秋の日はつるべ落としと言いますが、だんだんと日が暮れるのが早くなってきました。
視界が悪くなるこれからの季節、気を付けたいのが交通事故です。
この記事では、子どもの交通事故の傾向や歩行中のリスクをご紹介。
事故が増える季節だからこそ、子どもの交通事故リスクについて今一度確認しておきましょう。
また子どもを交通事故から守るためには、保護者の対策やアドバイスが非常に重要です。
保護者が気を付けたいポイントもピックアップしているので、併せて確認してくださいね。
秋の日はつるべ落としと言いますが、だんだんと日が暮れるのが早くなってきました。
視界が悪くなるこれからの季節、気を付けたいのが交通事故です。
この記事では、子どもの交通事故の傾向や歩行中のリスクをご紹介。
事故が増える季節だからこそ、子どもの交通事故リスクについて今一度確認しておきましょう。
また子どもを交通事故から守るためには、保護者の対策やアドバイスが非常に重要です。
保護者が気を付けたいポイントもピックアップしているので、併せて確認してくださいね。
秋の日没は、1週間に約10分ずつ早くなるのだとか。
東京都心部の日の入りは、10月上旬で午後5時半ごろ、下旬で4時台になるそうです。
薄暮で周囲が見えづらい時期だからこそ、子どもの交通事故には気を付けなければなりません。
ここからは、子どもの交通事故の傾向をご紹介します。
※以下を参考に記載しています。
参考:第2節 子供の交通事故の状況|令和2年交通安全白書(全文) – 内閣府
子どもの事故が最も多く発生しているのは「歩行中」です。
死亡事故を見ると、未就学児の交通事故の約6割・小学生の交通事故の約5割は歩行中に発生しています。
※第2節 子供の交通事故の状況|令和2年交通安全白書(全文) – 内閣府を基にASOPPA!にてグラフ作成
1~4歳は好奇心旺盛で、思いもよらない行動をしがちな年齢です。
保護者がそばにいても、ちょっと目を離したすきに事故に遭ってしまうケースが多々あります。
一方小学生は、保護者と離れているときの事故が多い傾向です。
飛び出しによる重大事故も増え、死亡リスクも上がります。
高学年になるほど事故発生率は低くなる傾向にありますが、低学年は注意が必要です。
小学1年生の死者・重傷者数は、6年生の約3.2倍。
死者数に限定すると、約10倍にも上るのだとか。
「1人歩きデビュー」を果たしたばかりの1年生については、特に歩行中の事故に注意が必要です。
1年生の交通事故のピークは、5月ごろといわれます。
しかし周囲の風景の雰囲気が変わる秋・冬も油断はできません。
今一度、歩き方や交通ルールについて子どもと話し合ってみましょう。
参考:小学校1年生の歩行中の死者・重傷者は6年生の約3.2倍!新1年生を交通事故から守るには? | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン
事故の状況として歩行中に次いで多いのが、子どもが自転車に乗っているときです。
小学1~3年生までに徐々に増え、4年生でピークとなります。
注意力が増す5年・6年になると交通事故そのものが減少するため、自転車による事故も減少していくようです。
自転車による事故原因の多くは、一旦停止をしなかったり安全確認を怠ったりすること。
ノーブレーキで交差点に突っ込んだり、車道に大きくはみ出して運転したりして事故に遭う子どもが多いようです。
保護者と自動車に同乗しているときも、事故に遭ってしまうケースもあります。
まだ自分で自由に行動できない0歳児や未就園児などは、特に同乗中の事故比率が高くなる傾向です。
自動車の事故は「保護者の不注意」「もらい事故」など、さまざまなケースがあります。
気を付ければ防げるというものではありませんが、保護者として徹底しておきたいのは「チャイルドシートを使用すること」。
警察庁の発表によると、チャイルドシートを使っていなかった子どもの致死率は、きちんと使っていた子どもの約4.6倍にも上るのだとか。
6歳未満の子どもまたは身長140cmに達していない子どもは、必ずチャイルドシートに乗せましょう。
子どもの交通事故の原因はさまざまですが、多くのケースで「飛び出し」「不意の行動」が事故につながっています。
ここからは、子どもの交通事故の事例から、気を付けたいパターンをご紹介します。
事例①
“この事故が発生した日時は3月の朝7時台で、センターラインがない道路幅員が4.2mの道路を、20代の女性が運転していた軽乗用車が約30km/hの速度で直進していたところ、前方から6人の小学生が列を成して対面通行で近づいてきた。軽乗用車が小学生の横を通過しようとした際に、列の前から2番目の男児が軽乗用車の前に飛び出して事故が発生した。この事故で小学生は脛骨を骨折した。” |
引用元:平成28年 第19回 交通事故・調査分析研究発表会「子供の歩行中の交通事故」|交通事故総合分析センター
事例②
“この事故が発生した日時は6月の15時台で、事故の発生場所は交差点である。60代の女性が運転していた普通乗用車は、約30km/hの速度で交差点に近づいた際に後部座席の荷物が気になり、後ろ向きになったところで、交差点の横断歩道を横断していた男児と衝突した。目撃者の証言によると、この時に男児も後ろ向きに歩いて横断歩道を横断していたとのことである。この事故で小学生は頭がい骨骨折のケガを負った。” |
引用元:平成28年 第19回 交通事故・調査分析研究発表会「子供の歩行中の交通事故」|交通事故総合分析センター
①は子どもがふざけながら歩き、車道に大きくはみ出したことが原因です。ドライバーは子どもの行動を予測してより広く距離を取る必要がありました。
②はドライバーが短時間とはいえ、前方から目を離すという前方不注意が原因です。
もちろんドライバーが悪いのですが、交通事故に巻き込まれないためには、自分自身も周りをよく確認する必要があります。
特に道路を渡る際は、信号が青であったとしても車が止まっていることなどをしっかり確認しましょう。
また、視界の悪い秋の夕暮れは、車などの運転手はもちろん、歩行者もより一層気を付けてください。
事例①
“自転車に乗った小6女児が路線バスにはねられて死亡。バスの進行方向左側の路地から出てきた女児が出会頭にバスと衝突した。” |
引用元:相次ぐ重大事故!小学生の自転車の安全を考える|セコム株式会社
事例②
“事故は2008年9月22日、夜7時ごろに起こりました。事故現場となったのは住宅街にある坂道です。道も暗くなる時間帯でした。事故当時11歳の少年は帰宅の途中でありライトを点灯したマウンテンバイクでその坂を下っていました。同じ道を女性が散歩していましたがそのことには気がつかず正面衝突し、女性は転倒、頭を強く打ち脳挫傷の重傷を負いました。一命は取り留めたものの意識は戻らず、四肢拘縮などの後遺障害も残ってしまいました。” |
引用元:小学生の自転車事故で9,500万の賠償金|未成年自転車事故のリスクと対処法|交通事故弁護士相談広場
②は相手をケガさせてしまったパターンで多額の賠償金が発生したケースです。
子どもの自転車の事故はさまざまなパターンがあり、予測困難なケースが少なくありません。
自転車運転がおぼつかない子どもは、いきなり倒れたり止まったり、飛び出したりすることもあります。
子どもの通行が多いと想定される場所では、「徐行」「減速」が鉄則です。
ちなみに道路交通法では自転車は「軽車両」とされており、例えば交差点での右折時などは「二段階右折」が義務付けられています。
しっかりルールを守ることで、自分の命、他人の命を守りましょう。
事例①
“RV車で高速道路を走行していたAさんは、考え事をしていたため、自車が左に寄っているのに気づかなかった。Aさんが気づいたときには、道路左側のクッションドラムに衝突する直前であった。RV車は、クッションドラムに衝突した後、ノーズレールに衝突して停止した。RV車の速度は時速約100Kmであったと考えられる。後部座席には、2歳の幼児が、チャイルドシート非着用で乗車していた。この幼児は、頭部に重傷を負った。この幼児は衝突の衝撃で、コンソールボックス(前席の前)に衝突し、このときに傷害を負ったと考えられる。” |
引用元:交通事故事例「事故は何故起こったか」|日本交通安全教育普及協会
事例②
“2021年8月31日の朝、福岡県田川郡福智町伊方の片側2車線道路で母親が運転する軽乗用車が右折待ちの乗用車に追突、助手席でジュニアシートに座っていた5歳男児が腹部圧迫による内臓損傷により死亡しました。” |
引用元:なぜ「ジュニアシート」使用で死亡事故起きた? 軽乗用車の助手席で5歳男児が被害にあった背景とは|くるまのニュース
チャイルドシート未使用の常態で自動車が何かに衝突した場合、子どもの体は宙に浮きます。
壁や天井・ガラスにぶつかってケガをするだけではなく、ガラスを突き破って外に放出されるケースも少なくありません。
①の状況は、重傷リスク・死亡リスクが極めて高いと考えましょう。
②は座面のみのブースタータイプのジュニアシートで車両のシートベルトを使用します。
体格に合っていなかったのではないかということと、腰ベルトがお腹に掛かっていた可能性が高いそうです。
シートベルトをしているから大丈夫ではなく、子どもの体格に合わせたチャイルドシートを選び、事故から子どもを守りましょう。
周囲への配慮や交通リスクを把握しておくことが、事故の防止につながるケースもあります。
交通事故の危険が高まる季節だからこそ、事故への備えを固めましょう。
夕暮れに子どもが外を歩く場合は、反射板の付いたものを持たせたり、明るい色の服を着せたりしましょう。
秋の夕暮れ時はヘッドライトを付ける自動車・付けない自動車が混在し、ドライバー側の視認性が悪くなります。
子どもの交通事故を防ぐ上での重要なポイントは、「ドライバーに認知してもらうこと」。
夜道でロービームの車が人を認識できる距離をJAFが実験しました。
その結果、黒や紫、青といった服は27~28m、それに対し白い服は37m、黒い服でも反射板が付いている場合は、42mとなりました。
この結果からも暗闇に溶け込んでしまう黒や暗い色の服は、あまりおすすめできません。
小学校に入る前に、学校までの道のりを親子で「予習」したご家庭も多いのではないでしょうか?
秋・冬になると、交通パターンや周りの風景も変わります。
改めて親子で通学ルート・遊びに使うルートを歩き、注意すべきポイントを伝えてください。
子どもに安全な歩き方を教えるポイントは、子ども視点で見ることです。
小学校低学年なら、身長はせいぜい110~130cm程度のはず。
大人ほど遠くを見渡すことはできません。
保護者は子どもの視点に合わせて周囲を確認し、危険な場所を教えてください。
特に気を付けたいのは、以下のポイントです。
交差点:左折・右折の車に気を付ける。必ず立ち止まって左右を見る
横断歩道:青になってもすぐに渡らない。自動車が完全に止まってから渡る
看板などがあって見通しが悪いところ:「車が来るかもしれない」と考える。慎重に進む
地域や学校で「交通ルールを守りましょう」と言っても、保護者が違反していれば子どもの心には響きません。
「青信号が点滅し出したけれど、待たずに横断歩道に入った」「横断歩道が遠いので、車が来ないすきに渡った」……、保護者がこのような行動を取ると、子どもの中で「アリ」になってしまいます。
子どもはたくさんのことを保護者から学びます。
まず保護者が交通マナ-・ルールを守り、子どものお手本となってくださいね。