仕事や人間関係、情報過多な社会で、ストレスを感じない日はない、という方も多いのではないでしょうか。そんな忙しい日々の中で、自分を労わる時間を確保するのは難しいですよね。
そこでおすすめしたいのが、毎日の食事を通じておこなう「食べるストレスケア」です。
今回は、ストレスが体に及ぼす影響と、ストレスに負けない心と体を作るために必要な栄養素、そしてそれらを含む食材をご紹介します。
仕事や人間関係、情報過多な社会で、ストレスを感じない日はない、という方も多いのではないでしょうか。そんな忙しい日々の中で、自分を労わる時間を確保するのは難しいですよね。
そこでおすすめしたいのが、毎日の食事を通じておこなう「食べるストレスケア」です。
今回は、ストレスが体に及ぼす影響と、ストレスに負けない心と体を作るために必要な栄養素、そしてそれらを含む食材をご紹介します。
ストレスを感じると、私たちの体にはどのような影響があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
ストレスを感じると、免疫細胞の働きに関わる交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、免疫機能が低下してしまうことが分かっています。
さらに、口や鼻などの粘膜で、免疫の最前線として働くIgA抗体の濃度も低下し、こちらもまた免疫機能の低下につながります。
腸は「第二の脳」とも呼ばれる独自のネットワークを持ち、脳からの指示がなくとも活動することができます。
腸と脳は別々の臓器でありながらも、自律神経やホルモンなどを介して情報を伝達することでお互いが密接に関与し、影響し合っています。これを「腸脳相関」といいます。
ストレスを感じると腹痛や便意を催すことがありますが、これは脳から腸への影響によるものです。
一方、腸の不調が不安感・抑うつ感など、気分の変化に繋がることもあります。
体の栄養バランスが崩れやすくなったり、いつも以上に必要量が増えたりして、特定の栄養素が不足してしまうことがあります。これは、抗ストレスホルモンや神経伝達物質の生成を促して心身を守ろうとし、その過程で多くの栄養素を消費してしまうからです。
栄養素が不足することによってストレスから心身を守るための物質が作られずに、余計にイライラや疲労感が増してしまうこともあります。
不足しがちな栄養素を意識して摂ることで、ストレスに強い心と体を作ることができますよ。
筆者が、ストレスと聞いて真っ先に思い浮かぶ栄養素がビタミンCです。美肌のために大切な栄養素として知られていますが、抗ストレスホルモンを合成するためにも必要不可欠です。
ビタミンCは、ストレスを感じると大量に消費されてしまいます。不足すると疲労感が増してしまうため、意識して摂るようにしましょう。
キウイ、いちご、赤ピーマンなどに豊富に含まれています。熱に弱いため、サラダなど生のままで摂取するのがおすすめです。
ビタミンB群は全部で8種類あります。いずれもエネルギー代謝に関わり、疲労回復に役立ちます。特にビタミンB1が足りなくなると、糖の代謝が滞り、疲労感がさらに増してしまいます。
豚ヒレ肉やかつお、納豆、しじみ、玄米などに多く含まれています。
たんぱく質を構成するアミノ酸のうちの1つであるトリプトファンは、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンや、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンに変化するため、ストレスの軽減や睡眠の質を向上させる効果があります。
ストレスを感じると交感神経が優位になり、心拍数や血圧を上げます。その際に骨格筋のたんぱく質を分解して利用するため、必要量が増加します。たんぱく質は一度にたくさん摂っても体内にためておくことができないため、毎食バランスよく摂りましょう。
肉類、魚類、大豆製品、卵などに多く含まれています。
心を落ち着かせる神経伝達物質であるGABAの働きをサポートしてくれる栄養素です。
ストレスを感じると交感神経が優位になり、抗ストレスホルモンが分泌されることで、マグネシウムの尿中排出が促進され、必要量が増加します。
ナッツ類や全粒穀物、海藻類に多く含まれます。
骨を強くするだけでなく、脳神経の興奮を抑え、精神を安定させる作用があります。
きのこ類に多く含まれるビタミンDを一緒に摂ることで、吸収率を高めることができます。
カルシウムは牛乳や小魚などに多く含まれています。ビタミンDを多く含む食材は鮭、しいたけなどです。
ストレスを感じたとき、暴飲暴食してしまう方もいるのではないでしょうか。これがエスカレートすると、摂食障害の原因になる可能性もあります。
栄養教育において、「悪い行動を良い行動に変える」「良い行動が起こるようにする」「悪い行動が起こらないようにする」ことによって健康状態を維持・改善していくための「行動変容技法」というものがあります。
ここでは、「行動変容技法」を用いた暴飲暴食を防ぐためのアプローチをいくつかご紹介します。
望ましくない行動をしてしまいそうなときに別の行動に置き換える方法です。
食べたくなったら歯を磨く、ウォーキングをするなど、食事と両立できない行動に置き換えてみましょう。
自分の行動を観察、記録、評価する方法です。
暴飲暴食をした日時や量を観察・記録することで客観的に自分の行動を振り返り、量や回数を減らすきっかけになります。
暴飲暴食に繋がる刺激を、前もって変えることで、行動の頻度を調整する方法です。
この場合、お菓子やお酒などを常備しないというように、環境を整えることが有効です。