モンゴルと聞くと、どんなことを想像しますか?圧倒的な強さを誇るお相撲さん?それとも、「スーホの白い馬」の悲しいお話でしょうか。
「モンゴルについて、あまり考えたことがないなぁ」という方は、モンゴルのあれこれを知ると、モンゴルやそこに住む人々への興味が出てくるかもしれません!
この記事では、モンゴルという国の概要やそこに住む遊牧民の暮らし、モンゴルの子どもたちについて詳しく紹介します。
忙しい日常に疲れている方は、遠い草原の国に思いを馳せながらチェックしてみてくださいね!
モンゴルと聞くと、どんなことを想像しますか?圧倒的な強さを誇るお相撲さん?それとも、「スーホの白い馬」の悲しいお話でしょうか。
「モンゴルについて、あまり考えたことがないなぁ」という方は、モンゴルのあれこれを知ると、モンゴルやそこに住む人々への興味が出てくるかもしれません!
この記事では、モンゴルという国の概要やそこに住む遊牧民の暮らし、モンゴルの子どもたちについて詳しく紹介します。
忙しい日常に疲れている方は、遠い草原の国に思いを馳せながらチェックしてみてくださいね!
モンゴルは、モンゴル高原の北部に位置するユーラシア大陸の内陸国家。
北をロシア・南を中国という二つの大国に挟まれています。
もともとは世界で2番目に誕生した社会主義国家でしたが、1992年に民主化しました。
13世紀に誕生した「モンゴル帝国」が、現在は「モンゴル国」という国名の民主国家となっています。
それでは、モンゴルとはどのような国なのか、概要を見ていきましょう。
モンゴルの国土面積は、約156万4,000平方キロメートル。
日本の国土面積は約37万8,000平方キロメートルですから、約4倍も大きいことになります。
一方人口はというと、横浜市(377万5,352人)よりも少ない340万9,939人(2021年時点)。1億人を超える日本の人口と比較すると、約40分の1という少なさです。
当然ながら人口密度も低く、1平方キロメートル当たりの人間の数は、たった2人となります。
1平方キロメートル当たり341人の日本と比較すると、その差は歴然ですね。
人口密度の低さでは、モンゴルは世界1位。人間よりもヒツジや牛の方が多いと言われています。
ちなみに、世界で一番人口密度の高い国はモナコで1平方キロメートル当たり1万9,000人となり、なんとモンゴルの9,500倍です!
※2020年時点
モンゴルの人口のうち95%以上はモンゴル人、すなわちモンゴル民族で構成されており、国家公用語もモンゴル語です。
しかし、一口にモンゴル民族といっても、実際には多数の部族に分かれます。
その数は20以上と言われており、言葉や文化・歴史などは全く同じというわけではありません。
現在モンゴルで圧倒的多数を占めているのは、チンギス・ハーンの直系といわれる「ハルハ族」です。
国家公用語とされているのはハルハ族の使うモンゴル語で、厳密にいうと「ハルハ=モンゴル語」となります。
モンゴルの首都は、モンゴル語で「赤い英雄」という意味を持つ「ウランバートル」。
上の画像はそんなウランバートルの様子です。
ウランバートルは、モンゴルの政治・経済・文化の中心です。
高層ビルやブランドショップ・おしゃれなカフェなども多く、「モンゴル=遊牧民・草原」というイメージで行くと驚く人もいるかもしれません。
また、ウランバートルは1~2月の気温が-30℃を下回ることもあるため、「世界一寒い首都」などと呼ばれます。
年間平均気温も-1.3℃とかなり寒いことが分かります。
ちなみに、夏は20℃ぐらいになりますが、朝晩は0℃近くなることも少なくありません。
旅行などで訪れる場合には、注意が必要です。
また、2021年時点のウランバートルの人口は、163万9,172人。
モンゴル国民の半分がウランバートルで暮らしていることになるんです!
2030年に向けて、気候も似ている札幌と連携した街づくりを行っているそうです。
ちなみに、現在ウランバートルの市長を務めているのは、ドルゴスレン・スミヤバザル氏。第68代横綱・朝青龍関のお兄さんです。
モンゴルの民主化以降、日本は積極的にモンゴル支援を行っています。
例えば2021年7月に開港した「チンギスハーン国際空港」は、日本企業の出資によって完成した空港です。
このほかにも日本はインフラ・農畜産物分野などで積極的な二国間支援を行っており、モンゴル人の日本への印象は決して悪くありません。
モンゴル人の日本に対する良い印象が垣間見えたのは、2011年3月に発生した東日本大震災のときです。
モンゴル政府は、地震発生直後の日本に対し100万ドルという大きな金額を寄付してくれました。
加えて、モンゴル国内の全国家公務員が1日分の給与を日本に寄付してくれたのだとか!
モンゴルから国外への義援金としては、過去に例のない規模だったそうです。
モンゴルを知る上で、役に立つキーワードがいくつかあります。
それぞれ簡単に見ていきましょう。
モンゴルは海から遠いため湿度が低く、1年のうちなんと約250日が快晴だといわれます。
年間降水量は約100~400mlしかなく、日本(約1718ml)の約1/17~1/4。そのためモンゴルは「青空の国」と呼ばれるのです。
どこまでも広がる澄んだ青空と、緑の草原。圧倒的な開放感は、モンゴルでしか味わうことはできません!
モンゴルは、中国や北米と並ぶ恐竜化石の発掘地です。
主に中生代・白亜紀の化石が発見されることが多く、その数は48属にも上ります。
有名なところとしては、タルボサウルスやサウロロフス、ヴェロキラプトル、プロトケラトプスなど。
卵や皮ふの化石なども見つかっており、恐竜好きにはたまらない場所といえるでしょう。
モンゴル相撲は、現地では「ブフ」と呼ばれます。
ブフが行われるのは、ナーダムという国民のお祭。
ナーダムは年に何回か行われますが、モンゴルの革命記念日(7/11)から行われるナーダムは、モンゴル国民が熱狂する最も華やかなものです。
日本の大相撲でモンゴル人関取が強いのは、ブフで培った土台があるためでしょう。
実際に、かつて横綱を務めた白鳳関や朝青龍関はジュニア部門で優秀な成績を収めていたそうです。
ナーダムの期間は、モンゴル全体がお祭モードに。
民族衣装を着た華やかな人たちがウランバートルに集まり、モンゴルの伝統的な雰囲気を楽しめます。
モンゴル人はかつて、遊牧をしながら暮らす遊牧民でした。
現在でも、都市には行かず草原で遊牧をして暮らしている人々がいます。
日本の長い歴史において、「遊牧」なるものは全く存在しません。
遊牧民を見れば、モンゴル人と日本人は顔が似ていても、「文化が違う」ということを実感させてくれるでしょう。
モンゴルの昔ながらの暮らしを今も守っているのが遊牧民たちです。
広大な草原での暮らしとは、どのようなものなのでしょうか?
遊牧民たちの暮らしを見ていきましょう。
遊牧民たちは、白くて丸いテントのような移動式住居に暮らしています。
これは内モンゴル(※)では「パオ」と呼ばれますが、モンゴルでは「ゲル」と呼ぶのが一般的です。
※内モンゴル自治区:中国北部、モンゴル高原の南部を占める自治区。1947年成立。北はモンゴル国、南は万里の長城に接し、西にゴビ砂漠がある。(コトバンクデジタル大辞泉)
ゲルのサイズは直径5~6m程度で、床板をのぞく重さは300kgくらいあるそうです。
組み立てには時間がかかりそうですが、遊牧民は1~2時間程度で組み立てたり解体したりできるそうですよ。
遊牧民は「五畜」といわれる、馬、ヒツジ、牛、ヤギ、ラクダのいずれかあるいはこのうちのいくつかを飼育しています。
遊牧民が草原を移動しながら暮らすのは、家畜たちのエサとなる牧草地を転々とするためです。
とはいえ寒さの厳しい冬は、遊牧民も1カ所に留まって季節が過ぎるのを待ちます。
また春は家畜の出産シーズンとなるため、移動できません。
よって、遊牧民の移動が最も多いのは、夏から秋にかけてとなります。
とてつもなく広い草原でも、遊牧民たちが迷子になることはありません。
しかし、知り合いや親戚に連絡を取りたくなることもありますよね。
「草原では電話もないし、どうするんだろう」と思いませんか?
実はモンゴルのほとんどのエリアでは、音声通話が可能です。
遊牧民の多くは携帯電話を持っており、遠く離れた相手とも携帯で話せるようになっています。
ブロードバンド回線が通っている地域もあり、通信はさほど不便ではないようです。
日照量の多さを利用して、小型太陽光発電システムを携行する遊牧民も少なくありません。
遊牧民の暮らしも、グッと便利になっているといえるでしょう。
ちなみに、テレビゲームもやっているそうですよ。
遊牧民の暮らしを見て「子どもはどうしているの?」と気になった方も多いのでは?
モンゴルでは、遊牧民の子どもたちも、一定の年齢になれば学校へ行かなければなりません。
それでは、遊牧民の子どもたちの生活・教育を見ていきましょう。
遊牧民の子育てはどちらかというと「放任」といえます。
大人が子どもの遊びに積極的に関わることは少なく、子どもは子ども同士で自由に遊んでいます。
子どもが泣いても手を出さず、大人はそっと見守るのみです。
また遊牧民の子どもはお手伝いをよくしますが、大人から「やりなさい」といわれるわけではありません。
遊牧社会では子どもの自主性が常に尊重されます。
子どもが何かを強制されることはなく、常に自分で考えて動くことが求められるのです。
“家族だけの暮らし”というと、「親に命令されたり叱られたりすることが多そう……」というイメージですが、実際は真逆。
遊牧民の親が子どもを強く叱って言うことを聞かせることはあまりありません。
むしろ親は積極的に子どもを褒めまくるため、遊牧民の子どもは自己肯定感が高く育つのだとか。
モンゴルの義務教育は、6歳から14歳までの9年間です。
当然遊牧民の子どもも、学校で勉強をしなければなりません。
定住地を持たない遊牧民の子どもは、学校の寮に入って学校に通うのが一般的です。
ただし近年は、子どもに義務教育を受けさせられない家庭が増えているのだとか。
社会主義時代、子どもの寮費は国が負担していました。
しかし民主化によって、寮に入るのもお金がかかるように。
寮費を払えない家庭は、子どもの学校を諦めざるを得なくなったのです。
遊牧民の子どもたちに教育の機会を与えるため、ユニセフは草原を自由に移動できる「移動教室」を一定エリアに設置しました。
子どもたちはゲルから教室に来て、必要な教科を学びます。
ゲルが移動するときには教室も一緒に移動するため、子どもたちは安心して勉強を続けられるというわけです。