新しい年の始まりに当たるお正月は、どの国でも重視されています。
特別なしきたりにしたがってお祝いする国も多く、お正月の過ごし方は地域によって様々です。
この記事では、世界各国のお正月の過ごし方について地域別にまとめました。
世界の国々がどのようにお正月を過ごしているのか、ぜひチェックしてみてくださいね!
新しい年の始まりに当たるお正月は、どの国でも重視されています。
特別なしきたりにしたがってお祝いする国も多く、お正月の過ごし方は地域によって様々です。
この記事では、世界各国のお正月の過ごし方について地域別にまとめました。
世界の国々がどのようにお正月を過ごしているのか、ぜひチェックしてみてくださいね!
モンゴルのお正月は「ツァガーンサル(白い月)」と呼ばれ、日取りは旧暦に従って決められるため毎年変わりますが、およそ1月末から2月中旬にお祝いするのが習わしです。
ツァガーンサルの伝統的な過ごし方は、家族や友人にあいさつをして回ること。
モンゴルの人々は日の出前に起床し、きれいなデール(モンゴルの民族衣装)を身につけます。
その後家族と新年のあいさつを交わし、一日中親戚や友人の家を訪れたり、訪れた人をおもてなししたりして過ごすのです。
ツァガーンサルでモンゴルの人々が食するのは、皮から作るモンゴル風の蒸し餃子。
モンゴルの家庭では、12月に入るとすぐにお正月のための餃子の準備を始めるといわれています。
お正月までに家族全員で作る餃子の数は、なんと1,000個以上にもなるのだそうです。
フィリピンには多種多様な民族が存在する上、植民地時代からのスペイン文化の影響が生活に色濃く残っています。
お正月の過ごし方はさまざまですが、特別な料理を食べて家族とともに新しい年をお祝いするのが一般的です。
例えばセブ島のお正月料理の代表は、ブタの丸焼き(レチョン)。
フィリピンではブタは富と繁栄の象徴とされており、おめでたいときには欠かせません。
このほか健康・長寿を意味する麺料理(パンシット)やお米とココナッツで作ったライスケーキ(カカニン)、金運がよくなるとされる揚げ春巻き(ルンピア)などが食卓に並びます。
またフィリピンではお正月になると、家族みんなで家中の窓・引き出し・棚の扉を全開にするのだそう!
こうすることで幸運がやってきて、家庭に繁栄と幸せをもたらしてくれると信じられています。
ヨーロッパのお正月は、太陽暦の1月1日です。
ここからは、ドイツとスペインのお正月の過ごし方をご紹介します。
ドイツでは、大晦日(シルベスター)から元日までが最もお祝いムードが強くなります。
大都市圏では公共の花火イベントがいくつも開催されるほか、公園や個人宅でもお祝いの花火を打ち上げることが珍しくありません。
また、日本に「紅白歌合戦」などの年越し番組があるように、ドイツの大晦日にも鉄板とされるテレビ番組があります。
それは、「Dinner for One」という短編コメディ。
制作は1963年ですが、今なおドイツの大晦日ではこの番組が何度も再放送されているのだそうです。
大晦日が明けてお正月になると、華々しいムードは落ち着いた家族の時間になります。
ドイツのお正月の定番メニューは、「Neujahrsbrezel(新年のプレッツェル)」とよばれる甘いプレッツェル。
プレッツェルは「人との絆」「幸運」「健康」などを象徴しているといわれ、お正月には家族や親しい人たちで一緒に食べる習慣があります。
スペインでは、12月24日から1月6日までが「Navidad(ナビダ)」とよばれるクリスマスシーズンです。
お正月は新しい年の始まりではありますが、まだクリスマスの真っ最中となります。
スペインのお正月も、元旦よりも大晦日の盛り上がりの方が盛大です。
花火やコンサートなどのお祝いイベントが、スペイン各地で開催されます。
スペインならではの珍しい習慣といえるのが、大晦日に12粒のブドウを食べることです。
大晦日の夜中12時になると、人々は鐘の音に合わせて1つずつブドウを口に入れます。
ブドウを口に入れることで幸運がもたらされ、素晴らしい1年を過ごせると信じられているのだそうです。
大晦日のお祝いの中心地として有名なのは、バルセロナの「マリア・クリスティーナ通り」。
このエリアには毎年何百人もの人が新年を祝うために集い、鳴り響く鐘の音に合わせてブドウを口に入れます。
周辺のレストランやホテルでは特別なパーティーが開催され、お祝いムードでいっぱいです。
中南米の国々も、その国独自の方法でお正月をお祝いします。
ハイチとエクアドルのお正月の過ごし方を見ていきましょう。
カリブ海に浮かぶハイチ共和国は、かつてフランスの植民地だった国です。
お正月の過ごし方には、他のラテン諸国のようなスペイン・ポルトガル文化の影響は見られません。
ハイチ共和国のお正月の定番メニューは、カボチャをベースにした黄色いスープです。
スープにはニンジン、玉ねぎ、キャベツ、パスタなどがたっぷりと入っており、元旦には子どもから老人までもがこのスープを食します。
なぜ新年最初の日にカボチャスープを食べるのかというと、1月1日がハイチの独立記念日に当たるためです。
植民地時代、ハイチの人々はカボチャスープを口にすることが許されていませんでした。
人々は1月1日になるとカボチャスープを口にして、自由を勝ち取ったこと・誰でも平等に好きな物を食べられることを感謝しています。
エクアドルの大晦日から新年にかけての風習は「Monigote(モニゴテ)」と呼ばれるものです。
モニゴテとは、古い新聞紙や雑誌などで作った人形を燃やす風習のこと。
大晦日が近づくと、人々は職場や家庭で人形を自作し、焼却に備えます。
人形の題材はその年に話題になった人物や政治家などが一般的ですが、子どもに人気のアニメキャラクターなどが作られることもあるそうです。
また自作できない人は、路上や店舗などで売られている人形を買うこともできます。
人形を燃やすのは、大晦日の0時!
人形を燃やすことで旧年の災厄を終わらせ、新しい素晴らしい年を迎えるという意味があります。
人形が燃え尽きた後は灰の上でジャンプすると、その人の悪い運気が祓われるのだそうです。
アフリカ大陸にはさまざまな民族・文化があって、お正月の過ごし方も独特です。
ここからは、エチオピアのお正月の過ごし方をご紹介します。
エチオピアでは今なお独自の「エチオピア暦」が使われており、1年は13カ月あります。
年の数え方が異なるため、新年も1月1日ではありません。
エチオピアの新年は9月11日または12日です。
エチオピアの新年は、「ウンコタタシ(Enkutatash)」と呼ばれています。
この名前は旧約聖書でシバ王女がソロモン王に指輪を贈ったという伝説に由来しており、「宝石の贈り物」という意味があるのだそうです。
ウンコタタシでは人々は新しい服を着て教会へ行き、祈りを捧げます。
家庭では家族・親しい友人らと食卓を囲み、ドロワット(辛い鶏肉のシチュー)・インジェラ(発酵させた平たいパン)といった伝統料理をいただくのが習わしです。
このほか人々は花を交換し合ったり、街中で歌を歌ってダンスに興じたりして新しい年をお祝いします。