【きのこ】ヘルシーで栄養満点! さらに香りやうまみがUPする保存の鉄則とは?

公開日:2023/11/15

【きのこ】ヘルシーで栄養満点! さらに香りやうまみがUPする保存の鉄則とは?

秋はきのこが美味しい季節です。スーパーにはさまざまな種類のきのこが1年中並んでいますが、秋頃が旬で美味しい時期といわれています。とはいえ、購入したきのこを一度にすべて使いきるのは難しいですよね。実は、きのこをおいしく保存するには、冷凍保存がおすすめ。冷凍すると長持ちするだけでなく、酵素の働きによって、加熱後の香りやうまみが増すといわれているんです。そこで種類別の冷凍保存のポイントや、ヘルシーで体にいいといわれるきのこについて詳しく紹介します。

そもそも、きのこってどんなもの? 野菜ではないの?

きのこは八百屋さんやスーパーマーケットの野菜売り場に並んでいますが、厳密には野菜ではなく“菌類”です。日本に自生するものだけで少なくとも約5000種類あるといわれ、そのうち食べられるきのこは約100種類といいます。ただし、市販されているきのこは人工栽培のものがほとんどです。

きのこは低カロリーなのに栄養満点ってホント?

きのこは9割が水分で脂質はゼロに等しいため、とても低カロリーな食材。「カロリーがない」=「栄養素が含まれてない」と思っていませんか? とんでもない! きのこは栄養素がたっぷりなんです。

きのこは食物繊維が豊富でおなかにGood!

きのこには、食物繊維が豊富に含まれています。種類によって、多く含まれている食物繊維の種類が異なり、なめこやしいたけは、水に溶ける性質を持つ【水溶性食物繊維】を豊富に含んでいます。【水溶性食物繊維】は、便をやわらかくして善玉菌を増やし、腸内環境を整える効果が期待できます。エリンギやしめじ、えのき茸は、水に溶けない性質を持つ【不溶性食物繊維】を多く含みます。【不溶性食物繊維】は、便のカサを増やし腸のぜん動運動を促進するなどの効果が期待できます。さまざまな種類のきのこをバランス良く食べることで、より便秘解消へ近づくことができると言えます。

きのこはビタミン・ミネラルも豊富!

きのこは、カルシウムの吸収を助ける【ビタミンD】や、皮膚や髪の毛、爪などを健康に保つ【ビタミンB1】脂肪の代謝を助け効率よくエネルギー変換してくれる【ビタミンB2】が豊富。【カリウム】や【リン】等のミネラル類も含まれていて、リンは骨や歯の材料に、カリウムはナトリウムを体外に排出する働きがあります。また、きのこの種類によって含まれる栄養成分は違いますが、育ち盛りの子どもに摂ってほしい【アミノ酸】や、免疫力を高め、抗がん作用などの研究も進んでいる【βグルカン】も豊富に含まれています。

きのこ保存の鉄則

実はきのこは、鮮度が落ちやすく日持ちしません。きのこの魅力である豊かな風味が損なわれないように、次のポイントを押さえて保存しましょう。

1. 洗わない

買ってきたきのこを使う前に水洗いしていませんか? 風味を生かすため、きのこは洗わずに使うのが基本ですスーパーなど一般的なお店で買えるきのこの多くは、屋内の衛生的な環境で無農薬栽培されたきれいなものなので、洗う必要はありません。きのこを水洗いすると風味が落ちて食感が悪くなるといわれています。なめこなど、ぬめりのあるものは、サッと水洗いをしてから使います。

2. 汚れは湿らせたキッチンペーパーで拭き取る

汚れやほこりがついていると感じた場合は、水で湿らせたキッチンペーパーで拭きとる程度で十分ですよ。

3. 冷蔵と冷凍を使い分ける

その日のうちに使いきれる場合は、生のまま冷蔵保存を。きのこは水分に弱いため、湿気を遠ざけることがポイント。買ってきたときのパックや袋のまま冷蔵庫に入れっぱなしにせず、一度取り出して石づきを残したまま、キッチンペーパーで包んで保存するのが◎。

 

当日使う分以外は、鮮度が落ちるのを避けるため冷凍保存を。冷凍してから加熱すると、きのこの固い細胞膜が壊れて栄養成分が外に出やすくなり、うま味がアップするんです。

種類別、長持ちするきのこの冷凍保存法

実は、冷凍保存はきのこの栄養を効率よく体に摂り入れることができるベストな保存方法です。うま味もアップしてより美味しく感じられるため、きのこを購入したら深く考えずに冷凍してしまいましょう。いずれも保存の目安は1か月程度です。

しいたけ

軸を根元で切り落とし、“かさ”だけの状態にしてから、保存袋に入れて冷凍。凍っていても包丁で切れるため、丸ごと冷凍してしまうのがおすすめです。

しめじ

石づき(軸の先端部分)を切り落とし、小房にほぐして、保存袋に入れて密封。 

なめこ

買ってきた袋のまま冷凍してOK。写真のように、袋に折り目をつけて冷凍すると、調理する際に折って使えるから便利。

まいたけ

手でざっくり小房にほぐし、保存袋に入れて密封。

えのき

石づき(根元部分)を切り落とし、使いやすいサイズに手でほぐす。保存袋に入れ、平らにならして密封。

マッシュルーム

軸がついたまま(軸の切り口が変色している場合は切り落とす)、薄切りに。保存袋に平らになるように入れて密封。

エリンギ

通常、スーパーなどで販売されているエリンギは石づきがカットされた状態で販売されています。ただし、根本に黒くて硬い菌床部分がついている場合は、まずその部分を取り除いてから、使いやすい大きさにカット。保存袋に平らになるように入れて密封。

ひとつにまとめるだけ! 超絶便利な自家製ミックスきのこ

数種類のきのこをまとめ買いしたり、少しずつ余ってしまった場合は、“ミックスきのこ” にして保存しておくと便利です。上記の要領で種類別にカットするなど下ごしらえしたあと、ボウルに入れて混ぜ合わせ、1回に使用する分量ごとに保存袋に入れて密封するだけ。炒めものをはじめ、炊き込みご飯、ピザの具材、汁ものや鍋の具材、付け合わせのソテーなど、幅広い料理に使うことができます。きのこは複数種類組み合わせると、うま味の強さがアップするというデータもあるので、その点でもおすすめです。

きのこの素朴な疑問Q&A

Q. 冷凍したきのこは、解凍してから使うべき?

A. 解凍すると水分と一緒にうま味も出てしまうため、凍ったまま加熱調理したほうがベター。汁物では水から入れるのがおすすめです。カレーなどの煮込み料理に使うと、きのこからうま味がしっかり出ておいしくなります。

Q. きのこがダイエットに使えるってホント!?

A. きのこは9割が水分の食品で、ほとんどのきのこは100グラムあたり約20カロリーと低カロリー。また、きのこには食物繊維がたっぷり含まれており、整腸作用&コレステロールを排出する効果が期待できます。

 

ごはんやお肉などを食べる前に、きのこのおかずから先に食べることで、きのこの食物繊維が脂肪を包んで腸内まで運び、脂肪の吸収を抑えてくれます。うま味成分も豊富なため、数種類のきのこを使うと料理の味にコクがでて、少ない塩分でも深みのある味に仕上がります。料理のかさ増しにも使えるし、独特の食感で噛みごたえがあり満足度もアップするため、ダイエットに効果的といえます。

 

ただし、きのこは食物繊維がとにかく豊富なため、食べ過ぎは消化不良の原因となります。とくに、胃腸の調子が優れないとき、疲れやストレスが溜まっているときは、あまりにたくさんのきのこを食べるのは避けましょう

Q. きのこは免疫力アップに効果的ってホント!?

A. きのこには、ビタミンDが豊富に含まれています。これまで、骨の形成に欠かせない成分として紹介されることが多かったビタミンDですが、近年の研究で体の免疫力を向上させる働きがあることがわかり、感染症予防の観点からも注目を集めている成分となっています。主に鮭や鯖などの青魚や卵黄、乳製品など動物性食品に多く含まれるビタミンDですが、野菜類にはほとんど含まれていません。気軽に使えるきのこなら、ビタミンDを積極的に摂取できますね。

 

ビタミンDは脂溶性のビタミンで油に溶ける性質があるので、炒め物や揚げ物など油を使った料理で吸収率がアップします。また、きのこを調理前に天日干しして紫外線にあてることで、ビタミンDが増加して、うま味もアップします。ぜひ試してみてください。

子どもが食いつく!きのこレシピ

我が家の子どもたちは、わりときのこ好きなので、主にお味噌汁の具としてなめこやえのきを使うことが多いのですが、今回作ってみて好評だったメニューを紹介します。

きのこたっぷりピザ

ピザ生地にピザソースを塗り、その上にウインナーと一緒に炒めたぶなしめじやまいたけを乗せて、コーンとチーズをたっぷり。チーズときのこの相性が良く、子どもも食べやすくなります。ピザ生地を餃子の皮に変えれば、スナックっぽくなりおやつにもぴったりです。

きのこたっぷりハヤシライス

牛こま切れ肉とたまねぎに、ぶなしめじやエリンギ、マッシュルームを加えて。濃厚な味わいの煮込み料理は、きのこ独特の香りや味を緩和するため、食べやすいようでした。

まとめ

きのこは1年中手に入るといっても、秋冬はとくにしっくりくるメニューがたくさんあります。煮込み料理や鍋物、パスタに加えて食感を楽しむのもよし。シンプルに焼いてしょうゆをかけていただくのもいいですね。

下茹でしてから冷凍する他の野菜と違って、そのまま冷凍保存できるのもラクちんですし、凍ったまま調理に使えるのにも、今更ながら便利で時短になることを実感しています。幅広い料理に使えるので、賢くストックして、いろいろなメニューを楽しみましょう。

文/Ai Kano

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