美容と健康のために質の高い睡眠は必要不可欠! といっても、「寝ても疲れが取れない」、「スッキリ起きられない」など、睡眠の悩みを抱える人は多いようです。そんな人は、寝る前10分のおこないを見直してみませんか? その間についついやってしまいがちな睡眠の質を下げるNG行為や、おすすめのナイトルーティーンをまとめました。
質の高い睡眠がキレイを作る!
睡眠には「メラトニン」というホルモンが深く関わっています。メラトニンとは、分かりやすくいうと“覚醒”と“睡眠”を切り替えて、自然な眠りへと誘う「睡眠ホルモン」。このメラトニンは、眠りを誘うだけでなく強い抗酸化力を持つため、疲れを取ったり老化を防止するなど、さまざまな効果が期待できます。
加えて、眠りに入ってから分泌量が増える「成長ホルモン」は、肌のターンオーバーを促進します。ターンオーバーが正常化すると、肌は健康な状態を保つことができます。
つまり、メラトニンと成長ホルモンをしっかりと働かせるために、質の高い睡眠が求められるというわけです。
ちなみに、以前は、この成長ホルモンの分泌が活発になる時間帯は22時〜午前2時とされ、この時間帯は肌のゴールデンタイムと呼ばれていました。そして「ゴールデンタイムには寝ていることが大切!」ともいわれてきました。
現在では、成長ホルモンの分泌は、時間帯に関係なく深い眠りに入ってから3〜4時間の間にピークになることがわかっています。そのため、“何時に寝るか”よりも“しっかりと深い眠りにつくこと”が大切です。
睡眠不足が続くとどうなる!?
もちろん、良質な睡眠がもたらすのは美肌効果だけではありません。
厚生労働省によると、睡眠は、脳・心血管、代謝、内分泌、免疫、認知機能、精神的な健康の増進・維持などとも密接に関係していて、睡眠の質が低かったり慢性的な睡眠不足が続くと、これらに関連したさまざまな疾患の発症リスクが増加するといいます。
ほかにも、睡眠不足は食欲抑制ホルモン「レプチン」の分泌を低下させ、食欲増進ホルモン「グレリン」の分泌を増やすためダイエットにおいても天敵!
美容だけでなく、健康のためにも睡眠の質にこだわることが不可欠なのです。
就寝前10分、やってはいけない6つのこと
「日中に太陽をたっぷり浴びる」、「適度な運動をする」など、睡眠のために気をつけたいことを挙げればきりがありません。1日の生活を見直すのはちょっとハードルが高いと感じる人は、諦める前にまずは就寝前の10分だけ見直してみて。睡眠の質を下げるNG行為をしているかもしれません!
寝る前のスマホやパソコン
スマホやパソコンのブルーライトを浴びると、メラトニンの分泌が抑制され、寝つきが悪くなってしまいます。
画面の設定や保護フィルムなどでブルーライトを抑えることもできますが、動画やSNSなどを見ること自体もよくありません。これは情報過多で脳が休まらず、「交感神経」が優位になってしまうためです。
交感神経は主に活動しているときに働く神経。本来夜は、リラックスしているときに働く「副交感神経」が優位になる時間帯です。寝室に入ったら、スマホやタブレットは手の届かないところに置いてしまうのが正解。
1日を振り返り反省する
寝る前に1日の反省点や嫌なことばかりを思い出していると、脳がストレスを感じ取って交感神経が活性化します。そうすると心も体も緊張状態になり、寝つきが悪くなってしまいます。
また、“暗記ものは寝る前に勉強して、起きてから復習すると覚えやすい”といった説を聞いたことはありませんか? これは都市伝説でもなんでもなく、科学的に立証されていること。記憶の定着率は睡眠を挟んだ方が高くなるという研究結果も出ています。
つまり、寝る前のマイナス思考も脳に記憶されやすいということです。続けているとなんだか自己肯定感が下がってしまいそう……。寝る前は「今日も楽しかった!」、「こんなことができて自分偉かった!」などポジティブなことを思い出して思考のループは断ち切りましょう。
カフェインを摂取
カフェインは、覚醒作用を促す働きがあるため、「寝つきが悪い」、「眠りが浅い」といった睡眠障害を起こしてしまうことがあります。
さらに利尿作用もあるため、せっかく眠りについても頻繁にトイレに起きてしまい、その結果よく眠れなかったということも。寝る前のカフェイン摂取は控えましょう。
ちなみに、カフェインは長く体に残るため、就寝する6〜8時間前から控えた方がよいといわれています。
カフェインといえばコーヒーですが、緑茶や紅茶、エナジードリンクやコーラなどにも含まれるので要注意。就寝前の水分補給には、白湯や常温の水、麦茶などがおすすめです。
照明が明るすぎる
明るすぎる照明は、メラトニンの分泌を抑制します。
たとえば布団を敷いたり寝る前にベッドで読書をするなど、部屋の電気をつけなければならないときは、間接照明やベッドサイドライトを使用しましょう。それらがない場合も、寝室の照明は暖色系の柔らかな明かりがベター。
また、寝室に限らずリビングなどほかの部屋の照明も、就寝の1〜2時間前から明るさを調整すると◎。間接照明のみにしたり、調光や調色ができる照明を取り入れるのもおすすめです。そうすることで交感神経から副交感神経にスムーズに切り替わり、メラトニンの分泌が促進されます。
ハードな筋トレ&ストレッチ
寝る前のストレッチは、心と体の緊張を解きほぐし、さらに血行も促進するため睡眠の質を上げるのに効果的です。
ただし、息が上がるほどの激しいストレッチや筋トレは厳禁。交感神経が優位になり、体が覚醒してしまうためです。そうなると、寝つきが悪くなったり睡眠の質も低下してしまいます。
寝る前のストレッチは、心地よいと感じる程度に留めておきましょう。
歯磨きをする
夜の歯磨きは虫歯や歯周病予防のためにも必須。しかしながら、睡眠専門医の白濱龍太郎医師は、“歯茎への刺激はメラトニンの分泌を抑制する”と提唱しています。そのため、歯磨きは就寝前の1時間前にするのがよいというのです。
歯磨きが済んだその足でベッドへ向かうという人は、寝つきが悪くなっている可能性が。時間に余裕があるときは、早めに歯磨きをしておくと安心ですね。
また、歯磨き粉にはメントール入りのものもありますが、刺激の強すぎるメントールは脳を覚醒させてしまう場合もあります。とはいえ、メンソールの清涼感を「癒し、リラックスできる」と捉える人もいるので、こればかりは好みによるといえそうですね。
参照:白濱龍太郎(2023年)「ぐっすり眠る習慣」アスコム
キレイを作るおすすめナイトルーティーン
上記のNG行為も踏まえた、夜ご飯後から寝るまでのおすすめのナイトルーティーンをご紹介します。睡眠の悩みを抱える人は、自分のできる範囲でトライしてみてください。
①食事は就寝の3~4時間前までに済ませる
食後すぐ、まだ胃腸が活発に動いている状態では、脳や体は休まりません。また、寝ている間は胃腸の働きが鈍くなるため、消化不良や逆流を起こしてしまう可能性も。そうなると睡眠の質は低下してしまいます。
②ぬるめのお湯にゆっくり浸かる
消化不良を起こさないように食後1時間は入浴を控えましょう。ぬるめのお湯にゆっくり浸かることで副交感神経が優位に働きます。心も体もリラックスできれば寝つきもスムーズに。
➂就寝1時間前に歯磨きをする
前述の通り、歯茎を刺激するとメラトニンの分泌が抑制されるため、寝る直前の歯磨きは控えましょう。また、歯磨きを早めに済ませることで、余計な間食を防げるというメリットも♪
④就寝1時間前に家の照明を暗くする
部屋の照明を徐々に暗くしていくと、スムーズにリラックスモードにシフトすることができます。
⑤寝室へ行って好きな香りを楽しむ
ディフューザーやルームスプレーなどリラックス効果の高い香りを楽しむことも、副交感神経を刺激するのに効果的。ルーティーン化することで「この香り=眠りの時間」と脳が認識する“入眠スイッチ”としての役割も持ちます。
⑥ストレッチをする
ゆっくりと深呼吸をしながら1日の緊張を解きほぐしましょう。頭や全身のマッサージでリラックスするのもおすすめ。
⑦楽しかったこと考えながら寝る
スマホは手の届かないところへ! 脳にストレスを与えるネガティブな思考は捨てて、楽しかったことや明日の予定をおさらいしながら眠りにつきましょう。
まとめ
文/渡邊倫子