月面Xとは、月のクレーターが文字の 「X」の形に見える現象です。1年に数回・1~2時間しか見られないため、タイミングを合わせて観測してみてはいかがでしょうか。2025年の月面Xは11月27日に見られると予測されています。望遠鏡や双眼鏡を準備して、親子で月を見あげてみましょう!
月面Xの概要や月の秘密、月面Xを観察するときのコツをご紹介します。
月面Xとは、月のクレーターが文字の 「X」の形に見える現象です。1年に数回・1~2時間しか見られないため、タイミングを合わせて観測してみてはいかがでしょうか。2025年の月面Xは11月27日に見られると予測されています。望遠鏡や双眼鏡を準備して、親子で月を見あげてみましょう!
月面Xの概要や月の秘密、月面Xを観察するときのコツをご紹介します。
月に特別な模様があって、月面Xが見えるわけではありません。
月面Xは、太陽の光と影の角度によって生まれる「光のいたずら」なのです。
月面Xについて詳しく見ていきましょう。
参考:月面 X 見えるかな | 愛知県の星空の聖地“奥三河”星空観察案内サイト
画像:ヨシ|PIXTAの画像に文字加工
月面Xの正体は、ブランキヌス、ラカイユ、プールバッハという3つのクレーターの縁の部分です。
これらのクレーターは、月面の中央付近(やや南側)に位置しています。
太陽の光がそれぞれのクレーターの山の斜面に絶妙な角度で当たると、4本の光が組み合わさって「X」が形成される仕組みです。
すなわち月面Xは、「偶然生み出された立体パズル」のようなもの。
見る角度や光の当たり方で現れる、自然が作り出すアートともいえます。
月面Xが見られるのは、上弦の月の時期(月齢6〜8日)のほんの約1時間ほどだけです。
太陽光が月面に当たる角度は、刻々と変化していきます。
わずかな時間差でXは崩れてしまうため、観測のタイミングを厳密に測らなくてはなりません。
月面Xが浮かび上がるのは、日の出直後の「月の朝」に、太陽光が斜め(約7〜10度)に差し込んだときです。
やがて太陽の光が強くなり、月全体が照らされると、「X」は消えてしまいます。
画像:ヨシ|PIXTAの画像に文字加工
月面にはXだけではなく、他の文字に見える地形もあります。
最近では月面Vや月面LOVEといった文字も発見され、注目を集めました。
ただし「E」や「♡」はこじつけ感が強く、やや疑問が残るかもしれません。
とはいえ月面の文字探し・図柄探しは、ちょっとした頭の体操のような楽しさがあります。
月面Xを探すときは、他の文字や図柄にも注目してみましょう!
「月面Xは月の模様」ということは分かりましたが、そもそも月とはどのような天体なのでしょうか?
身近だけれど意外と知らない、月についてご紹介します。
月は約27.3日かけて地球を1周する衛星です。
地球との距離は約38万kmほどで、地球にとっては最も近い天体として知られています。
どのくらいの近さかを具体的にいうと、理論上では、時速約300kmの新幹線を使って、約53日くらいの距離です。
月は明るく夜空を照らしますが、自分で光を生み出しているわけではありません。
ご存知のとおり、月が明るいのは、太陽の光を反射しているためです。
太陽の光が当たる角度によって月は形が変わり、新月から満月まで、そしてまた新月へと、約30日かけて満ち欠けを繰り返します。
この月の満ち欠けのリズムは、昔から暦や農作業の目安としても使われてきました。
ちなみに月面Xが見られるのは、上弦の月(地球から見て月の右半分が満ちている半月)のタイミングです。
月が生まれた原因については諸説ありますが、現在のところでは「ジャイアント・インパクト説」が有力です。
ジャイアント・インパクト説とは、地球が誕生して間もない頃、火星サイズの天体が地球に衝突し、衝撃で飛び散った破片が集まって月になったという説です。
アメリカ航空宇宙局(NASA)が1960年代から70年代にかけて行った有人月面探査「アポロ計画」では、宇宙飛行士たちが月の石を持ち帰りました。
月の石を分析した結果、月の誕生は地球と同じく約45億年前であること、月の表面と内部で構成物質が異なることなどが分かったそうです。
これらの発見は、ジャイアント・インパクト説を支持する証拠となっています。
とはいえ月がどのように形成され、どのような変化を経て現在の姿になったのかについては、詳しいところはまだ解明されていません。
月の内部は、中心に鉄やニッケルでできたコア(核)があり、その周りをマントルという岩石の層が覆っています。
地球の構造に非常によく似ていることから、「ミニ地球」などと呼ばれることも少なくありません。
月を調べることで、地球がどのようにできたのかを知る手がかりにもなると期待されています。
ただし月には地球のような活発な火山活動やプレートの動きはほとんどありません。
月の内部は地球に比べて冷えていて、地質学的な活動はほぼ止まっています。
月を望遠鏡で見ると、たくさんの凸凹があることに気づきます。
これらの凸凹の正体が「クレーター」です。
月面Xにも関わる、クレーターについてご紹介します。
クレーターは、太古の昔、隕石や小惑星が月に衝突してできた「傷跡」です。
宇宙空間にはたくさんの岩石や氷の塊が漂っています。
それらが月に高速でぶつかることで、月面には、大きな穴が開いたのです。
実は月と同様に、地球にもたくさんの隕石が降り注いでいるんですよ!
しかし、月と異なり、地球には大気があります。
小さな隕石は落下中に大気との摩擦によって燃え尽きるため、地上まで到達しません。
また地上まで到達したとしても、地殻変動や植物の繁茂などにより、その跡は分からなくなってしまいます。
ただし、大気圏の摩擦に耐えるほどの巨大な隕石の痕跡は、現在でもいくつか見ることができます。
例えば、北米アリゾナ州のバリンジャー隕石孔(バリンジャー・クレーター)は、約5万年前の隕石の落下によってできたといわれているクレーターです。
巨大隕石の落下による衝撃はすさまじく、地表には直径約1.2km、深さ約200mの巨大なクレーターができました。
地球に残るクレーターを見ると、月面の様子をイメージしやすくなるのではないでしょうか。
月は、地質学的な活動がない上、大気や水・風なども持ちません。
どれほど長い月日を経ても、地形が変化することはなく、一度できたクレーターは、そのままの状態です。
すなわち月面のクレーターは、太陽系が誕生した時代の記録ともいえます。
月を見るということは、数十億年前の宇宙の歴史を見ているということでもあるのです。
2025年最後の月面Xは、11月27日。
ぜひ家族で月を見あげてみましょう!
11月27日の月面Xは、19時50分頃が見やすいと予測とされています。
この前後1時間程度は観察しやすい時間帯となるため、早めに準備を始めましょう。
ピークの前の時刻に観測を始めれば、X以外の文字も見える可能性があります。
月面Xは、残念ながら肉眼では見ることができません。
倍率50〜120倍程度の天体望遠鏡または倍率10倍程度の双眼鏡の準備が必要です。
なお双眼鏡を使用する場合は、三脚にしっかり固定しましょう。
手ブレによる影響を受けにくく、月のクレーターをより鮮明に観測できます。
また月の光は強く、望遠鏡で見ると眩しく感じることがあります。
できれば事前に、ムーンフィルターという、月の明るさを抑えるフィルターを準備するのがおすすめです。
コントラストが高まって、Xの地形を発見しやすくなります。
月面Xを観測するときは、以下のポイントを意識してみてください。
月面Xは、月の明るい部分と暗い部分の境目、つまり「欠け際」に現れます。
まずは月全体を見て、欠け際の位置を確認しましょう。
月面Xは、月面の中央付近(やや南側)の欠け際に見えるはずです。
月面Xの観測は、できるだけ街灯や建物の明かりが少ない場所を選びましょう。
とはいえ月は明るいため、他の天体を観測するときほど光害を気にする必要はありません。
わざわざ山奥に足を運ぶ必要はなく、街中でも十分に観察は可能です。
月面Xは刻々と形を変えていきます。
時間をおいて何度か望遠鏡をのぞくと、観測はより一層楽しくなります。
「さっきより太くなった!」「もうXには見えなくなってきた」など、家族で変化を楽しみましょう。