メイン画像提供:三重フォトギャラリー
日本茶は、カテキンやミネラルをたっぷりと含むヘルシーな飲料です。
日本人の暮らしに欠かせないものですが、消費量は年々減少しているのだとか。
「お茶を飲む機会が減ったかも」というご家庭は、今一度日本茶の歴史や魅力についてチェックしてみてはいかがでしょうか。
この記事では、日本茶の歴史や種類を詳しくまとめました。
日本茶と相性のよいお茶請けもご紹介しているので、ぜひいつものおやつタイムに日本茶を取り入れてみてください!
メイン画像提供:三重フォトギャラリー
日本茶は、カテキンやミネラルをたっぷりと含むヘルシーな飲料です。
日本人の暮らしに欠かせないものですが、消費量は年々減少しているのだとか。
「お茶を飲む機会が減ったかも」というご家庭は、今一度日本茶の歴史や魅力についてチェックしてみてはいかがでしょうか。
この記事では、日本茶の歴史や種類を詳しくまとめました。
日本茶と相性のよいお茶請けもご紹介しているので、ぜひいつものおやつタイムに日本茶を取り入れてみてください!
お茶の種類はさまざまあり、日本以外の多くの国でも日常的に飲用されています。
しかしそもそも「お茶」とはどのような飲物なのでしょうか?
紅茶や日本茶・中国茶の原材料は、全てツバキ科・ツバキ属に属する「チャ」という多年生植物の葉です。
チャの木の種類は、背が高く葉が大きい「アッサミカ系(インド種)」と小ぶりな「シネンシス系(中国種)」に大別されます。ただし交雑種も数多く存在しており、単純な分類は難しいのが実情です。
一般に、アッサミカ系は紅茶に、シネンシス系は日本茶・中国茶に適しているといわれています。
お茶は全て「チャ」という同じ種類の木の茶葉を使って作られています。
とはいえ紅茶と日本茶・ウーロン茶などを比較すると、味わいは全く異なりますよね。
お茶の風味を決める要素はさまざまありますが、「発酵の有無」「発酵の度合い」は非常に重要なポイントです。
香りや赤味が強く出やすい紅茶は、茶葉を完全に発酵させて作られます。
一方日本茶(緑茶)は、茶葉を発酵させません。
日本茶には茶葉由来のフレッシュな香り・きれいな青味があり、紅茶とは異なる風味を楽しめます。
なお、茶葉の一部のみを発酵させたのがウーロン茶です。緑茶と紅茶の中間の色や香りを持ちますが、品種によって色や味わいはさまざま。
紅茶とも日本茶とも異なる「半発酵茶」に分類されます。
このほかお茶の種類が豊富な中国には、茶葉を5~10%のみ発酵させた「弱発酵茶」や、完全発酵させた「後発酵茶(プーアール茶など)」があります。
農林水産省の統計によると、令和5年の主産県の摘採面積は2万3,800ha・一番茶の荒茶(※)生産量は2万1,000tに上るのだとか。
お茶どころは全国に分布しており、土地ごとに有名なお茶がさまざまあります。
私たちの暮らしと深く関わる、日本茶について見ていきましょう。
※茶葉(生葉)に加工処理を行い製造したもの
お茶が日本に伝わったのは、平安時代に入ってからです。
当時中国では「唐」が国を支配しており、日本はたびたび使者(遣唐使)を送っていました。
遣唐使によって伝えられた中国の文化・風習の中に、お茶も含まれていたというわけです。
お茶の風習は貴族階級だけの特別なものでしたが、室町時代に入ってからは「茶の湯」の文化が広まります。
武士や商人の中にも、お茶を飲用して楽しむ人が増えました。
とはいえ庶民が普通にお茶を飲むようになったのは、江戸時代に入ってから。
江戸時代は天下泰平の世が長く続き、庶民文化が多様化した時代です。
お茶についても、「蒸し製煎茶」の製法が生まれたり玉露が作られるようになったりして、さまざまな種類が生まれました。
お茶は人々の生活に深く根付き、神社仏閣や観光地にはたくさんのお茶屋さんが軒を連ねていたそうです。
日本茶に含まれる成分の中には、体によいとされるものがたくさんあります。
出典:お茶の成分と効能 – 一般社団法人 鹿児島県茶生産協会 – かごしま茶ナビ –
※出典を参考にASOPPA!にて表を作成
日本茶の健康効果については、世界でも高く評価されています。
日本茶の知名度は上がっており、現在では世界のさまざまな国に輸出されています。
参考:日本茶の輸出:農林水産省
一口に日本茶といっても、飲まれているお茶の種類はさまざまあります。
日本茶の代表的な種類をいくつか見ていきましょう。
煎茶は、蒸すことで発酵を抑えたお茶です。
茶葉の乾燥は数段階に分けて行われ、最終的に茶葉は針のように尖った形状となります。
煎茶に使用される茶葉は、露地栽培で日光をたっぷりと浴びさせたものです。
お茶にはみずみずしい風味と色味・爽やかな香りがあります。
玉露も煎茶と同様に、蒸すことで発酵を抑えたお茶です。
製造方法は煎茶とほぼ同じですが、玉露の方がコクや甘味が強いといわれています。
玉露と煎茶の決定的な違いは、茶葉の栽培方法です。
煎茶が日光をたっぷりと当てて育てられるのに対し、玉露は新芽が出始めた頃から日光を遮って育てられます。
遮光率は70~90%にもおよぶため「ほぼ日光を当てない」と言っても過言ではありません。
お茶の渋味の由来は、光合成によって生成される「カテキン」です。
遮光栽培で育てられる玉露はカテキンが生成されにくく、甘味が強くなるというわけです。
玉露と同様に、遮光栽培によって育てられた茶葉を使用するお茶です。
蒸して発酵を止めた茶葉を揉まずに乾燥させ、不純物をきれいに取り除いて作ります。
味わいの特徴は、渋味が少なくうま味が強いこと。
てん茶を粉末状にすると「抹茶」になります。
番茶は、煎茶の製造課程で省かれた茶葉・夏以降の固くなった茶葉などを使用するお茶です。
製法は煎茶とほぼ同じですが、渋味や苦味は少なめ。
「香ばしい」などと評されることが多く、気軽な日常のお茶として愛飲されています。
なお番茶と似た風味の「ほうじ茶」は、煎茶や番茶の葉を水分がなくなるまで炒って作ったお茶です。
煎茶や番茶に炒ったお米を加えたのが玄米茶です。
さっぱりとした味わいで飲みやすく、香ばしい香りで人気があります。
茶葉にお米を加えた理由は諸説あり、詳しいことは分かりません。
「お正月のお餅を割ったときの欠片を入れてみたら、おいしかったため」「余ったご飯がもったいなかったため」などといわれています。
なお玄米茶という名前ではありますが、現在お茶に混ぜて使われているのは白米です。
日本茶は、地域によって味わいや風味が異なります。
日本三大銘茶と、有名なお茶どころについて見ていきましょう。
日本のお茶の約4割を占めるのが静岡茶。
煎茶から番茶まで、さまざまな日本茶が生産されています。
中でも「藤枝市岡部町」は、高品質な玉露の産地として有名です。
高級茶として、広く認知されているのが宇治茶。
煎茶の製法は、江戸時代の宇治で誕生しました。
日本古来の茶摘み歌では「色は静岡 香りは宇治よ 味は狭山でとどめさす」と歌われています。
写真協力:鹿児島県南薩地域振興局
お茶の生産量が多いのは、上から順に「静岡県」「鹿児島県」「三重県」(令和5年)。
全国のお茶の約9割は、これら3県で作られています。
このほか有名なお茶どころとして、以下があります。
なお地域によって、お茶の特徴はさまざま。
例えば愛知県は「抹茶」、福岡県は「玉露」の産地として有名です。
また佐賀県・長崎県の嬉野茶(うれしの茶)は、蒸し製玉緑茶の品質の高さで広く知られています。
「全国茶品評会」蒸し製玉緑茶の部では、5年連続で1位を受賞しました。
日本茶の世界的な普及により、日本茶の飲み方も多様化してきました。
普段あまり日本茶を飲まない人は、「お茶請け」を変えてみると新しいおいしさを発見できるかもしれません!
ここからは、日本茶がよりおいしくなるおすすめのお茶請けをご紹介します。
チーズは洋酒のアテに最適……という印象がありますが、日本茶とも好相性!
種類はさまざまあるので、自由に組み合わせて楽しむのがおすすめです。
例えば繊細な味わいの煎茶は、スッキリとした口どけのゴーダチーズと好相性。
一方甘味の強い玉露は、カッテージチーズやマスカルポーネチーズなど、フレッシュタイプのチーズとよく合います。
いろいろ試して、お気に入りを見つけてください!
チョコレートもさまざまな味・風味があり、日本茶とのペアリングに最適です。
組み合わせを考えるときのポイントは、味わいや風味に共通点があるものを選ぶこと。
渋味の強いお茶なら酸味のあるチョコレート、甘味の強いお茶なら、甘く濃厚なチョコレートがマッチします。
コーヒー派の人・紅茶派の人も、ぜひ1度日本茶を試してみてくださいね。
ただし日本茶は、珈琲・紅茶ほど多量ではないもののカフェインが含まれています。
健康によいとはいえ、小さな子どもにたくさん飲ませるのは控えましょう。
4歳未満の子どもは、1日1杯程度がよいそうですよ!