「七夕とは」短冊の色は願い事の種類によって違うって知ってた?七夕の由来や飾りの意味・世界の七夕を紹介

公開日:2022/06/29

「七夕とは」短冊の色は願い事の種類によって違うって知ってた?七夕の由来や飾りの意味・世界の七夕を紹介

七夕とはどのような起源を持つ行事なのでしょうか?七夕の由来や伝説、短冊と願い事の種類、世界の七夕、七夕飾りの作り方など、七夕について分かりやすく解説します。

 

7月7日が近づくと「七夕っぽいことをした方がいいのかなぁ」と悩むご家庭も多いはず。

笹の葉に短冊というのもパッと浮かびますよね。

実はその短冊の色にはちゃんと意味があったのです。

 

せっかくですので、七夕の由来や飾りの意味などもパパっと理解して、七夕を楽しんでみませんか?

 

七夕は、古くから日本に伝わる大切な行事の一つ。子どもに意味を伝えながら、楽しい時間を過ごしてくださいね。

七夕とはどんな日?

七夕が近づくと、七夕飾りを作ったり、七夕の歌を歌って楽しんだりしますよね。しかしそもそも、七夕とはどのような意味を持つ日なのでしょうか?

 

七夕の意味や由来について考えてみましょう。

織姫と彦星が会える日

七夕は「しちせき」ともよばれる日本古来の伝統行事。

 

端午の節句などと同様に、四季の節目に行われる伝統行事「五節句(ごせっく)」の一つにも数えられています。

 

行事のベースには以下のような「七夕伝説」があり、七夕の日には夜空を見上げるのが一般的です。

あるところに機織りが得意な「織姫」と、牛飼いの「彦星」が住んでいました。

2人は神様に認められて夫婦になりますが、お互いのことが好きすぎて仕事をしなくなってしまいます。

怒った神様は2人間に天の川を作り、2人を離してしまいました。

しかし2人があまりにも悲しむので、神様は1年に1度だけ会うことを許します。

それが7月7日、すなわち七夕となったのです。(諸説あります)

 

七夕は7月7日に行うのが一般的ですが、地域によっては8月7日とするところもあります。

 

これは、かつての七夕が旧暦で行われていた名残です。

七夕祭りの発祥は中国

七夕にお祭をするのは、中国の「乞巧奠(きっこうでん)」という風習が元になっているといわれます。

 

乞巧奠とは、機織りが上手な織姫にあやかり、手芸や機織りの上達を願う行事。

 

昔の中国では、七夕になると庭先に祭壇を作り、神様にたくさんのお供え物をしていたのだそうです。

 

中国の伝説・風習はやがて日本にも伝わり、貴族たちの年中行事に取り入れられました。

 

例えば日本最古の歌集「万葉集」には、織姫と彦星にちなんだ歌が複数詠まれています。

また「源氏物語」の中にも、宮中行事として七夕を祝う様子が描かれているんですよ。

なぜ七夕を「たなばた」と言う?

「七夕」を「たなばた」と読むのは、「棚機(たなばた)」という機織り機にちなんでいるためといわれます。

 

その昔の日本では、秋が来る前に、豊作を祈る行事が行われていました。

 

この行事では、「棚機女(たなばたつめ)」とよばれる女性たちが小屋にこもって、神様に捧げるための着物を織っていたそうです。

 

機織りの女性は何となく織姫のイメージに重なりますよね。

 

豊作を祈るこの祭りは、時代を経て織姫と彦星の神話に結び付き、2人にちなんだ行事として行われるようになりました。(諸説あります)

星を見るなら「伝統七夕」

現在の七夕は太陽暦にしたがったもので、本来の七夕の日にちとはズレています。

 

7月7日といえば、日本ではまだ梅雨の真っ最中。

夜空を見上げても曇っていたり雨が降っていたりすることも多いでしょう。

 

天の川を楽しみたいなら、「伝統七夕」に夜空を見上げるのがおすすめです。

 

伝統七夕とは、旧暦の7月7日のこと。

月の満ち欠けが基準となっているため、毎年日にちが変わります。

 

国立天文台の計算によると、2022年の伝統七夕は8月4日です。

ちなみに、2023年は8月22日と日にちのズレが大きいですので、気になる方は以下をご覧ください。

参照:質問3-10)伝統的七夕について教えて | 国立天文台(NAOJ)

 

この伝統七夕の日に夜空を見上げれば、美しい天の川や織姫星(こと座の1等星ベガ)と彦星(わし座の1等星アルタイル)がきれいに見えるでしょう。

七夕飾りの意味や由来

七夕といえば、短冊や七夕飾りですよね。

 

笹の葉に色とりどりの飾りを飾ると、七夕ムードが一気に高まります!

 

七夕飾りには、一つ一つにさまざまな意味が込められています。

何を表わしているのかを知ると、飾り作りがもっと楽しくなりますよ!

短冊と短冊の色による願い事の種類

短冊を飾る風習は日本のオリジナルです。

 

中国ではもともと針に糸を通して飾っていました。

このときの糸が「5色(しき)」だったため、短冊の色も「5色」とするようになりました。

 

5色とは、青、赤、黄、白、黒を指します。

ただし日本では「黒」は縁起がよくないといわれますよね。

そのため、紫などに置き換えられることが多いようです。

 

ちなみに、短冊の色によって叶う願い事や書くべきことが異なるのだとか。

お願い事を書くときは、色選びにも注意した方がよいかもしれません!

  • 青(緑):苦手なこと・短所など、克服したいこと

  • 赤:祖先や身近な人への「ありがとう」の気持ち

  • 黄:人間関係に関すること

  • 白:目標達成に関すること

  • 紫:学業に関すること

折り鶴

「鶴は千年亀は万年」といいますよね。

鶴は、長寿の象徴とするのが一般的。

 

折り鶴には、元気で長生きしますようにという願いが込められています。

 

折り鶴の作り方はこちら

吹き流し

これは、風に揺れる糸を表わしたものだといわれています。

 

その昔の七夕では、針に挿した色とりどりの糸が飾られていたそうです。

こうすることで、女性たちは裁縫の上達をお祈りしていたんですね。

 

吹き流しは、当時の風習の名残です。

網飾り

網は、魚をたくさん獲るために使うもの。

すなわち網飾りには、「大漁」の願いが込められています。

 

上記画像の網飾りの作り方は↓こちら

⇒【七夕】網飾り⑨-折り紙

財布・巾着

こちらは見当が付くのではないでしょうか?

財布の意味は、ズバリお金。

「金運に恵まれますように」との願いを込めて飾ります。

紙衣(かみころも)

着物を模した紙衣は、「着るものに困りませんように」という意味。

裁縫の上達を願う意味もあるといわれますね。

 

また人形(ひとがた)は、「人間の代わり」と考えられています。

笹の葉につるすことで、病気や災いなどを引き受けてくれるそうですよ。

くずかご

意外ですが、七夕飾りではくずかごも定番です。

飾りを作るときに出た切れ端などを、紙で作ったくずかごに入れて飾りましょう。

 

こうすることで、「整理整頓」「倹約」「節約」の心が育まれるといわれています。

ちょうちん

ちょうちんがあれば、暗闇でも迷うことはありません。

すなわちちょうちんには、「心を明るく照らしてくれますように」という意味が込められています。

 

また、暗い夜はせっかく書いた短冊が見えないかもしれません。

ちょうちんを笹の葉に飾ることで、「空のお星さまに短冊を読みやすくする」という意味もあるそうです。

 

上記画像のちょうちんの作り方は↓こちら

⇒七夕飾り「ちょうちん」-折り紙

輪飾り

折り紙を細く切ってつなぐ輪飾りは、「天の川」を表します。

魔除けの意味もあるといわれるので、長く作って飾るとよいですね。

様々な七夕飾りの作り方をご紹介

七夕飾りの作り方は別ページにまとめています。

小さなお子さんでも簡単に作れるものもご紹介しているので、ぜひのぞいてみてくださいね。

 

【厳選】子どもと作る簡単かわいい手作り七夕飾り10選★ 難易度別作り方アイデア・飾り方・おススメ折り紙まとめ

みんなどうしてる?短冊の処分

短冊に願いを書いて飾ったは良いのですが、いざ、終わった後はどう処分すれば良いのか悩みませんか?

そこで、そんな短冊の処分方法についてお伝えします。

いつまで飾っていていいの?

まずは、七夕飾りの片づけをするタイミングについてです。

七夕は7月7日です。

ですので、一般的には7月8日には片づけるとされています。

 

しかしながら、せっかくきれいに飾ったので、もっと飾っておきたいという気持ちもあるかと思います。

そんな時は、そのまま飾っていても問題ありません。

 

笹が枯れ始めた、飾りが破れた、汚くなったなどのタイミングでの処分もOKです。

短冊はどうやって処分する?

地域によっては、短冊を1箇所に集めて燃やすところや、川流しをするところがあります。

川流しの場合は、実はイベントの職員の方が下流で集めています。

 

しかし、そういった風習のないところではどうすれば良いのでしょうか?

一番簡単なのは、燃えるゴミとして出してしまうことです。

バチが当たるなどは無いそうですので、適切にゴミ出しをしていただければと思います。

 

その他、神社などによっては、願いが成就するようにと「焚き上げ」をしてくれるところもあります。

ゴミ出しに抵抗がある場合は、近くの神社に相談してみるのも良いかと思います。

日本以外の国が気になる!世界の七夕

7月7日を「七夕」とするのは、日本だけではありません。

他の国では七夕をどのように過ごすのか見ていきましょう。

中国

七夕発祥の地である中国では、七夕は旧暦で行われます。

日にちは年によって異なりますが、8月上旬となることが多いようです。

 

中国の七夕は、男性が女性に贈り物をしたり、恋人同士がイベントとして楽しんだりする日となっています。

日本のバレンタインデーを想像すると分かりやすいでしょうか。

 

これは、七夕伝説の「恋人同士が1年に1度だけ会える」というロマンチックな部分のみが切り取られたためなのとか。

日本のように、短冊などを飾る習慣はありません。

台湾

台湾の七夕も旧暦の7月7日で、「七夕情人節」と呼ばれます。

何となく字面で想像が付きますが、子どもではなく恋人のためのイベントデー。

バレンタインデーを中国語表記したのが、「情人節(情人节 )」です。

 

「チャイニーズバレンタインデー」などとも呼ばれ、若いカップルの間ではバレンタインデー以上の盛り上がりを見せるそうです。

 

七夕が近づくと、花束やぬいぐるみなど、女性へのプレゼントとなりそうなものが店頭に並びます。

男性は高級レストランを予約したり、プレゼントを用意したりと、大忙しとなるそうです。

韓国

韓国の七夕も旧暦の7月7日で、「チルソク」と呼ばれます。

 

1年に1度「キョヌビョル(彦星)」と「ジッニョビョル(織姫)」がオジャッキョ(烏鵲橋:数万羽のカラスやかささぎが連なった橋)で会うという伝説がよく知られているそうです。

 

とはいえ日本や中国・台湾のような大きなイベントはなく、極めて静かなものだそうです。

 

イベント的なこととしては、「ミルグクス(小麦粉で作った麺)」や「ミルジョンビョン(小麦粉で作ったせんべい)」を食べることくらいでしょうか。

 

なお韓国では、七夕の日は「雨が降るとよい」とされています。

雨は2人が流したうれし涙と考えるのだそうですよ。

ベトナム

ベトナムの七夕も、旧暦の7月7日です。

織姫と彦星の言い伝えもあり、「小豆を食べる」のが一般的なのだそうです。

 

七夕は、ベトナムでは特に人気のある行事というわけではありません。

若い人の中には意味を知らない人も少なくないようです。

 

ただし近年は中国の影響からか、「恋人のイベント」として七夕を盛り上げようとする動きも見られるそうですよ。

アメリカ・ブラジル・フィンランド

七夕は中国が起源と言われているせいかアジア圏でのイメージがありますが、アメリカのロサンゼルスでは毎年七夕祭りが開催されています。

 

ブラジルでは季節が冬なため、冬の風物詩として七夕祭りが催され、サンパウロでは「スターフェスティバル」として親しまれています。

 

フィンランドでは、先に紹介した織姫と彦星のお話と少し内容が異なりますが、切なくも素敵な物語として受け継がれています。

まとめ

七夕は「五節句」の一つに数えられ、夏の大切な行事です。家庭でも笹の葉飾りを作ったり短冊にお願い事を書いたりして楽しく過ごしてみてはいかがでしょうか。

また星に興味のある人は、旧暦の七夕を要チェック。この日は天の川を見るのに最適な観察条件がそろいやすく、きれいな星空に出会えます。

たまには親子で夜空を見上げて、ゆったりするのもおすすめですよ!


文/カワサキカオリ

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