「一般社団法人 ペットフード協会」の発表によると、2022年に日本で飼われていたネコの数は、883万7,000頭にも上るのだとか。
同年の飼い犬の数が705万3,000頭ですから、ネコを飼っているご家庭がとても多いことが分かります。
この記事では、かわいいネコの性格の決まり方や、種類別の性格の傾向をご紹介。ネコを飼われているご家庭は、我が家のネコと比べながらチェックしてみてくださいね。
「一般社団法人 ペットフード協会」の発表によると、2022年に日本で飼われていたネコの数は、883万7,000頭にも上るのだとか。
同年の飼い犬の数が705万3,000頭ですから、ネコを飼っているご家庭がとても多いことが分かります。
この記事では、かわいいネコの性格の決まり方や、種類別の性格の傾向をご紹介。ネコを飼われているご家庭は、我が家のネコと比べながらチェックしてみてくださいね。
ネコと聞くと「気まぐれ」「マイペース」といった言葉を浮かべる方も多いかもしれません。
しかしネコの性格は個体による違いが大きく、兄弟姉妹でも性格は全く異なります。ネコの性格は、どのように決まるのでしょうか?
ネコの性格は、先天的なものと後天的なものがあります。
生活環境は、ネコの性格形成において最も重要な後天的要因の一つです。
特に生後2~7週目まではネコの「社会期」と呼ばれ、ネコが外からの影響を受けやすい時期とされます。
この時期をどのように過ごすかで、ネコの性格は大きく異なってくるでしょう。
例えば人に慣れるかどうかは、この時期の体験が影響します。
小さい頃から人と触れあうことに慣れていれば、大きくなってからも比較的友好的なネコになるといわれています。
社会期においてママネコとたっぷり触れあったネコは、活発で物怖じしにくくなります。
常にママがそばにいて助けてくれれば、恐怖や不安を感じにくいでしょう。
すくすくと大らかに成長しやすく、大きくなっても精神が安定しているのです。
一方早い段階でママネコと分かれてしまったネコは、常に恐怖や不安を感じながら過ごさなければなりません。
周囲の人間や見知らぬものへの警戒心が強く、攻撃的だったり極端に内気だったりする傾向があります。
ネコの性格は、主にパパネコの性格を引き継ぐことが多いといわれます。
パパネコが人に友好的だったり恐怖心を抱いていなかったりすれば、子ネコも人に慣れやすいのだそうです。
ネコの子育てというと、「ほとんどがママネコ」というイメージがありますよね。
しかし一部のネコ種では、パパネコが子ネコと遊んだり子育てに加わったりするケースも多く見られます。
一般に、メスは神経質で慎重派、オスは活発で好奇心旺盛な傾向です。
オスの方が活発なのは、相手を見つけるためにしっかりとアプローチしなければならないため。
メスの気を引くために、グイグイ行くタイプが多いというわけです。
一方メスは、子どもを産んで育てていかなければなりません。
常に周囲を警戒する必要があり、慎重で神経質な性格になりやすいといわれます。
ただし去勢や避妊手術などを受けているネコは、性別による性格の違いが薄くなることもあるようです。
ネコの性格は、模様や色によって異なるなどといわれます。
それぞれどのような性格なのかチェックしてみましょう。
ただしこちらはあくまでも傾向です。
当然ながら、全てのネコに当てはまるわけではありません!
真っ白なネコは、神経質で警戒心が強いというのが一般的なイメージ。
周囲を観察することにも優れ、賢いネコが多いでしょう。
全身白いネコは、自然界では浮いた存在です。
生き残るには知恵と慎重さが必要になるため、性格も用心深くなります。
白ネコの魅力は、ピンク色をした肉球や鼻です。
日本では縁起がよいとする向きが強く、招き猫などでは白ネコが定番となっています。
真っ黒なネコは不吉などといわれますが、性質は極めてフレンドリー。
警戒心が薄く、人懐こい一面があります。
好奇心が強いネコも多く、特にオスはその傾向が強めです。
愛嬌があって誰にでも甘えられる性格は、家猫にはもってこいのタイプといえるでしょう。
三毛ネコは、白・茶・黒がほどよく入り交じったネコ。日本ではおなじみですが、海外ではあまり見かけません。
短毛・短尾の三毛ネコは「ジャパニーズボブテイル」として、高い人気を誇ります。
三毛ネコはほぼメスのため、神経質で用心深いネコが多いよう。
好き嫌いがはっきりしていて気まぐれで……と、多くの人がイメージする「ネコ」そのものです。
とはいえ愛情深い一面もあり、気が向けば飼主にべったりと甘えてくれることもあります。
ちなみに、三毛ネコにメスが多い理由をザックリお伝えすると、三毛ネコの白・茶・黒の色を発現するためにはXXという染色体(遺伝子)が必須で、これはメスという性別を決めるXX染色体だからだそうです(オスはXY染色体)。
茶色をベースに黒っぽい縞模様が入っているのがキジトラです。
メスの雉(きじ)の模様に似ていることから、「キジトラ」と呼ばれます。
キジトラは雑種の和ネコではありますが、ネコの祖先に近いDNAを持つのだそうです。
ワイルドな性格のネコが多く、運動神経も抜群。
ただし警戒心が強いため、なつくまでに時間がかかる傾向があります。
茶トラは、赤味を帯びた茶色の毛にトラのような縞が入ったネコ。
キジトラの派生といわれ、日本では江戸時代に多く飼われるようになりました。
三毛ネコと異なり、茶トラはオスの割合が圧倒的に多いのが特徴です。
性格はオープンで好奇心が強く、人にもよく慣れます。
触られるのも大好きで、飼主から離れない甘えん坊のネコも少なくありません。
サバトラは、グレーに黒の縞模様が入ったネコです。
グレーの毛並みが魚の「鯖」に似ているため「サバトラ」と呼ばれるようになりました。
サバトラの性格は、大らかで好奇心旺盛なネコと神経質で用心深いネコの2パターンがあるといわれます。
性別による違いも出やすく、「サバトラだから」と一括りにしにくいのが特徴です。
ゴールドやグリーン・アンバーの美しい目を持つネコが多く、家ネコとして多く飼育されています。
黒と茶が複雑に入り交じった毛並みをしているのがサビネコです。
三毛ネコと同様にほぼメスしか存在しないことから、三毛ネコの1種といわれることもあります。
サビネコの性格としてしばしばいわれるのが「賢い」ということ。
用心深く周囲を見るため、なつくまでには時間がかかるかもしれません。
とはいえ三毛ネコよりは性格が温和で、協調性もあるといわれます。
さみしがりの一面もあるので、スキンシップをたっぷり取ってあげることが大切です。
ハチワレとは、鼻筋を境に色が分かれているネコです。模様の出方が「八」の字に似ているため、ハチワレと呼ばれます(諸説あります)。
顔の模様が2色に分かれているネコは全てハチワレに該当するため、性格の傾向を述べるのは困難です。
「三毛のハチワレ」なら三毛ネコの性格、「サバトラのハチワレ」ならサバトラの性格を引き継ぎます。
ただしどの模様でも、ハチワレは「協調性がある」「タフ」などの傾向が強く出やすいそうですよ。
ネコの血統によっても、性格の違いは大きいといわれます。
ここからは、さまざまなネコをピックアップして紹介します。
なおご紹介する性格は、全てのネコに当てはまるわけではありません。
ネコを飼うときは、そのネコの性格をしっかりと見極めてあげてくださいね。
先述の一般社団法人ペットフード協会の調査によると、飼い猫の約8割はミックスなのだそう。
性格はネコ種によって異なるため、一概にはいえません。
模様の傾向や性別などから、個々の性格を判断しましょう。
ミックスに共通する主な特徴は、体が丈夫で育てやすいこと。
特定の遺伝的な病気が出にくく、すくすく育ってくれます。
全体的に丸っとした印象が強いのが、ブリティッシュショートヘアです。
狩猟能力に優れており、運動神経も抜群。
メスよりもオスが大型になる傾向があります。
性格は大らかで、落ち着いているネコが多いようです。
おとなしく賢いので、飼いやすいネコといえますね。
ただしものすごく人懐こいというわけではないので、仲良くなるまでにはそれなりに時間がかかります。
フサフサの毛とピンと経った耳が特徴のノルウェージャンフォレストキャット。
その名のとおり、ノルウェー原産のネコです。
非常に大型になる個体が多く、10kg近いオスもいます。
長毛種で気品のあるたたずまいですが、人懐こく優しい性格です。
いたずら好きで好奇心も強く、飼主とも良好な関係を築きやすいでしょう。
ただし体が大きいため、通常のネコよりもしっかりと運動させてあげることが必要です。
エジプトの壁画から抜け出てきたようなスタイルのエジプシャン・マウ。
大きなアーモンドアイが特徴です。短毛でシルバーカラーの毛並みを持つネコが多く、しなやかな体つきです。
非常に野性的なルックスですが、繊細で臆病な一面があります。
飼主を信頼すればよくなついてくれますが、根気よく接する必要があるでしょう。
とはいえ頭がよくしつけもしやすいので、飼いやすいネコといえます。
一般的なネコよりも一回り大きく、野性味たっぷりなのがベンガル。
ヒョウのような斑点があり、ネコっぽさは薄いかもしれません。
ベンガルの性格は、どちらかというとクールです。
ベタベタ触られるのを嫌がるネコが多いので、ほどよい距離感を保つことが必要となります。
またとにかく運動が大好きなので、運動量を確保してあげることが重要です。
ただしベンガルっぽさが強く表われているネコは、家ネコとしての飼育が難しいかもしれません。
全身モコモコの縮れ毛に覆われているセルカークレックスは、アメリカ原産の大型ネコです。
その外見から「羊の皮を被ったネコ」などといわれることもあります。
性格は甘えん坊で、警戒心はさほど強くありません。
穏やかで優しい気性のため、家庭でも飼いやすいネコといえます。
運動量が減ると太りやすいので、しっかりと運動させてあげてくださいね。
犬よりも飼われている数が多いネコですが、様々な理由により保護され、殺処分に至るケースは犬の5倍にもなります。
環境省の発表によると10年前と比べて10分の1に減少したものの、年間で19,705匹のネコが殺処分されたとのことです。
犬が4,059匹とのことですので、およそ5倍近くにものぼります。
原因は様々ですが、その1つとして子ネコの多さがあります。
殺処分の内、約66%が子ネコなのです。
ネコは生後6ヵ月程度で子ネコを産めるようになり、高い妊娠率で年に3~4回出産が可能です。
一度に産む数も5~6匹ですので、何もしなければネズミ算式に増えていきます。
また、子ネコはしばらく自分で体温調整ができないなど手がかかり、その結果捨てられてしまうなど野良猫が増える原因ともなります。
そして、無責任に野良猫に餌やりをする人がいると野良猫がそこに集まり、子ネコが増える要因となります。
他にもいろいろと原因はありますが、やはり飼い主となる方が責任を持って飼う必要があります。
流行りや可愛さなど安易な気持ちで飼うのではなく、しっかりと面倒を見ていくことができるのかも考えてから決断しましょう。