子どもが壊した〇〇、火災保険で補償できる!? 子育て家庭が“破損・汚損”の補償を付けるべき理由

公開日:2023/03/29

子どもが壊した〇〇、火災保険で補償できる!? 子育て家庭が“破損・汚損”の補償を付けるべき理由

悲劇はある日突然に。購入してまだ1年弱の4Kテレビの液晶に大きなヒビが! 犯人は我が家の3歳男子で、どうやら怖いと思った映像におもちゃを投げて撃退したらしいのです。メーカーや販売店に問い合わせましたが、不具合などではないので補償は適用されず、「アートと思うしかないか〜」なんて諦めモードだったのですが、念の為、火災保険を確認してみたところ、なんと適用されることに。

 

このような出来事は我が家だけではなく、小さな子どもがいる家庭では“あるある”なのではないでしょうか。子どもは予想外の行動を取ることが多く、家具や家電は高価なため、その度に買い替えや修理をすると、痛い出費になりますよね。そんなとき火災保険の“破損・汚損”の契約をしておくと、いざという時に安心です。今回は、子育て世帯は特にチェックしておきたい、火災保険の補償内容や特約について考察します。

火災保険とは?

火災保険とは、火災のほか、落雷や爆発・破裂、水災、雪災、水濡れ、盗難などの事故による損害を補償してくれる保険。「建物」と「家財(家具や家電、衣服など日常生活を送るのに必要な動産)」が補償の対象となり、「建物のみ」「家財のみ」「建物と家財の両方」など、補償の対象ごとに分けて契約をします。

 

建物…外壁・浴槽・キッチン・塀・物置など

家財…家具・電化製品・日用品・衣服など

火災保険の“破損・汚損”とは?

火災保険というと火災の被害のみが対象と思うかもしれませんが、火災保険は「住まいの保険」と呼ばれることも多く、住宅にまつわるさまざまなリスクが補償の対象となっています。とくに“破損・汚損”という、自然災害とは別に「生活上で発生した損害」をカバーする補償を付けておくと、日常生活の“不測かつ突発的な事故”に備えることができるんです。暮らしのなかでの事故を対象としているため、「うっかり」「不注意」「子ども」などが原因の損害も補償されます。たとえば、子どもが遊んでいる際に、以下のような事故を起こしてしまった場合にも当てはまります。

<建物>

  • ボール遊びをしていて、窓ガラスを割ってしまった
  • カーテンにぶら下がり、重みでカーテンレールが壊れてしまった
  • 室内の壁に落書きをしてしまった(補償の適用は落書きの程度にもよる)

<家財>

  • おもちゃを投げてテレビの液晶が割れてしまった(今回のケース)
  • おもちゃを入れて温めてしまい、電子レンジが故障した
  • 水道の蛇口を閉め忘れて、床や家具が浸水してしまった

また、子どもだけでなく、大人が誤って偶発的に壊したり傷つけてしまったりした場合も、同様に対象となります。たとえば、「模様替え中に家具を壁にぶつけて穴をあけてしまった(建物)」や、「掃除機をテーブルにぶつけ、上に置いてあったカメラを落として壊してしまった(家財)」など。補償されるのはあくまでも、“不測かつ突発的な事故”に限られます。そのため、故意に破損・汚損させた場合は、補償の対象とはなりません。さらに、下記のようなケースも補償の対象外となることが多いです。

<対象外の例>

  • 「ソファーにジュースをこぼして汚した」など、外観のみの損傷
  • 家具や家電を外に持ち出して使い、壊してしまった場合
  • メガネやスマートフォン、高額な宝石・貴金属・美術品など、補償対象外のものの故障

支払い件数の約3割を占めるのが、“破損・汚損”!

自然災害から日常的な事故にまで、さまざまな損害に備えられる火災保険。実は、火災保険の中で2番目に支払い件数が多いのは“破損・汚損”なんです。三井住友海上が発表しているデータによると、“破損・汚損”は「保険金支払事故件数」のうち、30.7%を占めています。この数値からも、暮らしのなかで不測かつ突発的な事故は頻繁に起こり、多くの人が事故による損害を“破損・汚損”の補償でカバーしていることが読み取れます。

参考:三井住友海上「すまいの保険」

火災保険は一度使うと保険料が高くなる? 利用回数は決まっている?

火災保険を使ってしまうと、翌年以降の保険料が高くなってしまうのではと心配に思うかもしれませんが、火災保険は自動車保険のような等級制度を採用していないため、保険金を受け取っても保険料は上がりません。また、損害が発生すれば何度でも請求することができます。

火災保険の保険金を請求する際の流れ

火災保険の“破損・汚損”の補償を付けているなら、“不測かつ突発的な事故”により壊れてしまった家具や家電であれば、買い換える前にまずは保険会社に連絡してみてください。多くは新しい家具や家電を購入する前に、「見積書」の提示が必要になります。我が家の場合は、損保ジャパンの『THE すまいの保険』でしたが、すべてLINEで手続きを進められたため、非常にスムーズでした。

step1 保険会社に事故連絡

まずは契約する保険会社に損害を受けたことを連絡。契約者氏名、保険証券番号、事故内容、被害状況などを伝えます。

step2 保険会社から必要書類等が送られてくる

保険会社から保険金の請求に必要な書類や案内が送られてきます。内容をしっかりと確認してください。

step3 保険会社に必要書類の提出

保険会社からの案内に従って、必要な書類を用意し保険会社に書類を提出。保険会社指定の保険金請求書、修理費用の見積書、被害の状況がわかる写真などが必要となります。

step4 保険会社による鑑定人の調査

鑑定人が被害状況の確認・調査を行います。調査結果と契約者からの申請書類などをもとに保険金の支払対象か審査を行い、支払われる保険金の金額が確定。

step5 保険金の入金

保険金の金額が確定したら、契約者指定の口座に保険金が支払われます。

“破損・汚損”を付けるときの注意点

“破損・汚損”は暮らしのなかで起こる損害に備えられますが、何にでも対応できる万能な保険ではありません。ここでは、“破損・汚損”を付けるときの注意点を確認していきましょう。

保険会社によって補償対象が異なる

たとえば、すべてのパソコンを補償対象にしている保険会社もあれば、デスクトップ型のパソコンは補償対象でもノートパソコンは免責対象にしている保険会社もあります。補償対象を確認したうえで、保険会社を比較検討しましょう。

経年劣化による故障は補償されない

年月の経過による“破損や汚損”は、基本的に補償対象外です。予測できない突発的な事故であるのか、それとも経年劣化であるのかを判断するのは保険会社なので、暮らしなかで損害が出たとしても、経年劣化だと判断されれば補償を受けることはできません。経年劣化か突発的な事故であるか自分で判断できないときには、まずは保険会社に相談してみましょう。

<経年劣化の例>

  • 塗料の剥がれや表面のヒビ
  • 壁紙の日焼け
  • フローリングの擦り傷や畳の色褪せ
  • 長年使ったテレビの故障

自宅外での破損や汚損は補償されない

“破損・汚損”の補償は自宅敷地内で発生した事故に限定されるため、敷地外で起こった損害には補償されません。「公園でカメラを落として壊れた」、「子どもが実家のテレビを壊した」などは補償対象外です。敷地内だけではなく、敷地外でのトラブルにも備えたいのであれば「個人賠償責任保険」の付帯を検討しましょう。

 

参考:子どもがいるなら要検討!火災保険に破損・汚損を付けるべき理由​​

子どもが物を壊したら、火災保険で補償される?

まとめ

火災保険はマイホーム購入の際などに長期で契約することが多いですが、我が家も保険料節約のために家財の“破損・汚損”の補償を付けるか迷った記憶があります。“破損・汚損”の補償は、日常で起こりうる「うっかり事故」まで補償されることは見逃していた方も多いのではないでしょうか。

日常生活のなかで起こるハプニングは思った以上に多く、特に子どもが小さいうちには、少し目を離している間に想像もつかないことが起こるものです。“破損・汚損”の補償は、子どもが小さいうちだけでも付帯しておくと安心かつ、いざというときに頼りになります。子どもの年齢や生活環境に合わせて、契約している火災保険の内容をぜひ確認してみてください。


文/Ai Kano

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