【サンタクロース】そもそも誰? 赤い服以外もいるって本当!? トナカイのソリに乗っているのはどうして? 不思議がいっぱい! クリスマスにやってくる白ひげおじいさんの秘密

公開日:2022/12/22

【サンタクロース】そもそも誰? 赤い服以外もいるって本当!? トナカイのソリに乗っているのはどうして? 不思議がいっぱい! クリスマスにやってくる白ひげおじいさんの秘密

「サンタクロースって誰なの?」「サンタさんって本当にいるの?」と、子どもに聞かれて改めて考えてみると、“赤い服を着ている白いおひげのおじいさん”というイメージはあるものの、クリスマスに勝手に家に忍び込むサンタクロースっていったい何者なの? という疑問が(笑)。そこで今回は、意外と知らないサンタクロースの由来や歴史について紹介しながら、「サンタクロースの謎」を紐解いてみます。

サンタクロースはいったい誰? 煙突からプレゼントを配るのはなぜ?

良い子にプレゼントを配るサンタクロース。そのモデルとなったのは、4世紀に実在したギリシャ出身のカトリック協会司教「聖ニコラウス」であるといわれています。

 

【ある時、聖ニコラウスは貧しさのあまり、3人の娘を身売りしなければならない一家の存在を知ります。不憫に思った聖ニコラウスは、娘たちを助けようと真夜中にその家を訪れ、煙突から金貨を投げ入れました。投げ入れられた金貨は、偶然にも暖炉の側に吊り下げられていた靴下の中に入り、翌朝靴下を履こうとした娘がそれに気づいたため、身売りせずにすみました】という言い伝えがあり、これが “サンタクロースが夜中に煙突から家に入ってきて、靴下の中にプレゼントを入れてくれる”という話の始まりといわれています。

 

この話がヨーロッパからアメリカへ伝わるときに、「聖(セント)ニコラウス」が英語風になまり、「サンタクロース」として広まったようです。

サンタクロースはどうして赤い服を着ているの?

サンタクロースの特徴といえば、白いひげに赤い服。この赤い服は、聖ニコラウスが着ていたカトリック教会の赤い司祭服に由来しているという説が有力です。赤い色には“たとえ自分の血が流れたとしても、人々のために最善を尽くす”という意味が込められているのだそうです。

 

ただし、多くの人がイメージする“ばら色の頬とぽっこりお腹、白ひげに赤い服のおじいさん”というサンタクロースの姿は、19世紀後半にアメリカで流れたコカコーラのCMから定着したといわれています。

サンタクロースはなぜトナカイが引くそりに乗っているの?

サンタクロースの相棒といえば、やはり空飛ぶトナカイではないでしょうか。ポスターやイラストなどでも、サンタさんと一緒にトナカイが描かれていることが多いですよね。これは1冊の本からイメージが定着したようです。

 

神学者のクレメント・クラーク・ムーアという人が、自分の子どもたちのために作った『聖ニコラウスの訪問』という古い本のなかで、“クリスマスの前の晩に夜空を見上げると、トナカイが引くソリに乗ったサンタクロースが贈り物を持ってやってきた”という詩の描写があります。“聖ニコラウス”は上にも書いたサンタクロースのモデルとなった人物。現在もアメリカではクリスマスシーズンになるとこの詩が朗読されているそうです。

 

また、北欧のスカンジナビア半島に暮らす、トナカイと共に遊牧生活をする先住民族が関係しているという説もあり。サーミ族と呼ばれる彼らはトナカイにソリを引かせ、寒い雪の中長い距離を移動します。“魔法が使える”と言い伝えられている民族で、サンタクロースのイメージと合い、取り入れられたのではないかといわれています。

 

余談ですが、ディズニー映画『アナと雪の女王』のオープニングシーンに流れる『ヴェリィ』という神秘的な曲は、サーミ族の「ヨイク」と呼ばれる伝統的な音楽をもとに制作された楽曲です。ちなみに、アナを助けるトナカイ飼いの「クリストフ」は、サーミ族がモデルとなっています。

 

さまざまなイメージが繋がり、“サンタは寒い国からトナカイが引くソリにたくさんのプレゼントを乗せてやってくる”という、今のスタイルが世界中で定着したようですね。

世界のサンタクロースいろいろ

フィンランドにはサンタクロースたちが暮らす村がある!?

北欧フィンランド・ラップランド地方の主要都市ロヴァニエミ市内には、世界中から観光客が訪れるサンタクロース村があります。お仕事中のサンタクロースたち(実際は俳優さん)が、1年中いつでも温かく迎えてくれます。村にはサンタクロースのオフィス、世界中の子どもたちから手紙が届けられる郵便局などがあり、ファンタジーの世界が広がっています。とても自然豊かな場所で、冬は一面の銀世界。雪化粧をしたもみの木、のんびり暮らすトナカイ……。絵本でみたクリスマスの光景が現実に広がっている様子を、一度は見てみたいですね。

オーストラリアのサンタクロースはサーファー!?

夏にクリスマスを迎える南半球の国では、サンタクロースはトナカイではなくサーフボードに乗ってやってくるそうです。おっとりしたサンタさんのイメージを覆す、ノリのいいサーファーサンタのギャップは新鮮! お供はトナカイではなく白いカンガルー、服装も赤い服ではなくアロハシャツに短パンなんてことも。

日本のサンタクロースは“三太九郎”で相棒はロバ!?

日本には明治7年頃にクリスマスが伝わり、明治33年になると子ども向けの教材の扉絵で「北國の老爺 三太九郎(さんたくろう)」として、初めてサンタクロースが描かれます。相棒はトナカイではなくロバ。物語の内容は、「かつて旅人を助けた貧しい少年のもとに、クリスマスイブの夜、その旅人のおじいさんがたくさんのプレゼントを持ってやってきた」というものです。

 

実際の「さんたくろう」の挿し絵はこちら!

「さんたくろう」 国立国会図書館デジタルコレクション

ドイツにはブラックサンタもいる!?

ドイツではサンタクロースは双子で、良い子には赤い服のサンタクロースがプレゼントを、悪い子には黒い服のサンタクロースがプレゼントの代わりに石炭を渡したり、お仕置きを与えたり、ときには背負った袋に悪い子を入れて連れ去ってしまうという話があるようです。この「クネヒト・ループレヒト」という黒いサンタクロースは、悪い子をこらしめる日本でいう“なまはげ”のような存在として、ドイツの子どもたちから恐れられているそうです。

 

映画『ブラックナイトパレード』のCMを見たからか、最近うちの子どもたちも「ブラックサンタがいるらしい」と話題にしていました。ちなみにアンパンマンにもブラックサンタが登場する名作があります。

イギリスのサンタクロースは緑の服を着ている!?

イギリスでは、クリスマスにプレゼントをくれるのは「ファーザークリスマス」と呼ばれる緑の服を着ているおじいさん。先で紹介したサンタクロースのモデルとなった「聖ニコラウス」とは別人で、ケルト族の冬至のお祭りに登場する太陽の復活と春の訪れを祝う妖精らしいです。

ロシアのサンタクロースは青い服を着ている!?

ロシアのサンタクロースは「ジェド・マロース」というおじいさんで、青いローブを着て魔法の杖を持っているとか。魔法の杖からは氷が出て、悪いことをした子が杖に触れて凍ってしまったという昔話があるそうです。また、「ジェド・マロース」は「スネグーロチカ」という孫娘を連れているそうです。

【おすすめ】サンタクロースの秘密が描かれた絵本を紹介

最後に我が家の子どもたちが大好きで、この時期は必ず寝る前に読みたがる『だれも知らないサンタの秘密』という絵本を紹介します。

 

サンタさんはどうやってみんなの欲しいものを知るのか、良い子じゃないとプレゼントをもらえないっていうけれど、良い子かどうかどうして解るのか? 世界中の子どもたちのプレゼントをどこにしまっておくのか? などなど。次々に生まれる疑問を細か〜い図解入りで解説してくれるこの絵本。

 

クリスマスの準備のためサンタさんを手伝っているのは実は小人たち。小人たちは“クリスマス学校”で研修を受け、トナカイ飼育課やオモチャ工場、クリスマス情報部や配達課など、いろいろな部署に配属されます。そのほか、ソリの仕組みや煙突から入る方法など、ページの隅々までサンタクロースの極秘情報が細かく描かれているんです。

 

子どもはもちろん、大人も楽しめる内容なのでぜひ手に取ってみてください。

まとめ

クリスマスが近づくと子どもはもちろん、大人だってウキウキしちゃいますよね。今回はサンタクロースにまつわるトリビアを紹介しました。子どもの頃から馴染みのあるサンタクロースですが、意外と知らなかったということも多かったのではないでしょうか。

「サンタクロースと呼ばれた人は実在していた」けど、「トナカイが引くそりに乗って、空を飛んでくる」という話はファンタジー。サンタクロースは、家族でも親戚でもない、いわば赤の他人でありながら、子どもたちの幸せを願いプレゼントを配っている存在。知らない人も自分の幸せを願い、愛してくれているという思いを感じられたら素敵ですよね。

今年のクリスマスはサンタクロースについて話して、ぜひ子どもと一緒にファンタジーの世界を楽しんでみてください。


文/Ai Kano

こちらのサービスをご利用になるには無料会員登録が必要です

すでに会員の方こちら

初めてご利用の方はこちら

閉じる