毎年1月25日は「ホットケーキの日」。そこで、大人も子どもも大好きなホットケーキを最大限に楽しむために、おいしいホットケーキの作り方をおさらいします。生地にちょい足しすることでいつものホットケーキがもっと膨らむ調味料とは? そんな気になるホットケーキにまつわる“説”も検証します。
間違っている人多数!? 基本のホットケーキの焼き方
ふわふわで分厚い絵本に出てくるようなホットケーキは、全ホットケーキ好きの憧れ。何か特別な材料を足したり、裏技を駆使しなければ難しいと考える人もいるかもしれませんが、まずはいつものホットケーキの作り方を見直してみて。実は間違った作り方をしている人が多く、正しい作り方に変えるだけでいつものホットケーキとは見違えるホットケーキが作れるかも♪
材料
- ホットケーキミックス……200g
- 卵……1個
- 牛乳……150mL
ポイント① 卵と牛乳を先に混ぜる
最初に卵と牛乳をしっかりと混ぜ合わせます。ホットケーキミックスを最初の段階で入れてしまうのは、混ぜすぎの原因となってしまうためNG。混ぜすぎるとグルテン(粘り成分)が形成されるため、生地が重くなり膨らみにくくなります。
ポイント② 粉を入れたら混ぜすぎない
ホットケーキミックスを入れたら、ざっくり20回程度ぐるぐると回して粉をなじませます。
ぼってりとしていて、少しダマが残るくらいが理想的。ダマがなくなるまでしっかりと混ぜてしまうと、グルテンが出て生地のふくらみを妨げてしまいます。
ポイント➂ 火加減は弱火が鉄則
火が強すぎると焦げてしまいます。反対に、弱すぎると長時間加熱することになり、生地の水分や炭酸ガスが抜けて固くなり、ふんわり感がなくなってしまいます。
フッ素樹脂加工が施されたフライパンであれば油はひかなくてOK。そのほかのフライパンは少しだけ油を入れ、キッチンペーパーで薄く伸ばします。油が多いと生地がフライパンに均一に接しないので焼き色がまだらになってしまいます。高めの位置から生地を落とすと綺麗に丸く広がって◎。
弱火で3分ほど加熱すると、表面にフツフツと小さな泡が出てきます。これが裏返すサイン!
裏返して2分~2分30秒ほど焼けば完成♪
ポイント④ 生地ができたらすぐ焼いて!
ホットケーキミックスの中に含まれるベーキングパウダーは、水分(牛乳)を加えたときと、熱に反応したときの2回炭酸ガスを発生させて膨らむ性質があります。そのため、生地ができてからすぐに焼かないと最初に発生した炭酸ガスが抜けてしまいます。できたてを食べようと、生地だけを作っておいてその都度焼くといったことはやめておいた方がよさそう。作った生地はすべて焼いて、食べる際に1枚ずつ温めなおすのがおすすめです。
ホットケーキの高さを出すために入れる調味料とは?
ホットケーキを作る際に、マヨネーズや炭酸水を入れるとふっくらと焼きあがるという話を聞いたことがありませんか? そんな、ホットケーキを膨らませるといわれている「マヨネーズ」、「お酢」、「みりん」、「油」、「ヨーグルト」、「炭酸水」を入れて実際にホットケーキを焼いてみました。なぜこれらがホットケーキを膨らませるといわれているのかというと……。
まず、ホットケーキを膨らませるには、生地の膨らみを妨害するグルテンの形成を抑えることが重要です。そして、そのグルテンの形成を妨げるといわれているのが主に「酸」、「油脂」、「砂糖」、「アルコール」。
そのため、乳化された植物油や酢からできた「マヨネーズ」、そして酸性の「お酢」、「ヨーグルト」、さらに糖とアルコールを含む「みりん」は、グルテンの形成に影響を与える、つまり生地が膨らむのを助けるというわけです。
また、「炭酸水」は、炭酸水に含まれる炭酸ガスの力で生地を持ち上げるといわれています。ベーキングパウダーが発生させる炭酸ガスと炭酸水の炭酸ガス、ダブルの効果でなんだか膨らみそうな予感……!
※ちなみに、分量、作り方はすべて同じ。おたま、すりきり1杯分を焼いています。
材料
- ホットケーキミックス……200g
- 卵……1個(今回は条件を揃えるため溶き卵にして70gずつ使用)
- 牛乳……150mL
※すべてパッケージに記載されている分量です。
ここに、マヨネーズ、お酢、みりん、油はそれぞれ大さじ2杯ずつをちょい足し、ヨーグルト、炭酸水は牛乳の半量を置き換えました。
結果はマヨネーズに軍配!
焼き上がりの断面は以下の通り。
ご覧の通り、僅差すぎて違いがまったく分かりません……。1番分厚いところを計測してみると、
プレーン……1.7cm
マヨネーズ……2.1cm
お酢……1.8cm
みりん……1.8cm
油……2.0cm
ヨーグルト……1.6cm
炭酸水……1.8cm
1番膨らんだのはマヨネーズ、次いで油という結果でした。焼いている過程でも、マヨネーズと油を入れた生地は膨らんでいく様子がよくわかりました。
お酢とみりんがそこまで膨らまなかったのは、生地の水分量が増えて、ベーキングパウダーと水分のちょうどよいバランスが崩れてしまったことが原因かもしれません。お酢とみりんを入れた分牛乳の量を減らせば、もしかすると結果は違っていた可能性もあります。
ヨーグルトは、水分量の少ないもったりと固めの生地ができました。フライパンに生地をのせた段階で分厚いため、中まで火を通すのに倍以上時間が掛かりました。焼き過ぎが関係していそうです。
炭酸水に関しては、生地を混ぜているときに炭酸ガスが抜けてしまうのか、そこまで生地の膨らみに影響はでませんでした。こちらも全量を炭酸水に置き換えていたら、結果は違っていたのかもしれません。
味や食感の違いは?
いくらホットケーキの高さを出したからといっても肝心の味に問題があってはいけません。ふわふわとした食感も大事ですよね。
結論からいうと、味、食感ともにマヨネーズ、油を入れたホットケーキが美味しく感じられました。生地のの厚さに比例している結果ですね。
マヨネーズ
ふんわりとしていて、マヨネーズ感などは一切ありません。冷めてもほかの生地に比べると柔らかさをキープしていました。
油
マヨネーズを入れた生地同様、ふんわりとしています。油っこさもありません。また、油を入れた生地の表面は、冷めてもかたくならずサクッとしていました。
お酢
味に影響はないものの、私は匂いが少し気になりました。これは生地を膨らませつつ、匂いのしないベストな分量を研究する必要がありそうです。
みりん
冷めてもほのかな甘さが感じられるのが高ポイント。みりんに含まれる糖が水分を抱え込む働きがあるので、生地をしっとりとさせる効果もあります。
ヨーグルト
特に味の違いは感じられませんでしたが、しっとり感と弾力が増したように感じました。
炭酸水
半量置き換えただけでは、ミルク感が減ったなと感じることはありません。特に味の違いは感じられませんが、少しむっちりしているような気が。
味や食感の結果を踏まえても、私は、マヨネーズ、油のちょい足しがおすすめです。
高さを出すには水分量がカギ
先にも触れたように、生地の水分量によっても生地の膨らみ方は変わってきます。牛乳は、多すぎても少なすぎても膨らみません。
お酢とみりんの分だけ水分量が増えた生地はうまく膨らみませんでした。ということは、反対に水分量を減らした生地はうまく膨らむのでしょうか? 気になったので、1番膨らんだマヨネーズ入りの生地で検証してみました。
こちらは、牛乳の量を50mL減らして、
- ホットケーキミックス……200g
- 卵……1個
- 牛乳……100mL
- マヨネーズ……大さじ2
で作ったもの。結果は厚さ2.2cmと記録を更新しました。水分を減らしたことで膨らみがUP!
ところが、試しにさらに水分量を減らして牛乳を80mLにしてみたところ、今度は厚さが1.8cmになってしまいました。
食べてみたところ、どちらもふんわりとしてはいるものの、水分が足りないような気もします……。特に80mLで作った生地は、少しだけかたさがあるように感じられます。ボリュームがあって食べ応えがあるともいえますが。
この写真は牛乳100mLで作ったホットケーキです。牛乳80mLで作ったホットケーキでも同様のことが起きていますが、赤線の上と下とでは生地の膨らみ方が違います。下半分は空洞が少ないのが分かります。
この下の部分は、焼きはじめにフライパンに接していない方。水分量が少なくもったりとした生地は、中まで火が通るのに時間が掛かります。そのため、その間に上の部分から炭酸ガスが抜けてしまったのだと推測されます。これが食感の違いにあらわれてしまったようです。
個人的には、牛乳100mLのホットケーキよりも高さは出なかったものの、パッケージに記載されている量、牛乳150mLのホットケーキが1番ふんわり感としっとり感のバランスがよいと感じました。
メーカーによっても記載されている量に違いがありますが、ベーキングパウダーが1番よく働くそれぞれの適量がきちんと計算されているんだなと実感しました。
もちろん人それぞれ好みは分かれるので、色々試してみて自分の理想的な生地を見つけてくださいね!
まとめ
文/渡邊倫子