栄養バランスに優れたバナナは、1日の食事に不足しがちな栄養が豊富に含まれていて、育ち盛りの子どもの朝食やおやつにぴったり。皮をむくだけですぐに食べることができるから、忙しいママも大助かりですね。そんなバナナについて、栄養と効果や、SNSなどで話題のバナナアートなど、盛りだくさんな内容で紹介します。
バナナとは
バナナは、東南アジアの熱帯地域原産のバショウ科の多年草。木のように見える部分は、柔らかい葉が重なり合ってできた茎です。1本の茎には約10〜15房のバナナがなり、初めは下を向いて実りますが、太陽の光に向かいだんだん上に曲がりながら成長していきます。日本では、熟す前の青いバナナを輸入し、室(むろ)で成熟させたものが店頭に並びます。
世界中には約300種類以上もの品種があるといわれています。日本で出回っている多くのバナナはフィリピン産で、ほかにエクアドル、台湾などからも輸入されています。日本国内では沖縄などの温暖な地域でわずかに生産されています。
バナナの歴史
バナナの歴史はとても古く、紀元前8000年〜3000年頃には東南アジア地域で食べられていたといわれています。その後、インドや東アフリカなどに伝わり、エジプトなどにも交易品として持ち込まれていました。15世紀に入り、西アフリカから中央アメリカや南アメリカへ伝えられたとされています。
日本では1903年に、台湾からバナナが輸入されるようになりました。昭和初期までは、お土産品や病気のときなどしか口にできない高級な果物でしたが、輸入拡大に伴い、1年を通して手頃な価格で手に入れることができる身近な果物になりました。
バナナの栄養素と効果
甘くて食べやすいバナナには、エネルギー系栄養素のほか、幅広いビタミンやミネラルが含まれていて、育ち盛りの子どもの手軽な栄養補給にぴったりです。その内容を詳しく見てみましょう。
バナナ1本(100g)から摂取できる主な栄養素
- エネルギー 93kcal
- タンパク質 1.1g
- 脂質 0.2g
- 炭水化物(食物繊維) 22.5g(1.1g)
- カリウム 360mg
- マグネシウム 32mg
- ビタミンB1 0.05mg
- ビタミンB2 0.04mg
- ナイアシン(ビタミンB3) 0.7mg
- ビタミンB6 0.38mg
エネルギー
栄養豊富で甘いバナナはカロリーが高いと思われがちですが、1本約96kcalと意外と低カロリー。ご飯だとお茶碗半分、6枚切りの食パン半分とだいたい同じカロリーとなります。
また、ブドウ糖、果糖、ショ糖などの糖質を含んでいて、種類によって体内でエネルギーに変わる速さが違うため、すぐにエネルギーに変わるものの、食物繊維の働きも手伝って腹持ちが良く、血糖値が急激に上昇しないことが特長です。脳のエネルギー源であるブドウ糖のほか、それをサポートするビタミンやミネラルも豊富に含んでいるので、集中力アップ効果も期待できます。
カリウム
バナナはカリウムを豊富に含んでいる果物です。カリウムにはナトリウム(塩分)を排泄する役割があり、高血圧やむくみの解消、運動中に筋肉がけいれんすることを防ぎます。バナナ1本に含まれるカリウムは360mg、ゴーヤ1本に含まれるカリウム260mgより多いことは驚きです。
食物繊維
炭水化物を多く含むバナナは、食物繊維も多く、血糖値の急上昇を抑制し、有害物質を体外へ排出する働きがあります。便秘対策にもぴったりです。
ビタミン
バナナには疲労回復、糖質をエネルギーにすばやく変えスタミナアップなどの効果が期待できるビタミンB1、発育ビタミン、美容ビタミンとも呼ばれ、体の成長や髪や皮膚、爪などの形成にも深く関与しているビタミンB2、皮膚や粘膜の健康をサポートする働きあるナイアシン(ビタミンB3)、肌の潤い弾力を保ち、血液や筋肉の発育を助ける働きがあるビタミンB6と、とにかくビタミンが豊富!
そのほか、造血に働くビタミンと呼ばれる葉酸や、抗酸化作用があり美容効果の高いポリフェノールも多く含まれています。
また、バナナにはトリプトファンが多く含まれていて、ビタミンB6と結びつくことで、セロトニンというホルモンに変わります。「しあわせホルモン」と呼ばれるセロトニンには、神経を落ち着かせたり、睡眠を促したりする働きがあり、リラックス効果を得られます。このトリプトファンは、バナナに多く含まれていますが、ほかの果物にはほとんど含まれていません。
美味しいバナナを選ぶポイント
美味しいバナナのポイントは、皮が黄色く色づいていて付け根が新鮮、「シュガースポット」がうっすら出始めていることです。シュガースポットとは、バナナの皮に現れる黒い斑点のことで、バナナが熟して甘くなっているサインです。これは、バナナの皮や果肉に多く含まれるポリフェノールの一種「タンニン」が酸化酵素と反応することでできます。シュガースポットが出ているバナナは、甘くて美味しいだけではなく、免疫力を高める効果が高いことが明らかになっています。
バナナの美味しさを逃さない保存方法
基本は常温保存
バナナの原産は熱帯地域であるため、基本は常温保存でOK。直射日光があたらない、14度〜20度くらいの風通しがいい場所がベストです。
バナナの置き方にも注意したいところ。バナナを谷型に置いてしまうと、接触面が多くなってしまい、その部分から傷みが進行します。カーブしている部分を上にして、山型に伏せておくと◎。また、専用のバナナスタンドを活用すると吊り下げて保存でき、長持ちするためおすすめです。
1本ずつ切り離す
バナナに含まれるエチレンガスには自らの熟成を促進させる効能があり、房のまま保存するとバナナ同士のエチレンガスによって熟成を早めてしまいます。長持ちさせるためには1本1本切り離して保存するのが良いでしょう。
夏の保存方法
夏場は気温が高くバナナの熟成も早く進むため、食べ頃を逃してしまわないよう、冷蔵庫を活用しましょう。好みの状態まで熟したら、バナナを新聞紙にくるんで、冷蔵庫の野菜室に保存します。熟成のスピードがゆるやかになり、食べ頃の状態が長持ちします。新聞紙でくるんで適度な湿度を保ち、冷気が直接当たらないようにすることがポイントです。
話題のアート“バナナいるか”に挑戦!
作り方はとっても簡単。小学2年生の娘もすべての工程をひとりでできました♪
①バナナの茎に切り込みを入れる
②皮にU字の切り込みを入れる(反対側も同様に)
③U字に切り込みを入れた部分をぺらっとめくる
④つまようじで跡をつけるように、ツンツン、くるくると目を描く(バナナの皮に含まれている「ポリフェノール」が、つまようじで擦れて空気に触れることで、次第に黒く浮かびあがってきます)。
⑤バナナを半分程度に切り、茎の切り込みを開いて、グミを一粒挟めば、可愛すぎる“バナナいるか”の完成! ヨーグルトや巨峰と一緒に盛り付けて、プレートにしてみました。
まとめ
バナナを使った焼き菓子作りなどにもトライしたいところですが、まずは、映え感がすごい“バナナいるか”がおすすめ! 簡単にできるので、ぜひお子さんと一緒にトライしてみてくださいね。
文/Ai Kano