冬が近づき、気温とともに湿度が低下して空気が乾燥する時期になりました。これから寒さが増すと暖房器具の使用頻度が増え、より湿度が低下しやすくなり、肌の乾燥も加速します。本格的な乾燥シーズンを迎える前に、十分な乾燥対策を知っておきましょう。
冬が近づき、気温とともに湿度が低下して空気が乾燥する時期になりました。これから寒さが増すと暖房器具の使用頻度が増え、より湿度が低下しやすくなり、肌の乾燥も加速します。本格的な乾燥シーズンを迎える前に、十分な乾燥対策を知っておきましょう。
1年のうち、最も空気が乾燥するシーズンは、12月〜2月頃。湿度だけでなく、気温もぐんと下がる冬の時期です。気象庁の過去の観測データを確認すると、年間の平均湿度は70%前後であることが多いですが、この時期の湿度は50%前後にまで低下しています。
室内ではエアコンなどの暖房を使用することから、湿度が屋外よりもさらに低下しやすく、乾燥を感じやすくなってしまうのです。
湿度が低下した状態では、肌の水分が奪われやすくなるため、肌の乾燥を招いてしまいます。
また、湿度だけでなく気温も低下する冬は、皮脂や汗の分泌量が減少する傾向にあります。皮脂と汗は混ざり合って肌の表面に皮脂膜をつくり、肌を外的刺激から守るバリア機能のひとつとして働き、肌の水分が蒸発するのを防ぐ役割も担っています。皮脂と汗の分泌が少なくなってバリア機能が十分に働かなくなることで、肌の水分が蒸発してしまうほか、外的刺激の影響を受けやすくなって、肌トラブルが起こることもあるのです。
うるおいが不足し肌が乾燥すると、カサつきやキメの乱れ、乾燥による小ジワなどが目立つようになります。肌のツヤやハリも失われ、くすみやすくなるため、うるおい不足により一気に老けた印象になってしまうでしょう。
空気が乾燥すると、肌だけでなく健康面にも影響があります。乾燥した空気を吸い込むことで、喉の粘膜も乾燥しやすくなってしまうため、痛みを感じたり、イガイガしたりすることが増えるでしょう。
また、冬はインフルエンザや風邪などを引き起こすウイルスにとって好都合の季節です。湿度が低下して空気が乾燥していると、インフルエンザや風邪などを引き起こすウイルスが空気中に浮遊しやすくなります。喉の乾燥とも相まって、体調を崩す人が多くなってしまうのです。空気の乾燥は、肌だけでなく健康にとっても大敵といえます。
空気の乾燥を防ぐためにも、冬の部屋の湿度は、40〜60%を目安に調整してみましょう。
人間が快適に過ごせる湿度は、40〜60%とされています。湿度が40%を下回るとインフルエンザや風邪などのウイルスが活発に活動するようになり、湿度が60%を超えるとカビやダニなどが発生しやすくなるため、湿度は低すぎても高すぎてもよくありません。
暖房を使用した状態で湿度40%以上をキープするのは結構大変です。次の章で紹介する乾燥対策を取り入れて、部屋の湿度を保ち、乾燥を防いでくださいね。
乾燥を防ぐためには、次のような対策を取り入れてみましょう。
空気の乾燥を防ぐために最も手っ取り早い方法は、加湿器を積極的に使うことです。特に、エアコンを使う部屋では加湿器も必ず使うようにしましょう。
加湿器には、水に細かい振動を与えて霧を発生させる超音波式、水をヒーターで加熱して発生した水蒸気で加湿するスチーム式、水を含ませたフィルターに風を当てて加湿する気化式、水を含ませたフィルターに温風を当てて加湿するハイブリッド式などがあります。
それぞれ加湿範囲や電気代、お手入れのしやすさなどが異なるので、部屋の広さや使用頻度などを考えて選んでみてくださいね。
乾燥対策として、濡れたタオルや洗濯物を部屋に干すのもおすすめ。加湿器がない部屋でも使える、手軽な方法です。
枕元に濡れたタオルを干しておくと、睡眠中の乾燥を手軽に防げます。肌や喉の乾燥が気になる時はぜひ試してみてください。
洗濯物を室内に干すことも部屋の湿度を上げるのに有効です。室内干しはにおいが気になることもありますが、最近では部屋干し専用の洗剤も発売されていますよ。
エアコンだけに頼るのではなく、空気を乾燥させにくい暖房器具を使用するのもおすすめです。
内部のオイルを電気で温めて発生した暖気で部屋を暖めるオイルヒーターや、遠赤外線を使用して人のからだをダイレクトに暖める遠赤外線ヒーターなどは、空気が乾燥しにくい暖房として知られています。エアコンのように広い空間を短時間で効率よく暖められるものは少ないですが、部屋の広さや用途によっては、エアコンよりも快適に過ごせるかもしれません。
小さい子どもがいる家庭では、子どもが暖房器具に触らないように十分に注意してくださいね。
夏に比べて、冬は水分補給を怠ってしまう人も多いのではないでしょうか。体内の水分量が低下すると、当然ながら肌の水分量も低下してしまいます。水分補給をおこなうことで、体内の水分量を増やし、肌のうるおいもキープしましょう。水分をとることで、喉を潤わせることもできますよ。
食事から摂取できる水分などを考慮すると、1日に必要な水分摂取量はおよそ1.5〜2L程度と考えられています。1.5〜2Lも水を飲むのは大変と思われるかもしれませんが、一気に飲む必要はないので、できるだけこまめに水分をとるように心がけましょう。
水分摂取の時間と量の目安がわかる、タイムマーカー付きのウォーターボトルなども販売されているので、活用してみてくださいね。
水分補給をして内側から水分量を増やしたりすることに加え、外側からうるおいを足すことも大切です。
肌の水分が不足していると、どんなに良いアイテムを使用したとしても、肌になじみにくくなってしまいます。水分と油分をバランスよく補うことを意識して、化粧水を塗布した後に、乳液・クリームなどの油分が含まれたアイテムを使いましょう。
これは、顔のお手入れだけでなく、ボディケアやハンドケアにも応用できます。乾燥が気になってボディクリームやハンドクリームを塗っているけれど、あまり効果が感じられないと思っている人は、化粧水を塗布してからボディクリームやハンドクリームを塗ってみてください。水分を与えて肌をやわらげることで、硬めのテクスチャーのアイテムもなじみやすくなりますよ。ぜひ試してみてください。