【神戸】だれもが音を楽しめる!“共遊楽器”とは??③
音を感じられるのは耳だけではない!?

公開日:2021/06/08

【神戸】だれもが音を楽しめる!“共遊楽器”とは??③
音を感じられるのは耳だけではない!?

ASOPPA!調査隊、今回は金箱淳一先生にお話を伺った“共遊楽器(きょうゆうがっき)”について、第2回の『共遊楽器の特徴や仕組みについて~前編~』に引き続きお伝えしていきます。

 

第3回目は、『共遊楽器の特徴や仕組みについて~後編~』です!
ここでお伝えするのは、子どもが手で持って動きながら使えるような小型のふたつの楽器についてです。
前回同様に、実際に見て触れて感じた細かな魅力まで、ASOPPA!独自の“子ども楽しみポイント”と併せて詳しくお伝えしてきます!
また、身近なところで音を感じ、触れることができるものについてもお話を伺っていますので必見です♫

 

全3回にわたってお伝えしてきた“共遊楽器”もいよいよ完結編!!
ぜひ最後までお楽しみください☆

 

※メイン画像提供:金箱淳一

クラップライト(Clap Light)

手のひらサイズのこちらの楽器。

“音楽のリズムは暗闇だとわかりにくい”ということから、リズムを目で見て知ることができるように作られたという“クラップライト”です。

年齢の低い子でも簡単に楽しめる、この楽器の魅力をお伝えします♫

 

※画像提供:金箱淳一

名前の由来

拍手をして光るライトなので”クラップライト”という名前が付けられました。

クラップ(拍手)もライト(サイリウムなど)も、どちらも基本的には誰かを応援するためのものなので

応援という意味を込めて、拍手と光を組み合わせて作られたそうです。

 

仕組み・特徴

中に圧電素子という金属板が入っていて、そのひずみで光が出る仕組みになっています。

電池が入っていないのでとても薄く、素子が壊れない限り半永久的に使えるそうです!

 

使い方はとても簡単!手に付けて拍手をするだけ!

手と手がぶつかった衝撃のエネルギーで発電して光ります☆

暗闇でたたくと…

こちらは、ワークショップで実際に子どもたちが体験したときの様子です。

クラップライトの光を星に見立て、カメラのレンズを開けっぱなしにして撮影をし

撮った写真をプラネタリウムに投影するという【クラップライト ドローイング】というワークショップです。

みんなの拍手で作るたくさんの星…ステキですね☆

その場で手をたたくと、このように無数の光の点ができます。

 

※画像提供:金箱淳一

手をたたきながら動いてみると、このように光の線ができます。

 

※画像提供:金箱淳一

子ども楽しみポイント!

手にはめて拍手をするだけで光るので、年齢の低い子でも簡単に楽しむことができます!

ワークショップのように撮った写真を見せると、動きによってできる写真にどのような変化が起こるのか、子どもたちの興味もそそられますね。

子どもたちが自由に考えながら遊ぶことで、自然と学びにも繋がります☆

 

⇒クラップライト

タッチ・ザ・サウンド・ピクニック(Touch The Sound Picnic)

こちらは耳が聞こえない状態を作るために、ヘッドフォンを装着して体験させていただきました。

音を手(振動)で感じることができる“タッチ・ザ・サウンド・ピクニック”です。

一体どのような感覚を味わうことができるのか…不思議な興味深い魅力をお伝えします!

 

※画像提供:金箱淳一

名前の由来

”タッチ・ザ・サウンド”は、金箱先生が好きだという“Touch the sound”という映画(聴覚障がいを抱えながらパーカッショニストとして活躍している方のドキュメンタリー)から、”ピクニック”は、これをもっていろいろな場所に行ってほしいという思いから付けられた名前だそうです。

仕組み・特徴

マイクで音を拾って振動で伝えるという仕組みになっていて、

手で持ってボタンを押すと、しゃべっている声や音に反応してブルブルと振動がきます!

また、音の強弱によって振動の強さが変わります☆

 

聴覚障がいのある子は、自分で音を探すことが難しいですが

これがあれば、音があることがわかって聞こうとすることができます。

子ども楽しみポイント!

“新しい音が聞こえた!”

これは実際に体験した子どもが言っていて、印象的だった言葉だそうです。

 

音を振動として手で感じることで、普段聞き流してしまっていたような小さな音を見つけることができる。

新しい発見は、子どもたちにとって大きな喜びですよね!

ヘッドフォンを装着しながら体験することで、より音を手でダイレクトに感じることができます☆

 

音の大きさによって振動の大きさが変わるので、手に伝わる振動の変化も楽しめます!

名前の由来の“ピクニック”のように、様々な場所に行って音を探したくなりますね♫

 

⇒タッチ・ザ・サウンド・ピクニック

身近なところで音を感じる・楽しむ方法とは…

“音を見る”というアプローチで考えると、

ギターの弦の上にビー玉を置いて弾いてみたり、太鼓の上にビービー弾を置いてたたいてみたり。

演奏したときの音の震えによって玉が動くのも、“音を見る”ということだといいます。

 

日常のなかでも音を見ることは自然とできるということで、実際に窓を開けて外の音を聞いてみました。

風で木々の葉が擦れる音、車が通った音…様々な音が聞こえましたが、これらは目で見ても音が鳴っていることがわかります。

このように、日常のなかでどんな音が鳴っているのかということに耳を傾けてみる、ということも音を感じることだといいます。

 

簡単に言うと、そもそも音というのは振動からできています。

物が震えて、その振動が空気を伝わって耳に届いて音として聞こえる仕組みです。

空気の振動は目で直接見られなくても、少し工夫したり視点を変えたりするだけで

音の元となっている振動を見ることは可能です。

 

意識をしていないだけで、私たちも身近なところで、自然とやっているのかもしれませんね! 大切なのは、そこに意識を向けるということなのです。

プロフィール

金箱淳一

神戸芸術工科大学大学院 映像表現学科 助教。
1984年長野県 北佐久郡浅科村(現:佐久市)生まれの楽器インタフェース研究者 / Haptic Designer。博士(感性科学)。
情報科学芸術大学院大学(IAMAS)修了後、玩具会社の企画、女子美術大学助手、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科研究員を経て、産業技術大学院大学創造技術専攻助教、現在に至る。
障害の有無にかかわらず、共に音楽を楽しむためのインタフェース「共遊楽器(造語)」を研究している。

 

※画像提供:金箱淳一

まとめ

今回ご紹介したふたつの楽器は、演奏して音を鳴らすというよりは
“音を耳以外で感じる”ということを目的としたものです。
光によって音を目で見ることができたり、振動によって新しい音を見つけられたり。
夢中で遊びながら自然と学びに繋がる、新しい感覚を味わえるというのは
とても魅力的ですよね!

耳や目に障がいがある人のためのものではなく、あくまで共に遊ぶためのもの。
つまり、障がいがあってもなくても関係なく、みんなが同じように楽しむことができるもの。
それが“共遊楽器”であり、金箱先生が言う“楽器の敷居を下げる”ということなのではないでしょうか。

普段何気なく聞こえている音に、耳を傾けてみてください。
音を耳以外で感じる。そんな感覚を自然と味わうことができ、子どもたちの興味や新たな学びに繋がるかもしれませんね!


取材・文/ASOPPA!事務局

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