うちの子のあの行動は視力低下のサインだった!?早期発見と視力回復に必要な3つのコト

公開日:2022/05/02

うちの子のあの行動は視力低下のサインだった!?早期発見と視力回復に必要な3つのコト

「デジタルネイティブ」と呼ばれる、今の時代の子どもたち。

小さな頃からスマホやタブレット・ゲーム機器が身近にあって、大人顔負けに使いこなしている子どもも少なくありません。

 

気が付くと、子どもが長時間デジタルデバイスを眺めていた…、などということも多いのではないでしょうか?

 

デジタルデバイスを駆使する子どもについて気を付けたいのは、視力。

大人ももちろんですが、子どもが長時間ゲーム機やスマホで遊ぶことは、目にとってあまり好ましくはないようです。

 

この記事では、幼児期の子どもの視力がどれくらいなのかや視力低下のサイン、さらには視力低下を避けるためにご家庭でできることを紹介します。

 

子どもの大切な目を、しっかり守ってあげましょう!

子どもはどれくらい見えている?幼児の視力と安定時期

幼児期の子どもの目は、どのくらい見えているのでしょうか?気になる幼児の視力について見ていきましょう。

子どもの目の発達は8歳頃に終わる

子どもの目の発達が終わるのは、8歳くらい。

すなわち子どもが小学2年生になるくらいまでは、「発達途中」として、特に目を大切にしなければなりません。

 

視覚が発達するピークは、生後3カ月から1歳半くらいまで。

その後発達は緩やかになり、3歳頃に両眼視機能(※1)と眼球運動機能の発達が終わるといわれます。

 

ちなみに子どもの視力は、生まれたての赤ちゃんでほぼゼロ。

生後3カ月くらいでようやく約0.01になり、1歳頃でも約0.2です。

その後は2歳で約0.4・3歳で約1.0と、緩やかに発達していきます。(※2)

 

※1 立体感や奥行き感など、3Dを感じ取る能力のこと

※2 3歳児健診における視覚検査マニュアル|公益社団法人日本眼科医会

3歳児健診の視力チェックが非常に重要!

3歳児健診では、検査項目に「視力検査」が加わります。これは、子どもの視覚不良を早めに発見するためでもあります。

 

万が一子どもが「視覚矯正をしても見えない状態」だった場合、視神経の発達が終わってから治療を始めても、手遅れとなるケースがあります。

 

3歳で治療を始めれば、学校に上がるまでには視力回復が期待できるのだとか。

万が一3歳児健診で視力に不安があるといわれた場合は、早急に専門機関を訪ねましょう。(※3)

 

※3 3歳児健診における視覚検査マニュアル|公益社団法人日本眼科医会

こんな行動があったら要注意!視力低下のサインとは

文部科学省が発表した「新型コロナウイルス感染症対策等について(令和2年10月)」によると、コロナ禍により、多くの子どもに視力低下の傾向が見られるのだそうです。

 

子どもの視力低下は、本人が言わないとなかなか分かりづらいもの。

「うちの子は大丈夫かな?」と心配なご家庭は、「視力低下のサイン」がないかどうか、我が子の様子をチェックしてみましょう。

目を細めて見る

目を細めると、カメラのピントを絞るのと同じ効果があるといわれます。

ぼやけていた像がくっきりし、物が見えやすくなるのです。

 

ただし目を細めて「物がよく見える」と感じるのは、視力の悪い人だけ。

正常な視力の人は、目を細めるとかえって見づらくなります。

 

子どもが遠くやテレビを見るときに目を細めている場合は、よく見えていない可能性が高いでしょう。

テレビや本などに顔を近づける

小さな子どもは興味のある物に寄りたがるもの。

好きなテレビや本があれば、顔を近づけてよく見ようとするかもしれません。

 

しかし、「テレビから遠ざけてもすぐに近づいてしまう」「文字や絵の大きな本でも顔を近づけてしまう」などがある場合は、興味があるから寄っていくというわけでもなさそう。

 

「見えづらいのかも」と子どもの様子を注視しましょう。

顔の角度を変えて物を見ようとする

視力が悪い子どもの中には、首をかしげて物を見たり、顔を斜めに向けて物を見たりする子どももいます。

 

「物を頭をまっすぐにして見ない(横目・上目などで見る)」などの様子が見られたら、眼科に足を運ぶのがおすすめです。

子どもの視力を守るために。家庭で気を付けたいこと

落ちた視力を回復させるのは、非常に難しいこと。

子どもの目が悪くならないよう、ご家庭で気を付けるのがおすすめです。

 

ただし、気を付けていても視力が落ちてしまう子どももいれば、ほとんど視力が落ちない子どももいます。

 

子どもの行動に神経質になりすぎず、親子でのんびり取り組みましょう。

 

次からは子どもの視力を落とさないため、ご家庭で気を付けたいポイントを紹介します。

外に出る時間を持つ

「視力低下を防ぐために、外遊びすべき」などといわれるのは、明るさ1000ルクス以上の光を浴びることが目によいといわれているためです。

 

1000ルクス以上の明かりであれば屋内でもよいですが、外に出るのが1番手っ取り早いのは間違いありません。

屋外は日の当たる場所なら1万ルクス以上、日影でも1000ルクスを超えるといわれます。

 

この日光を利用した視力低下の予防法として効果を上げ、注目されているのが台湾です。

台湾では子どもの目のために、10年前から小学校で2時間の屋外時間を持つ取り組みを行っています。

これにより、視力0.8未満の小学生が5%減少したそうですよ。(※4)

※4 近視が失明を招く!?「日光」を利用した意外な予防方法とは?

 

何事もやり過ぎは良くないですが、

お天気のよい日は、公園やお散歩など、屋外に出掛けてみてはいかがでしょうか。

遠くを見る時間を持つ

アメリカ眼科医学会では「20-20-20」というルールが推奨されているのだとか。

これは、「20分近くを見たら、20フィート(およそ6km)離れた物を20秒間見る」というものです。

 

近視を引き起こしやすくなる条件として、「近くの物を見る時間が長い」ことが挙げられます。

子どもがゲーム機や絵本などに集中しているときは、パパやママが「ちょっと休もう」と声を掛けてあげてください。

 

また、暗い場所で目を使うのは、目を疲れさせてしまう原因に。

視力低下のリスクが高まるため、必ず明るい場所で物を見るようにしましょう。

食事バランスも重要

体の健康が目の健康に直結するケースもあります。「目によい」と言われる食べ物を、積極的にメニューに取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

例えば、「眼精疲労を回復させ、視力向上に効果的」といわれるのがビタミンB1とB12。ビタミンB1は豚肉や豆腐・お米に、ビタミン12はシジミやイクラなどに含まれています。

 

このほか、β-カロテンを多く含むカボチャやモロヘイヤ、ビタミンAを多く含むニンジンや小松菜なども、目によいとされる食材です。(※5)

 

※5 5月 食事と生活習慣で疲れ目・かすみ目予防! | 健康サポート | 全国健康保険協会

メガネが必要かも?と思ったときにすべきこと

「子どもの視力が悪いのかも!」と感じた場合、メガネを作ることも検討しましょう。

子どもの視力低下を感じたときにすべきことを紹介します。

まずは眼科へ!

子どもの視力低下が疑われる場合は、まず眼科へ行きましょう。

「メガネを作れればどこでもいいや」と、いきなりメガネ販売店に行くことはおすすめできません。

 

子どもは大人よりも視力の振り幅が大きく、視力検査だけで正しい視力を測るのは難しいのだとか。

せっかくメガネ販売店で視力を測ってもらっても、「全然違った…」ということもあるでしょう。

 

眼科では、点眼薬を使って子どもの瞳孔を一時的に開かせます。

正確な視力を測定でき、子どもに合ったメガネを作りやすくなるのです。

 

なおこの点眼薬の効果は、数日から1週間続きます。

薬効が切れるまでは物が見えづらくなるため、週末などに検査を受けた方がよいかもしれません。

必要があればメガネを作ろう

個人差はありますが、小学生の場合、メガネを作る目安は、視力0.6または0.7以下です。

このくらいの視力になると、黒板の字が見えづらかったりぼやけたりします。

 

日常生活にも不自由が出ているはずなので、メガネを作ることを検討しましょう。

幼児のメガネはネガティブな気持ちを抱かせないことが大切!

視力検査の結果が思わしくなかった場合、幼児でもメガネを勧められる場合があります。

幼児の弱視矯正ではメガネが必須であり、メガネを掛けることが治療につながるためです。

 

メガネを掛けることになったら、パパ・ママが「似合う!」「かっこいい」「かわいい!」と褒めてあげましょう。

パパ・ママもメガネなら「おそろいだね」と言うのもよいですね。

 

幼稚園や保育園の先生にもお願いして、子どもが「メガネって悪くない」と思える環境を作りましょう。

まとめ

コロナ禍の影響により、外遊びが減ったり、ゲームやテレビを見る時間が増えてしまったりしたご家庭も多いはず。目によくない生活を送っているかも…と思い当たる場合は、今日からでも子どもの目を意識した生活にシフトしましょう。

また、子どもの視力低下が疑われる場合は、早急に眼科に行くのがおすすめです。視力低下を放置していると、視力低下がより一層進んでしまうことも考えられます。必要であればメガネを掛けることも検討し、子どもの目に負担が掛からないように注意してあげてくださいね。

目は代えの利かない大切な器官。子どもが小さいうちは、家庭でしっかりと守ってあげましょう。


文/カワサキカオリ

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