乾燥を甘く見てはいけない! 人体や生活への危険とは?|正しい加湿と対策で家族を守ろう

公開日:2026/02/16

乾燥を甘く見てはいけない! 人体や生活への危険とは?|正しい加湿と対策で家族を守ろう

蒸し暑い春・夏とは異なり、日本の冬は乾燥しがちです。特に太平洋側は乾燥の度合いが強く、乾燥の度合いは「砂漠並み」といわれることもあります。

 

空気の乾燥が怖いのは、健康被害や火災リスクを増大させるため。「たかが乾燥」と軽視せず、冬場の乾燥対策をしっかりと行いましょう。

 

この記事では、乾燥が体や生活に与える影響と、今日から始められる具体的な対策をご紹介。乾燥トラブルを防ぎ、快適に冬を乗り切りましょう!

「乾燥している」とはどういう状態?

夏と冬の空気の違いは、何となく肌で感じます。

そもそも「乾燥している」とはどのような状態なのでしょうか?

冬の空気の状態についてご紹介します。

 

参考:温暖化の科学 Q9 水蒸気の温室効果|ココが知りたい地球温暖化 | 地球環境研究センター

参考:日本の冬は砂漠より乾燥する?湿度と肌年齢の関係を実験してみた!【絶対湿度】(季節・暮らしの話題 2024年02月20日) – 日本気象協会

空気中の水分量が少ない状態

空気には水蒸気を含む性質があり、この能力は気温によって変化します。

気温が高いほど空気はたくさんの水蒸気を含むことができますが、気温が低いと含める水蒸気の量は少なくなります。

冬は気温が低いため、空気が含める水蒸気の量が少なくなってしまうのです。

 

水蒸気が足りない空気は、周囲から水分を奪おうとします。

これはちょうど、乾いたスポンジが濡れたものに触れると水を吸い取るのと同じ。

乾燥した空気は、人の肌から水分を奪い、のどや鼻の粘膜から水分を奪い、木製の家具や床材からも水分を奪っていきます。

湿度が同じでも冬は乾燥が激しい

夏より冬が乾燥しているのは、同じ湿度でも、空気に含まれる水蒸気量が夏よりも冬の方が少なくなるためです。

 

そもそも私たちが使っている「湿度」という目安は、「その温度の空気が含める最大量に対して、実際にどれくらい含んでいるか」の割合を示しています(相対湿度)。

空気がたくさんの水蒸気を含むことができる夏と、水蒸気を含むことができない冬を比較することは、大きな器と小さな器を比較しているようなもの。

同じ湿度でも、空気中に含まれる水蒸気量には大きな差があるのです。

 

実際のところ、乾燥が激しいといわれる冬でも、湿度が50%を超えることもあります。

しかし、空気中の水蒸気量は冬の方が少ないため、夏は「ジメジメして不快」と感じ、冬は「カラカラで乾燥している」と感じてしまうのです。

 

見逃せない! 乾燥が身体に与える「健康への影響」

ウイルス・細菌へのバリア機能の低下

鼻やのどの粘膜は、適度な湿り気を保つことで、ウイルスや細菌の侵入を防いでいます。

しかし、空気が乾燥すると、粘膜は湿り気を保つことができません。

ウイルスや細菌を食い止めることができず、病気に罹りやすくなります。

 

また、インフルエンザウイルスやノロウイルス、アデノウイルスなどは、低温・低湿度の環境が大好き。

湿度40%以下になると生存率がグッと向上するといわれており、バリア機能が低下した人は罹患しやすくなります。

肌のトラブルやドライアイによる慢性的な不快感

空気が乾燥すると、皮膚に含まれる水分が蒸発しやすくなります。

肌の水分は、外部刺激や細菌の侵入を防ぐための「バリア」のようなもの。

水分が失われることで肌のバリア機能が弱まり、かゆみや赤み、粉吹きといったトラブルが発生しやすくなります。

 

また目の表面を保護しているのは、「涙の層」です。

これも空気の乾燥によって蒸発しやすく、ドライアイを引き起こす要因となります。

ドライアイは眼精疲労だけでなく、頭痛や肩こりにつながるケースが少なくありません。

 

肌と目の健康を保つためにも、冬は室内の適切な湿度管理と保湿ケアが大切です。

無自覚に進む「隠れ脱水」と血液のドロドロ化

冬は「寒い」「汗をかかない」などの理由から、乾燥していることに気づかない人が少なくありません。

しかし、乾燥した空気は、体内の水分を奪っています。

気づかないまま水分が失われ、いわゆる「隠れ脱水」を引き起こすことがあります。

 

隠れ脱水が怖いのは、血液の水分量が減少して血液の濃度が上がることです。

血液がドロドロになると血流が悪くなり、頭痛や肩こり、冷え性の原因となります。

深刻な場合は脳梗塞や心筋梗塞といった命に関わる病気につながるケースもあるため、冬でもこまめな水分補給は必須です。

知っておくべき、生活に潜む「乾燥の危険」

わずかな火種が命取りに。火災延焼リスクの上昇

湿度が低い環境では、木材や紙、布といった可燃物の水分も失われてしまいます。

わずかな火でも燃え上がることがあり、予期せぬ火災が発生するかもしれません。

 

また空気が乾燥しているときに気を付けたいのが、延焼です。

空気中の水分が少ないと、炎の広がるスピードはより速くなります。

 

冬場は、気象庁が発表する「乾燥注意報」をチェックしましょう。

乾燥注意報が発令されるということは、危険なレベルまで空気が乾燥しているということ。

火の取り扱いには、いつも以上に注意してください。

不快感だけでなく火災や故障の原因にも! 静電気トラブル

空気が乾燥すると、静電気が発生しやすくなります。

静電気は物体間の電荷バランスが崩れて電位差が生じ、それが放電として現れる現象です。

弾かれたような痛みを感じるだけではなく、実際に火花が飛び散ることもあります。

 

静電気が危険なのは、放電によって火花が発生する可能性があることです。

火花が可燃性のガスや粉塵に引火すると、火事や爆発を引き起こすかもしれません。

加えて放出された数千ボルトの電圧はパソコンなどの精密機械を破損させることもあるため、「たかが静電気」とあなどることはできません。

住まいや家財への物理的なダメージ。建材の収縮とヒビ割れ

木製の家具やフローリングは、湿度に合わせて水分を吸ったり吐き出したりしています。

これを「調湿作用」と呼びますが、過度な乾燥は木材の収縮を招くので要注意。

フローリングや木製家具が変形したりヒビが入ったりする恐れがあります。

 

特に楽器は、湿度の変化に非常に敏感です。

乾燥によって音質が変わらないよう、適切な湿度管理が必要となります。

今日からできる! 乾燥トラブルを防ぐための対策

効率よく空気を潤すための「正しい加湿術」

加湿器は、空気の乾燥を防ぐ上で非常に有効な手段の1つです。

とはいえ、加湿器をただ置いておくだけでは十分な効果は得られません。

乾燥対策として加湿器を設置する場合は、以下のポイントに注意しましょう。

 

  • 部屋の中央寄りに置く:空気が循環し、部屋全体が潤う
  • 床から30~50cmほど高い位置に置く:湿気を含んだ空気は下に溜まりやすい
  • サーキュレーターやエアコンの風を併用する:加湿された空気が部屋全体に広がる

 

また、加湿器以外の乾燥対策としては、以下もおすすめです。

 

  • 洗濯物を室内干しする
  • 観葉植物を置く
  • 濡れタオルをハンガーにかける
  • 霧吹きを使う
  • 浴室のドアを開けておく
  • 水を入れたコップを置く など

 

ただし、湿度を上げすぎると、カビやダニが発生する恐れがあります。

湿度は40~60%を目安に、適度な範囲を保つようにしてください。

身体を乾燥から守る、内側と外側からのセルフケア

外からの加湿に加え、自分自身の「保水力」を高めましょう。

 

まずは「こまめな水分補給」を習慣にしてください。

喉が渇いたと感じる前に、少量の水を飲むようにすると粘膜のバリア機能を正常に保ちやすくなります。

外出時や就寝時はマスクを着用しておくと、自分の呼気に含まれる湿気で、喉と鼻を直接加湿できますよ。

 

また入浴後は、10分以内の保湿が鉄則です。

皮膚の水分が蒸発する前に、クリームやローションなどでうるおいの膜を作りましょう。

さらに目の乾燥が気になる場合は、目薬の使用や意識的なまばたきが有効です。

事故を防ぐための火災予防・静電気対策の徹底

火災を防ぐためには、まず火の元の管理を徹底することが基本です。

暖房器具の周りに燃えやすいものを置かないようにしましょう。

特に、ストーブの近くに洗濯物を干すことは厳禁です。

 

静電気対策としては「一度他のものに触れる」のが基本。

ドアノブを触る前に壁や地面に手を触れて、溜まった電気を放電しましょう。

またコンセント周りにホコリがあると静電気の火花による火災が懸念されるため、小まめに掃除することも大切です。

 

このほか静電気対策としては、以下の方法も効果があります。

 

  • 静電気除去グッズを携帯する
  • 綿や麻などの天然素材の服を選ぶ
  • 保湿クリームを塗る

 

ただし、どれだけ注意していても、火災のリスクがゼロになることはありません。

火災報知器や消火器の設置・点検も忘れずに行いましょう。

まとめ

冬の乾燥は、健康被害から火災リスクまでさまざまな危険をもたらします。
まずは小まめに室内環境をチェックし、40~60%の快適な湿度を保ちましょう。
その上で、「喉が渇く前に水を飲む」「日常的にマスクをする」「クリームやローションで肌を守る」などの対策をプラスしましょう。

家族みんなが健康で安全に乾燥する時期を過ごせるよう、ぜひ今日から乾燥対策に取り組んでみてくださいね!


文/カワサキカオリ

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