子どものしゃっくりが止まらないと、ふと頭をよぎる「しゃっくりを100回したら死ぬ……」なんていう怖~い話。そんなの迷信だとわかっていても、不安になっちゃいますよね。
そこで今回は、そもそもなぜしゃっくりがおこるのかという原因を解説しながら、効果的なしゃっくりの止め方をご紹介します。
心配することないと言われても、苦しそうだとなんとかしてあげたいと思うのが親心。まずは自宅でできる簡単な改善方法を、ぜひ試してみてください。
子どものしゃっくりが止まらないと、ふと頭をよぎる「しゃっくりを100回したら死ぬ……」なんていう怖~い話。そんなの迷信だとわかっていても、不安になっちゃいますよね。
そこで今回は、そもそもなぜしゃっくりがおこるのかという原因を解説しながら、効果的なしゃっくりの止め方をご紹介します。
心配することないと言われても、苦しそうだとなんとかしてあげたいと思うのが親心。まずは自宅でできる簡単な改善方法を、ぜひ試してみてください。
しゃっくりは横隔膜が何らかの刺激を受け、けいれんすることでおこります。横隔膜とは、肺のちょうど下あたりにある膜状の筋肉で、収縮したり緩んだりすることで肺呼吸をサポートしています。その横隔膜がけいれんすると、瞬間的に息を吸い込むような状態になり、それと同時に喉にある声帯の筋肉が収縮し、狭くなった声帯を急激に吐く息が通るために、一定間隔で「ヒック」と音が出る現象がおきるのです。
医学的にまだ解明されていない部分も多いようですが、一般的には笑いすぎたり、慌てて食事をしたときや、吸い込む空気に寒暖差が発生したときなど、神経が刺激されておこりやすいといわれています。
実は、赤ちゃんはお腹のなかにいるときからしゃっくりをしています。飲み込んだ羊水を吐き出すために備わった反射で、肺呼吸の練習ともいわれています。赤ちゃんが、大人よりも頻繁にしゃっくりをするのは、横隔膜などの器官が未熟だから。子どものしゃっくりも幼さからくる生理的な現象で、ちょっとした刺激でおこりやすく、成長とともにその頻度は減っていきます。
「しゃっくりを100回したら死ぬ……」なんていう怖〜い噂話がありますが、しゃっくりは横隔膜のけいれんに過ぎないので、しゃっくりが止まらないことで人が死ぬということはなく、これはただの迷信です。
また、子どもの場合はしゃっくりが一日中止まらないということはほぼなく、食事をしたり遊んだりしているうちに、気がつくと止まっていることがほとんどです。もしも、48時間以上1回も止まらずにしゃっくりをし続けるようなことがあれば、念のためかかりつけ医を受診してください。
しゃっくりは生理現象なので無理に止める必要はありませんが、長く続いたり、頻発すると心配になってしまうのが親心。そんなときは簡単に実践できる次の方法を試してみてくださいね。
左右両方の耳の穴に指を差し込み、30秒〜1分ほど耳の奥を強く押さえ続けます。耳の奥には迷走神経が通っていて、刺激を与えることによって横隔膜のけいれんを鎮めます。
少し痛いかな?と感じるくらいの力で舌をつまんで引っ張ることがポイント。舌の奥から喉にかけて存在している舌咽神経を刺激することで、横隔膜を正常な動きに戻します。
深呼吸をするように、限界まで息を吸い込んでから10秒間息を止め、ゆっくりと息を吐ききることを繰り返します。血中の二酸化炭素濃度を上げることで、身体が呼吸のリズムを整えようと作用します。ほかにビニール袋を口に当てて、その中で繰り返し息をすることも同じような効果が期待できます。
ただ息を止めるだけでは、再度息を吸うときにしゃっくりが戻ってくることがあります。ポイントは、深く息を吸い込んでゆっくり吐くことです。
口の中の迷走神経を刺激させる方法。通常コップの手前側から飲むところを、奥側のフチから飲むとさらに効果的で、コップに割り箸を十字に置き、その間からゆっくり水を飲むという方法も古くから効果ありと言い伝えられています。
いつもと違う体勢で水を飲むことで、横隔膜の位置をリセットさせる狙いがあります。ただし水が鼻や気管支に入ってしまわないように注意が必要です。
胸を圧迫し横隔膜に圧力をかけることで、横隔膜周辺の筋肉に刺激を与えしゃっくりが止まりやすくなるとされています。
昔から言われている「驚かす」方法は、子どもに恐怖心を抱かせてしまうおそれがあるのでやめたほうがいいでしょう。びっくりさせるより笑わせてあげるほうが良いですね。
また、赤ちゃんの場合はとくに、うつぶせ寝などで「息を止める」方法は危ないので絶対にNG。ゆっくりと母乳やミルクを飲ませたり、オムツを替えたりして、あまり心配しすぎず、おおらかな気持ちで接したいですね。
ほかにも「レモンをかむ」、「酢を一気に飲む」などの方法がありますが、子どもには難しいでしょう。
しゃっくりの語源は、平安時代の漢和辞書『和名類聚抄』にも載っている、くり抜くという意味の「さくり」という言葉だそうです。お腹がくり抜かれたような感覚という「さくり」が「しゃくり」→「しゃっくり」へと音が変化したと言われています。声や息を吸い上げるようにして泣くことを「しゃくりあげる」とも言いますね。
ちなみに筆者はずっと「しゃっくり」ではなく「ひゃっくり」と呼んでいて、これはどうやら東北地方を中心に用いられている方言らしく、100回繰り返すから「ひゃっくり」と呼ばれるようになったという説もあります。また、岩手では「あくしょ」、鹿児島では「ぎーちゃー」とも呼ばれることもあるようです。しゃっくりは英語では「hiccup」で、これも音からきている言葉ですね。
「しゃっくりを100回したら死ぬ……」なんていうレベルじゃない、68年間、4億回以上もしゃっくりが止まらず、世界最長記録を作ってしまったアメリカ人男性がギネスブックに載っています。この記録は今もギネス世界記録として、破られることなく残り続けています。
犬や猫、うさぎなど、横隔膜のある哺乳類は人間と同じようにしゃっくりをします。イルカもしゃっくりをするんですよ。