「鳶職」って何で鳶(トビ)? 今さら聞けないことを内緒でチェック!

公開日:2023/01/24

「鳶職」って何で鳶(トビ)? 今さら聞けないことを内緒でチェック!

今回は「鳶職(とびしょく)」についてご紹介します!

 

工事現場や建築現場で活躍しているのが、鳶職人のみなさん。

でも、なぜ鳥のトビである「鳶」なのでしょうか?

 

今さら聞けない答えを内緒でチェックしましょう!

 

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「鳶職」って何で鳶(トビ)?その答えは……!?

「鳶職」がなぜ「鳶」なのかを問われたら、鳥のトビのように高いところで作業をするからだと思ってしまいますよね。

 

実は「鳶口(とびぐち)」という道具の名前に由来しているのです。

↓が鳶口です。

画像提供:株式会社シグナル

 

見て分かるように、鳶のくちばしのような形状をしていることから名づけられた道具です。

 

この鳶口は、火事などの時に窓ガラスを割って放水できるようにしたり、燃えて熱くなった物を取り除く時に引っ掛けたりする時に使います。

 

「それが鳶職と何の関係があるの?」と思いますよね。

 

実は江戸時代では、鳶職人の方々は「火消し」という現在の消防士にあたる仕事も兼任していました。

その時に、この鳶口を使用していたため、「鳶職」と言われるようになったのです。

 

ちなみに現在でも、鳶口は消防車に設置されているそうですよ。

ついでにマメ知識をもう一つ

鳥のトビはトンビとも呼ばれています。

文部科学省の前身である文部省の唱歌でもあった童謡でも「とんび」というものがあります。

 

しかしながら、正式和名は「トビ」です。

もし、トンビと言っている人がいたら「正式にはトビだよ」と教えてあげましょう。

ちなみに、トビの英名は「kite」で、凧という意味もありますよね。

凧がkiteなのは、トビの飛んでいる姿がその由来となっています。

「鳶職」についてもう少し

ここからは、「鳶職」について、もう少し詳しく見ていきたいと思います。

 

普段はなかなか「鳶職」について知る機会がないと思いますが、実際にはどんな仕事をしているのか、大工との違いは何なのか、どうしてダボダボズボンをはくのかなどをご紹介します。

鳶職人の中にも様々な種類がある

鳶職人といっても、その中でいくつもの職種が存在していることをご存じでしょうか?

 

どのような職種があるのか、簡単にご紹介します。

 

  • 足場鳶:足場の組み立て・設置

  • 鉄骨鳶:鉄骨の組み立て・固定

  • 重量鳶:重量物の設置・解体

  • 橋梁鳶:橋梁・高架・高速道路などの建設・点検・メンテナンス

どの職種においても、共通して言えることは「次の作業をする人が、安全に作業できる環境を用意する」ということですね。

 

 

鳶職人と大工って何が違うの?

鳶職人については分かりましたが、大工との違いが気になってきませんか?

 

大工の仕事は簡単に言えば、

鳶職人が用意してくれた安全な足場などの環境を使って、木材をはじめとした材料で、建物本体を実際に建てていくということです。

 

また、必要となる資格も異なります。

 

その他にも左官職人や塗装職人、内装職人、土木職人など様々な職種の方が、建物を建てるために関わっています。

 

建物を建てる時に足場を組み立てて、建物を建てて、塗装して……など全部同じ職人さんがやっていると思っていた方も多いのではないでしょうか?

ダボダボズボンには納得の理由が

鳶職人というと、ダボダボのズボンをはいているイメージがないでしょうか?

 

このダボダボズボンは、ニッカポッカと呼ばれています。

これは英語のknickerbocker(ニッカーボッカー)に由来しています。

 

knickerbockerは元々作家さんの名前で、作中のニューヨークに移住したオランダ人がはいていた半ズボンが、knickerbockersと呼ばれるようになり、そこから日本では、ニッカポッカといわれるようになりました。

 

ニッカポッカはダボダボなので、引っ掛かったり、風にあおられたり危なそうと感じる人もいると思います。

実はそれこそが、正解でもあるのです。

 

ニッカポッカをはいている大きな要因を4つご紹介します。

(1)風を感知

ニッカポッカで風を受けると、ズボンのダボダボがバタバタと風になびきますよね。

そうすることで風の強さを感知して、風が強い時は休息を取るなどの判断に生かしているのです。

(2)動きやすさ

足を曲げたり、広げたりすることが多い「鳶職」では、いかに動きやすいかが重要です。

 

ニッカポッカは隙間があるため、足の動きを邪魔せずに作業ができます。

また暑い日など汗をかいても、ズボンが足に張り付きません。

(3)危険察知センサー

作業現場では、出っ張りや尖ったものなどが存在します。

 

そこで、自分の足よりもズボンが先にそういったものに触れることで、危険を察知・回避できるという訳です。

 

また、火花などが飛んだとしても、足とズボンに隙間があるため、火傷などを回避することができます。

(4)バランサー

実はニッカポッカのダボダボが、バランスを取るのに役に立つとも言われています。

 

人によっては、このニッカポッカでないと、高所で足がすくんでしまうということもあるようです。

ニッカポッカの現在

なぜ鳶職人がダボダボズボンをはくのかについては、上述した通りです。

 

しかしながら、最近ではニッカポッカを禁止する現場も増えてきています。

理由としては、出っ張りに引っ掛かって転倒する、風にあおられて危ないという考えが増えてきていたり、見た目が怖いというマイナスイメージがついてきたりしているためです。

 

また一昔と比べて、作業着も品質が良くなり、通気性や伸縮性、耐熱性、制電性、耐久力に優れた製品が多くなっていることも理由の一つです。

今さら聞けないシリーズ

ASOPPA!ではいろいろな「今さら聞けない」をこれからもどんどんご紹介していきます。

 

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まとめ

今回の「鳶職」って何で鳶(トビ)?の答えは、「鳶口を使っていたから」ということでした。
トビのように高所を自由に動けるからではなかったのですね。

あまり知ることのない「鳶職」について触れてきましたが、鳶職人を見る目が変わるのではないでしょうか?
危険な場所で他の人のために安全な環境を作るという格好良い仕事をしている鳶職人に感謝したいですね。
もちろん、関わる全ての職人さんにも感謝です。

というわけで、
次回の「今さら聞けない」もお楽しみに!


文/ASOPPA!事務局

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