「3.14」といえば円周率! 「あれって、使うことなくない?」実は日常のあちこちに使われているのです|3月14日は円周率の日

公開日:2026/03/13

「3.14」といえば円周率! 「あれって、使うことなくない?」実は日常のあちこちに使われているのです|3月14日は円周率の日

「3.14」にちなみ、世界の多くの国では3月14日を「円周率の日」としています。このほか3月14日はユネスコの「国際数学デー」、日本の「数学の日」などにも制定されており、数学と関係の深い日です。

 

そこでこの記事では、誰もが学校で覚えた思い出のある「円周率」について詳しくまとめました。「円周率って何だっけ?」「そもそも何のために覚えたの?」という人は、ぜひこの記事で思い出してみてくださいね!

 

参考:3月14日は数学の日!数学を楽しむための世界のイベントを算数・数学のメディアサイト「ひとふり」で紹介 | 公益財団法人 日本数学検定協会

円周率ってなに?

学校の算数や数学の授業で必ず登場する「円周率」。

多くの人が「3.14」という数字や、「π(パイ)」という記号として記憶しているのではないでしょうか?

まずは、円周率とは何なのかおさらいしましょう。

 

参考:StorageReview Sets New Pi Record: 314 Trillion Digits on a Dell PowerEdge R7725 – StorageReview.com

円のまわりの長さ(円周)が、直径の何倍かを表した数字

どんな大きさの円でも、円周を直径で割ると、必ず同じ数になります。

その数が「円周率」で、π(パイ)という記号で表されます。

「π(パイ)」はギリシャ語で周辺などを表す言葉に由来しています。

 

たとえば、直径が1cmの円であれば、円周はおよそ3.14cm。

直径が10cmなら円周はおよそ31.4cm。

 

どんなに小さなコインの円でも、どんなに大きな観覧車の円でも、あるいは地球のように巨大な円であっても、完全な円である限り、円周は必ず直径の「約3.14倍」となります。

 

この「変わらない比」が円周率のポイントです。

円のまわりの長さを計算するときに使う

円周率の最も基本的な役割は、円のまわりの長さや、円の面積を計算で求められるようにすることです。

たとえば、メジャーなどの測る道具がなくても、円の「直径」さえ分かれば、それに円周率を掛けるだけで「円周」の長さが正確にわかります。

 

  • 円周 = 直径 × 円周率

 

同じように、円の面積も円周率を使って計算することができます。

 

  • 半径 × 半径 × 円周率

 

このように、曲線の集まりである「円」という図形を、正確な数値として扱うために欠かせないのが円周率なのです。

桁数は世界記録更新中

私たちが小学校で習う円周率は「3.14」ですが、実際の円周率は「3.141592653589793……」と、規則性を持たずに永遠に続いていく数字(無理数)です。

 

永遠に終わらない数字だからこそ、「円周率をどこまで正確に計算できるか」が、人類の計算能力やコンピューターの性能を示す指標として示されてきました。

 

近年はスーパーコンピューターなどを活用して計算に挑戦する企業が増えており、毎年のように円周率の桁数は更新されています。

 

2025年には、米国の独立系オンラインメディア「StorageReview」が314兆桁の円周率計算を達成しました。

円周率の歴史

古代エジプトやメソポタミアでの発見

はるか昔、紀元前2000年頃の古代エジプトやメソポタミアの人々も、建築や土地の測量などを通じて、すでに円周率に近い数値を知っていました。

 

当時の記録が残されている古い粘土板やパピルス(紙の原型)を解読すると、メソポタミアのバビロニアでは円周率を3.125、エジプトでは約3.16として、円の面積などを計算していたことがわかっています。

古代の人々は、日々の生活や農作業、建築に必要な実用的な知恵として、図形の性質を深く観察し、すでに円周率の概念を活用していたのです。

計算したのはギリシャのアルキメデス

理論的な方法で円周率を求めようとしたのが、ギリシャの数学者アルキメデスです。

 

アルキメデスは、円の内側と外側に正多角形をぴったりと当てはめる方法を思いつきました。

円のまわりの長さは、内側の多角形のまわりより長く、外側の多角形のまわりより短いことをベースに、円周率のおよその範囲を計算で求められるようにしたのです。

 

計算の精度を上げるには、多角形を円の形に近い状態にまで近づけなければなりません。

アルキメデスは辺を増やして正96角形まで計算し、円周率がおよそ3.1408〜3.14285の間にあることを突き止めました。

計算の精度を高めたのは中国の祖沖之

5世紀の数学者である祖沖之(そ ちゅうし)は、アルキメデスと同じような多角形を用いた手法により、円周率を3.1415926と、小数点以下7桁まで正確に弾き出しました。

 

彼が用いたのは、正24576角形だったと推測されています。

計算機すらない時代に手計算だけで導き出されたこの記録は、その後およそ1000年もの間、世界で最も正確な円周率とされました。

 

彼の偉業にちなみ、中国科学技術大学の科学研究チームが開発した量子コンピューターは「祖沖之」と名付けられています。

江戸時代の日本は和算ブーム

江戸時代の日本では「和算」という独自の数学文化が花開きました。

庶民の間でも算術が楽しまれ、神社やお寺に難問を書いた額を奉納する「算額」という文化も生まれたほどです。

 

円周率の計算も、和算家たちが取り組んだテーマのひとつでした。

 

江戸時代の数学者・建部賢弘(たけべかたひろ)は17世紀〜18世紀にかけて、独自の方法で高精度な円周率の計算に成功しています。

西洋の数学とは別のアプローチで同水準の成果を出していたことは、日本の数学史においても注目すべき点です。

円周率はどこで使われている?

「3.14なんて、大人になってから使ったこともない」と考えている人もいるかもしれません。

しかし、私たちの身の回りにある多くのものやインフラは、円周率なしでは機能しません。

 

日常で使われている円周率について紹介します。

 

参考:スピードメーターが車検でチェックされる理由|ソコカラ

参考:GPSの秘密~あなたの位置をどうやって見つけるの?~ – 株式会社グローバルゲート公式ブログ

参考:ポンプなるほど | 用語編【有効断面積】 | 株式会社イワキ[製品サイト]

参考:How Many Decimals of Pi Do We Really Need? – News | NASA JPL Education

自動車のスピードメーター

タイヤは円形であるため、1回転で進む距離はタイヤの円周と等しくなります。

あらかじめ円周の長さを基準として設定しておくことで、回転数から走行速度を求めることができるというわけです。

 

ただしタイヤは、使っているうちに摩耗したり、空気量が減ったりします。

スピードメーターと実際のスピードには、誤差が出てくるのが一般的です。

スマートフォンのGPS(地図アプリ)

スマートフォンのGPSは、4機以上の人工衛星から電波を受け取り、信号の往復時間×光速で衛星までの距離を計算。

その後、球面測量で緯度・経度・高度を特定します。

 

球面の距離や角度を計算する球面幾何学という数学の分野では、円周率を用いた計算式が不可欠です。

水道管やガス管の設計

水道管やガス管の多くは円柱の形をしています。

管の中をどれくらいの量の水やガスが通るかを計算するためには、管を輪切りにしたときの断面積を正確に把握しなければなりません。

安全で無駄のない設計には、円周率が常に使われています。

宇宙開発

惑星の周回軌道は、ほぼ楕円や円に近い形です。

 

地球や火星などの惑星の大きさや軌道を計算したり、探査機を目的地まで正確に飛ばしたりなどの計算にも、円周率は使われています。

 

「宇宙開発で使う円周率はさぞかし桁数が多いんだろうな……」と思った人もいるかもしれません。

しかしNASAのジェット推進研究所によると、探査機の軌道計算で使うのは小数第15位(3.141592653589793)までなのだそうです。

 

実際のところ、真の円周率を使って計算した完璧な長さと、小数第15位までの円周率を使って計算した長さのズレはほぼありません。

太陽系規模での誤差はわずか数センチのみとなり、問題にならない誤差です。

 

コンピューターに無駄な負荷をかけずに計算するには、15桁がちょうどよいとされます。

 

ちなみに、人類が観測できる「宇宙全体」の大きさ(半径約460億光年)を計測する場合でも、必要な円周率の桁数は「小数点以下37桁」と少なめです。

まとめ

円周率は円の計算だけにとどまらず、確率や統計、・三角関数など、さまざまな分野に関わっています。
建築や土木設計、通信技術、宇宙開発といった日常生活を支える技術の基礎にも含まれており、現代社会の基礎を支えている数式です。

コインやお皿、時計、マンホールなど、私たちの身のまわりには円がたくさんあります。
円を見つけたら、「このまわりは直径の約3.14倍なんだ」と思い出してみてください!


文/カワサキカオリ

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