【これ分かる?】自転車で公道を走る時はいかなる場合も並走してはならないか? クイズで分かる意外と知らない自転車のルール

公開日:2023/05/16

【これ分かる?】自転車で公道を走る時はいかなる場合も並走してはならないか? クイズで分かる意外と知らない自転車のルール

5月1日から31日は自転車月間!

エコな移動手段としても注目されている自転車ですが、近年、自転車の事故や迷惑運転が話題にもなっています。

自動車と違い誰でも乗ることができる手軽さから、交通ルールがあやふやなままになりやすいですよね。

 

本記事では、自転車ルールのおさらいにくわえて、令和5年4月1日から努力義務化されたヘルメットのルールについても解説します。

最後には実はよく分かっていないルールをクイズ形式で紹介していますので、チャレンジしてみてください。

 

自転車のことを正しく理解して、安全に乗りましょう!

 

※本記事での自転車は基本的に内閣府令基準内の「普通自転車」を指します。

参考:自転車の交通ルール|警視庁

子どもと一緒におさらいしよう! 自転車の基本ルール

普段何気なく乗っている自転車、正しい交通ルールを知らない方もいるのではないでしょうか?

安全に乗るために、基本的なルールをおさらいしておきましょう!

自転車は歩行者ではなく車と同じ

自転車は“軽車両”となるため、歩行者ではなく車と同じ扱いになります。そのため、車道を左側通行することが原則です。

工事や道路状況、標識などによって歩道の通行が認められる場合もありますが、その際は車道寄りを徐行しなければいけません。

 

なお、13歳未満の子どもが自転車を運転する場合は、歩道を通行することが可能です。歩行者優先なので、歩行の妨げになる場合は一時停止をして道を譲る、自転車を降りて押すなどをしましょう。

 

ちなみに、車と同様に一時停止の標識がある場所や踏切では一時停止、夜間はライトの点灯が必須です。

 

参考:1 車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先|警視庁

子ども乗せシートは1台につき2つまで

基本的に自転車の2人乗りは禁止されていますが、自転車用の幼児座席をつけていれば小学校就学始期に達するまでの子ども1人を乗せることができます。さらに幼児2人同乗用の自転車に限り、子ども2人を乗せ、運転者含む3人で乗ることも可能です。

 

また、運転者にくわえて幼児1人を抱っこひもなどで確実に背負って2人で乗る場合と、幼児座席に1人乗った状態で幼児1人を確実に背負って3人で乗ることも許されています。

しかし、子ども2人を幼児座席に座らせた状態で幼児を背負っての運転や、前に抱っこしての運転は禁止されているので注意しましょう。

 

いずれも運転者は16歳以上に限られているので、気を付けてくださいね。

 

出典:自転車の幼児用座席をお使いのみなさんへ(神奈川県警察)交通安全情報(警視庁交通部)

お酒を飲んだら自転車に乗るのはダメ!

自転車で飲酒運転をした場合、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられています。

軽車両における飲酒運転の罰則に“酒気帯び運転”は含まれておらず、この場合の飲酒運転は“酒酔い運転(アルコールの影響により正常な運転ができない恐れがある状態)”が該当します。

実際に酒酔い運転で検挙された例もあるため、気をつけましょう。

 

罰則の適用有無にかかわらず、飲酒運転は禁止されています。身の安全を守るためにも、お酒を飲んだ後は自転車に乗らないということを徹底しましょう!

 

出典:自転車でも飲酒運転で処分を受ける? 逮捕されたときの流れと罰則(ベリーベスト法律事務所 福岡オフィス)

自転車保険も検討しよう!

自転車関連事故の件数自体は減少傾向にあるものの、自転車対歩行者の事故件数は横ばい状態が続いています。

歩行者との事故の場合は自転車側の責任割合が多くなるので、事故の内容によっては9千万円を超える賠償金が命じられたケースもあります。

 

事故をしないのが最善ですが、巻き込まれてしまう可能性もありますよね。万が一を考慮し、自転車事故を対象とした保険の加入もおすすめです。

自動車保険や火災保険、損害保険に特約として追加でつけられるものや、PTAや職場の保険で加入できるものもあります。一度、家族が加入している保険で対応できるのか確認してみてくださいね。

 

出典:自転車事故の損害賠償に係る現状について(国土交通省 自転車活用推進本部)

 

 

4月1日から努力義務化! 自転車用ヘルメットはどうしたらいい?

令和5年4月1日から自転車のヘルメット着用が努力義務となりました。ニュースで目にしたことがある人も多いのでは?

しかし「努力義務ってどこまでが義務なの?」「守らなかったときに罰則ってあるの?」と疑問に思うこともあるでしょう。それらの疑問について解説します!

自転車用ヘルメットの着用義務とは?

これまでの道路交通法では、児童または幼児を保護する責任がある保護者に対して、子どものヘルメット着用に努める旨が記載されていましたが、令和5年4月1日施行の改正道路交通法では、次のように定義されています。

第六十三条の十一 自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない。

2 自転車の運転者は、他人を当該自転車に乗車させるときは、当該他人に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。

3 児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児が自転車を運転するときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。

 

引用:道路交通法道路交通法|e-Gov法令検索

改正を受けて、子どもだけでなく大人も自転車に乗る際は、ヘルメットの着用に努めなければいけなくなりました。

また運転者のみならず、同乗者にもヘルメットを着用させるよう努めなければいけません。

 

出典:自転車用ヘルメットの着用(警視庁)

ヘルメット未着用の場合の罰則は?

今回の改正では、あくまで“努力義務”となっているため、ヘルメット未着用でも罰則はありません。しかし、自転車事故で大きなケガや亡くなってしまう人の多くはヘルメットが未着用であることも分かっています。

罰則がないから着用しなくてもよいというのではなく、事故にあってしまったときに命を守るためにも、ヘルメットの着用を心がけましょう。

意外と知らない自転車の道路交通法クイズ5問

ここまでいくつか自転車のルールをご紹介してきましたが、普段気にしていないけど、これって違反なの? という自転車の乗り方がいくつかあります。

 

そこで、クイズを用意しましたので、問題を解きながら自分が違反をしていないか確認してみてください。

Q1 両手離しだけでなく片手運転も禁止である。〇か×か?

正解は…

×です!

 

原則として片手運転は禁止ですが、合図をするときは片手運転になってもOKです。

Q2 自転車横断帯がある付近では表示された場所を通行しなければならない。〇か×か?

正解は…

〇です!

 

自転車横断帯(標識や表示)がある場所、また、警察官等の指示を無視しての進行は罰則の対象となります。

Q3 傘さし運転はいかなる状況でも行ってはならない。〇か×か?

正解は…

〇です!

 

厳密には△といった部分もあります。

もちろん、基本的には傘さし運転は禁止です。

ただし、一応お伝えしておくと判断が微妙なところもあります。

この傘さし運転は道交法では、直接的に禁止とは書かれておらず、第七十一条六では

第七十一条六 前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項

 

引用:道路交通法道路交通法|e-Gov法令検索

となっており、各都道府県で条例等により規制されています。

都道府県によっては、「交通が頻繁な道路においては禁止」と条件付きのところもあります。

 

また、傘を自転車に固定する器具もありますが、こちらも禁止されているところがほとんどです。

 

基本的には自分も他人もケガをしないために、傘をさしながらの運転はやめましょう。

Q4 どんな場所でも並んで走ってはいけない。〇か×か?

正解は…

〇です!

 

実は以前は「並進可」の標識があるところでは、OKでした。

しかし、どうやら2018年までに当該標識は全て撤去されたといわれており、現在は並進不可という状況です。

 

友達同士などでよく見かける光景ですが、禁止ですので、注意しましょう。

Q5 片耳イヤホンや骨伝導イヤホンなら問題ない。〇か×か?

正解は…

×です!

 

こちらもQ3と同様、厳密には△といった部分もあります。

イヤホンの使用については、直接道交法では禁止されていませんが、各都道府県で条件が定められています。

 

例えば東京都の道路交通規則第8条5号では、

第8条5 高音でカーラジオ等を聞き、又はイヤホーン等を使用してラジオを聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者が当該目的のための指令を受信する場合にイヤホーン等を使用するときは、この限りでない。

 

引用:東京都道路交通規則

とされており、特殊な条件下ではOKとされています。

また、皮肉っぽくいえば、安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえるならOKのようにも思えます。

 

尚、片耳イヤホンや骨伝導イヤホンも上記の通りですので、片耳だからOKということはありません。

 

いずれにしても、自分がケガをしないため、他人を傷つけないためにも、イヤホンは使用せず安全運転をしましょう。

まとめ

5月の自転車月間を機に、お子さんと交通安全について話をしてみるのもよいですね。
今はまだ三輪車や大人の自転車の補助シートに乗っている子も、いずれは一人で乗ることになるでしょう。危険なコト、正しい乗り方を知っておくと、事故のリスクも下げられるかもしれません。

また、今回紹介した内容にくわえて、各地方で別途条例が定められている場合があります。
お住まいの地域の警察庁、警視庁のホームページを確認し、正しいルールで運転してくださいね。


文/丸山希

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