【管理栄養士監修】もう腐らせない! みかんの保存方法や栄養をまるごと紹介|意外な原産地やおいしいみかんの選び方も

公開日:2025/01/02

【管理栄養士監修】もう腐らせない! みかんの保存方法や栄養をまるごと紹介|意外な原産地やおいしいみかんの選び方も

冬といえばこたつにみかんのイメージがあるほど、みかんは私たちにとって身近な果物ですよね。

 

みずみずしく爽やかな香りで、いまや日本の食生活には欠かせない存在のみかんですが、実は日本生まれではないということをご存知でしたか?

また、箱ごと買ったみかんが傷んでしまい、悲しい思いをした方もいるのではないでしょうか。

 

そこで今回は、意外と知らないみかんの歴史から保存方法、栄養まで、あますことなくご紹介します。

みかんの歴史

身近すぎて、みかんについて意外と知らないことも多いのではないでしょうか。

 

筆者はみかんこそ日本生まれの果物と思っていましたが、実は原産は外国だったのです……!

私たちの生活に欠かせない「みかん」についての歴史を紐解いてみることにしましょう。

みかんとは

皮をむきやすい小型のかんきつ類の総称を「みかん」といいます。

みかんの仲間は世界に900種類もあるのだそう! ただ、日本で一般的にみかんというのは「温州みかん」を指すことが多いようです。

 

もともとの旬は冬でしたが、より早く出荷できるようにと品種改良が進められました。

今では10月よりも前の段階で収穫される「早成(わせ)みかん」や「極早生(ごくわせ)みかん」など、各産地のみかんがより長く楽しめるようになったそうですよ。

 

収穫時期によって、早いものから「極早生(ごくわせ)・早生(わせ)・中生(なかて)・晩生(おくて)」に分けられます。

 

一般的に収穫が早い時期のもの(極早生)ほど酸味が強く、収穫が遅い時期のもの(晩生)の方が甘味を感じられます。

者はみかんは酸っぱいものが好みなので、今度は極早生、早生あたりを買ってみたいと思います。

みかんの歴史

みかんの起源は約3000年前、インドが原産といわれているようです。(諸説あり)

その後中国で栽培が始まり、みかんの原木である「橘」が日本に伝わりました。

 

なんと約1200年前の古事記と日本書紀にも記載があるそうですよ。とても古い歴史があるのですね。

日本が誇る温州みかん

400年前、日本独自の種無しみかんが突然変異によって生まれ、中国の有名なみかんの産地である温州地方にあやかって「温州みかん」と名付けられました。

 

江戸時代の主流みかんは紀州みかんでした。

温州みかんは種無しであったことから、家名の存続を重んじられていた時代の流れには合わず、縁起が悪いとされていました。

しかし、明治時代になるとその食べやすさから人気が出て、九州の一部で栽培されていたものが全国の温暖な地域でも栽培されるようになりました。

 

参考:特集1みかん(1)|農林水産省

みかんの種類

先ほど紹介した日本独自の種類である温州みかん。実は100以上もの種類があるのだとか。

日本三大産地と日本三大みかんとも呼ばれるみかんをご紹介します。

収穫する時期によって味も変わりますが、参考にしてみてくださいね。

三大産地と三大みかんは?

日本のみかん三大産地は和歌山県、愛媛県、静岡県。

それぞれ有名な三大みかんは「有田みかん」「愛媛みかん」「三ヶ日みかん」と、地域の名前がついています。

和歌山県 有田みかん

全国的にも有名な有田みかん。和歌山県はみかんの収穫量No.1の産地でもあります。

有田みかんは、ありたではなく「ありだ」と読みます。百貨店や高級フルーツ店でも見かけることがあり、濃縮した濃厚な甘味が最大の特徴なのだそう。

 

有田では古くからみかんが栽培されてきました。その歴史は450年!

有田地方は雨が少なく水はけがよい土地です。そして太陽の当たる斜面が多く、海からの温かな潮風で気候が温暖なことなど、みかん栽培に非常に適した場所だそうです。

愛媛県 愛媛みかん

愛媛といえばみかんはいわずもがな。日本有数のみかん産地ですね。

 

なぜ愛媛がトップクラスの栽培を誇るかというと、水はけがよく、栄養の多い土地が多いこと、年間を通してあたたかく晴れの多い気候であることがあげられるようです。

これらの環境要因によって甘みとコクのある味に育つのだそうですよ。

静岡県 三ヶ日みかん

静岡県の浜松市三ヶ日町で栽培されている「三ヶ日みかん」は、みっかびみかんと読みます。

三ヶ日みかんを育てる「秩父古生層」と呼ばれる赤い土は肥料の調整もしやすく、水はけもよいためみかん栽培に適しているのだとか。

みかんらしい酸味と高い糖度が自慢の味ですよ。

選び方と保存方法

せっかく買うならおいしいみかんを選びたいですが、どこを見たらいいかいまいちわかりませんよね。

今回はもうハズさない、おいしいみかんの選び方をご紹介します。

おいしいみかんの選び方

小さいもの

みかんは小さいものの方が味がぎゅっと濃縮しておいしいのだそう。

ただ、もちろん品種によっては大きいものもあります。

皮が薄く、きめが細かい

果実が浮き出ているような皮の薄いものはとても甘いです。ただ、皮が薄い分実にしっかりとはりついているのでむきにくいそう。

逆に皮が厚くて浮いているようなものは味が薄いとのこと。

また、皮の表面にある油の玉のようなブツブツは、細かいほど甘味が強い傾向があるようですよ。

色が濃い

色が濃いみかんは甘さの証!

しかし極早生みかんは例外です。青っぽくてもおいしく食べられるので安心してくださいね。

 

参考:みかんな豆知識 おいしいみかんの見分け方|みかんな図鑑

保存方法

常温保存

寒い時期で暖房の効いてない部屋であれば3週間ほど保存ができます。

 

通気性の良いカゴやザルにキッチンペーパーを敷き、みかんのヘタを下にして並べます。

その上にまたキッチンペーパーを重ねて……というようにキッチンペーパーとみかんをミルフィーユのように重ねて層を作っていきます。

 

箱で買ったみかんも同じ方法で保存できますが、箱の底にいくつか穴を開けておくとさらに通気性が良くなります。

並べているときに傷んだみかんを見つけたら取り除いてくださいね。

冷蔵保存

冷蔵庫で保存する場合は、野菜室に入れましょう。

一つ一つキッチンペーパーに包んでヘタが下になるようにポリ袋に入れて保存します。2週間ほど保存できますよ。

みかんの栄養

みかんに含まれる栄養素についてご存知ですか?

おいしいだけではなく体にも嬉しい栄養素、ぜひ頭の隅に置いておいてくださいね。

βクリプトキサンチン

βクリプトキサンチンはカロテノイドの一種で、みかんの美しい黄色はこの色素によるものです。

オレンジなどの柑橘系にも含まれていますが、オレンジと温州みかんのβクリプトキサンチンの量を比較すると10倍ほどの差があるようです。

みかん3個ほどで骨粗相症を予防できるといわれているのだとか。

また、マウス実験では肥満、糖尿病予防にも効果が見込めるとのことで、多方面で嬉しい結果が期待できる成分であることは間違いなさそうです。

ビタミンC

ビタミンCはコラーゲンを生成するために必要不可欠な成分です。

しかし、冬はあたたかい料理が多く、熱に弱く水に溶けやすいビタミンCはなかなかとりにくいのが現状です。

そんな季節の救世主、みかん。お肌の大敵は乾燥です。冬は乾燥しやすいため、ビタミンCを摂ってお肌を守りましょう。

ヘスペリジン

ヘスペリジン、聞きなじみのないワードかもしれません。この成分はみかんの袋や皮、白い筋のところに含まれています

血管を強化し、さらに血流を良くして身体をあたためてくれる働きがあるとされています。

寒い冬にぴったりの成分ですね。

食物繊維

袋やすじをまるごと食べることのできるみかんは食物繊維を摂るのにうってつけです。

食物繊維は腸内細菌のエサとなり、腸内環境が整うことで免疫力をアップさせる効果があるため、乾燥して風邪が流行りやすい冬場にはぜひ摂りたいですね。

他にも便秘を予防したり、コレステロール値を下げてくれたりといいことづくめです。

まとめ

・みかんの原産はインド(諸説あり)
・収穫時期によって味が変わる
・温州みかんは日本が誇る品種
・温州みかんが全国的に食べられるようになったのは明治時代から
・日本三大産地は和歌山県、愛媛県、静岡県
・おいしいみかんは小さく、皮が薄くてきめが細かく、色が濃いものを選ぶと◎
・冬場の涼しいところでの保存は通気性をよくしてみかんとキッチンペーパーで層を作る
・みかんを野菜室で保管する場合はヘタを下にしてキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れる
・みかんの主な栄養はβクリプトキサンチン、ビタミンC、ヘスペリジン、食物繊維


冬の風物詩でもあるみかん。
今年の冬は産地や収穫時期に注目して自分の好きな品種や時期を見つけてみるのもいいですね。

いつもみかんがしおしおになってしまう方も、保存方法を変えることでみかんライフを長く楽しむことができますよ。
みかんを食べて健康的に年末年始を過ごしてみませんか?


文/hal

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