子どもと話したい!おせち料理に込められた意味と由来

公開日:2021/12/15

子どもと話したい!おせち料理に込められた意味と由来

正月太りという言葉があるように、年末年始はいつもと比べて食べる機会が増えます。

特にお正月料理の中でも外せないのが、「おせち料理」!

 

家族で囲むおせち料理は、楽しくてワクワクしそうですね♪

 

そんなおせち料理ですが、それぞれの食材や料理に何かしら意味があることは知っていても、具体的に答えられない人も多いのでは?

 

この記事では、お正月を前におせち料理に込められた意味を紹介します。

食べる前に今一度おさらいしておきましょう!

おせち料理の由来とは?

おせち料理の由来は、「節供(せっく)」にあると言われています。

 

節供とは、季節の変わり目の祝い行事である「節日(せつじつ)」に、食べ物を意味する「供御(くご)」を奉ること。

起源は唐の時代の中国で、邪気を払うことを目的とされていたのだとか…。

 

日本ではおせちだけでなく、端午(たんご)や七夕(しちせき)といった節日も有名ですね。

おせちに入っている料理

おせちと聞くと、さまざまな種類の料理が少しずつ盛られているのを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?

 

実際にはどのような具材が入っているのか、料理の種類別に紹介します。

祝い肴(さかな)

祝い肴は縁起が良いとされる「三」の数字にあやかって、3つの品数を用意します。

そのため、三つ肴と呼ばれることもあるそうです。

用意する品物は地域によって差があり、主に関東と関西に分かれます。

 

■関東

・数の子

・黒豆

・田作り

 

■関西

・数の子

・黒豆

・たたきごぼう

口取り

口取りには、お酒のつまみになるような食べ物を入れます。

 

・かまぼこ

・伊達巻(だてまき)

・栗きんとん

 

が、口取りの代表的な例です。

焼き肴(さかな)

焼き肴は縁起がいいとされる海鮮を使います。

鰤や鯛の焼き物が一般的によく使われます。

 

どちらもおせち料理以外でも出てくる、お祝いの魚のイメージがありますね。

魚以外では、海老も人気ですね♪

酢の物

おせちに入る酢の物は、主に3種類あります。

 

大根とにんじんを使った「紅白なます」、らっきょうのような「ちょろぎ」、レンコンを酢漬けにした「酢蓮」です。

 

いずれもお酢を使うことから、さっぱりしていて箸休めとしても重宝されますよ。

煮しめ

煮しめは、さまざまな種類の食材をまとめて煮ることから、仲の良さや繁盛を意味し、おせち以外の節目でも縁起が良いものとして親しまれています。

 

おせち料理に入る煮しめの定番は以下の通りです。

 

・昆布巻き

・手綱こんにゃく

・たけのこ

・くわい

 

昆布巻きは昆布だけで煮ることもありますが、ニシンやサンマなどを巻いて作ることも珍しくありません。

家庭や地域によって差があるため、子どもと巻いている具材について会話しながら食べるのも楽しそうですね♪

おせち料理に込められた意味

祝いの席に食べるおめでたいおせち料理。

お料理だけでなく、使われている食材にもしっかり意味が込められていますよ。

 

それぞれの特徴を知って、子どもとの会話を楽しんでくださいね。

祝い肴に込められた意味

おせちの一段目に入る祝い肴にはどのような意味が込められているのでしょうか?

それぞれチェックしていきましょう。

数の子

数の子には「子孫繁栄」の意味が込められています。

数の子のプチプチした粒は、ひとつひとつがニシンの卵。

その卵の多さから子孫繁栄の象徴になっているのだとか…。

 

「ニシン」と「二親」という言葉遊びの由来もあるようですよ。

黒豆

黒豆には、まめに元気で働けますように…。

という意味が込められています。

見た目の黒さにも意味があるそうで、「黒く日焼けするほど頑張って働く」とのこと。

 

子どもと大豆や枝豆との違いを話しても楽しいですね♪

田作り

田作りとは、カタクチイワシの小魚を飴炊きにしたもので、五穀豊穣の意味が込められています。

昔、カタクチイワシを肥料として田畑に使用したところ豊作になったことが起源なのだとか…。

たたきごぼう

名前の通りたたきごぼうは「ごぼう」を使った料理です。

ごぼうは土の中深くに根を張り成長していきます。

その姿から「家族や稼業が土地に根付いて安泰で暮らせますように」という意味があるのだそう。

 

そのほかにも、叩いて開くことから開運の意味があるとも言われています。

家族のことを想いながら食べるごぼうは、幸せな気持ちにしてくれますね♪

口取り

お酒のつまみやおやつ感覚として、大人も子どもも大好きな口取り。

それぞれの意味を見ていきましょう。

かまぼこ

かまぼこの形が半月に見えることから、日の出を象徴する食べ物と言われています。

またおせちに入れるかまぼこは、赤と白の二色を使うことから紅白かまぼことしてめでたさが増しますね。

伊達巻

伊達巻のルーツは、長崎カステラ。

見た目がおしゃれで伊達者の着物に似ていることから名前がついたと言われています。

 

また、形が巻物に見えることから、知識が増えますように…。

との願いが込められています。

 

「伊達巻を食べて、お勉強を頑張ろうね」など、子どもへの声掛けにも繋がりますね。

栗きんとん

甘い味付けで子どもに人気のおせちメニューである「栗きんとん」。

その黄金色の見た目を財宝に見立てて、豊かさを象徴する意味を持ちます。

焼き肴(さかな)

おせちの焼き肴には、鰤、鯛、海老を使うのが定番です。

鰤(ぶり)の焼き物

鰤は出世魚として有名です。

鰤が出世して名前が変わっていくように、仕事での出世を願う意味が込められていますよ。

 

昔は焼き物として入れることが多かったですが、最近では照り焼きにすることも増えています。

鯛の焼き物

おめでたい席の魚と聞くと、鯛を思い浮かべる人も多いのでは?

鯛は「めでたい(鯛)」という語呂遊びが由来しており、「めでたいことが起こるように…」という意味が込められています。

 

また、七福神の恵比寿様が鯛を手に持っていることから、ご利益を願う象徴として知られていますよ。

海老

海老は背中が丸くなっている姿を老人となぞらえて、長寿の象徴としておせちに入っています。

 

おじいちゃん、おばあちゃんと食べるときは「長生きしてね」など、声掛けしても良いかもしれませんね。

酢の物

酢の物に使われるそれぞれの食材にも、意味が込められています。

紅白なます

にんじんと大根を使った紅白なますは、その見た目が「水引」に似ていることからめでたい席の食事として定番です。

おせちはもちろん、赤ちゃんのはじめての食事を祝う「お食い初め」でも食べられます。

ちょろぎ

ちょろぎを漢字で書くと「長老木」や「長老喜」と書きます。

そのため、長寿を願った縁起物としておせちに入っているのだとか…。

 

収穫時期も12月頃と旬の食材であり、おせちにぴったりの食材ですね。

酢蓮

酢蓮に使われるのは、レンコンです。

レンコンは穴が開いており向こう側が見えることから、「先の見通しが良い」縁起物として有名です。

 

また、レンコンに開いたたくさんの穴を子どもに見立てて、子孫繁栄の意味も込められていますよ。

煮しめ

煮しめはさまざまな具材をいっしょに煮て作る料理です。

煮しめに入る食材にも由来があります。

昆布巻き

昆布巻きは、「喜ぶ」の語呂遊びが起源と言われています。

なかでもニシンを巻いたものは、両親の健康と子孫繁栄のどちらも願う意味が込められており、家族みんなで食べるのにはぴったりですね。

手綱こんにゃく

手綱こんにゃくは、切り込みを入れたこんにゃくをくるくると巻き、手綱に見立てたもの。

手綱は本来馬にまたがるときに使用するものです。

そのため、「手綱を締めるように自分を律する」意味が込められています。

 

また、結び目のような見た目から、縁結びの願いも込められているのだとか…♡

たけのこ

たけのこには、子どもに関する願いが込められています。

竹は成長が早く、真っ直ぐ天に向かって伸びていきます。

その様子から、「子どもがすくすく成長するように」という願いが込められたのだとか。

 

「今年も元気で大きく育ってね」など、子どもへの声掛けをしながら食べると、より一層幸せを感じられそうですね♪

くわい

くわいは11月から12月にかけて新芽が出る食べ物です。

「芽出たい」と「めでたい」がかけ合わさって、とてもおめでたい食べ物としておせちの定番食材になっています。

 

また、形が亀に似ていることから、長寿の願いも込められているとも言われています。

まとめ

子どもがいると、ひな祭りや端午の節句、七五三など、お祝い事が目白押し。

なかでも「おせち料理」は、毎年最初に登場するめでたい料理です。
家族でひとつのお重を囲みながらワイワイ会話するのは楽しいですよね♪

子どもから「なんでおせち料理を食べるの?」「なんでこの食べ物が入っているの?」と聞かれたときは、その意味まで教えてあげたいのが親心。
意味を知って食べることで、よりおいしく食べられそう♪

ぜひおせちを食べながら、家族と意味や願い、新年の抱負を話してみてくださいね。


文/丸山希

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