犬の性格はこう決まる!注目すべきポイントと犬種別の飼いやすさ難易度をご紹介

公開日:2023/04/03

犬の性格はこう決まる!注目すべきポイントと犬種別の飼いやすさ難易度をご紹介

「一般社団法人 ペットフード協会」が行った調査によると、全国でおよそ710万6,000頭の犬がペットとして飼育されているそうです。

 

家族の一員として犬を希望するご家庭は多く、譲渡会やペットショップには多くの家族が集まります。

 

本記事では、犬の性格や特性を種別ごとにご紹介。

ミックス犬でも犬種の特性を引き継ぐケースは多いので、これから犬を飼う予定のご家庭やいつか飼いたいと思っているご家庭はぜひチェックしてみてください!

 

参考:2021年(令和3年)全国犬猫飼育実態調査 結果

犬の性格が決まる要因

犬の性格は、先天的要因と後天的要因が複雑に組み合わさって決まります。

犬の性格を決める要因を見ていきましょう。

両親からの遺伝

外見的な特徴だけではなく、性格の一部も両親から引き継がれます。

 

特に遺伝する傾向が強いといわれるのは「恐怖心」です。

親のどちらかあるいは両方が怖がりな場合は、子犬も怖がりになる傾向があるのだとか。

子犬をもらいうける、もしくは購入するときは、両親の性格を尋ねてみると性格を予想しやすくなるでしょう。

 

「恐怖心なんて、性格のほんの一部では?」と思う方もいるかもしれません。

しかし恐怖心は、知らない物・人への興味や、吠え方に影響します。

恐怖心が強い子犬ほど人に慣れにくい・吠えやすいなどの特徴があり、より多くの配慮が必要になるケースが多いのです。

 

ただし人に慣れにくかったり吠えたりする子犬でも、訓練によって改善できます。

「怖がりだからダメ!」ということでは、決してありません。

犬種の特性

犬種によって、「こんな性格」という傾向があります。

ミックス犬の場合でも、どの犬とどの犬が混じっているのかを知ることで、性格を予測しやすくなるでしょう。

例えばチワワやトイプードルなどの小型犬は、明るく好奇心旺盛な犬が少なくありません。

このほかゴールデンレトリーバーは人懐こく遊びが大好きなど、犬種によってさまざまです。

 

犬種の特性については、後で詳しくご紹介します。

性別

一般的に、オスはメスよりも活動的・やんちゃな傾向です。

一方メスは優しく穏やかな性格の犬が多い傾向にあり、激しいオスよりも飼いやすいかもしれません。

 

ただし犬によっては、オスでもおとなしかったりメスでも活発だったりします。

性別についてはあくまでも「傾向」と考えてくださいね。

環境

暮らしている環境は、犬の性格を決める「後天的な要因」となります。

「1頭で飼われている」「飼主のしつけが厳しい」「人の出入りが多い」「生活音が大きい」……など、家庭によって犬に提供できる環境はさまざま。

犬が飼主や人間、あるいは犬の仲間とどのように関わっているかで犬の性格は大きく変化します。

 

例えば人の出入りが多いご家庭で飼われる犬は、知らない人にも比較的フレンドリーです。

またほかにもネコや犬がいるご家庭では、他の動物や犬とも出会っても、比較的落ち着いて接することができるようです。

 

元々の性格がどのようなものであれ、育てられる環境によって犬の性格は大きく変化することがあります。

犬種別の性格

「一般社団法人ジャパンケネルクラブ」は、犬の種類を大まかに10グループに分類しています。

この基準にしたがって、ここからは犬種別の特性・性格をご紹介します。

 

 

はじめに | 一般社団法人 ジャパンケネルクラブ

牧羊犬・牧畜犬

「シープドッグ」「キャトル・ドッグ」と呼ばれる犬種が該当します。

家畜の群れのお世話をするために飼育されてきた犬なので、作業犬として最適。

訓練にもちゃんとついてくる上、スマートかつ慎重な性格です。

 

飼主の言うこともよく聞いてくれるので、頼りになる仲間となるでしょう。

種類としては、シェパードやシェットランド・シープドッグ、コリーなどが該当します。

使役犬

スイス・マウンテン・ドッグやシュナウザーなどが該当。

番犬や警護犬として、大活躍してくれる犬種です。

知らない人への警戒心が強く、いざというときは勇敢に行動します。

とりわけ家族を大切にする傾向があり、忠実な番犬となってくれる犬が多いでしょう。

テリア

「テリア」と名の付く犬種全般です。

元々は、キツネなどの小型動物を狩猟するために育てられた犬種でした。

小さいけれど動きは素早く、明るく外向的な性格です。

大きなものにも立ち向かう勇敢さがあり、狩猟犬らしさがしっかりと感じられます。

ダックスフント

短い手足と長い胴が特徴のダックスフントは、穴に潜るアナグマやウサギの狩猟用に育成された犬種です。

優れた嗅覚と素早い動きが特徴で、向こう気が強い傾向があります。

 

とはいえ性格は忍耐強く温厚で、人間への友好度は高め。

攻撃性が低い犬も多く、飼いやすい犬種といえます。

古代犬&スピッツ

秋田犬や柴犬などの日本犬や、スピッツが該当します。

 

日本犬の多くは狩猟用に飼育されてきた歴史があり、飼主に忠実で従順。警戒心が強く、他人にはあまりなつきません。

 

スピッツなども警戒心が強い傾向ですが、飼主にはフレンドリーです。

訓練性能にも優れていて、しつけしやすい犬といえます。

セントハウンド

セント(scent:香り)という名前のとおり嗅覚に優れた犬種で、ダルメシアンやビーグルが該当します。

元々は優れた嗅覚で狩猟を行う狩猟犬で、活動的な傾向です。

 

忍耐強く穏やかな性格の犬が多く、むやみに怒ったり攻撃したりすることは少ないでしょう。

ポインター・セター

獲物を見つけ、ポイントを示すために飼育された犬種です。

アイリッシュ・セターやイングリッシュポインター、ワイマラナーなどが該当します。

 

俊敏で活動性が高く、よく動く傾向が強め。飼主には従順で、人に対しても友好的です。

ポインター・セター以外の鳥猟犬

日本で大人気のレトリーバーやコッカー・スパニエルなどが該当します。

 

狩猟では獲物を追ったり見つけたりする役目を負ってたことから、活動的かつ俊敏な性質を持つ犬が多いでしょう。

遊び好きで、性格は穏やかです。

愛玩犬グループ

愛玩目的に飼育されてきた、シーズーやチワワ、パグなどの小型犬グループです。

体が小さくかわいい印象の犬が多く、愛嬌もたっぷり。

 

飼主が大好きで、遊びに誘ってくれることもしばしばです。

社交性も高いので、他の犬や見知らぬ人とも仲良くなりやすいでしょう。

サイトハウンド

「サイト(sight:視界)」という名前のとおり、優れた視野を持つ犬種です。

アフガン・ハウンドや、ボルゾイなどが該当します。

動きが速い上、足も速く、しっかりと運動させることが大切になるでしょう。

 

狩猟本能が比較的強いといわれますが、性格は物静か。

自立心も強く、非常にお利口です。

犬によって性格はさまざま!飼育難易度をチェック

ここからは、犬別の性格をより具体的にご紹介します。

性格とともに、飼育のしやすさもチェックしましょう。

※紹介する飼育難易度は目安です。

ゴールデンレトリーバー<難易度:低>

「コンパニオンドッグ」として、広く愛されているのがゴールデンレトリーバー。

神経質さがなく温和な性格の犬が多いので、人との生活もスムーズです。

学習能力が高いぶんしつけもしやすく、初心者でも飼いやすい犬種と言えます。

 

とても活動的な犬なので、毎日たっぷりと散歩させてあげてくださいね。

体高は50~60cmほどです。

ビション・フリーゼ<難易度:低>

体高30cmほどのビション・フリーゼは、ふわふわでモフモフの毛が特徴。

ぬいぐるみのようなルックスに魅了される方は多く、愛玩犬として人気です。

 

性格は明るく陽気で、社交性もあります。

訓練をすんなりと受け入れる素直さもあり、飼育のハードルは高くありません。

ただし自分中心の気質があるので、飼主が主導権を握ることが大切です。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル<難易度:低>

初心者向きの犬として必ず名前が上がるのが、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル。

「癒しのスパニエル」と呼ばれるほど、優しく人懐こい性格が特徴です。

 

体高30cmの小型犬ですが、小型犬にありがちなムダ吠えもあまりありません。

協調性が高く訓練にもしっかり付いてきてくれるので、しつけもしやすいでしょう。

柴犬 <難易度:中>

今や世界的に人気が高まっている柴犬。

三角形の目と耳、立派な尻尾が特徴です。

体高は35~40cmで、日本犬では唯一の小型犬に分類されます。

自立心が強く勇敢な気質ですが、警戒心が強くガンコな一面もあります。

 

過度な接触を好まず言うことを聞いてくれないことも多いため、初心者には少し難しい犬種といえるかもしれません。

 

とはいえ飼主への愛情は深く、きちんとしつければ最高の家族となってくれます。

ボルゾイ<難易度:中>

ボルゾイは、全体的にシュッとしたシルエットが魅力。

体高は70~90cmほどで、立ち上がると大人ほどの高さになる大型犬です。

 

狩猟目的に育成されたサイトハウンドに分類されるため、運動能力は高め。

足も速く、本気を出せば、時速50km以上で走れるのだとか!

 

狩猟犬ではありますが、性格は非常に穏やかで物静かです。

ただし臆病で神経質な一面もあるので、怒ったり怒鳴ったりするのは避けましょう。

チワワ<難易度:中>

オス・メスともに体高18cm前後のチワワは、世界最小の純血腫といわれる犬です。

体重も3kg前後と少なく、小型犬の中では最小の部類に入ります。

 

チワワの性格は、極めて明るく活動的。

気が強く自己主張も強めですが、怖がりな一面もあります。

しつけをするときは怒ったりせず、褒めて言うことを聞かせましょう。

プチ・ブラバンソン<難易度:中>

目やちょっとつぶれたような鼻が特徴的なプチ・ブラバンソンは、19世紀ごろに生み出された犬種です。

体高は30cm以下で小さく、室内でも問題なく飼育できます。

 

プチ・ブラバンソンの性格は、小型犬らしく明るく社交的。

穏やかな性格で、飼主への愛情も深いのが魅力です。

 

ただしガンコな気質もあり、しつけが難しい一面も。

焦ったり怒ったりせず、犬のペースでしつけましょう。

ラサ・アプソ<難易度:高>

その昔チベットで「魔除けの犬」「幸運を呼ぶ犬」として愛玩されていたのがラサ・アプソ。

仙人をほうふつとさせる、モフモフの毛が特徴です。

 

体高は25~30cm程度で、らくらく抱っこできるサイズ感です。

毛の色は、黒、白、ゴールデンなどとさまざまなバリエーションがあります。

 

ラサ・アプソの性格は、小型犬らしく陽気で活発。

訓練されるのがあまり好きではないため、しつけは根気よく行いましょう。

特にムダ吠えが激しい傾向があるため、吠えグセを付けないよう注意が必要です。

捨て犬など殺処分数は数千頭

ここまで紹介したようにとても可愛らしい犬ですが、残念なことに捨てられてしまったり、保健所に引き渡されてしまったりして、殺処分に至るケースもあります。

ここ10年ぐらいを見てみるとその数は年々減少していますが、環境省の発表によると、それでも約4,000頭の犬が年間で殺処分されています。

 

理由は様々あるかと思いますが、ペットショップで子犬をみて衝動的に購入し、飼いきれなくなったり、今回ご紹介したように性格が合わないなども多いようです。

 

犬はおもちゃではありませんので、飼ってみて「こんなはずじゃなかった」では済まされないのです。

 

ぜひ、迎え入れる際は、無駄吠えが多い子に育つかもしれない、臆病な子に育つかもしれない、エサ代や病院代などが嵩む、好きに遊びにいけなくなるなど、デメリットもしっかり検討したうえで、最終判断をしてください。

まとめ

犬の性格は、遺伝や環境・犬種の傾向などによって決まります。
犬を飼う際は、両親の性格や犬種の情報をしっかりと調べるのがおすすめです。

ただし繰り返しになりますが、犬の性格には個体差があります。
犬種ごとの性格の違いも「犬によってはこういう傾向がある」程度に考えて、それだけで判断しないようにしてくださいね。

また犬を飼うときは、「家族を迎える」という気持ちを忘れないことも大切。
どんなときもきちんと寄り添い、愛情を持って接してくださいね。


文/カワサキカオリ

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