「変な形の雲がある…」地震の前触れかも?地震雲とは実在するの?雲の仕組みや地震との関係を紹介

公開日:2022/07/27

「変な形の雲がある…」地震の前触れかも?地震雲とは実在するの?雲の仕組みや地震との関係を紹介

地震の多い日本では、さまざまな現象が「地震の前触れ」といわれます。

 

地震雲も、その一つ。

「奇妙な雲が浮かんでいたら、近いうちに地震が起きる」……などと、まことしやかにささやかれています。

 

地震雲は本当にあるのでしょうか?

この記事では、地震雲とは何なのかや地震と地震雲の関係について詳しく考察します。

 

「雲をじっくり見たことってないな」という方は、ぜひお子さんと一緒に空を見上げてみてくださいね!

そもそも雲ってどんなもの?

地震雲と地震の関係を理解する前に「そもそも雲とは何?」というところから始めましょう。

雲の成り立ちを知ると、地震雲についても理解しやすくなるかもしれません!

細かい水滴や氷の粒の集まり

アニメやマンガなどでは、雲に乗って移動する……といった描写が見られますよね。

しかし、実際のところ、雲は小さな水や氷の集まり。

乗っかるどころか、手でつかむこともできません。

 

やかんを湧かすと、シュンシュンと白い気体が上がりますよね。

雲はこれと同じもの。

あの白い気体がたくさん集まって、雲として大気中に浮かんでいるんです。

 

このように聞くと、「雲は小さな水や氷の集まりで、水は空気より重いのにどうして浮かんでいるの?」という疑問が湧いてくる人もいるかもしれません。

 

しかし、空には、「上昇気流」というものがあります。

気流が水滴を上空に押し上げているため、水の粒が雲として空中に浮いていられるというわけです!

 

そして、水の粒がより大きく・重くなると、上昇気流でも支えきれなくなります。

すると、雲を形作っている水は、「雨」となって地上に落ちてくるのです。

 

参考:はれるんライブラリー|気象庁

雲ができる仕組み

海面・地面の水が温められると、水蒸気が発生。上昇気流によって、空気中のちりとともに上空へと移動します。

 

ところが上空は地上よりもはるかに温度が低く、水蒸気は再び水や氷に戻り、水の粒・氷の粒になります。

 

これらの粒がちりに集まって固まるととても小さな水とちりの粒(雲粒)ができ、雲になるというわけです。

地震の前触れ!?地震雲ってどんな雲?

ここまで、雲がどうやってできるのかをお伝えしてきました。

ここからは、地震の前に見ることができるともいわれる「地震雲」についてお伝えします。

 

古来日本を含む東アジアの国々では、雲の形状・動き・太陽や月との関わり方を見て天気の予測が行われてきました。

 

「雲を見て地震を予測する」という考えが生まれたのも自然なことなのかもしれません。

 

地震雲のいわれや、種類について見ていきましょう。

地震の前触れといわれる雲

地震雲とは、地震が発生する前に現れるといわれる雲です。

形状や種類はその時々で異なりますが、どれもこれまで見たこともないような色・形をしているといわれます。

 

地震雲が発生するタイミングはまちまちで、毎回同じではありません。

地震の1日前に見られることもあれば、10日前に見られることもあります。

 

特に有名なのは、「阪神淡路大震災(1995年1月17日)」の前に出現したといわれる地震雲です。

 

地震が発生する約1週間前、震源に近い明石海峡大橋の真上には、見たこともないような竜巻状の雲が発生したのだとか。

 

不気味な雲の写真が拡散され、「地震雲だったのでは」と広く知られるようになりました。

地震雲の種類はさまざま!

「地震雲」と呼ばれるものはさまざまあります。

最も出現する頻度が多いといわれるのは「太い帯状の雲」です。

 

このほか、以下のような種類があります。

  • 放射線状に広がる「放射線雲」

  • 竜巻型の「竜巻雲」

  • 空と雲の境界が鮮明に分かれている「断層雲」

  • 波のような「波紋雲」

  • 弓に似た「弓形雲」

など。

 

また、大地震の前は、空の色に変化があるともいわれています。

赤味の強い朝焼けや夕焼け。

真っ赤な月を地震の予兆とする説もあるそうです。

地震雲が発生するメカニズムは?

地震雲が発生するメカニズムについては、「目に見えない電磁波や放射性物質・微粒子が、雲の形状に影響を与えているのでは」などという説がよく聞かれます。

 

地殻変動で地震が起きると、強い電磁波が放たれるのだとか。

また、実際に震源の近くで地下からのラドン(気体の放射性元素)の放出が観測された例もあります。(注1)

 

とはいえこれらの仮説は、科学的に証明されたわけではありません。

 

地震雲が発生するメカニズムは、「よく分からない」のが現状です。

 

 

(注1)地震雲についての雑感|日本地質学会

地震雲に対する専門家の意見は?

地震研究では世界トップクラスといわれる日本。

地震の予知についてもさまざまな研究が行われています。

 

専門家たちは、地震雲についてどのようなスタンスを取っているのでしょうか?

 

専門家の見解をチェックしてみましょう。

地震と地震雲の関わりには否定的

気象庁は地震雲について、以下のような見解を発表しています。

 

“雲は大気の現象であり、地震は大地の現象で、両者は全く別の現象です。(注2)”

 

地震の前に「地震雲を見た」という人は数多く存在します。

しかし、その雲が地震と関連があるのかは疑問です。

 

気象庁によると、日本では震度1以上の地震が年間約2,000回もあるのだとか。

震度4以上の地震も10年間で平均すると年間約50回あり、「ほぼ毎日どこかで地震が起きている」という状態です。(注3)

 

これだけ地震が起きていれば、どんな雲でも地震と関係付けられますよね。

 

たまたま珍しい形状の雲が出たからといって、すぐさま地震と結び付けるのは、早計といえるでしょう。

 

(注2・3)気象庁|地震予知について

地震雲のほとんどは、気象学で説明がつく

見たこともないような雲が浮かんでいると、「地震雲かも」「不吉」などと考えてしまいます。

 

しかし、雲の発生は大気の影響によるもの。

タイミングや大気の状態によっては、不思議な形状の雲が発生することも十分にあり得るのです。

 

気象学の専門家によると、地震雲といわれる雲の多くは飛行機雲であるケースが多いのだとか。

波状型の雲もごく一般的なもので、大騒ぎするものではありません。

 

空に浮かぶ雲を見てどう思うかは、見た人の判断に委ねられます。

私たちが不安を覚える雲も、プロの目で見れば何の変哲もないただの雲です。

地震雲以外に「地震の予兆」といわれる現象

少し変わったことがあると、「地震の前触れかも」などといわれますよね。

 

ここからは、地震雲以外の地震の予兆について紹介します。

深海魚が上がってくる

普段は深い海の底にいて、お目にかかることのない深海魚。

いきなり「網に掛かった」などと聞くと、何かよくないことが起こりそうな気がしてしまいます。

 

しかし、深海魚と地震の関係については、「東海大学海洋研究所、静岡県立大学の研究グループ」が「迷信」と断定しています。

 

研究グループは、深海魚の漂着・捕獲事例と捕獲場所から1,000km以内でマグニチュード6以上の地震が発生する回数を調査しました。

その結果、約83年間・336例のうち、深海魚が上がった後に地震が発生したのは1回だけだったそう!

 

深海魚が見つかったからといって、慌てる必要はありません。

 

参考:「深海魚の出現は地震の前兆」を迷信と断定~1928 年から 2011 年までの深海魚の漂着・捕獲等の事例をもとに検証~|東海大学海洋研究所、静岡県立大学の研究グループ

地鳴りがする

大地震が発生する前には、大きな地鳴りがするといわれます。

1854年の伊賀地震では数日前から地鳴りが聞こえたという話もあり、地鳴りを地震の予兆と考える人も少なくありません。

 

しかし、地鳴りも、科学的な根拠が乏しいとされます。

地震と地鳴りの関連性が科学的に証明されていない現在、地鳴りも「迷信」としてよさそうです。

 

ただし、地震が発生する直前には、実際に地鳴りが発生することも多々あります。

 

地震の波にはP波とS波があり、地鳴りを引き起こすのは先に到達するP波です。

地鳴りのあと、数秒から数十秒のタイムラグで、大きな揺れが発生する可能性が高いです。(注5)

 

実は筆者も、最大震度6弱の震源地近くにいたことがあります。

このとき、揺れが発生する直前に地下鉄構内にいるかのようなゴーッという轟音を聞きました。

 

今思うと、あれが地鳴りというものだったのかもしれません。

 

(注5)徳島県の地震|徳島地方気象台

まとめ

地震雲は、地震の前触れといわれるもの。
帯状・放射線状などとさまざまな形状があるので、珍しい形の雲を見つけたら子どもと一緒にじっくりと観察してみましょう。

「地震雲」とは言いつつも、実際のところ地震との関連性は認められていません。

もちろん100%無関係とは断言できませんが、SNSなどで変わった雲がアップされていても、心配する必要はないのかもしれませんね。

日本の技術力をもってしても、地震の予測は現在のところ難しいといわれます。
雲の形に一喜一憂する必要はなく、純粋に「変わった雲だなあ」と楽しんでみてくださいね!


文/カワサキカオリ

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