【驚異の身体能力】生物界最多の〇〇を持つカタツムリの意外な生態の謎に迫る!

公開日:2022/06/01

【驚異の身体能力】生物界最多の〇〇を持つカタツムリの意外な生態の謎に迫る!

この記事では、知られざる驚異の身体能力から生物界最多と言われる身体的特徴までカタツムリのあれこれをより詳しくご紹介していきます。

 

雨の日が増えると、カタツムリ(蝸牛)も元気に動き出しますよね。

 

「苦手…」と感じるママも多いかもしれませんが、子どもはカタツムリに興味津々!葉っぱの上のカタツムリに目を奪われる子どもも少なくありません。

 

「カタツムリってどんな生き物なの?」と聞かれたとき、「それはね…」と言える子どもにとってのカタツムリ博士を目指しましょう。

 

最後にはカタツムリにちなんだ遊びもご紹介するので、ぜひ親子で楽しんでみてくださいね。

驚異的すぎるカタツムリの身体能力

カタツムリは「葉っぱの上にいる」というイメージがありますよね。普段は何を食べて、どのように生きているのでしょうか?

カタツムリの生態を見てみましょう。

移動能力は生物界トップクラス

カタツムリはお腹を波打つように動かすことで、滑らかに移動することができます。

動きは遅いですが、体より細い枝も垂直な壁も、水の中(水たまりのようなところ)も移動できます。

水中移動の際はちゃんと息を止めるわけですが、なんと30分も止められるそうですよ!

 

どんなところも移動できるそのわけは、カタツムリが出す「エピフラム」という粘液のおかげなのです。

この粘液は乾燥すると固まり、濡れるとぬるぬるになります。

時々、カタツムリの殻の入り口がふさがっているのを見たことがありませんか?あれです。

 

この粘液と伸び縮みする体などにより、どこでも移動できるという生物界トップクラスの能力を持っているのです。

基本的には夜行性

カタツムリの活動時間は、主に夜です。

日中は日の光が強かったり空気が乾燥していたりしてカタツムリには好ましくありません。

 

また日中は、天敵の鳥に見つかる可能性も高くなります。

素早い動きができないカタツムリは、夜に行動した方が安全なのです。

 

ただし、梅雨の薄曇りや雨の日には、湿度が高いこともあり日中でもカタツムリの姿が見られます。

 

カタツムリを目にするのは梅雨時期ばかり……ということから、「カタツムリ=雨」というイメージが定着したのでしょう。

歯の数は生物界最多!コンクリートすら食べる驚異の歯、食いしん坊で何でも食べる

カタツムリの主食は葉っぱ(藻も)ですが、キノコや腐葉土・花なども食べます。

また、ときにはコンクリートの石を削って食べることも。

カタツムリの殻を維持するためにはカルシウムが必要なため、コンクリートから必要な成分を得ているのです。

 

コンクリートを食べている様子は↓でご覧ください。

カタツムリがコンクリートを食べると聞くと「カタツムリって固い物を食べられるの?」と驚く方もいるかもしれません。

 

実はカタツムリの口には、「歯舌(しぜつ)」と呼ばれる歯があります。

 

歯は1列につき80本くらい並んでおり、その列は数百もあるのだとか。

個体にもよりますが、カタツムリの歯は約1~2万本あるとするのが一般的で、なんとこれは生物界最多なのです!

 

つまりカタツムリの口内は、おろし金のような突起がぎっしり1万個も並んでいることになります。口の力は強力で、土や石なども削って食べてしまいます。

超高感度マイクで音を拾うと「ガリガリ」としっかり削る音も聞こえます。

 

海外には、肉食のカタツムリもいるそうですよ!

■実はカタツムリはアジサイが嫌い!?

カタツムリと聞くと、アジサイと1セットでイメージする人も多いのではないでしょうか?

しかし実際のところ、先ほど何でも食べちゃうよと伝えたにも関わらず、実はカタツムリはアジサイの葉を食べません。

 

アジサイの葉や茎・花には毒があるため、食いしん坊のカタツムリも口にしないのです。

 

カタツムリがアジサイの葉っぱにいるのは、主に雨宿りや敵から身を隠すため。

葉っぱが大きく安定していて、カタツムリにはちょうどよい場所なのです。

触った後は手洗いを忘れずに!

のそのそと動くカタツムリは、子どもでも簡単に捕まえられます。

ママやパパが止める前に、手を伸ばしてしまう子どももいるかもしれません。

 

カタツムリそのものは無害ですが、カタツムリにはさまざまな寄生虫が宿っているといわれています。

うっかり触ってしまった後は、必ずしっかりと手を洗いましょう。

間違っても子どもが口に手をやったりしないよう、厳重に注意してくださいね!

カタツムリはそもそもどんな生き物なのか?

ここまでカタツムリの意外な生態や身体能力をお伝えしてきました。

ここからは、そもそもカタツムリとは何なのかをお伝えしておきます。

 

カタツムリとは、地上に生息する巻き貝のこと。

特定の種類を指すわけではなく、殻や触角・目が付いている生き物は全て「カタツムリ」と呼ばれます。

 

カタツムリとはどのような生き物なのか、特徴を見ていきましょう。

カタツムリは巻き貝の一種

カタツムリは「軟体動物門、腹足綱(ふくそくこう)、有肺目(ゆうはいもく)」に属する巻き貝の一種です。

腹足綱とは、お腹全体が足の役割を果たし、這い回る生物のこと。

 

アワビや貝類の多くも(クリオネまでも)同類ですが、カタツムリは「肺呼吸」を行う点が海の貝とは異なります。

ちなみに海の貝は「エラ呼吸」です。

そして、呼吸は口ではなく、殻の入り口にある穴(呼吸孔)で行っています。

 

海から出て地上の生活に対応したカタツムリは、肺呼吸ができるように進化したため「有肺目(ゆうはいもく)」に分類されるのです。

大きな殻はカタツムリのシェルター

カタツムリといえば、大きな殻がトレードマークですよね。

この殻は、敵が現われたときの心強い隠れ家です。

また乾燥がひどいときには、殻の中に入って乾燥から身を守ることもできます。

 

つまりカタツムリは、自分のお家を背負いながら歩いているというわけですね!

 

ちなみにこの殻は、カタツムリがたまごのときから持っているもの。

たまごから孵化する様子は↓をご覧ください。

殻はカルシウムとタンパク質でできており、カタツムリの成長に合わせて大きくなります。

 

殻はカタツムリと一心同体で、ヤドカリのように「殻を変える」ということはできません。

レアな左巻きの殻の方が長生き

実はカタツムリの殻には右巻きと左巻きが存在します。

左巻きはいわゆる突然変異ですね。

 

面白いのが、左巻きの方が右巻きより長生きできるらしいのですが、繁殖行動が難しいとのことです。

 

長生きの理由は、東北大学の細将貴・日本学術振興会特別研究員らの研究によるとカタツムリだけを食べるヘビがいるのですが、そのヘビは右巻きのカタツムリを食べるようにアゴが発達しており、左巻きは逃げおおせるためです。

 

実際、ヘビが出没する地域では左巻きのカタツムリの割合が多いそうです。

 

残念なのが、カタツムリはなんと右巻きは右巻き、左巻きは左巻きとしか繁殖行動ができないということです。

カタツムリも苦労しているのですね。

 

左巻きと右巻きのカタツムリは↓をご覧ください。

カタツムリの種類

一般的に認識される「カタツムリ」は、日本国内に800種類以上いるといわれます。

これほどまでに種類が多いのは、カタツムリの行動範囲が狭いことと関係しているのだとか。

 

カタツムリはお腹でのそのそと歩くため、遠くへ移動できません。

また、大きな川や水場は渡れず、必然的に狭い地域にカタツムリのグループができあがります。

すると狭い範囲での遺伝的交流となり、集団間の遺伝的分化が起こりやすくなります。

 

こうなると必然的に各地のカタツムリグループは個別に細分化して進化していくため、種類がどんどん増えていくというわけです。

冬眠&夏眠をする

カタツムリは「変温動物」に分類され、人間のように上手に体温調節ができません。

そのため、寒すぎる冬は「冬眠」をして過ごします。

 

またカタツムリは、夏の暑さも苦手です。

気温が高い時期は「夏眠(かみん)」をして、直射日光や熱・乾燥から身を守っています。

 

冬や夏のカタツムリを探したいときは、ジメジメした場所を探すのがおすすめです。

例えば日影の石の下や葉っぱの下を探すと、お休み中のカタツムリが見つかるかもしれません。

■カタツムリの寿命はどれくらい?

カタツムリの寿命は体の大きさと比例しているらしく、5cm以上のカタツムリでは10年以上生きる種類もいます。

 

逆に5cmより小さい種類では~1年ぐらいという寿命となっているようです。

カタツムリとナメクジとはどう違うの?

カタツムリを見ると思い出すのが「ナメクジ」ですよね。

 

「カタツムリは平気だけどナメクジは気持ち悪い」と感じる方もいるのではないでしょうか?

両者にはどのような違いがあるのか、具体的に見ていきましょう。

生物学的にはカタツムリとナメクジは同じグループ

生物学的に見ると、ナメクジもカタツムリと同じ「軟体動物門、腹足綱(ふくそくこう)、有肺目(ゆうはいもく)」に属します。

 

ただし科目は違って、ナメクジは「ナメクジ科」、カタツムリは「カタツムリ科」に属します。

ナメクジはカタツムリの進化形

ナメクジもカタツムリも同じグループではありますが、ナメクジはカタツムリの進化形です。

ナメクジは殻を退化させ、スリムで身軽になるように変化したのです。

 

殻を無くしたことによるメリットは、狭い場所にでも入り込めること・殻を維持するためのエネルギーを取らずに済むことなどがあります。

 

ただし、身軽になったことが全てよい方向に向かうわけではありません。

殻がない分乾燥に弱くなった上、敵から身を守りにくくなりました。

 

カタツムリとナメクジのどちらが生きやすいのかは、判断の難しいところです。

■ナメクジにカタツムリの殻を付けたらカタツムリになる?

「カタツムリとナメクジが同じグループ」と聞くと、「カタツムリの殻を取っちゃおう」と考える子どもが出てくるかもしれません。

しかし、これは絶対にNGです。

 

カタツムリの殻は、カタツムリの体の一部。

付けたり外したりできるものではありません。

殻の中にはカタツムリの心臓や肺などが入っているため、殻を外すことは死に直結します。

 

子どもが殻を外そうとしたら、止めてあげてくださいね。

これからの季節におすすめ!カタツムリにちなんだ遊び3選

梅雨が近づいてくると、カタツムリを目にする機会も増えてくるはず。

せっかくなので、お家でカタツムリにちなんだ遊びを楽しみましょう!

 

親子で遊べる「カタツムリ」がテーマの遊びを、ASOPPA!のレシピからご紹介します。

カタツムリの折り紙

やはり定番はカタツムリの折り紙。

はさみやマジックを使って、簡単にかわいいカタツムリを作れます。

詳しい折り方は、リンクを参照してくださいね。

 

以下の物を用意して始めましょう。

 

  • 好きな色の折り紙
  • ハサミ
  • マジック

 

おりがみで簡単なかたつむりの折り方

風船カタツムリ

より立体的なカタツムリを作れるのがこちらのレシピ。

折り紙の「風船」を作って、殻の代わりにします。

 

たくさん作って飾っておけば、梅雨時も楽しい気分で過ごせそう!

 

折り紙を使ったアレンジ立体的な「風船かたつむり」

カタツムリといっしょにアジサイも!

カタツムリといえば、やはりアジサイ。

きれいな色の折り紙を使って、アジサイ作りにも挑戦しましょう。

 

カタツムリの背景にすると、より一層完成度の高い折り紙アートになります!

 

折り紙で作る梅雨の時期に可愛いあじさい(紫陽花)の折り方

 

制作動画はこちら↓

まとめ

カタツムリやナメクジといった「ヌメヌメ系」は苦手…、という方(特にママ)は多いかもしれません。

しかし、よくよく見てみればカタツムリは動きも遅く観察にはもってこいの生き物。
子どもが興味を示したら、親子でじっくり観察してみてはいかがでしょうか?

今から、夏休みの自由研究の準備としても良いですね。

雨の日など、元気に動くカタツムリを見ると愛着が沸いてくるかもしれません!

ただし、カタツムリに触れた後は手洗い・消毒を忘れないでくださいね。


文/カワサキカオリ

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