきたのです。
アメリカの天文学者「エドウィン・ハッブル」は、銀河の種類を大きく4つに分けました。
ここからは、ハッブルの分類に基づいた銀河の種類についてご紹介します。
©NASA, ESA, and H. Ford (Johns Hopkins University)
その名のとおり楕円の形状をした銀河で、古い星で構成されているのが特徴です。
なぜ古いと判断できるかというと、年老いた赤い星が多いこと・ガスやチリがほとんど見られないことが上げられます。
星がたくさん生まれるところには、生成活動に必要なガスやチリがたくさんあるのが一般的です。
しかし楕円銀河ではガスやチリが使い尽くされており、ほとんど見られません。
新しい星が生まれる可能性はほぼないと考えてよいでしょう。
楕円銀河の大きさは非常に大きな差があり、一概にはいえません。
天の川銀河以下の小さな銀河もあれば、300万光年にも達する非常に大きな銀河もあります。
楕円銀河の代表としては、おとめ座銀河団のM87が有名です。
©ESA/Hubble & NASA,V. Antoniou
渦巻銀河とは、鳴門の渦潮のような渦巻型の銀河。
中心にあるのは、「バルジ」と呼ばれるブラックホールです。
バルジを取り囲むように円盤があり、その先には「渦巻腕」と呼ばれる筋が伸びています。
銀河としては非常に一般的な形状で、私たちが住む地球が属する天の川銀河もこの渦巻銀河の一つです。
渦巻銀河の特徴は、老いた星と若い星が混在していること。
中心のバルジから離れるほどガスやチリが多く、若い星が生まれていることが分かります。
渦巻銀河のサイズは、直径3万光年以下の小さなものから15万光年を超えるものまでさまざま。
代表的なものは、私たちの天の川銀河のほか、アンドロメダ銀河などがあります。
©ESA/Hubble & NASA and N. Grogin (STScI)
楕円銀河と渦巻銀河の中間に位置するのがレンズ状銀河です。
楕円銀河との大きな違いは、中心にバルジを持つこと。ただし渦巻腕はなく、ガスやチリもほとんどありません。
古い星の集まりであり、楕円銀河と区別しにくいものもたくさんあります。
代表的な銀河は、おとめ座銀河団にあるM85です。
上記3つのタイプに属さない、不規則な形状の銀河です。
形や形状は多種多様で、明確に「これ」とはいえません。
銀河同士の衝突や銀河同士の重力作用によって、不規則銀河が生まれることもあります。
不規則銀河の特徴は、バルジやそれを取り巻く円盤・渦巻腕などが判別できないこと。
銀河の中心が見えず、形状は非常に不安定です。
ガスやチリでかすんだように見える不規則銀河にはたくさんの若い星が集まっており、活発な星の生成活動が行われています。
代表的な銀河としては「大小マゼラン雲」「M82(おおぐま座の銀河)」などが有名です。
夏の夜空に見える天の川は、天の川銀河の端っこを内側から見たもの。
太陽系の周りには、たくさんの星々があるのです。
ここからは、天の川銀河とはどのようなものなのかを見ていきましょう。
天の川は、英語では「Milky Way」とよばれます。
なぜミルクなのかというと、古代ギリシャやローマの神話に次のような言い伝えがあるためです。
古代ギリシャやローマの人々は、夜空に現われる星の筋を「女神がこぼしたミルク」と考えていました。
この「Milky Way」という呼び名が、そのまま銀河の名前になったのです。
ちなみに天の川についての言い伝えは、国や地域によって異なります。
東アジアでは「天の川」としますが、南アフリカでは「夜の背骨」などとよばれるのだとか。
このほかフィンランドやエストニアでは「鳥の小道」として知られているのだそうですよ。
太陽系とは、太陽の周りを回っている天体の集団のこと。
太陽に近い方から、水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星で構成されています。
このほか冥王星などの準惑星やさまざまな衛星、小惑星なども太陽系の一部です。
©NASA/Adler/U. Chicago/Wesleyan/JPL-Caltech(イメージ図)
天の川銀河は、この太陽系を含む銀河です。
先述のとおり「渦巻銀河」に分類され、中心にはバルジと呼ばれる巨大なブラックホールや、円盤と4本の渦巻腕があるといわれていますが、まだ正確には不明だそうです。
ちなみに太陽系が天の川銀河のどこにあるのか、気になりますよね。
太陽系は「オリオン腕」と呼ばれる渦巻腕の、中央くらいに位置しています。
上の画像の中心よりも少し下をよく見ると「Sun」の文字が見えます。
国立天文台によると、中心のブラックホールからは約2万5800光年離れているのだとか。
ブラックホールに飲み込まれる心配は今のところなさそうです。
天の川銀河とその周囲にある銀河は、まとめて「局部銀河群(きょくぶぎんがぐん)」などと呼ばれます。
銀河の種類・大きさはさまざまですが、天の川銀河は局部銀河群の中では2番目に大きいのだとか。
全体の幅は、10万5700光年もあると考えられています。
天の川銀河と最も近い銀河は、局部銀河群で最大の「アンドロメダ銀河」です。
天の川銀河とアンドロメダ銀河の距離は、約200万光年。
ものすごく遠いように見えますが、宇宙全体で見るとお隣さんくらいの距離感です。
お隣のアンドロメダ銀河は、時速約40万キロメートルで天の川銀河に接近しています。
このままいくと、約40億年後には二つの銀河が衝突するのだとか。
こちらは国立天文台が公開している、渦巻銀河の衝突シミュレーションです。
銀河同士が衝突するとお互いの形が崩れて、最終的には一つの巨大銀河になります。
その様子は、とても壮大な光景になるはずといわれています。
銀河が衝突すれば、当然地球も無傷ではいられないはず。
しかし「銀河の衝突によって地球が滅亡するかも!」という心配はいりません。
そして、人類がその壮大な光景を見ることはないといわれています。
というのも、地球は銀河の衝突が起こるよりも前に、太陽の爆発によって消滅もしくは焼きつくされていると考えられているためです。
太陽は爆発が近づくと、徐々にたくさんのエネルギーを放出し始めます。
地球はどんどん熱くなって、最終的には生命の住めない灼熱の星になるでしょう。
研究によると、今から5億年後には植物が存在しなくなるのだとか。
そして28億年後には、地球上の全ての生命が死滅するといわれています。
気が遠くなるほど未来の話なので、ちょっと現実感がありませんね。