アジサイ(紫陽花)の花色が違うのには意外な理由があった|花が花ではない? アジサイの不思議な生態

公開日:2024/06/20

アジサイ(紫陽花)の花色が違うのには意外な理由があった|花が花ではない? アジサイの不思議な生態

梅雨時期の花といえばアジサイ! 日本生まれの花で、実は毒があるということを知っていましたか?

水色やピンク、白などさまざまな色があって綺麗ですが、あるものによってアジサイの色が変わるそう! 一体どうしたら色が変化するのでしょうか。

 

この記事では、意外と知らない豆知識や、庭のアジサイの色を変える方法についてご紹介します。

意外と知らない身近なアジサイ

よく見かける身近な花なのに、意外と知らないことも多い「アジサイ」。

名前の由来や間違えやすい花の位置など、豆知識をご紹介します。

アジサイとは?

梅雨時期の6月初旬から7月初旬にかけて、青色や紫色の花を咲かせる1~2mほどの落葉低木です。

花色がよく変化するため、七変化・八仙花などの別名で呼ばれることもあります。

 

そのことから、花言葉も移り気・無常・浮気など、マイナスイメージが多いアジサイ。実は色によって花言葉が変わります。

青いアジサイは「辛抱強い愛情」、ピンクのアジサイは「元気な女性」、白いアジサイは「寛容」と、とてもポジティブで美しい花言葉もあるんですよ。

原種は日本生まれ

アジサイの原種は日本生まれだというのをご存知でしたか?

日本に西洋医学を伝えたシーボルトによって日本原種の「ガクアジサイ」がヨーロッパに渡り、品種改良された丸く咲く品種が「セイヨウアジサイ」と呼ばれるとのこと。

 

アジサイは大きくガクアジサイとセイヨウアジサイの2種類に分けることができ、分類によって異なりますが、現在50~2000以上もの多様な品種があるそう。日本が誇るグローバルな花なのですね!

名前の由来

アジサイの歴史は古く、なんと万葉集にも登場していたそう。

名前の由来には諸説あるようですが、「藍色の花が集まっている」という意味の集真藍(あづさい)がなまってアジサイになったというのが定説なようです。

 

現在広く使われる「紫陽花」という漢字は、白氏文集巻第ニ十に記された「紫陽花詩」をもとに使われるようになったそうです。

もとは唐の寺にあった花に付けられた名で、アジサイとは別の花(おそらくライラック)だったといわれています。

花はどこ?

アジサイの花びらというと、大きく開いたところを想像すると思います。

しかし普段私たちが見ているアジサイの花に見えているところは、実は装飾花とよばれる「ガク」の部分なのです。

 

では、真花とよばれる本物の花はどこにあるのでしょうか。

ガクアジサイなどの「ガク咲き」、セイヨウアジサイなどの丸く集まって手まりのように咲く「手まり咲き」、それぞれの咲き方ごとに真花の位置を見てみましょう。

▼ガク咲きアジサイの真花

ガクアジサイなどの「ガク咲き」タイプのものは、真ん中にぎっしりと集まった部分が真花です。

その周りを装飾花が囲み、額縁のような外見をしています。

▼手まり咲きアジサイの真花

一方、セイヨウアジサイなど「手まり咲き」タイプの真花は、ガクの奥にある小さく色づいた部分なのです。驚きですね。

 

装飾花の奥の方にあるので、ぜひ探してみてくださいね。

毒がある?

料理に添えられることもあるアジサイの葉。ですが、決して食べてはいけません。

食べると嘔吐やめまいを引き起こす可能性があります。しかもその毒性成分は明らかになっていないとのこと。

 

現在では青酸配糖体が原因というのが定説となりつつあるそうですが、研究結果は青酸配糖体が陰性と陽性のどちらも検出されており、やはり謎に包まれたままなのです。

 

アジサイをお家で育てている方は、赤ちゃんやペットが誤って食べないように、くれぐれもご注意くださいね。

〇〇の変化で色が変わる!?

アジサイにはさまざまな色のものがありますね。品種によっては色が決まっているものもありますが、多くはあるものの変化で色が変わるそうなのです!

詳しく見ていきましょう。

アジサイの色素

ピンクや水色、紫色など、多彩な色で私たちを楽しませてくれるアジサイ。このアジサイの色の素となっているのは「アントシアニン」です。

 

アントシアニンは、植物が有害な光(紫外線)などから実を守るために蓄えられる天然色素です。ブルーベリーに含まれていることで有名なこの色素は目の疲れを取る効果があり、視力改善のサプリとしても使用されています。

アジサイの色が変化するのは〇〇のせい

アジサイの美しい色の変化。それは、土壌の性質によって引き起こされるそう。

 

土壌から溶け出したアルミニウムが根から吸収され、アジサイがもつ「アントシアニン」と結合すると青色に変化します。

酸性の土壌ではアルミニウムが多く溶け出し、アルカリ性の土壌ではあまり溶け出しません。そのため、酸性の土壌で育つと青いアジサイ、アルカリ性の土壌で育つと赤いアジサイ、中間の土壌で育つと紫色のアジサイとなるそうです。

 

日本のアジサイに水色や紫色が多いのは、火山が多く酸性の土壌になりやすいためなのだそうですよ。

土壌の酸性・アルカリ性で色が変わるだなんて、まるで理科の実験のようで面白いですね。

色が変化しないアジサイ

白いアジサイを見たことはありますか? 真っ白で可憐でとても可愛いですよね。

 

白いアジサイはどうなるのかというと、アントシアニン色素をもっていないため、色の変化はなく白いままなのだそう。

また、品種の特性上色が決まっているアジサイも、色の変化はありません。

庭のアジサイの色を変えるには?

土壌の性質によってアジサイの色が変わることが分かりました。

それなら、土に工夫をすれば、家でも花の色を変えることができるはず!

 

ここではどのご家庭にもあるものを使って、アジサイをピンク色に変化させる方法をご紹介します。

用意するもの

どのご家庭にもあるものとは、「たまごの殻」です!

たまごの殻は土壌をゆっくりとアルカリ性に変えてくれるそう。じわじわとアジサイの色が変化していく様子が見られるかもしれないですね。

 

また、植物に必要な微量要素であるミネラルや養分を多く含んでいるため、良い栄養にもなるそう。

アジサイをピンク色に変える方法

やり方はとても簡単です。

  1. 卵の殻をよく水洗いし、しっかりと乾燥させます。
  2. すりこぎ棒などで細かくなるよう砕きます。
  3. パウダー状になったら土に混ぜたり、土の上にかけたりすると完成です。

 

アジサイの綺麗な色の変化が楽しみですね。


まとめ

梅雨の時期になるとあちこちでよく見かけるアジサイ。万葉集の時代から愛され、今や日本が誇るグローバルな花だということが分かりました。
アジサイの色素がブルーベリーと同じ「アントシアニン」というのも驚きですね。

雨が降ってなかなかお出かけが出来ない梅雨ですが、今年はアジサイの色の変化を親子で楽しんでみるのはいかがでしょうか。


文/hal

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