梅雨明け後は気温が高くなる日が増えますが、体がまだ暑さに慣れていないため熱中症になる人が多くなります。特に体が小さく機能も未発達な子どもは、発症のリスクが高くなるうえに重症化する恐れも。熱中症は、重い後遺症が残ったり死に至ってしまうこともあるとても怖いものですが、正しい知識を持ってきちんと対策をすれば未然に防げるものでもあります。あらためてその予防策をおさらいしましょう。
熱中症は梅雨明け前後から要注意
出典:総務省 消防庁「令和7年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況」[PDF]
熱中症は、猛暑日だけに注意しなければならないものではありません。消防庁が発表した「令和7年(5月〜9月)の熱中症による救急搬送状況」を見ると、6月中旬以降に熱中症による緊急搬送が一気に増えることがわかります。
この時期は、梅雨が明け気温が高くなる時期ですが、多くの人がまだ暑さに慣れていなかったり、暑さへの対策を十分にとっていないときです。そのため熱中症が発症しやすくなっているようです。早め早めの対策を取ることが大切ですね。
熱中症発症のリスクは子どもの方が高い!
熱中症は、大人よりも子どもの方がなりやすいといわれています。その理由は、子どもは体温調節機能がまだ発達していないため。大人は汗をかくことで上手に体温を下げていますが、子どもは汗をかく能力が未発達なので体温を下げるのに時間がかかってしまいます。その結果、体に熱がこもってしまうことになります。
また、子どもは体重に対して体表面積が大きいため周りの環境の影響を受けやすく、熱しやすく冷めやすいという特徴もあります。さらに身長が低いため、地面からの照り返しや熱の影響を受けやすく、大人よりも体感温度は2〜3℃高いともいわれています。
このような体格上の理由に加えて、つい楽しいことに夢中になって水分補給や休憩を忘れてしまったり、自分の体の小さな変化を上手く伝えられないといったことも一因となっているようです。
そばにいる大人がしっかりと子どもの様子を気にかけてあげることが大切ですね。
子どもの熱中症を防ぐには?
子どもの熱中症を防ぐためには、こまめな休憩&水分補給と、熱を逃がしやすい涼しい服装を心掛けること、そして暑さに体を慣らすこと、いわゆる「暑熱順化」が大切です。
水分補給は基本中の基本
喉が渇いたと感じたときには、すでに軽度の脱水症状の状態であるといわれています。15分に1回、30分に1回など時間を決めて休憩&水分補給をするようにしましょう。
また、通常の水分補給の際には水や麦茶でOKですが、大量に汗をかいているときはNG。
水分だけを摂取していると、かえって熱中症の症状を悪化させることがあります。大量に汗をかくと体の水分と一緒に塩分やミネラルも奪われますが、そこへ水分だけを摂ると体内の塩分、ミネラル濃度が低くなってしまうためです。それにより熱中症の症状を引き起こしてしまいます。
そのため、スポーツや外遊びなどで大量に汗をかくときには、水分と一緒に塩分タブレットや梅干しなど塩分を一緒に摂取することが鉄則。水や麦茶の代わりに塩分やミネラル分を含むスポーツドリンクや経口補水液を飲むのも有効です。ちなみに緑茶や紅茶などカフェインを含む飲み物は利尿作用があるので控えましょう。
涼しい洋服&帽子を着用
体に熱がこもらないよう、風通しのよい洋服を着させましょう。たとえばリネンやコットンなどの通気性のよい素材や、首もとや袖口がゆったりとしたシルエットが◎。「接触冷感」や「吸水速乾」などの機能を持つ高機能ウェアも多く売られているので、そのようなアイテムを利用するのもよいですね。
また、黒や紺色などの暗い色の服は、紫外線を通しにくいため日焼け対策には最適ですが、熱を吸収しやすいため服が熱を持ち暑くなってしまいます。
一方、白などの明るい色の洋服は、紫外線は通しやすいものの太陽光を反射する特徴があるため、生地の表面温度は高くなりにくく涼しさをキープできます。
つまり、屋外での熱中症対策としては白い服を選ぶのがベターです。
直射日光による温度上昇を防ぐためには帽子も欠かせません。登下校時やスポーツ観戦など、手が自由に使える状況であれば日傘を併用するのもおすすめです。
体を徐々に暑さに慣らすことも大切
暑熱順化、つまり暑さに体を徐々に慣らしていくことも熱中症発生のリスクを下げるのに効果的です。
体が暑さに慣れてくると、発汗量や皮膚血流量が増加します。そうすると、汗による気化熱や、皮膚の表面から直接熱を逃がすため体に熱がこもりにくくなります。さらに、汗に含まれる塩分が少なくなり、ナトリウムを失いにくくなるという効果も! つまり、熱中症になりにくい状態に体が変化するというわけです。
暑熱順化は、熱中症の危険が高まる前に無理のない範囲でおこなうことが大切です。順化が進むには数日から2週間、子どもの場合は1か月近くかかることもあるようなので、早い時期から徐々に外遊びや散歩などの時間を増やして体を慣らしていくのがよさそうですね。入浴をして汗をかく練習をするのも有効です。
大人が子どもの熱中症サインを見逃さないで
前述の通り、子どもは自分の身体の不調に気づきにくいため、そばにいる大人が小さな変化を見逃さないように注意することが重要です。
- 元気がない
- 顔色がおかしい
- 体温が高い
- 汗をかき過ぎ、反対にかかないなど汗のかき方がおかしい
- こむら返りをする
- 頻繁にあくびをする
など、少しでもいつもと違う様子が見られたら熱中症を疑い、すぐに対処するようにしましょう。
もしものときの対処法
熱中症の症状が出たら、すぐにエアコンの効いた涼しい場所、難しい場合は日陰で風通しのよい場所へ移動して体を休ませましょう。
衣服を緩めて水分と塩分を補給。さらに、太い血管が通っているわきの下や首、太もものつけ根などを保冷剤や冷たいタオルを使って冷やし、体温を下げることが大切です。
症状が改善しない場合は、すぐに医療機関にかかるようにしましょう。また、呼びかけに反応しない、おう吐を繰り返す、痙攣をしているなど心配な症状が見られる場合には、ためらわずに救急車を呼びましょう!
まとめ
文/渡邊倫子