正月飾りや除夜の鐘ってどういう意味があるの? 知ると楽しい年末行事の由来・意味

公開日:2022/12/27

正月飾りや除夜の鐘ってどういう意味があるの? 知ると楽しい年末行事の由来・意味

12月も後半に差し掛かり、年末感が漂っています。年末にバタバタしがちなのは、行事が重なるのも理由のひとつ。

「当たり前のことだから」となんとなくやっていた行事も、その由来や意味を理解することで、より思い入れが強くなるでしょう。

 

本記事では、年末行事の代表的なものをいくつかピックアップし、由来・意味を中心に解説します。

お正月の飾り付け

お正月飾りは、年神様をお迎えするためのもの。年神様を家に迎えることで、厄を祓って幸福をもたらすとされています。

最近では、マンションなどでも飾りやすいおしゃれなデザインのものやコンパクトなものなど、いろいろな種類があります。飾る日や飾り方などのルールを知った上で飾ると良いですよ。

代表的なお正月飾りは、門松・しめ飾り・鏡餅

<門松>

家の門前などに立てられる正月飾りです。門松を飾ることで、年神様を迎えるための目印となります。

松・竹・梅には以下のような意味が込められています。

  • 松=祀る、の語呂合わせで、神様が祀る木を表す

  • まっすぐに節を伸ばすことから、長寿や繁栄を表す

  • 新春に咲くことから縁起物を表す

マンション住まいの場合は共有部分に私物を置けないこともあるでしょう。その場合は、玄関の中に飾っても構いません。

<しめ飾り>

神聖な場所であるという目印になるのがしめ飾り。玄関に飾るのが一般的ですが、神棚や床の間に飾ってもOKです。

 

しめ飾りには、裏白(うらじろ)・紙垂(しで)・ゆずり葉といった飾り物が付けられており、以下のような意味が込められています。

  • 裏白

    シダの葉のことで裏側が白い。
    清廉潔白・夫婦円満を意味する。

  • 紙垂

    しめ飾りについた白い紙のこと。
    神聖な場所を区切るもの。
    神様の降臨を意味する。

  • ゆずり葉

    子孫繁栄を意味する。

<鏡餅>

鏡餅は、家に迎えた神様が宿る場所です。家にいくつ置いても構いません。神様に来てもらいたい場所に置きましょう。

 

鏡は三種の神器のひとつで、かつては神様が宿るものとされていました。丸いお餅を鏡に見立てたのが鏡餅です。大小2つのお餅が重なっているのは、太陽と月を表している、福を重ねる、良い年を重ねる、などさまざまな言い伝えがあります。

 

しめ飾りと同じく裏白、紙垂、ゆずり葉を飾り付け、さらに一番上に橙(だいだい)をのせます。橙はミカン科の植物で、実が熟しても収穫しなければ数年間枝に残ることも。このことから、家族の繁栄を意味しています。

お正月飾りを飾る期間

お正月始めとされる12月13日以降であればいつ飾っても大丈夫です。クリスマスが終わった後の26日くらいから飾る家庭が多く見受けられます。

 

縁起を考慮するのであれば、末広がりを意味する「八」が入った12月28日、もしくはキリが良いとされる12月30日に飾るのがおすすめです。

 

ただし、以下の2日間は縁起が悪いので避けましょう。

  • 12月29日:二重苦につながるため
  • 12月31日:一夜限りとなりお葬式と同じになるため

お正月飾りを飾るのは、「松の内」まで

上記で紹介したお正月飾りは松の内まで飾ります。ただし、松の内は地域によってまちまち。東北〜関東、九州などの多くの地域は1月7日ですが、関西地方を中心とした地域は1月15日とされています。

 

なお、鏡餅は1月11日の鏡開きの日まで飾っておくのが一般的。11日になると、鏡餅に使ったお餅をお雑煮などにして食べます。鏡開きの日も地域によって時期がまちまちなので、お住まいの地域の風習に合わせて行ってくださいね。

 

参照:ストア・エキスプレス小田急ブログAllAboutイエモネ花キューピット

除夜の鐘

大晦日になると、寺院から鳴り響く除夜の鐘を耳にすることもあるのではないでしょうか。この除夜の鐘にも由来・意味があります。

除夜の鐘とは

鎌倉時代に中国から伝わったもので、時代を経て仏教行事として多くの寺院で執り行われるようになりました。

 

鐘は、梵鐘(ぼんしょう)と呼ばれる仏具のひとつで、この音を聴くことで苦しみや悩みから逃れられるとされています。普段は時報などの合図として僧侶によって鳴らされていますが、大晦日には、一般の人が鳴らすことでもご利益があるとされ、年末行事として広まったそうです。

打つ回数は108回

人間には、怒り・欲望といった108の煩悩があり、それを取り払うために108回鐘を打つとされています。これは、仏教の思想にもとづくものです。除夜の鐘を打って煩悩を取り払えば、新たな気持ちで新年を迎えられるでしょう。

 

その他、四苦八苦という言葉から、4×9の「36」と8×9の「72」を足して108回打つという説もあるそうです。

 

除夜の鐘を打つタイミングは、年が変わるまえに107回、そして新年を迎えてから残り1回を打つのが一般的とされています。なかには、希望者全員が打てるよう108回以上打つお寺もあり、打つ回数や時間はお寺によってまちまちのようです。

 

「今年は除夜の鐘を打ちたい!」と考えている人は、ぜひ近くの寺院の情報をチェックしてみてはいかがでしょうか。寺院によっては、整理券を配布しているところもありますよ。

 

参照:じゃらん虚空蔵堂Edu MAGAZINEるるぶ&more.

年越しそば

毎年年末のテレビ番組を見ながら年越しそばを食べるという人も多いはず。年を越す前に食べるそばには深い意味が込められています。

年越しそばを食べる意味

実は、年越しそばを食べる意味は諸説あります。

 

  • そばが細く長いことから長寿祈願を意味する
  • 小麦でできた麺と比べるとそばは切れやすいため、厄を切ることを意味する
  • そばが雨風に強い植物であることから、健康祈願を意味する など

 

どの意味も、健康と幸せを願うものばかりですね。

年越しそばを食べるタイミング

そばを食べるタイミングに特に決まりはありません。厄を落とすという意味合いがあるので、年を越すタイミングで食べるのは避け、新年を迎える数十分前あたりに食べるのが良いでしょう。

 

ただし、小さな子どもがいる家庭は遅くまで起きていられませんよね。その場合は大晦日の夕飯として食べるなど、適宜調整して大丈夫ですよ。

 

全国には美味しいおそばがたくさんあるので、お気に入りの一品をお取り寄せしてみるのも楽しいかもしれません。つゆや薬味などすべてがセットになったものを選べば、忙しい年末に大助かりですよ。

 

参照:おいしいマルシェEAST tableヤマダイ株式会社

まとめ

年末行事の一つひとつには、由来や深い意味があり、日本古来の考えが現代にまでしっかりと受け継がれています。
長い歴史があるこれらの風習をこれからも大切にしたいですね。

さまざまなことがあった2022年。
みなさんにとって2023年がより良い年になりますように。

文/aeca

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