最近では、世界各地のスパイスを気軽にスーパーで購入できるようになりました。
とはいえスパイスの種類は多く、日本人にはなじみの薄いものばかり。
いざ購入しようと思っても、どれから手を出したらよいか分からない……ということがありますよね。
本記事では、スパイスの魅力や種類、さらには子どもにおすすめのスパイスをご紹介します。
最近では、世界各地のスパイスを気軽にスーパーで購入できるようになりました。
とはいえスパイスの種類は多く、日本人にはなじみの薄いものばかり。
いざ購入しようと思っても、どれから手を出したらよいか分からない……ということがありますよね。
本記事では、スパイスの魅力や種類、さらには子どもにおすすめのスパイスをご紹介します。
スパイスは、食物の香り付けや保存性向上・薬用などのために使われる香辛料です。
原材料は植物の葉や茎・根・実などで、古代インドや中国、エジプト文明などでも使用されていました。
特に中世ヨーロッパではスパイスが貴重品とされ、高値で取引されていたそうです。
15~17世紀の大航海時代は、スペイン、ポルトガル、イギリス、オランダなどの国がスパイスを求めて海を渡ったことが始まりです。
16~17世紀になると各国のスパイスを巡る覇権争いは熾烈化し、「スパイス戦争」にまで発展しました。
このとき多くの国がスパイスの木を自国の植民地に移植したため、スパイスが広く世界で栽培されるようになったといわれています。
現在スパイスは4~500種類あるといわれており、主な原材料の栽培地は東南アジア・南アメリカなどです。
中でもインドネシアには250種類ものスパイスがあり、「スパイスの母」と呼ばれています。
子どものうちからスパイスに親しむことは、メリットが大きいといわれています。
子どもメニューにスパイスをプラスするメリットについて詳しく見ていきましょう。
スパイスをいつもの料理に加えれば、大幅な味変が可能です。
子どもが苦手な食材は、スパイスで風味を変えることで食べやすくなるかもしれません。
子どもにさまざまな食事を味わわせることは、味覚を発達させる上で重要です。
子どもが苦手な食材は避けるのではなく、慣れてもらうこと・興味を持ってもらうことを重視しましょう。
スパイスで味付けの工夫をすることは、子どもの苦手克服に有益です。
スパイスの中には日常では感じられない香り・味わいのものも多く、子どもの興味を惹きつけます。
「どんな味がするんだろう?」「なぜこんな不思議なにおいなんだろう?」……料理に対して、子どもが興味を持ってくれるのは大きなメリットです。
子どもは、大きくなるほど食べ慣れない食材・においに拒否感を示す傾向が顕著です。
好き嫌いが生まれにくい幼児期にさまざまな風味に触れることは、味覚の発達を促すことにつながります。
スパイスを料理に使うことは、子どもの味への許容範囲を広げること、ひいては偏食を防ぐ上で有益なのです!
過剰な塩分は、子どもの味覚の発達を妨げる要因になるといわれています。
塩分が舌にある味覚のセンサー(味蕾:みらい)の働きを鈍らせ、素材のうま味や甘さを感じにくくさせるためです。
調理にスパイスを使用すれば、塩を多用しなくても素材の味が引き立つ料理を作れます。
子どもの味覚を守りつつおいしいメニューを提供できるのは、スパイスを使うからこそのメリットです。
スパイスは子どもの料理にも使えますが、注意点もあります。
子どもにおいしく・自然にスパイスを楽しんでもらうため、気を付けたいポイントをご紹介します。
スパイスの中には、胃腸を刺激するものもあります。
例えば唐辛子・チリペッパー・わさびなどは、子どもの未熟な胃腸には強すぎます。
お腹を壊すリスクが高いため、刺激の強いものは控えましょう。
スパイスの中には、アレルギー症状を引き起こすものもあります。
子どもに初めてスパイスを与えるときは、「少量ずつ」を徹底してください。
万が一アレルギーが疑われる症状が出た場合は、早急に医療機関に相談することをおすすめします。
子どもが1歳半~3歳くらいになれば、調理に使えるスパイスが増えてきます。
子どもの成長に合わせて、少しずつスパイスメニューのレパートリーを増やしていきましょう。
ここでは年齢別におすすめのスパイスをご紹介しますが、目安ですので、子どもに合わせて選んでみてください。
幼児期初期は、比較的好き嫌いが少ない時期。
素材の味を活かせる、シンプルなスパイスがおすすめです。
ターメリックは、「ウコン」とも呼ばれるショウガ科の植物です。
スパイスでは根の部分が使われており、鮮やかな黄色をしています。
土っぽさを感じさせる独特の風味があり、カレーなどの色付けに欠かせないスパイスです。
コリアンダーも、カレーには欠かせないスパイスの1つ。
スパイスとして活用されるのは実の部分で、葉っぱは「パクチー」として親しまれています。
スパイスのコリアンダーは、柑橘系を思わせる爽やかな香りが特徴です。
カレーのほか、パンやクッキーなどにも使用されます。
クミンは、セリ科の植物の種を乾燥させて作られたスパイスです。
古代エジプトでは、防腐剤として使われていました。
いわゆるカレー粉の香り=クミンの香りといってよく、肉料理や魚料理に使用すると素材の味が引き立ちます。
味覚が発達してくる3~5歳は、食欲増進効果を期待できるスパイスがおすすめ。
風味の強いスパイスを使うことで、子どもの好奇心や興味を刺激する食事が完成します。
にんにくを粉末やスライスにして作られたスパイスです。
肉や魚の臭みを消す効果があり、西洋料理や中華料理、韓国料理、イタリア料理などでは欠かせないスパイスといえます。
肉料理・魚料理はもちろん、炒めものやパスタ、パン、スープなど、幅広い料理におすすめです。
ショウガ科の植物の根を使用したスパイスです。
爽やかでスパイシーな香りがあり、日本でも古くから飲料や料理に使われてきました。
例えば古くからある「生姜湯」は、健康効果を期待できるとして現在でも人気です。
子どもに与えるなら、風味豊かなジンジャーブレッドやジンジャークッキーにしてみてはいかがでしょうか。
ナス科に属するパプリカの実を乾燥させて粉末にしたスパイスです。
原産地は南アメリカで、独特の甘みがあります。
鮮やかな赤い色は、料理の見栄えアップ・食欲増進に最適です。
いつものトーストにパセリとパプリカを乗せる、マッシュポテトにパプリカを一振りする……、使い方はさまざまあります。
なお日本では生のパプリカも食べられていますが、スパイスのパプリカとは別の品種です。
学童期に入る6歳ごろは、より複雑な味も理解できるようになります。
スパイスの奥深い味わいも、おいしく感じられるようになるかもしれません。
学童期以降におすすめのスパイスを見ていきましょう。
クローブは、インドネシア原産の常緑樹のつぼみを乾燥させたスパイスです。
甘くスパイシーな香りと、ピリッとした刺激があります。
肉の臭みを和らげる効果があり、肉料理のおいしさを引き立てたいときに最適です。
またクローブのバニラのような甘いにおいは、スイーツの香り付けにも使われます。
ミルクティーや焼きリンゴに加えると、風味がアップするのでおすすめ!
シナモンは、クスノキ科の常緑樹の樹皮を乾燥させて作られたスパイスです。
独特の風味と甘さがあり、スイーツの風味付けによく使われています。
日本では「ニッキ」という名前で親しまれていますが、厳密に言うと両者は同じではありません。
シナモンが「セイロンニッケイ」から作られるスパイスであるのに対し、ニッキは「日本桂皮」から作られます。
どちらも同じクスノキ科ですが、風味は微妙に異なるのです。
シナモンも、スイーツでよく使われるスパイス。
定番のアップルパイのほか、ガトーショコラやブラウニーといったチョコレート系のスイーツともベストマッチです。
ナツメグは、ニクズク科の常緑樹の実から作られるスパイスです。
豊かな風味を持ち、シナモン、コショウ、クローブと並び「世界四大スパイス」の1つに数えられています。
ナツメグの用途は幅広く、肉料理から野菜料理・卵料理までとさまざまです。
ハンバーグやロールキャベツなどに使うとひき肉の臭みが和らぐほか、ホワイトソースやチーズフォンデュなどに加えるとまろやかな風味となります。