【管理栄養士監修】おいしいだけじゃない! 実は健康効果が期待できる「ココア」であったまって癒されよう|手軽に楽しめるちょい足しレシピも

公開日:2024/11/07

【管理栄養士監修】おいしいだけじゃない! 実は健康効果が期待できる「ココア」であったまって癒されよう|手軽に楽しめるちょい足しレシピも

みなさんはココアをよく飲みますか? 筆者はココアが大好きなので季節を問わずよく飲みますが、特に冬のさむ〜い日の朝に飲むホットココアは最高です。

淹れている瞬間から甘い香りが立ち込めて、なんとも幸せな気分で一日の始まりを迎えることができます。

 

ところで11月7日はココアの日ですが、どうしてココアの日になったのでしょう?

それにはあの有名な会社の熱い想いが隠されていたのです……!

ココアの日って?

ココアの日、聞いたことはありますか? いったい誰が、何のために制定したのでしょう?

詳しく見ていきましょう。

ココアの日を記念日にしたのはあの会社だった!

ココアの日を制定したのは、あの有名な「森永製菓株式会社」でした!

森永製菓株式会社はココアの先駆者として、国内で初めてカカオ豆からの一貫した製造ラインを確立し、大正8年に「森永ミルクココア」を発売しました。

どうして11月7日なの?

ココアは美味しいだけでなく栄養も豊富なことから、寒くなりはじめる時期にもっとココアを楽しんでほしいということで、立冬(11月7日)をココアの日として制定しました。

発売当時から「朝の一杯終日を愉快に活動し 夕の一杯終日の疲労を回復す」という健康によい旨をうたった宣伝をしていたそうですよ。

ココアの歴史

ココアの発祥はどこ?

ココアの原料となるカカオ豆の原産地は、ブラジルのアマゾン川流域、またはベネズエラのオリノコ川流域といわれているようです。(諸説あり)

なんと、マヤ文明ではカカオを貨幣として、儀式では神への捧げものとして用い、さらに結婚式ではカカオを使用した飲み物が飲まれていたそう。

ココアはいつから飲まれていた?

14世紀のアステカ王国では、すでに「ショコラトル」という飲み物として王侯貴族の間で飲まれていたようです。

当時はカカオ豆を蒸して焙煎し、ペースト状にしていました。しかしそのままではとても苦いため、バニラやコショウ、トウモロコシの粉などを加えて飲みやすくなるよう工夫していたそうです。

加工したカカオ豆ペーストは冷やし固め、必要な分だけ砕いて水やお湯で溶いて飲んでいたのだとか。

 

16世紀になると、アステカはスペインの貴族コルテスによって滅ぼされます。

スペインへ持ち帰られたココア飲料は、バニラと砂糖を加え、より飲みやすくなったことで宮廷と上流貴族の間で大流行したのだそう。

 

ちなみに、粉末のココアを発明したのはオランダのバン・ホーテン。

19世紀当時のココアは半分以上が脂肪分だったため、胃にもたれたり、飲みづらいという欠点がありました。しかし1828年、脂肪分の2/3を取り除くことでココアパウダーを開発し、その後特許登録されました。

日本で初めてココアを飲んだのは誰?

日本で初めてココアを飲んだのは誰か、ということははっきりとは分かっていません。

しかし、江戸時代の15代将軍徳川慶喜の弟である徳川昭武の「徳川昭武幕末滞欧日記」に、初めてのココアの記録である「朝8時、ココアを喫んだ後、海軍工廠を訪ねる」という内容が記されています。

 

参考:ココアはいつからココア?歴史編(ココア&チョコレートの歴史)|MORINAGA よむココア

参考:日本のチョコレート事始め(チョコレート最初の文献)|日本チョコレート・ココア協会

ココアの栄養

ココアはただおいしいだけの飲み物ではないんです! 実は体にうれしい栄養素がたくさん含まれているんですよ。

どんな効果があるか、詳しく見ていきましょう。

テオブロミン

もともとの語源である「テオブロマ」とは、「神様の食べ物」という意味。先述したマヤ文明ではまさに神様への捧げものとして使われていましたよね。

テオブロミンとは、チョコレートやカカオに含まれる苦み成分のこと。リラックス効果や冷え性改善など、とてもうれしい効果があるんですよ。

まさにココアはこれからの時期にぴったりですね。

 

余談ですが、テオブロミンを代謝する能力がとても低いペットの犬や猫にチョコレートやココアをあげるのはNG! ペットのご飯やおやつを手作りされる方は、覚えておいてくださいね。

カカオポリフェノール

ポリフェノールという成分を聞いたことはありますか?

赤ワインや大豆など、ポリフェノールを含む食品は多くありますが、ココアにもポリフェノールが豊富に含まれているんですよ。

 

ポリフェノールには抗酸化作用があるため、シミやシワを防ぎアンチエイジング効果が期待できます。

また、悪玉コレステロールの酸化を防ぐことで、動脈硬化やがん予防にも効果があるといわれています。

食物繊維

食物繊維には水溶性食物繊維と、不溶性食物繊維の2種類があります。ココアには、主に後者の「リグニン」という食物繊維が含まれています。

 

リグニンは腸内にある余分な糖や脂質を吸着させ、そのまま便とともに外へ排出してくれます。

つまり、血糖値の上昇を緩やかにし、血液中のコレステロールを減少させてくれる素晴らしい効果があるのです。

 

また、森永製菓株式会社の研究によると、ココア10g(リグニン1.5g)に砂糖を加えたものを2週間飲み続けたところ、有意に排便数が増えることが確認されました。

さらに、お通じの臭いの元であるアンモニアも減るということで、嬉しいことだらけですね。

ココアを取り入れよう

ココアというと、飲み物のイメージですよね。しかし、実は飲み物以外にもいろいろな楽しみ方があるんですよ。

簡単にお試しできるちょい足しレシピをご紹介します。

 

今回は甘みのないココアパウダーを使用します。

ココア+ヨーグルト

いつものヨーグルト100gに大さじ1杯弱ほどのココアを混ぜるだけでチョコレート風味のヨーグルトのできあがり!

ヨーグルトと食べることで腸内環境も整い、免疫力アップにつながりますよ。

ココア+ホットケーキ

ホットケーキを焼くときの生地にココアを混ぜるだけ。先にプレーン生地を焼いてそのあと残った生地にココアを混ぜれば、プレーンとココア味の2種類を楽しむことができますよ。

 

入れる量はホットケーキミックス1袋に対して大さじ1〜3杯ほど。

ココアが大好きな方は多めに入れると風味が強くなり、よりおいしくなりますよ。

ココア+豆乳

牛乳で作るところを、豆乳にチェンジ!

小鍋に豆乳30ml、ココアと砂糖各大さじ1.5杯を入れ、弱火で熱しながら粉っぽさがなくなるまでよく練っていきます。そこに豆乳120mlを少しずつ加えて、沸騰させないように混ぜながら温めたら完成です。

 

大豆に含まれるたんぱく質は吸収が緩やかなため、腹持ちがよいのが特徴です。小腹が空いた時にもおすすめですよ。

まとめ

・ココアの日を制定したのは森永製菓株式会社
・ココアの日が立冬(11月7日)なのは、寒くなるこの時期に栄養満点のココアを楽しんでほしいという想いから
・ココアの発祥はブラジル又はベネズエラ(諸説あり)
・14世紀のアステカではすでに「ショコラトル」として飲まれていた
・ココアを飲んだ初めての記録は江戸時代
・日本で初めて飲んだのは徳川昭武?
・テオブロミンの語源である「テオブロマ」は神への捧げ物という意味
・テオブロミンはリラックスや冷え性改善効果が期待できる
・カカオポリフェノールはアンチエイジング効果が期待できる
・ココアの食物繊維は便通、便臭改善に効果あり!


森永製菓株式会社の熱い想いが隠されてる「ココアの日」。
おいしいだけでなく、体に嬉しい栄養がたっぷり含まれた飲み物だということが分かりましたね。

何かとストレスの多い現代社会。
毎日の生活にホッと一息つけるココアを取り入れて、健康的な生活を送ってみませんか?


文/hal

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