日本の平均気温は年々高くなっており、2025年の夏も猛暑が予想されています。
外出するときはもちろん、室内にいる場合でも熱中症には注意が必要です。
この記事では、熱中症の症状や危険性、熱中症を引き起こす原因について詳しくまとめました。
熱中症になったときの対処法や予防策についてもご紹介しているので、熱中症への理解を深めておきましょう。
日本の平均気温は年々高くなっており、2025年の夏も猛暑が予想されています。
外出するときはもちろん、室内にいる場合でも熱中症には注意が必要です。
この記事では、熱中症の症状や危険性、熱中症を引き起こす原因について詳しくまとめました。
熱中症になったときの対処法や予防策についてもご紹介しているので、熱中症への理解を深めておきましょう。
熱中症は、体温調節機能が低下し、体内に熱がこもることで発症する健康障害の総称です。
ここでは、熱中症の種類や重症度レベル、熱中症になりやすい人の特徴を見ていきましょう。
直射日光が強く当たる場所・高温多湿な場所に長時間いると、体調不良を感じることがあります。
以下のような症状が出てきたら、熱中症を疑ってください。
熱中症は症状の深刻さによってⅠ度(軽症)、II度(中等症)、III度(重症)・IV度(最重症)の重症度レベルに分類されています。
II度(中等症)以上の症状が見られる場合は、早急に医療機関での診療が必要です。
出典:職場でおこる熱中症|職場における熱中症予防情報|厚生労働省
厚生労働省が実施した2020~2024年までの調査によると、熱中症による死傷者数が最も多いのは7月・8月です。
熱中症による累計死傷者数は、7月で1,638人・8月で2,124人となっています。
出典:職場でおこる熱中症|職場における熱中症予防情報|厚生労働省
一方熱中症の時間帯別死傷者数は、午前中や午後3時前後が多い傾向です。
とはいえどの時間帯も大きな差はなく、高温多湿な時期は全ての時間帯で熱中症を発症するリスクがあります。
高温多湿で無風な場所に長く留まると、熱中症を発症しやすくなります。
屋外だけではなく、室内でも室温や湿度が高い場合は注意が必要です。
また梅雨明けの時期や急激に気温が高くなった日などは、体が暑さに慣れていません。
湿度も高くなりやすいため、熱中症のリスクが上昇します。
個人が持つ体質やその日の体調によって、熱中症を発症しやすくなることがあります。
高温多湿な時期は、以下に該当する人は特に熱中症に強く警戒すべきです。
このほか「子ども・乳幼児」「高齢者」「心臓病、糖尿病、高血圧などの持病がある人」は、体温調節機能が未熟(子ども・乳幼児)あるいは低下している(高齢者・持病のある人)可能性があります。
熱中症を発症しやすいため、十分な配慮が必要です。
高温多湿な環境の中では、ちょっとした行動が熱中症を引き起こします。熱中症の発症につながりやすいのは、以下のような行動です。
ただし、冷房の効きすぎた環境に長時間いると、体が暑さに慣れにくくなるため要注意。
いきなり暑い屋外に出ると体温調節がうまくできず、熱中症を発症するリスクが高くなります。
熱中症を防ぐには、体を暑さに慣らしていくこと(暑熱順化)も大切です。
暑さにより子どもの具合が悪い・自分自身が体調不良になったなどの場合は、熱中症を発症したのかもしれません。
早急に「涼しい場所に移動する」「体を冷やす」「水分補給する」ことが必要です。
ここからは、熱中症になったときの対処法をご紹介します。
先述した重症度レベルでII度(中等症)以上の症状が見られる場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
具体的には、意識がない・意識がもうろうとしている・自分で水分を摂取できない・ひどい頭痛や嘔吐がある・高体温になっているなどの症状です。
熱中症の症状はさまざまあり、その場で救急車を呼ぶべきかどうか判断に迷うことがあるかもしれません。
この場合は「救急安心センター事業(#7119)」に連絡しましょう。
医師、看護師、相談員などにつながるので、救急車の要否について判断を仰げます。
救急車を呼ぶ場合でも呼ばない場合でも、熱中症を発症した際はすぐに涼しい場所に移動してください。
その場で衣服を緩め、保冷剤や濡れタオルで体を冷やすことが必要です。
熱中症の人の体を冷やすときは、皮膚の近くを太い血管が通っている部位(首、脇の下、足の付け根など)を冷やすと効果的です。
また手足は、濡れタオルやハンカチを当てて冷やします。温くなったらまた水に浸して、常に冷たい状態を維持してください。
熱中症が疑われるときは、水分だけではなく塩分も補給しましょう。
大量の汗をかいたときは、体内の塩分やミネラル分も失われている状態です。
この状態で水分ばかりを補給すると血液中の塩分・ミネラル濃度が低下し、症状が悪化するリスクがあります。
水分・塩分補給には以下のものがおすすめです。
熱中症を発症しやすい時期は、スポーツドリンクを常に携行しておくと安心です。
熱中症は、いつ・どんな人でも発症する可能性があります。「暑さに強い体を作ること」「環境を整えること」「熱中症への意識を高めること」が大切です。
熱中症を予防するために、普段から心がけたいポイントをご紹介します。
熱中症を予防するためには、体温調節機能がうまく機能することが必要です。
体を暑さに慣れさせる(暑熱順化)ため、無理のない範囲で汗をかくようにしましょう。
日常に以下の習慣や運動を取り入れてみてください。
ただし暑熱順化には、2週間程度かかることもあります。
暑さに強い体を作るなら、なるべく早めに準備を始めるのがおすすめです。
また暑い季節は、睡眠の質や食欲が低下しやすくなります。
運動だけではなく、食事や睡眠にも気を付けることが大切です。
暑さが厳しくなってきたら、「熱中症になりにくい環境」を整えましょう。
近年の暑さは、過去の日本の暑さとは異なります。
「暑さで命が危険にさらされることがある」と理解して、環境を整えることが大切です。
暑い季節は、常に熱中症に対する危機感を持ちましょう。
特に子どもとお出かけするときは、熱中症のリスクについて敏感になる必要があります。
地面からの熱の影響を受けやすい子どもは、大人よりも熱中症リスクが高い傾向です。
子どもが「喉が渇いた」「疲れた」と言う前に水分を摂らせ、休憩させてあげるようにしましょう。