屋外でレジャーを楽しむときは、虫刺されに要注意。
中でも蚊はどこにでもいる上、危険な病原菌を媒介することがあります。
また、子どもは刺されやすい傾向にあるため、蚊に刺されないよう対策が必要です。
この記事では、蚊に刺されることによる感染症リスクやかゆくなる理由、刺されやすい人の特徴をまとめました。
蚊に刺されたときの対処法や刺されにくくするためのポイントも紹介しているので、ぜひお出掛け前にチェックしてみてくださいね!
屋外でレジャーを楽しむときは、虫刺されに要注意。
中でも蚊はどこにでもいる上、危険な病原菌を媒介することがあります。
また、子どもは刺されやすい傾向にあるため、蚊に刺されないよう対策が必要です。
この記事では、蚊に刺されることによる感染症リスクやかゆくなる理由、刺されやすい人の特徴をまとめました。
蚊に刺されたときの対処法や刺されにくくするためのポイントも紹介しているので、ぜひお出掛け前にチェックしてみてくださいね!
蚊に刺されると、赤く腫れたりかゆくなったりして非常に厄介です。
しかしそもそも、蚊に刺されるとなぜかゆくなってしまうのでしょうか?
蚊に刺されるとかゆくなる理由や、病気のリスクについてご紹介します。
蚊に刺されるとかゆくなるのは、蚊の唾液へのアレルギー反応が起こるためです。
体に蚊の唾液が入ると、唾液に含まれる成分が肥満細胞に働き「ヒスタミン」という科学物質が生成されます。
このヒスタミンは血管を膨張させる作用があり、蚊に刺されたところがかゆくなったり腫れたりするというわけです。
また、蚊には細い口針がありますが、ただ吸血するだけではありません。
吸血時には唾液を注入することで、血液を固まりにくくさせたり、痛みを感知しにくくさせたりしています。
唾液を注入することで、蚊は人に気付かれずにおいしく食事ができるというわけです。
蚊に刺されてかゆくなるのは、体内に入ってきた異物に対して、抵抗するための抗体を作るなどのアレルギー反応によるものです。
そのため、初めて蚊に刺されたとき(赤ちゃんなど)は抗体がないので、かゆみや腫れは現れないのです。
また、よく聞かれるのが「歳を取るとかゆくなくなる」ということです。
本当に年齢によってかゆくなくなるのでしょうか?
詳しい説明は省きますが、実は、蚊に刺されたときのアレルギー反応は刺された回数によって変化していきます。
アレルギー反応の種類としては即時型と遅延型があります。
即時型はすぐにかゆみなどが現れ、遅延型は翌日以降などにかゆみが現れます。
刺された回数が少ないうちは「遅延型」、何度か刺されてアレルギー反応を繰り返すと「遅延型+即時型」となります。
この「遅延型+即時型」という状態のときは、すぐにかゆみ・腫れが現れて一旦収まりますが、翌日以降にまたかゆみや腫れが現れます。
刺された回数によるもののおおよそ「即時型+遅延型」が現れるのが幼児期~青年期となります。
その後、さらにアレルギー反応を繰り返すと「即時型」のみとなり、最終的にはアレルギー反応が現れなくなるそうです。
このアレルギー反応が現れなくなるぐらい刺される時期がおおよそ老年期となるため、「歳を取るとかゆくなくなる」といわれる要因となっていると考えられます。
知っている方も多いかと思いますが、蚊はかゆみや腫れなどを引き起こすほか、感染症も媒介します。
これにより障害や死亡リスクが高まり、実際に世界中で多くの方が亡くなっています。
ここでは、どのような感染症を媒介するのか、どれくらいの死亡リスクがあるのかを見ていきます。
蚊が恐ろしいのは、危険な病気を媒介するためです。
蚊が媒介する病気・感染症には、以下のものがあります。
参考:蚊媒介感染症|厚生労働省
蚊が媒介する感染症のうち、薬があるのはマラリアだけです。
他の感染症は対症療法となり、決定的な治療法はありません。
近年は地球温暖化の影響により、冬を越せないはずの蚊が越冬したり蚊の発生数が増えたりなどの傾向が見られます。
熱帯地域にのみ生息する危険な蚊が日本に入ってくる可能性もあり、蚊による感染症のリスクが増大しているのが現状です。
日本の方であれば日本脳炎という名前は聞いたことがあるのではないでしょうか?
そんな日本脳炎の致死率をご存知でしょうか?
日本脳炎の致死率は20~40%とされ、とても高い確率であることが伺えます。
世界では毎年蚊による日本脳炎で1万人以上が死亡しているそうです。
また、2024年はすでに760万人以上がデング熱に感染し、3,000人以上が死亡していると報告されています(2024年4月30日現在)。
そして、驚くべきことに世界で人を殺している生き物の第一位が蚊であり、その数、なんと年間で83万人!
年間で83万人もの人が蚊による感染症などで亡くなっているのです。
ちなみに、二位は人間(58万人/年)、三位はヘビ、四位はサシチョウバエ、五位はイヌとなっています。
こういったことから、見た目には小さな蚊ですが、とても危険な存在であることがお分かりになるかと思います。
屋外に出るときは「蚊に刺されないこと」を徹底しましょう。
自然豊かな場所には、ほぼ確実に蚊がいます。
蚊による感染症のリスクが高まっている現在、「蚊に刺されないようにすること」は非常に重要です。
ここからは、蚊に刺されないためのポイントと、刺されたときの対処法をご紹介します。
蚊に刺されないようにするためには、以下を徹底することをおすすめします。
ちなみに、日焼け止めを塗る場合は、日焼け止めの後に虫除けをしてくださいね。
加えてスプレータイプでもむらなく塗り広げてください。
蚊は塗り漏れのすき間を見つけてしまうそうですよ。
このほか、蚊を発生させないために「水たまりを作らないこと」も重要です。
蚊は、おちょこ1杯程度(30~45ml)のわずかな水に200個もの卵を産むのだとか。
家の周囲やベランダなどに水たまりがあると、蚊が大量発生する恐れがあります。
雨水がたまっているところ・水が残っているじょうろなどはないか、家の周りをチェックしてみましょう。
参考:蚊に刺されやすい人のタイプと刺されないためのポイント 快適な夏を過ごすために知っておきたい豆知識 – クローズアップ現代 取材ノート – NHK みんなでプラス
基本ではありますが、蚊に刺されてしまった場合は、「かかないこと」「冷やすこと」が大切です。
刺された部位をかいてしまうと、かゆみがより強くなります。
特に子どもが刺されてしまった場合、力加減が分からずにかきこわしてしまうことがあるかもしれません。
患部を保護するための「虫刺されパッチ」を用意して、かきこわしを防ぐのがおすすめです。
なお患部の腫れやかゆみがあまりにもひどいときは、皮膚科を受診しましょう。
発熱やめまいといった全身の症状が出ている場合は、早急な受診が必須です。
同じ場所にいても、蚊にたくさん刺される人と全く刺されない人がいます。
蚊をおびき寄せやすい人には、どのような特徴があるのでしょうか?
蚊に刺されやすい人の特徴を見ていきましょう。
蚊は熱を察知する能力が非常に優れているのだとか。
体温の高い人は、体温の低い人よりも刺されやすい傾向があります。
蚊の熱感知度は、人間の約10倍といわれています。
0.05℃程度の違いも検知できるため、「人がいそうな温かい空気」を検知するのも容易です。
特に体温の高い赤ちゃんや子どもは、蚊にとって絶好のターゲット。
虫除けスプレーで蚊の襲来を防ぎましょう。
蚊を引き寄せる原因として、ニオイが関係しているとする説もあります。
そもそも蚊は、上半身よりも「足」を好んで刺す傾向があるのだとか。
足から強烈なニオイを発している人は、蚊をおびき寄せやすくなります。
ニオイのしない人よりも、蚊に刺される箇所が多くなるでしょう。
蚊を引き寄せる原因はさまざまありますが、特に蚊が反応しやすいといわれているのが「二酸化炭素」です。
蚊は空気中の二酸化炭素濃度で、ターゲットの存在を見極められます。
その能力は極めて高く、10m先の生物も検知できるのだとか。
「二酸化炭素の発生源」として蚊に検知された場合、蚊は遠くからでも飛んできます。
人間や動物は呼吸時に二酸化炭素を発生させるため、息をする限り蚊のセンサーから逃れることはできません。
中でもお酒を飲んでいる人は、アルコールの消化と分解のために通常よりもたくさんの二酸化炭素を吐き出しています。
お酒を飲んでいない人よりも蚊を寄せ集めやすく、蚊に刺されやすくなるのです。
特定の血液型によって、蚊に刺されやすい・刺されにくいなどはありません。「O型は蚊に刺されやすい」などと言われることがありますが、はっきりとした根拠があるわけではありません。
一部の実験ではO型の人が他の血液型より刺されたというものもありますが、現段階では「刺されやすい傾向があるかもしれない」ぐらいで捉えておいた方が良いでしょう。
ただし、遺伝子のタイプによって刺されやすい人・刺されにくい人は存在するとのことです。
参考:蚊に刺されやすい人のタイプと刺されないためのポイント 快適な夏を過ごすために知っておきたい豆知識 – クローズアップ現代 取材ノート – NHK みんなでプラス
蚊にはそもそもどのような種類がいて、なぜ人の血を吸うのでしょうか?
身近にいる蚊や血を吸う理由を見ていきましょう。
日本には約100種類の蚊が生息しているといわれます。
ただし全ての蚊が吸血するわけではなく、血を吸うのは20種類ほどです。
このうち、私たちが日常で目にしやすい蚊を見ていきましょう。
いわゆる「ヤブカ」と呼ばれる蚊で、5月頃から10月下旬頃まで見られます。
東北の北部と北海道にはいないといわれていますが、地球温暖化の影響により生息範囲が広がるのではと懸念されています。
デング熱・ウエストナイル熱・ジカウイルス感染症・チクングニア熱などを媒介することがあるので要注意。
日本全国に分布しており、どこででも見られます。
活動時期は夕方から夜で、移動範囲は数キロにおよぶこともあるそう。
名前の通り、家の中にも積極的に入ってきます。
ウエストナイル熱を媒介することがあります。
またアカイエカの中でも特に注意したいのが、「コガタアカイエカ」。
日本全土に生息し、日本脳炎を媒介します。
ビルの地下などに生息し、冬でも活動します。
冬に蚊に刺された場合は、チカイエカだと推察してよいでしょう。
外見はアカイエカとほぼ同じで、肉眼で見分けるのはほぼ不可能です。
ウエストナイル熱を媒介することがあります。
画像:Public Health Image Library
日本全国に分布している蚊で、このハマダラカ類はマラリアを媒介することでも有名です。
日本で流行したマラリアのほとんどが三日熱マラリアと呼ばれるもので、このシナハマダラカが媒介者とされています。
参考:蚊に対する対策|奈良県
蚊が血を吸うのは、卵を産むためです。
卵を作るには、タンパク質などの栄養素が必須となります。
蚊は命の危険を冒して生物の血を吸い、栄養補給をしているのです。
すなわち人の周りに集まって吸血している蚊は、産卵期前のメスだということ。
オスの蚊や産卵期以外のメスの蚊は、樹液や花の蜜を主食としています。
蚊は卵から幼虫(ボウフラ)を経て、短期間で成虫になります。
アカイエカの場合、条件がそろえば、卵から成虫になるまでの期間はわずか10日です。
蚊の卵がたくさん産み付けられていれば、短期間で一斉に蚊が湧き出てきます。
ただし蚊の寿命は短く、オスの寿命は羽化してから数日です。
メスでも20~40日程度しかなく、長生きする昆虫ではありません。
ただし卵をたくさん産むため、新しい蚊が次から次へと発生します。