6月といえば梅雨!湿度が高くなるこの季節、注意したいのがカビの繁殖です。
カビは見た目が不快である上、衛生上・健康上好ましくありません。
梅雨入り前に「カビ対策」をチェックして、カビが生えにくい環境を作りましょう。
この記事ではカビの概要やカビの発生を防ぐための対策をご紹介します。
6月といえば梅雨!湿度が高くなるこの季節、注意したいのがカビの繁殖です。
カビは見た目が不快である上、衛生上・健康上好ましくありません。
梅雨入り前に「カビ対策」をチェックして、カビが生えにくい環境を作りましょう。
この記事ではカビの概要やカビの発生を防ぐための対策をご紹介します。
カビというと、汚い・不衛生などのイメージがあります。
家の中で見つけるとかなり嫌な気分になりますが、そもそもカビとはどのようなものなのでしょうか?
カビは「原生生物」の一種で、キノコや酵母と同じくくりの「真菌類」です。
真菌類はさらに細かく分類されますが、食品などの上で増殖し、肉眼で確認できるものをまとめて「カビ」と呼んでいます。
カビの特徴は、栄養を吸収するための菌糸を持っていること。
菌糸は枝分かれしながら成長し、やがて胞子をばらまきます。
ばらまかれた胞子は発芽して発育し、さらにカビのエリアが拡大していく仕組みです。
なおカビには赤や黄色などの色がありますが、これらは全て胞子の色なのだとか。
胞子はかたちも多種多様で、三日月形・楕円形・球状・棒状などがあります。
肉眼では分かりにくいですが、カビにも個性があるのですね!
カビが生えているのを見つけたら「きれいにしなければ!!」「捨てなければ!!」と思いますよね。
カビが嫌われる理由はさまざまあります。
カビの色は多彩な上、いずれも見た目が好ましくありません。
どのカビを見つけても、嫌な気分になりますよね。
カビが生えている場所は、いわゆる「カビ臭い」においがします。
これも、カビが嫌がられる原因の1つです。
カビが臭いのは、カビが繁殖するときに出す物質が関係しているといわれています。
カビの菌糸や胞子そのものには、特別臭いにおいはありません。
カビの一般的なにおいは、「木が腐ったようなにおい」「土のようなにおい」です。
ただしにおいはカビの種類によって変わるため、酸っぱいような辛いような複雑なにおいを感じることもあります。
カビが生えた食物は腐ってしまい、食べられません。
また家の壁や家具などにカビが生えた場合、家屋や家具が傷んでしまいます。
カビの菌糸は生えたところに根を下ろし、栄養分を分解・吸収します。
万が一建材にカビが生えた場合、家の強度が低下するかもしれません。
たかがカビと侮っていると、家が傾く恐れがあります。
カビによって被る健康被害には、以下のようなものがあります。
カビが健康に悪いのは、カビが体内に入るリスクがあるためです。
カビに対する免疫反応でアレルギーやシックビル・シックハウス症候群を発症したり、気管支疾患を発症したりする可能性があります。
カビが体内で増殖すると感染症を発症するリスクも高まるので、注意が必要です。
さらに怖いのは、カビ毒に汚染された食物を食べること。
カビ毒は熱に強く、加熱調理をしても毒性が消えません(※)。
体内に入れると下痢・嘔吐を引き起こしたり、肝機能障害、腎機能障害が発症する恐れがあります。
※カビ自体は50℃以上で死滅するといわれています。
また、発がんリスクが高まるともいわれており、カビによる健康被害は深刻です。
湿度が高くなる梅雨は、カビが繁殖しやすい時期です。
梅雨に入る前に、カビ対策のポイントを理解しておきましょう。
カビが発生しやすいのは、風通しが悪くジメジメした場所です。
梅雨時期は、以下の場所でこまめな「カビチェック」を行いましょう。
カビが生えて1週間もすると、胞子でどんどん広がります。
カビを発見したら、なるべく早めに除去することが必要です。
その他、カビはパソコンなどの電子回路や化粧品、プラスチックなどどこにでも生えてしまいます。
南極でも浴室においたパンにカビが生えたそうですよ。
↓の動画ではカビが繁殖する様子を見ることができます。苦手な方はご注意ください。
カビの発生を抑えるには、湿度を下げること・温度を下げること・栄養を与えないことが必須。
カビが発生しやすいのは、以下の条件がそろったときです。
上記を念頭に、カビ対策を行いましょう。
キッチンはカビの栄養源が豊富にあるため、黒カビ・ピンクカビ・青カビなどとさまざまなカビが生えます。
カビを防ぐためには、掃除を徹底することが大切です!
シンクや作業台の汚れを落とすのはもちろん、水気を残さないようにしてください。
根を張ったカビの除去に有効なのは、漂白用洗剤(次亜塩素酸ナトリウム)です。
ただし塩素系の洗剤は成分が強いため、使用の際は手袋やマスクが必須となります。
また漂白用洗剤と酸性の洗剤を混ぜると、有毒な塩素ガスが発生します。
他の洗剤と混ぜないこと&換気を十分に行うことにも注意しましょう。
浴室は「温かい」「水気がある」「栄養分(石けんかす・皮脂など)」と、カビの繁殖条件が見事にそろっています。
浴室を出る前に壁や床に50℃以上のお湯を5秒程度かけてカビを死滅させた後に、冷水をかけ温度を下げましょう。
水気が残っていると湿度を上げる原因となりますので、水気を拭き取ったり、扇風機などで風を当てて素早く乾燥させたりすることを心がけましょう。
カビが生えてしまった場合、ピンクカビならこすって落とすことが可能です。
一方時間がたったカビや黒カビは、こすったくらいでは落ちません。
塩素系漂白用洗剤をスプレーして時間を置きましょう。
シャワーで水をかけるだけで、スッキリとカビを落とせます。
ただしこのときも、手袋やマスクをすること・換気をすること・酸性の洗剤と混ぜないことは必須です。
クローゼットや靴箱は、除湿剤を設置して湿気を取り除くのがおすすめ。
除湿剤にはつるすタイプ・置くタイプなどがあるので、場所に合わせて選んでくださいね。
また衣類や靴をギュウギュウに詰め込むと、通気性が悪くなります。
空気の循環を維持できるよう、スペースに余裕を持たせることも必要です。
なお梅雨時は、衣服や靴が汗や水分を含んでいます。
着たり履いたりしたものはすぐに収納せず、一晩外に出してから収納する……といった工夫も有効です!
クローゼットや靴箱にカビが生えてしまった場合は、カビ取り剤を吹き付けて一定時間おきましょう。
洗剤を布などで拭き取るときれいになります。
注意点は、カビを落とそうとゴシゴシとこすらないこと。
クローゼットや靴箱に傷が付いてしまうと、そこからまたカビが発生してしまいます。
カビの誕生は10億年前にさかのぼるといわれており、人類よりも遙かに長い歴史があります。
カビを見ると嫌な気分になりますが、興味深い側面がたくさんあるのも事実です。
ここからは、カビについてのトリビアをご紹介します。
微生物の一種であるカビは、生態系における「分解者」です。
枯れた植物や生物の死骸・糞などがきれいに土に還るのは、カビをはじめとする微生物のおかげ。
死骸や糞などが還った土はたっぷりと栄養を含み、植物を育むための土壌となります。
成長した植物を草食動物が食べ、草食動物を肉食動物が食べ……という循環は、生態系を維持する上で必須のサイクルです。
すなわち日常ではイヤなカビも、地球の環境を維持するためには、欠かせない存在なのです!
カビは、デンプンやタンパク質を分解して酸やアルコールの元となる物質を生成します。
発酵食品の中には、こうしたカビの働きを利用して作られるものがあるんですよ!
特に日本は、世界有数の「発酵食品大国」だといわれています。
カビから受けている恩恵は、非常に大きいといえるでしょう。
カビをはじめ、酵母・細菌の働きを利用した発酵食品には、以下のものがあります。
しょう油や味噌は、日本人の生活には欠かせませんよね!
カビは湿気に強く、乾燥に弱いというイメージがあります。
もちろん、乾燥させることで発育は抑制することができますが、簡単に死滅するかというとそうではありません。
カビは乾燥させたとしても数か月生き続けることができるのです。
ただし、もちろんいずれは死滅します。
冷凍の場合も同様で死滅するのではなく、冬眠状態となります。
冷凍食品なども冷凍庫から出し入れしている間にカビが発生することがありますので、冷凍だからといつまでも置いておかず、なるべく早く食べてしまいましょう。